勇者「魔王? 知らんよ俺は女とイチャイチャするんだ!」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

304 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/22(水) 12:07:54.37 ID:aYNbF6yLO

ひゅんっ!!


魔法使い「!?」

勇者「舐めんなよー?」

魔法使い「バリア!」

勇者「あめぇ!!」スッ

魔法使い「……横っ!」

勇者「防いでみろやー!」

魔法使い「ピオリム!」サッ


勇者「なんだよ、やるじゃん」

魔法使い「……はぁっ、はぁっ」

勇者「まだまだいくぞ!」

魔法使い「うーん! もう!」

勇者「ふっ!」

魔法使い「バシルーラ!!」


ビユォォォォオオオオオッッ!!!


勇者「うおおおおおああああ!!」

勇者「バカっ! やめろ!!」

魔法使い「……ぐぬぬ!! はぁぁぁーー!!」

勇者「うおわあああああ!!」


ピューン


魔法使い「……はぁ、はぁ、勝った……」

賢者「ちょ、ちょっと!? 勇者どこか飛んでいっちゃいましたよ!?」

魔法使い「……緊急事態だった」

盗賊「……そう?」


ビリリ……


バァァァァンッ!!!


魔法使い「……ひっ!?」

勇者「お前よくも遠慮なく吹っ飛ばしてくれたな?」

魔法使い「え……あ……どうして……」

勇者「魔法装備までさせやがって、覚悟しろよ」

魔法使い「や……やだ……こないで……」

魔法使い「……こわい……怖いよぉ……」


ゴンッ!!!

305 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/22(水) 12:09:30.25 ID:aYNbF6yLO

魔法使い「……ぐすん」

盗賊「痛そ」

魔法使い「……盗賊ぅ」

盗賊「痛かったねーよしよし」

魔法使い「……勇者許さない。 寝込みメラミの刑」

盗賊「それ死ぬんじゃない?」

賢者「行きたくないんですけど……」

勇者「さぁ来い賢者ちゃん」

賢者「痛くしないでくださいよぉ」

勇者「なら頑張ってかわすんだな」

賢者「ふぇ……」

306 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/22(水) 12:10:31.80 ID:aYNbF6yLO

賢者「こ、こないでー!」

勇者「甘ったれてんじゃねえ!!」


ひゅんっ!!


賢者「えいっ、」


スカッ


勇者「そんな大振りじゃ全然ダメだぜ?」


むにゅ


賢者「ひゃぁっ///」

勇者「うーん、やっぱりこの胸の弾力は素晴らしい」

賢者「な、なにしてるんですか!」ブン

勇者「そんな無駄に動いたらおっぱいも揺れちゃうぜ?」

賢者「この! このこのっ!!」ブンブン

勇者「いやあたまらない」モミモミ

賢者「なんで! なんで当たらないんですか!!」スカスカ

勇者「うーん! 最高」

307 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/22(水) 12:11:23.47 ID:aYNbF6yLO

勇者「ほいっと」

賢者「きゃああぁっ! なんで後ろから揉むんですか!?」

勇者「うひょひょーたまんねー!!」

賢者「やっ、やぁ……だめっ……んぅ」

勇者「おいおい? 感じちゃってんのか?」

賢者「お、お願い…… やめてください……」

勇者「んー? どうしよっかなー?」

賢者「ち、力が抜けちゃう…… やっ……ん、あっ……」

勇者「お?」

勇者「パンツまで濡れてきてんじゃん? 賢者エロいなぁ」

勇者「盗賊と魔法使いに見られながら感じちゃってんの?」

賢者「や、やだぁ…… 見ないで……んっ、あぁっ」

勇者「すっかりいい声にな……ぶふぅっ!?」


ゴロゴロ……がんっ!!


