高森藍子が一人前の水先案内人を目指すシリーズ【ARIA×モバマス】
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◆jsQIWWnULI
2020/12/12(土) 20:14:40.43 ID:frt3HOpI0
「もうそろそろ、この前三人で買った夜光鈴の夜光石が落ちてしまう時期になりつつあるんですよ。確か夜光鈴市が開催されたのがあの日だから……うん。今日、明日あたり、夜光石を還しに行かなくてはなりませんね」
「夜光石を……還す?」
「はい。夜光鈴の夜光石は発光するたびに小さくなっていく話はこの前したと思います」
「うん。覚えてるよ。その儚さが愛おしさにつながるんだなって思ったから」
「そうなんです。夜光石は最後には消えてしまう。夜光鈴から落ちてしまうのです。だから、このネオ・ヴェネツィアでは、そんな夜光鈴との最後の別れを惜しんで、水辺に繰り出す風習があるんです」
「へぇ〜」
「アクアの海底でしか、夜光石は採れません。だから、最後の輝きを見ながら海に還すんです」
「なるほど〜。私は良い行事だと思うなぁ」
「……良くないよ」
私があやめちゃんの解説に感心していると、あずきちゃんはそう呟いた。
「そういえば、あずき殿は今まで一度も夜光石を還しに行ったことがないんですっけ」
「……うん。私があんまり泣くもんだから、親が還しに行ってたんだ」
「そうだったのですか……でも、今年はあずき殿が返さないといけませんね」
あやめちゃんの言葉を受けたあずきちゃんのその顔は、大切なお人形をなくしてしまった小さな女の子のようだった。
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