過去ログ - 美穂「おっ、緊張してんの?」拓海「!?」
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◆XUWJiU1Fxs
[sage]
2017/05/28(日) 10:51:40.97 ID:/QxO5QDHo
昨日の石川ライブでの舞台裏の一幕を元にしているモバマスSS
SSWiki :
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2
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◆XUWJiU1Fxs
2017/05/28(日) 10:53:56.92 ID:/QxO5QDHo
天上天下、喧嘩上等、特攻隊長向井拓海と言うと知る人ぞ知る存在だ。誰よりも強く、誰よりも凶暴な女と恐れられて。
イバラのように触れるもの皆傷つけたバラガキは類まれないカリスマ性で神奈川だけでなく関東中の出来損ない達の憧れとなっていた。
攻撃的な彼女ではあるが、付いてきてくれるのは嫌な気持ちはしていなかったしむしろ面倒見のいい姉御として慕われていた。
そんな彼女がある日突然特攻隊長の肩書きを捨ててアイドルになる、というニュースが流れたらどうなることか。当然戸惑いが伝播してちょっとしたパニックになったのは想像に難くない。
以下略
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◆XUWJiU1Fxs
2017/05/28(日) 10:55:54.69 ID:/QxO5QDHo
「あークソ! プロデューサーのやつこんな仕事持ってきて……絶対わざとだろ!! なんだよ『生き物さんたち大集合だがやがや〜ワニ君も仲間に入れてあげてね?』って!! 他に適任いるだろ!」
事務所に入るなり悪態をつきながらソファに座る。アイドルになって幾分かの月日が経って。なんだかんだ言いながらも拓海のやるからには徹底してやる性分故にアイドルという仕事も中々様になってきていた。
プロデューサーが持ってくる仕事に対して悪態をつく事はしょっちゅうあるが、最終的には引き受けて全力を出し、自分と似た魂を持つアイドル達と組んだユニットはオリコン上位に食い込みちょっとしたブームを引き起こした。
世間からは未だに色眼鏡で見られることも少なくないが、自らの出自を気にしない気のしれた仲間たちと過ごす日常は拓海にとって他に変えがたいものとなっていたのだ。
以下略
4
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◆XUWJiU1Fxs
2017/05/28(日) 10:56:53.48 ID:/QxO5QDHo
「あっ、悪りィ! 別に威圧するつもりはサラサラなかったんだ!」
相手が美穂だとわかり拓海は慌ててフォローを入れるが、美穂の方は少し後退りをしてしまう始末。やっちまったな、と心の中で舌打ちをする。
美穂は拓海が所属する前から事務所にいたアイドルだ。個性的な過去や性格を持つアイドルが多数所属しているこの事務所に置いて、
以下略
5
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◆XUWJiU1Fxs
2017/05/28(日) 10:59:06.58 ID:/QxO5QDHo
「なんで、しょうか?」
「いや、別にとって食おうってわけじゃねェんだけど……それ、なんの台本なんだ?」
美穂が持っている台本を指差す。さっきはすぐに投げたために気にも留めていなかったが、ふと見えたドリーム・ステアウェイという文字が気になったのだ。
以下略
6
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◆XUWJiU1Fxs
2017/05/28(日) 11:00:56.11 ID:/QxO5QDHo
「私、このオーディションは合格したい、って思っているんです。でも、まだまだアイドルとして未熟なんですけどね」
「アタシよりアイドル長くやっているのにか?」
美穂が未熟者なら自分はそもそも生まれてすらないな、と自嘲気味に笑う。
以下略
7
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◆XUWJiU1Fxs
2017/05/28(日) 11:03:24.76 ID:/QxO5QDHo
美穂の主演映画が決まったあたりで、拓海にも大きな転機が訪れようとしていた。
「全国ツアーだァ!?」
多くのアイドルたちが羽ばたきテレビに舞台に活躍する今が最高のタイミングだ、と言わんばかりに組まれた全国ツアーのスケジュール。
以下略
8
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◆XUWJiU1Fxs
2017/05/28(日) 11:05:41.11 ID:/QxO5QDHo
「チッ、やってらんねェぜ」
気分転換に愛車を弄っても走らせてみても気は晴れない。ゲームセンターのパンチングマシーンに思いの丈を全部ぶつけてみても数字ほどスッキリしない。
そんな日々が続きツアーへのカウントダウンは着実に刻まれていく。
以下略
9
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◆XUWJiU1Fxs
2017/05/28(日) 11:07:13.16 ID:/QxO5QDHo
そして迎えたツアー当日。朝の物販から長蛇の列ができており、懸念されていた天候も拓海の祈りが通じたのか晴れ渡って雲一つない。絶好のパレード日和だ。
「この青空の中をバイクで走ろうものならさぞかし気持ちいいんだろうな」
さわやかな空模様とは反して拓海はあいも変わらず緊張が解れずにいた。この大勢のファンのうち、何人が自分の事を受け入れてくれるのだろうか。
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10
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◆XUWJiU1Fxs
2017/05/28(日) 11:07:55.23 ID:/QxO5QDHo
「み、美穂?」
普段の彼女からは間違いなく発せられないであろうフランクな言葉に面食らう拓海。言った本人である美穂も流石に今のはなかったと思ったのか慌てて弁明する。
「あっ、えっと! 今のはタメ口、っていうのじゃなくて。拓海さん的にはこう声をかけたほうがいいかなーって思って、い、一応! 私先輩だから」
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11
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◆XUWJiU1Fxs
2017/05/28(日) 11:11:30.92 ID:/QxO5QDHo
「拓海さんは弱くなったんじゃなくて、優しくなったんだと思うんです。あっ、その! 元々優しくなかったとかそういうわけじゃないんですけど! 自分が受け入れられるか心配だって、見てくれている人のことを気遣っているから言えることだと思いますし強さ故の優しさ、というか……あわわ、何を言っているんでしょうね、私!」
「おいおい! 落ち着けって! 励まそうとする側が却ってパニック起こしてどうすんだよ!」
励ます側と励まされる側。すっかり立場が逆転してしまっていた。
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12
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◆XUWJiU1Fxs
2017/05/28(日) 11:12:07.21 ID:/QxO5QDHo
「優しくなった、か。そう言われるのは……まぁ嫌じゃねえな」
「そう言ってもらえると、何よりです。えへへ……」
「うっし! ウジウジすんのはやめだ! アタシは天上天下喧嘩上等の特攻隊長向井拓海だ! 変な心配なんかする暇あるなら突っ走るまで! そうだろ?」
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◆XUWJiU1Fxs
2017/05/28(日) 11:14:08.83 ID:/QxO5QDHo
以上です。読んでくださった方ありがとうございました。
14
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名無しNIPPER
[sage]
2017/05/28(日) 11:31:53.16 ID:KppWYtw/o
乙
藍子に腰周りを自慢する美穂も書くんだよ
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名無しNIPPER
[sage]
2017/05/28(日) 11:40:43.52 ID:GgXGh2leO
原さんファンになったぜ。
最後に旗を持って行く時の漢らしさが頭から離れないぜ。
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:
名無しNIPPER
[sage]
2017/05/28(日) 13:04:13.99 ID:+GbeN8uYo
乙乙
あそこからここまで話を広げるとは見事
奏のアイスの好みを知らなかったフレちゃん辺りでも一本書けそう
17
:
名無しNIPPER
2018/07/15(日) 02:32:11.72 ID:a1PST3kP0
☀ฺ
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