高森藍子が一人前の水先案内人を目指すシリーズ【ARIA×モバマス】
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14: ◆jsQIWWnULI
2020/08/08(土) 18:56:23.95 ID:b+VIQ/E60
今日の風は今日の水とは違って、さらりとしていた。そよ風が髪を撫でる感覚が楽しくて、自然と笑顔になる。

「気持ちいですね、アリア社長」

「ちゃい!」

いつの間にか海面を触る遊びを止めていたアリア社長が、先ほどまで水を触っていた方の手を振りながらそう答えた。



藍子が気持ちよくゴンドラを漕いでいる中、そんな藍子を眺める瞳が四つ。

「むむむむむ……」

「あれが件の新人さんですね、あずき殿」

「そうだと思うよ。先輩たちが言ってた、あのなんとも言えない雰囲気?が、まんまARIAカンパニーって感じだし。というか、そもそもARIAカンパニーの制服着てるしね」

「確かに」

二人は会話をしながらも、目線の先に藍子を入れたままである。二人はウンディーネの制服に身を包んでいる。一人は赤いラインの入った制服で、もう片方は黄色いラインが入った制服。

「むむむむむ……」

「う〜む……」

「むむむむむ……」

「……それで、どうするのです?」

「え?どうするって?」

「彼女、どんどん進んでいってしまいますよ?このままだと監視大作戦が失敗してしまうのでは?」

「……確かに〜!早く言ってよあやめちゃん!」

「いえ、まだ焦らなくとも大丈夫です、あずき殿。彼女のゴンドラはまだ日が浅いせいかゆっくりです。私たちでも十分追いつけます!」

「じゃあ、今すぐ私たちもゴンドラに乗りこもう!」

「はい!」

「さあ、あやめちゃん!漕いで漕いで〜!」

「わ、わたくしが漕ぐのですか!?」

「そうだよ〜!名付けて忍法・めちゃめちゃ静かに素早い操舵の術大作戦!」

「そんなむちゃな!?」

彼女たちはわちゃわちゃしながらも、軽い身のこなしでゴンドラに乗る。オールを手に取ったのは、オレンジのラインが入った制服を着た方。

「では、行きますよ!ニンッ!」

先ほどまでは慌てていたそぶりを見せた彼女だが、オールを持つと、しっかりとした姿でゴンドラを漕ぎ始めた。

「ゴーゴー!」

「ちょ、あずき殿。あんまり大きな声を出すとバレてしまいます!」

「まだ距離はあるから大丈夫だよ。それより、あやめちゃんめちゃめちゃ静かに漕いでるね。その割にスピードも出てるし」

「先ほどあずき殿が出した作戦通りにやってるだけですよ。とても大変ですけど。でも、このくらい、忍者水先案内人のわたくしにかかれば……わっとと……」

「はわ!大丈夫?あやめちゃん」

「ええ、何とか」

「さっきの作戦は忘れていいから。今度は慎重にでも追いつけるように大作戦にしよう」

「了解です!」

こうして、藍子の後ろに二人の影が重なった。


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