盗賊「はぁっ! はぁっ! なにやってんのばかゆうしゃ!!」

魔法使い「……イオラ」

勇者「ぐああぁぁっ!!」

魔法使い「……賢者、大丈夫?」

賢者「ぐすっ……ありがとうございます2人とも……」

盗賊「賢者、もう大丈夫だからね」

盗賊「たっぷりと、仕返ししないとね」

魔法使い「……そうだね」

賢者「女を怒らせたらどんなに怖いか、思い知らせてあげないとですね」

勇者「待て、待て待て?」

盗賊「さよならゆうしゃ、短い付き合いだったね」

魔法使い「……辞世の句は読めた?」

賢者「絶対許しませんから」

勇者(あ、もうダメだこれ)
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/22(水) 12:12:12.31 ID:aYNbF6yLO
また明日
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/23(木) 04:27:43.00 ID:EF/jDLmkO
おつ
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/23(木) 22:03:06.78 ID:Jy4wizcnO

魔法使い「……いい湯だね」

魔法使い「……あははん」

盗賊「魔法使い、おばちゃんじゃないんだからさ」

魔法使い「……おばちゃんって言われた」

賢者「なんで私の方見るんですか!? 酷くないですか!?」

盗賊「一番年上だもんね」

魔法使い「……年増なんて言ってない」

賢者「今言いましたよ?」

魔法使い「……お背中流しますよお姉さま」

賢者「白々しいです」

盗賊「それにしてもさー今日のゆうしゃありえなくない?」

魔法使い「……スパルタ」

盗賊「なにが修行だよ、ただ木刀で殴りたかっただけじゃん」

魔法使い「……賢者に至っては胸揉まれただけ」

賢者「やめてください……思い出したら恥ずかしくて……」

盗賊「賢者、すんごいエッチな顔してたもんね」

魔法使い「……メスの顔」

賢者「うー……」

311 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/23(木) 22:04:22.17 ID:Jy4wizcnO

賢者「そういう2人だって勇者とエッチしたくせに!」

盗賊「うぇっ!?///」

魔法使い「……成り行きで」

賢者「な、成り行き!?」

魔法使い「……うん、勇者に私の昔の話したら襲われた」

盗賊「い、意味分かんないよ!?」

魔法使い「無理やりちんちんしごかされて」

魔法使い「することになった」

盗賊「えぇー!」

賢者「ひ、ひどくないですかそれ? 話聞く限りレイプですよ」

魔法使い「……うーん、でも勇者優しいの分かってたから」

魔法使い「……私も嫌じゃなかったし……」

盗賊「わー、魔法使い大胆…… なのに顔真っ赤だよ」

賢者「なんだかすごい話聞いちゃいました、私がのぼせそうですよー」
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/23(木) 22:05:45.20 ID:Jy4wizcnO

魔法使い「……盗賊は?」

盗賊「え?」

魔法使い「……勇者と初めてした時のこと」

盗賊「うーんゆうしゃのこと好きになったきっかけはなんていうか……意外と真面目に勇者してるんだなって思って」

盗賊「それがなんかかっこよかった」

賢者「ギャップってやつですね」

魔法使い「かっこよく見えるマジック」

盗賊「うん…… ゆうしゃが俺のこと好きでいろって、守ってやるって言ってくれたから」

盗賊「この人のこと、好きでいてもいいかなーって」

盗賊「いっぱいキスして、優しくしてくれてくれて幸せだった」

魔法使い「……ところで、勇者の入った?」

盗賊「うぇ!?」

賢者「あれは大きいですもんね……」

盗賊「う、うん…… 気持ちいいよね」

魔法使い「…………」

賢者「あはは……」

盗賊「ちょっと! なんでそこで黙るの!」

魔法使い「……こんな子でもやることやってるんだなって」

賢者「乱れてますね」
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/23(木) 22:08:11.35 ID:Jy4wizcnO

