高森藍子が一人前の水先案内人を目指すシリーズ【ARIA×モバマス】
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24: ◆jsQIWWnULI
2020/08/08(土) 19:15:28.59 ID:b+VIQ/E60
「ほら、ここが姫屋の支店だよ!」

あずきちゃんが指さす先には、大きくて立派な建物がそびえ立っていた。

「普段はここの寮で生活してるの。さ、入ろう!」

「あ、うん」

私はあずきちゃんに連れられて、建物の中に入る。

「おじゃましま〜す……」

中に入ると、赤を基調としたシックな内装が施された空間が広がっていた。

「藍子ちゃん、こっちこっち」

あずきちゃんは手招きをする。そんなあずきちゃんのすぐ後ろに、一人の女性が立った。

「こりゃっ!小娘!」

「ひぃ!?」

いきなりの出来事に、あずきちゃんは肩を勢いよくすくめながら振り向く。

「制服を勝手に改造しないって、何度言ったらわかるのかねこの子は」

「し、支店長……」

あずきちゃんは支店長さんに頭を軽くチョップされながらそうつぶやく。

「ち、違うもん!これはただの改造じゃなくて、アクア・アルタ用の奴だもん!」

「だったら余計にダメでしょうが。アクア・アルタの時は危ないからであるくなっていってあったでしょ」

「私、地元民だから危なくないもん」

「アンタは変にどんくさい部分があるんだから、危なくないわけないでしょ」

「……むぅ〜」

「むくれてもダメなものはダメ!」

「……むぅ〜」

「……まったく」

その女性はあきらめたようにため息をつきながらそういうと、再び口を開いた。

「部屋に戻るまでにそのスタイルを直しておくこと。それと……」

そしてその女性は私に一つ視線をよこした後、言った。

「亜子に今日お泊りする子がいますって報告しておくこと。良い?」

「……はぁ〜い……」

「返事はしっかりするっ!」

「……はい」

「よろしい。じゃあ、ちゃんとやるのよ」

支店長さんはそう言うと、今度は私の方に近づいてきた。何だろうと思って少し緊張していると、小さな声で話しかけてきた。

「うちのあずきと、仲良くしてあげてね」

「あ、は、はい」

支店長さんは私の返事を聞くと微笑み、そのままどこかへ行ってしまった。外から急に振り出した雨の音が聞こえてきた。


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