高森藍子が一人前の水先案内人を目指すシリーズ【ARIA×モバマス】
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15: ◆jsQIWWnULI
2020/08/08(土) 18:57:57.91 ID:b+VIQ/E60
「……ん?」

私がゴンドラを漕いでいると、後ろから女の子の声が聞こえてきた。後ろの方を振りむこうとしたのだが、バランスを崩すのが怖くてできなかった。どんどんその音源が近づいてくる。そして、もう一隻のゴンドラが私のゴンドラのすぐ隣にやって来た。

「よ〜よ〜彼女〜お茶でもしない?」

「へ?」

いきなり話しかけてきた彼女はゴンドラの客席部分に座っていて、私と同じ水先案内人の制服を着ていた女の子だった。赤いラインが入っていて、たまに見かけるものだった。そして、船を漕いでいる女の子は、これまた水先案内人の制服を着ているが黄色いラインが入っている。

「あ、あずき殿!?その声のかけ方は悪手では?」

「で、でも、どんなふうに声かけたらいいかわかんなかったし、女の子に声をかける行為って、マンガだとナンパしかなかったから……」

「ナンパはダメですよ!」

「????」

いきなり多くの情報量が私の頭の中に入ってきてフリーズしそうになる。だけど、私の腕はしっかりとオールを漕ぐ。

しばらくの間、私の船と隣の船の間には、水を押す音だけが響いた。

「……と、とりあえず、お茶しませんかって言うのは本気なんですよね?あずき殿?」

無言の空気に耐えられなかったのか、ゴンドラを漕いでいる方の髪の毛の長い女の子が口を開いた。

「そ、そうだね。それはその通りだよ!お茶しませんか大作戦だよ!」

「ということで、お茶しませんか?高森藍子さん?」

「あれ、私の名前……」

「ささっ!あずき殿、この辺りにいいお店を知っているんでしたよね!?」

「そ、そうだね!じゃあそこに行こうか、藍子ちゃん!」

「ええ……???」

いつの間にか私は見ず知らずの水先案内人に連れられて、カフェに行くことになりました。


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