盗賊「じー」

魔法使い「……じー」

賢者「な、なんですか」

盗賊「勇者明らかに賢者のことを特別扱いしてるよね」

魔法使い「……おっぱい触るしね」

賢者「勘弁してくださいよ…… 胸触られるのなんて嬉しくないです」

盗賊「で、昨日の夜勇者の部屋に行ってどうだったの?」

魔法使い「……あんあんした?」

賢者「え、えぇっと……」

賢者「私から、求めちゃいました……」

盗賊「えぇーっ!!」

魔法使い「……見かけ通り大胆」

賢者「すごく幸せでしたね。 本で読んで知識では知っていましたが、本当にこんな気持ちになるんだって思いました」

盗賊「ひゃーなんかすごいね」

魔法使い「……おっぱい揉まれたんだ」

賢者「……はい」

魔法使い「……こんな大きくて、柔らかいなんてけしからん」モミモミ

賢者「きゃぁっ! やだ、やめて魔法使いっ!」

魔法使い「……少しでいいから分けて」

盗賊「そうだそうだ!」

賢者「やだぁ! 助けてくださいぃ……」

魔法使い「……実にけしからん。 揉みごたえがいい」

盗賊「わ、マジでがっつり揉んでる……」

賢者「盗賊、見てないで助けて……!」
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/23(木) 22:09:25.30 ID:Jy4wizcnO

賢者「本当にみんな勇者のこと好きなんですね」

魔法使い「……そうだね」

盗賊「うん、好き」

賢者「なんですかね、恋のライバルのはずなのに」

賢者「不思議と嫌じゃないんですよね」

魔法使い「……分かる」

盗賊「勇者があんな感じだからねー毒気抜けちゃう」

賢者「勇者のどこがいいんですかね」

魔法使い「……なんだかんだ優しいとこ」

盗賊「……男らしいとこ」

賢者「ちょっとエッチなとこ……?///」

盗賊「ねぇ思うんだけどやっぱり賢者が一番エロいよね!」

魔法使い「……思った」

賢者「ちょ、ちょっと!」

賢者「私知ってるんですよ! 魔法使いなんて御者台でエッチしてたんですよ!?」

魔法使い「……なっ!///」

盗賊「えぇ……」

魔法使い「……勇者がその方が興奮するだろって…」

盗賊「で、興奮した?」

魔法使い「……うん」

盗賊「うわぁ…… みんなエロかったぁー」

賢者「うぅ……聖職者ともあろう者が……」

魔法使い「……バレてたなんて」

盗賊「みんなの黒歴史になること必至」
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/23(木) 22:26:36.45 ID:Jy4wizcnO

勇者「おせーよ! 風呂にどんだけ時間かかんだ!」

魔法使い「……女子会してた」

賢者「盛り上がっちゃいましたね」

勇者「なにそれ? 俺も混ぜろよ」

盗賊「女子会は男子禁制だよ!」

勇者「ケチケチしやがってよぉ、こういう時だけハブになるのはいつも俺だ」

賢者「もー、怒らないでくださいよ」

勇者「けっ、もう知らん」

魔法使い「……怒っちゃった」

盗賊「めんどくさーっ!!」

勇者「もうしーらね」

賢者「もー…… 今日も一緒に寝てあげますから」

魔法使い「……ちょっと賢者勝手に決めるのはよくない」

盗賊「賢者が寝たいだけだねー」

勇者「ふーん? 賢者ちゃん俺と寝たいんだ?」

賢者「はい♪ 大好きですから」

魔法使い「……むむ、勇者と私まだ一緒に寝たことないよ」

勇者「あぁ、そういえばそうだな?」

魔法使い「……今日は私と」

盗賊「…………」

勇者「お前は?」

盗賊「……ウチは別にいいもん」

勇者「何膨れてんだよー」

盗賊「膨れてなんかないよ! 勇者はウチより大人の2人の方がいいんでしょ」

勇者「おい」

盗賊「……ウチだって本当は勇者と寝たいよ!

盗賊「でもさ……」

勇者「分かった。 お前の気持ちだってちゃんと分かってるからな」ナデナデ

盗賊「あぅ……」
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/23(木) 22:28:51.76 ID:Jy4wizcnO

勇者「さて、寝るか」

勇者「……今日は誰も来ねえのか?」

勇者「さっきあんだけ俺を取り合ってたってのに」

勇者「俺のハーレムがついに形成されてきたじゃないの」

勇者「女なんてチョロいぜ」


>>317 部屋に来るのは
@賢者

A魔法使い

B盗賊

C複数(誰か)

D誰も来ない
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/23(木) 22:30:24.50 ID:0ImSYuP4O
3
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/23(木) 22:45:17.30 ID:Jy4wizcnO
安価了解また後日
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/23(木) 22:55:23.72 ID:0ImSYuP4O
乙です
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/26(日) 19:33:47.27 ID:HEsbJhyEO
官能小説のサイト見たけどカスだな
続き早くしてくれ
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/03/29(水) 16:15:09.07 ID:IGYRSfPnO
終わっまな
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/29(水) 16:50:28.35 ID:LbjyBnTE0
あげるなよ。
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/03/30(木) 00:51:18.46 ID:5dct5N2do
うるせえ
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/30(木) 07:19:20.46 ID:MwQp5MrFO

コン、コンコンと少しリズムが狂ったノックが響く
躊躇いのような心情がそれだけで読み取れ、俺は努めて明るい声で入れとドアの向こうへ声をかけた


盗賊「…………」


来客者は俯きながらドアの前に立っているが
その表情は読み取れず、足に鎖が繋がれているようにその場から動かない


勇者「どうした? おいで盗賊」

盗賊「うん……」


テトテトと小さな歩幅で歩いてくる彼女を迎え、何も言わずに抱きしめた
力なく寄りかかってきた彼女はそのまま泣きそうな息をつく


盗賊「ゆうしゃ……」

勇者「どうしたんだ」

盗賊「すき……」

勇者「え?」

盗賊「ウチ、ちゃんとゆうしゃのこと好きだよ……?」

勇者「どうしたんだよいきなり」

盗賊「……やだ、賢者と魔法使いに負けたくないの」

勇者「負けてるとかそんなことないだろ?」

盗賊「ゆうしゃならそう言うの分かってるよ…… でもウチは賢者みたいに可愛くて胸も大きくないし、魔法使いみたいに綺麗で甘え上手じゃない!」

盗賊「ウチ、ゆうしゃにワガママしか言ってない……!」

勇者「…………」


思春期によくある深く考えすぎてしまうもの
ネガティブな思考に自分が負けてしまい、自分が価値のない人間だとか他より劣っているだとかそんな考え方

この不安定な時期は俺にも経験があるからなんとなく分かる
その気持ちを思春期特有のものだからとバカにしていいはずがなかった

盗賊にとって、周りの女性は魅力的で自分はまだ女として未成熟なのだ
それが彼女に焦りや不安を生じさせるのは必然と言っていいのだろう

だからせめて今日はいつもよりさらに甘く、愛してあげる他ないのだろう

325 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/30(木) 07:23:14.25 ID:MwQp5MrFO

盗賊「んっ……」


抱きしめた腕に少し力を入れる
体を反らせる窮屈な姿勢になりながらも、密着度が増したことで盗賊の息が小さく漏れた


勇者「お前はワガママなんか言ってないよ」

盗賊「言ってるよ……」

勇者「少なくともそれを俺はワガママなんて思ったことはない」

勇者「好きな子がねだってくれるんだぞ? それをワガママなんて思うわけないだろ」

盗賊「…………」


彼女の薄い唇にキスをした
少し熱を帯びた唇は俺の気分を昂らせるが、グッと堪える
初めての恋人同士のキスのように優しく、長く、お互いの愛を再確認するように体温を繋げ合う
そして彼女の頬に涙が一筋こぼれ落ちた


勇者「納得出来ないか?」

盗賊「よく分かんない」

盗賊「……ゆうしゃはウチのこと好き?」

勇者「当たり前だろ」

勇者「この気持ちは誰にも嘘とは呼ばせねえよ。 俺は盗賊のことしっかり一人の好きな女として見てる」

勇者「だからお前には胸張って、いつもの可愛い笑顔で俺を見ててほしい」


彼女をお姫様抱っこし、体を抱き寄せる
触れ合った頬と頬が盗賊の涙で濡れ、最初は冷たくも徐々にお互いの体温で暖かくなる


勇者「盗賊、俺は本気でお前のこと好きだ」

勇者「たまらなく好きだよ、ずっとこうしてたいとすら思う」

盗賊「うん……」

勇者「信じてくれるか?」


どちらからともなくキスをし、好きという二文字を囁き合う
目を開け、唇を離す

えへへと恥ずかしそうに笑う彼女の目にはもう涙は浮かんでいなかった


盗賊「そんな事言われたら、信じるしかないじゃん」

盗賊「ウチも、ゆうしゃのことだいだいだいだーいすきっ」
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/30(木) 08:07:49.77 ID:MwQp5MrFO

盗賊「んちゅ……」

勇者「盗賊、甘いな」

盗賊「へ……?」

勇者「甘い味がする」

盗賊「お、お菓子なんて食べてないよ?」

勇者「んな事言ってねえよ」

勇者「もっとしたくなるって言ってんの」

盗賊「んむっ……!」

盗賊「はぁっ…… やっ、んぐっ…!」

盗賊「ん…んんっ! ゆうしゃ、くるし……」

盗賊「ぷはっ……!」

勇者「うーわ、エロい顔」

盗賊「んぅ……?」

勇者「理性飛んじまうよなぁーこんな顔されたら」

盗賊「……?」

勇者「可愛いってことだよ」

盗賊「ほんと?」

盗賊「もっかい、ちゅーして」

盗賊「今の少し苦しいちゅーがいいな…… ちょっと気持ちよかった」

勇者「お? マゾ開花か」

盗賊「マゾ?」

勇者「男のことが好きでたまらない女のことだよ」

勇者「苦しいことされても男のことが好きで好きで平気になっちゃう子だ」

盗賊「うーんそうなのかな…… 私マゾなのかな」

勇者「ちなみにマゾが進化するとドMって言われるようになる」

盗賊「どえむ……?」

勇者「おう、ドM目指して頑張れよ」

盗賊「うーん……よく分かんないけど分かった!」

327 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/30(木) 08:21:18.68 ID:MwQp5MrFO

……………………
………………
…………
……


盗賊「おわぁっ!」

勇者「よいしょっと」

盗賊「もう! そうやっていつもいきなり持ち上げるのやめてよー」

勇者「だって盗賊軽いんだもん」

盗賊「びっくりするじゃん」

勇者「じゃあ抱っこされたくねえんだな?」

盗賊「……そうじゃないけどさ? ベッドで寝てるのにいきなり体持ち上げられたら誰でもびっくりするもん」

勇者「寝返りうつのにいちいち、今から寝返りうちまーすって言うのも変だろ」

盗賊「私ごと持ち上げて寝返り打たなくてもいいじゃん!」

勇者「あーもーギャーギャーうるさいな! またエッチすんぞごら」

盗賊「ま、まだするの!? さっき2回もしたんだよ?」

勇者「お前がもうやめてって叫ぶからやめただけでまだ行けるぞ俺は」

盗賊「だ、だめ…… 気持ちよくて本当におかしくなっちゃってたから」

勇者「へー? どこがどんな風に気持ちよかったって?」

盗賊「ゆうしゃの、熱いので奥ぐりぐりってされて…… 気持ちよくて頭真っ白になっちゃって」

盗賊「息もできないくらいすごくて…… 苦しくて……」

盗賊「って苦しいの分かってるのにさっきの苦しいちゅーしたんだ!!」

勇者「え?」

盗賊「本当に息できなくて苦しかったんだよ!!」

勇者「でも気持ちよかっただろ?」

盗賊「〜〜〜〜っ!」

盗賊「……うん」

勇者「ならいいじゃねえか」
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/30(木) 08:25:48.15 ID:MwQp5MrFO

盗賊「……勇者に激しくされた次の日ヒリヒリするの」

勇者「そうなの?」

盗賊「足とかグイグイ押してきたりするでしょ? 筋肉痛にもなる」

勇者「あー……」

盗賊「唇貪られるからカピカピになる」

勇者「うーん」

盗賊「中に出しすぎて次の日も垂れてくる」

勇者「えっろ」

盗賊「……でもしたくなっちゃうね」

勇者「気持ちいいからな?」

盗賊「うん…… 気持ちいいよね」

勇者「お前は特に気持ちいいわー可愛いしよく締まるし最高だわ」

盗賊「体ばっかりじゃん!」

勇者「そうゆって不貞腐れるとこがまたいいんだよなー」ワシャワシャ

盗賊「いーやー!」
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/30(木) 08:26:37.11 ID:MwQp5MrFO

