高森藍子が一人前の水先案内人を目指すシリーズ【ARIA×モバマス】
1- 20
16: ◆jsQIWWnULI
2020/08/08(土) 19:00:05.77 ID:b+VIQ/E60
「なるほど、そういうことだったんですね……」

連れられたカフェでカフェラテをすする。昼間は寒いということを感じない季節ではあるが、温かいカフェラテはそれだけで幸せをおすそわけしててくれる感じがする。

「ごめんなさい!私たち、どうしたらいいかわからなくって……」

二人が勢い良く頭を下げる。私はそれに驚きながら、彼女たちに話しかける。

「いいえ、謝らないで大丈夫ですよ。むしろうれしいんです」

「嬉しい?」

私の言葉に二人が反応して、こちらを見てくる。

「はい。火星に来て、アイさん以外の人とお話したのがこれで初めてだったから」

「そうなのですか……そう言っていただいてこちらとしてもありがたいです」

「だから、むしろ話しかけてきてくれてありがとうって、そう思ってます」

そして一息つくためにまたカフェラテを飲む。ここのカフェはサン・ザッカリーア・ピエタを少し過ぎたところにあって、まだ細かな水路にチャレンジすることができない私でも比較的簡単にたどり着くことができる場所にある運河沿いの店だ。この前アイさんに連れて行ってもらったお店もとても素敵なところだったけれど、このカフェはどちらかというとテイクアウトを主としているところらしい。しかし、外にいくつかテーブルと椅子が置いてあるのは、やはりネオ・ヴェネツィア特有かもしれない。

「それで、ええっと……お二人を何とお呼びすれば良いんでしょうか……」

私がそう話を始めると、赤いラインの制服の方の女の子が、思い出したように声を上げた。

「あっ〜!そうだよ!あずきたち、まだ自己紹介してない!」

「そういえば、そうでした。うっかり失念していました」

「ということで……」

二人はいきなり立ち上がると、自己紹介をし始めた。

「わたくしは、あやめ・N・浜口って言います。オレンジぷらねっとに所属していて、忍者水先案内人を目指しています!気軽にあやめと呼んでください!ニンッ!」

「に、にん……?」

「私は桃井あずき。姫屋支店に所属してる水先案内人です!セクシーな水先案内人を目指してます!あずきって呼んでね!」

「せ、せくしー……?」

一通り紹介が終わったのか、あやめちゃんとあずきちゃんは椅子に座った。

「あ、じゃあ次は私が……」

私がそう言って立ち上がろうとした瞬間、二人が一口をそろえて言った。

「高森藍子ちゃん、だよね!」「高森藍子殿、ですよね!」

「う、うん……」

二人の勢いに押されて、持ち上げた腰が再び座版に落ちる。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
104Res/136.99 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice