過去ログ - エイラ「私と付き合ってくれないか」
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1:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:14:25.63 ID:oKQyQEO70
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今回も地の文が入っています。
苦手な方はブラウザバック推奨です。
前スレ エイラ「なぁ、チョコミントは好きか?」
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の続きです。
◇
「サーニャちゃん、あのさ……今日、この後時間あるか? 前に話していた、プラネタリウム。一緒に見に行かないか?」
終業式の帰り。
私達はここ2ヶ月、日課になっている音楽室での待ち合わせをしていた。
3回目の、デートの誘い。
いいや、彼女にとってはただのお出かけだ。
しかし過去2度のお出かけの誘いだけはどれも成功している。
私は少しずつ慣れてきたような気がして、かっこよくなっている、なんて。
そんなことを考えて、自惚れていた。
今日はキメる予定だ。
明日からは夏休みに入る。
1ヶ月と少しの間、勉強から離れられる。
しかし、それは同時に彼女に会えないということも意味している。
だから私は考えた。そして出した答えは……恋人になって、夏休みを満喫するというものだった。
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2:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:15:39.08 ID:oKQyQEO70
「ほら、まだ行けてないだろ? この間はさ、その……あはは……」
3:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:16:16.32 ID:oKQyQEO70
それから私達は昼過ぎに最寄の駅に着くと、電車に揺られて1時間と少し。
都会までやってきた。
4:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:16:45.92 ID:oKQyQEO70
「ありがとう、ございます……」
5:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:17:11.58 ID:oKQyQEO70
私は慣れない街でできる限りエスコートする。
今年竣工し5月に開業した、街の、いや国のシンボルになった電波塔の下にある複合ショッピングモールに入る。
6:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:17:45.28 ID:oKQyQEO70
それから私達はまた手を繋いで、ウィンドウショッピングをしてプラネタリウムを観に行った。
モールから繋がるトンネルを抜ける。青と白の幻想的な光と空間の演出。
7:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:20:21.07 ID:oKQyQEO70
劇場を出ると、スタッフに呼び止められる。
どうやら自分の誕生月の星座のポストカードが貰えるようだった。
8:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:23:37.49 ID:oKQyQEO70
午後18時。
電波塔の外を出ると、曇り空だった。
9:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:26:41.01 ID:oKQyQEO70
それから私達は落ちる陽を頼りに、彼女の家の近くの山に入る。
山といっても、頂上までは舗装された道があり、ソコには開けた公園がある。
10:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:28:47.60 ID:oKQyQEO70
「……サーニャちゃん。あの、さ……大事な話があるんだ」
11:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:31:46.44 ID:oKQyQEO70
「私は……一目見た時から、キミのこと……サーニャちゃんのことが好きだった」
12:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:33:47.39 ID:oKQyQEO70
無言。
お互い、またしても無言。
13:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:35:19.46 ID:oKQyQEO70
「貴女を音楽室の外で見つけた時。
最初はただの嫌がらせだと思っていました。
14:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:37:29.00 ID:oKQyQEO70
そして私は気になった。
どうして私のピアノを聴きに来てくれるのか。
15:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:38:55.07 ID:oKQyQEO70
でも。
そんな楽しい思いをすると、私は怖くなった。
16:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:42:01.73 ID:oKQyQEO70
このまま一緒にいて楽しく過ごしていても、いつかは別れが来る。
それはとても寂しいんです。
17:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:43:04.49 ID:oKQyQEO70
彼女の抱いていた現実は、私の理想とは、もう既にかけ離れていた。
私は彼女の言葉に、何の反論も出来ず、ただ苦し紛れに話しかけることしかできなかった。
18:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:46:52.22 ID:oKQyQEO70
「……そうです。その通りです。
19:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:48:46.38 ID:oKQyQEO70
彼女はそこまで一気に捲くし立てると、一礼してから走り去っていった。
私は、声をかけることができなかった。
20:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:51:13.53 ID:oKQyQEO70
◆
21:もーん ◆/Pbzx9FKd2
2013/07/29(月) 22:52:00.09 ID:oKQyQEO70
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