更新すいません狩りに忙しくて
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 09:34:42.34 ID:sb3zji0eO

まだ幼さの残る娘をドMに仕立てようとするなんて変態すぎぃ!(いいぞ!もっとやれ!)
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/30(木) 19:15:36.98 ID:yt88ggZRO
おつ
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/01(土) 20:54:45.17 ID:ubDKw6gLO

勇者「なんだか外が騒がしいなおい」

盗賊「なになに?」


ベッドで盗賊を抱きながら耳を澄ますと外の騒がしさに気が付く
夜中だというのに叫び声や、剣を打ち合う音が聞こえた


勇者「こんな夜中に喧嘩か?」

盗賊「……しかもこんな街のど真ん中で」

勇者「…………」ピクッ

盗賊「ねぇ、ゆうしゃぁ…… 続きしてください……」



キスをされる寸前でお預けをくらった盗賊は俺の首に腕を絡めてくる
淫靡な娼婦のように体をくねらせ、俺を求めてキスをしてくる盗賊を俺は押し倒した

しかしどうにも盗賊に集中が出来ない

外の喧騒は嘘のように一瞬静まり返る
だがそれはやがて、圧縮された空気が爆発するかのように大きな騒ぎへと変わった

敵襲を知らせる鐘がガンガンと鳴らされ、何人もの走る足音が夜の街に響き渡る

そして絶え間なく魔法の爆発音や、剣がかち合う音を響かせ、静かだった夜の街は瞬く間に戦場の雰囲気へと変貌した

333 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/01(土) 20:58:11.77 ID:ubDKw6gLO

勇者「おい、盗賊服着ろ」

盗賊「な、なに? 何が起きてるの?」

勇者「なんかやべえのがいる。 規格外の魔力感じるぞ」

盗賊「それ、敵ってこと?」

勇者「だろうな。 多分いま街の兵士が応戦してるんだろ」


脱ぎ捨てていた服に袖を通し、剣を腰に差す
それだけで先までとは違い一気に気が引き締まる
体の中で魔力も力も漲るようだった

部屋のドアを開けると不安そうな面持ちで俺を迎えた賢者と、額に脂汗を浮かべた賢者がいた


賢者「あ、勇者…… これは一体何が……」

勇者「やばそうな敵が来てるってことは分かるぞ」

魔法使い「……かなりやばめ。 邪悪な魔力が爆発してる」

盗賊「邪悪な魔力?」

魔法使い「……魔物が放つ嫌な魔力。 それを尋常じゃないくらい蓄えてる敵がいる」

勇者「1人か?」

魔法使い「……そうみたい」

勇者「あーそりゃ腕に自信があるタイプの馬鹿だな」

魔法使い「……うん。 普通の人には太刀打ちできる相手じゃない」

賢者「勇者……」

盗賊「いく……んだよね?」

勇者「マジかよ……めんどくせぇなー…」


そう言いながらも柄を持つ手に力が入っていることに自分でも苦笑する
多分勇者として行かなきゃいけないんだろうってことは俺は勿論、この3人にも分かっているようだ
この騒ぎを止めるのは俺しかいない

女たち3人の心配と、期待する目が小っ恥ずかしく見ることが出来ない

だが、覚悟は決まった


勇者「曲がりなりにも勇者だしな、行ってくるわ」

盗賊「あうっ……」


盗賊の頭をワシャワシャと撫でてから俺は宿屋のドアを開いた
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/01(土) 21:02:35.83 ID:ubDKw6gLO

兵士一個人の戦闘力は高が知れている
所詮は剣術の模擬戦ばかりで、殺陣の場数は少ないなのだから

だが個々が弱い兵士達は陣形を作り、一つの生き物のように統一した動きを練り上げることで攻撃力も防御力も格段に跳ね上げることができた

幾数もの剣と盾、そして魔法戦術を駆使した陣形戦術こそ、人間が編み出した戦い方の一つだ

だが誇るべきそれは遥か格上の相手の一撃で容易く崩壊してしまった


ただ剣を振り下ろしただけで起こった無数の爆発が、盾を構えていた兵を吹き飛ばした
その威力は中規模爆発魔法イオラを強化したようなもの
それが幾百というとんでもない数となって起こり、魔法耐性など関係なく人だったものを挽肉へと変えた


