高森藍子が一人前の水先案内人を目指すシリーズ【ARIA×モバマス】
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13: ◆jsQIWWnULI
2020/08/08(土) 18:54:38.08 ID:b+VIQ/E60
浜口あやめ「ARIAカンパニーの新人を」桃井あずき「監視大作戦!」


前略

いかがお過ごしですか?火星はまだ八月で春真っ盛りです。

そして、そんなハルの暖かな陽気が素敵な出来事を運んでくれました。


「うんしょ……っと……」

自分の身体を支える筋肉に目を覚ましてもらうために軽くストレッチをする。鳴れない筋肉も使うので、ときおり痛すぎて小さく悲鳴を上げる。それに耐えながら、穏やかな波に揺れるゴンドラに合わせて身体に弾みをつける。

「……5、6、7、8!」

ゴンドラに乗り始めてから数日が経って、ようやくまっすぐ進めるようになった。バックもできるようになった。と言っても、まだまだのろのろなスピードではあるのだけれど。でも、アイさんも「上手になってるね」と言ってくれるので、へこたれない。

「よし!さあ、アリア社長、今日も練習ですよ!」

「ぶいにゅ」

ストレッチを終え、オールを手にしながら私はアリア社長にそう声をかける。アリア社長は私の言葉に返事をすると、練習用のゴンドラに乗りこんだ。私はアリア社長が乗り込んだことを確認すると、バリーナの紐をほどいて少し蹴る。ゴンドラの頭の向く方へ進む。そのままオールをゆっくりと水につける。一日として同じ水の感触はない。ネオ・ヴェネツィアの海は、いつだって私に新しい発見をくれる。

「何だか今日の水は少しだけもたっとしてますね、アリア社長」

「にゅ?」

「抵抗感はあんまりないんですけど、少しだけ重たい感じがするんです」

私がそう言うと、アリア社長がゴンドラの縁から身を乗り出して水を触ろうとする。

「わわっ!?落っこちないようにしてくださいね、アリア社長」

「ぶいにゅ!」

アリア社長は「もちろん!」といったように開いている手の方をこちらに振ってきた。そしてもう片方の手で海面を撫でている。私はもともとそんなに早く無いゴンドラのスピードをさらに緩め、アリア社長が落ちないようにする。今はそんなに朝の早い時間というわけではないが、この街特有のゆったりした時間が海に流れている。こんな時間の流れは、マンホームでは味わったことがなかったが、こっちの方が性に合っている気がした。


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