過去ログ - 妹「こんなに」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/24(日) 20:58:34.60 ID:mvOgZccS0
姉「ただいま」

がちゃんと大きな音をたてて、姉が帰ってくる。
私はその音を聞こえない振りをして、リビングのソファーに身体を横たえ漫画の続きをめくった。
廊下を歩く姉の足音は、リビングの前を通り過ぎようとした。けれど、控えめにリビングの扉が開かれて、私は「ただいま」とお姉ちゃんが再度そう言うのを聞いた。

妹「……」

姉「……お母さんは?」

それでも答えない私に、姉は別の言葉を投げてよこした。
今度は完全に、私に向けた質問だった。
ちらり、とソファー越しに姉の顔を見てやった。姉は困ったような顔をして視線をうろうろ泳がせていて、私が見ているのに気が付くと、その視線は今度ははっきり私を捉えた。
私はそれを振り払うかのようにわざとらしく目を逸らすと、「知らない」とただそれだけを答えた。

姉「……そっか」

「おかえり」とも言わず、ぶっきらぼうに答えた私の返答、それなのに姉の表情は途端柔らかくなる。
それがまた、気に障る。
どうして、と思う。

姉「じゃあ、ご飯は私が作るから待っててね」

私は、答えない。けれど姉はもう私の返答がないのがわかって、というよりも、それに関しては絶対に異論を言わせないというようにすぐリビングの扉を閉めたのだった。
姉の足が、自身の部屋へ軽やかに向かうのを聞きながら、私は読んでいた漫画をパタンと閉じ投げ出すと、目をつむった。
詰めていた息が、一気に外へ吐き出された。

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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 21:10:56.32 ID:mvOgZccS0
姉は、昔から私に対して甘かった。
甘いというよりも、過保護というほうが正しいのかもしれない。

なにがあっても私の味方で、私が中心にまわっているみたいで、いつまでたっても妹離れせずにここまできた。
学校だって自分が行きたいから選んだわけじゃないと、私はよく知っていた。
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 21:25:17.49 ID:mvOgZccS0


昔から、こうだったわけじゃない。
姉の過保護な面が表立って見えてくるようになってから、少しずつ、私の姉に対する態度が変わっていった。

以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 21:36:12.45 ID:mvOgZccS0
高校生になってから、私はできるだけ姉とは顔を合わせないようにした。
ちょうど姉も大学生になったばかりで、忙しくなってきたところだったのだ。

最初は姉を無視することは気が引けて、お互い忙しいことで顔を合わせないでいられるのが気楽だった。
けれど新しい生活が落ち着き始めると、姉はいつもどおりに私に接しようとした。
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 21:48:31.95 ID:mvOgZccS0
姉「あ、ちょっとこの大根、大きすぎちゃったな」

白いご飯に、今日はぶりと一緒に煮込まれた大根。それから姉お得意のきんぴらごぼうに味噌汁。
どれも美味しいはずなのに、どこか味気ない。
さっさと食べてしまわなくてはならないのに、いつもいつもすぐには全て喉を通っていかなくて、結局姉の独り言のような声を聞いていることになる。
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 21:49:15.92 ID:mvOgZccS0
今日は以上
こんな感じで続いていきます

それではまた


7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/03/24(日) 21:50:56.35 ID:ZO6uzNf6o



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/03/24(日) 21:52:17.89 ID:HOPOlbIAO


期待してます


9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/27(水) 21:26:28.08 ID:6exIizRr0


突然、家を知らない男が出入りするようになった。
それは本当に突然のことで、私ははじめ、いなくなったはずの父親が帰ってきたのかとすら思った。(父の顔もその素性さえも知りはしないけれど)

以下略



10:今日は以上[saga]
2013/03/27(水) 21:26:58.40 ID:6exIizRr0
今日は一体、いつ帰るのだろうか、あの男は。

私は制服のままベッドに横たわって、思う。
突然現れて、この家に当然のように馴染んでいる男。私は彼が気に食わなかった。

以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/05(日) 19:23:03.90 ID:IDAmw0Iao
もう書かんのか?


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