「な、なんだありゃ……」

「くそっ! 化け物め!!」


後方から攻撃魔法による援護を行っていた魔術師たちが毒づく
詠唱を行い、いざ魔法が発動する瞬間、それ以上の詠唱の言葉は紡がれず1人の魔術師の首が落ちた

ひぃっと隣にいた魔術師が驚く間もなく、その魔術師も体が縦に半分に切り崩される


暗黒騎士「弱い…… 弱すぎる」

暗黒騎士「俺を満足させる猛者はここにもいないのか」
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/01(土) 21:05:29.87 ID:ubDKw6gLO

勇者が見たのは、真っ黒な剣と鎧、装備に身を包んだ成人男性ほどの人型の魔物(?)

それは無謀にも突っ込んでいった兵を、ずしゃっと剣で突き刺し、串刺しになった兵の頭を振り下ろす
血飛沫が地面に線を作り、返り血で真っ黒な鎧は赤く染まっていた



暗黒騎士「…………」

勇者「派手にやってんなぁおい」

暗黒騎士「貴様は?」

勇者「おいおい? 名乗るならまず自分からだろ」

暗黒騎士「ふっ、そうだな。 これは失礼した」

暗黒騎士「俺は人間から暗黒騎士と呼ばれている者だ」

勇者「くはは、おいおいマジかよ噂で聞いたことあるぞ」

勇者「強者を求め続けて魔王に仕える人間がいるって」

勇者「人の身体ほどもある得物の大剣を振り回し、全身を呪われた暗黒の装備で包んだ化け物がいるってよ」

暗黒騎士「ふんっ。 人間だった頃など遠い昔の話だ。 そして俺は魔王に仕えて等いない」

勇者「ま、どうでもいいや。 俺は勇者だ。 なんとなく聞いたことあんだろ?」

暗黒騎士「ほう、これは嬉しいな」

暗黒騎士「ずっと探していた者にやっと出会えたのだからなッ!!」

336 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/01(土) 21:07:39.23 ID:ubDKw6gLO

不意打ちともいえる、目にも止まらぬ暗黒騎士の一閃
見えない剣圧が確かな殺人の斬撃となって襲いかかってきた

避けることは出来る
が、そうすれば後ろに控えている兵士達は間違いなく即死だ

僅かな時間で導き出した答えに体はすぐに動き出す
鞘から剣を抜き、瞬間の抜刀術
空を斬る中に確かに刃物のような手応えを感じ、剣圧を斬った



暗黒騎士「ほう? やるな」

勇者「どーも。 伊達に勇者やってねえよ」

暗黒騎士「嬉しいよ勇者。 俺はお前のような強敵をずっと探し求めていた!!」

勇者「キモいんだよ! 俺はホモじゃねえんだぞ!!」


10数メートルある距離を互いに1歩で詰める
誰も目視することが出来ない速さでの切迫、そして斬撃

視覚、意識が加速した勇者でさえ暗黒騎士の動き全ては視えない
だが経験と勘から暗黒騎士の一撃に真正面から剣を当てて対抗した

全身全霊を掛けてのお互い本気の一振りがかち合い、空気を震わせ、地面が耐えきれずに割れる

腕にかかった衝撃は凄まじく、剣どころかこちらの全身の骨が砕けるのではないかと錯覚するほどの一撃

それを歯を食いしばって耐え、ギリギリと鍔迫り合いとなる


暗黒騎士「面白い! 面白いぞ勇者ッ!」

勇者「あ゛あ!?」

暗黒騎士「俺が本気を出して戦えると、今確信したぞ!!」

勇者「ふざけんな! 今のが本気じゃねえってのか!!」


鍔迫り合いの中、ふと暗黒騎士が剣を引く
バランスが少し崩れるが、すぐに振り抜かれた剣をしゃがんで交わす
カウンターの一太刀を入れようとするも簡単にかわされ、お互いに距離をとって相手の出方を伺う


勇者がすぐに動いた
上段からの斬りかかりと見せかけ、すぐさま腕と手首を返しての速攻の刺突
狙いは暗黒騎士の鎧と兜の間の喉元を穿つ一閃

しかしそれも暗黒騎士は難なくいなし、俺の伸びきった体めがけて先の馬鹿みたいに重たい一撃が飛んでくる

剣を当てることは出来るだろうが、相手の勢いを殺すことは出来ないと瞬時に判断し、地面を蹴って無理やりに体を反転
紙一重で回避し、雷撃魔法を見舞う


勇者「ギガデイン」


337 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/01(土) 21:11:00.32 ID:ubDKw6gLO

闇夜を昼間のように明るく照らす神の一撃

鼓膜がいかれるほどの轟音と光の筋が止み、白煙と共に現れたのは鎧から焦げ臭い臭いを漂わせる暗黒騎士の姿だった


勇者「まぁ、倒せるとは思ってなかったが案外ダメージねえのな。 ちょっとショックだわ」

暗黒騎士「良い一撃だったぞ?」

勇者「そいつぁどうも。 まさか敵に慰められるとはね」

暗黒騎士「ふっ、次は此方の番だぞ?」


真っ黒な大剣を両手には抱えての斬撃
先ほど兵の陣形を一振りで崩した連続爆発の技

だが俺はあえてその爆発の中を突き進んだ
肌が捲られ、ダメージを積み重ねてでも突破する意味
それは爆炎の中から突如現れる神速の一撃に意味があった

ゼロ距離から現れた必殺の一撃
さすがの暗黒騎士も爆発の中を抜けてくるとは分かっていたとはいえ見えない中からの一撃に反応が遅れる

それでもこちらの剣の軌道上に刃を置いてくる反応に舌打ちをしつつ、剣を交わす

自分の体ほどもある大剣を薙ぎ払い、返す手でさらに二太刀目を走らせる

左から右への斬撃は確かに暗黒騎士の体を捉え、鎧を切り裂きながら腹部に大きな一文字の傷を負わせた

338 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/01(土) 21:14:05.25 ID:ubDKw6gLO

暗黒騎士「うぐっ……!!」

勇者「はぁっ、はぁっ」


暗黒騎士の傷からは赤い人間と同じ血が流れる
致命傷とまではいかないが浅くない傷は確かな手応えを感じさせるものだった


暗黒騎士「これは……これこそ俺の求めたもの!」

暗黒騎士「俺が本気で戦える相手だッ!!」

勇者「やめろよ今ので本気じゃないとか笑えねえんだけど」

暗黒騎士「俺はお前と戦える事を誇りに思うよ」

勇者「おめー話聞けよな」

暗黒騎士「話す事などもうないだろう? 後は剣で語り合うのみだ」


暗黒騎士は集中する
魔力と生命のエネルギー、それらを溶け合わせ、全身に漲らせる

敵に向ける殺気
それを抑え自らへと迎え、己の力とする達人の成せる技
外に放出されるは殺気ではなく闘気

振り切った殺気、士気、活気を一つのものへと溶け合わせ闘気という力に変える奥義

暗黒騎士の体から紫炎が発せられる


剣を交えるまでもない
勇者も本気を出さねば一太刀で地に伏せられるほどの強さがそこにはあった


339 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/01(土) 21:14:37.66 ID:MmnU/e6G0
鎧の中が楽しみ
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/01(土) 21:16:01.58 ID:ubDKw6gLO

勇者「なら、俺も本気を出すぜ」

勇者「暗き雨雲の上天翔ける雷、闇を照らし打ち払う聖なる雷よ! 神の御業と勇者の名の元にここに顕現せよ!! ギガデインッ!!」


爆発的に膨らみ、今まさに雷撃が放たれる瞬間での魔法キャンセル

そしてそれを体内に留め、雷と肉体を強制的に融合させる勇者オリジナルの技


勇者「魔法装備ッ!」


バリバリバリバリと音を立て、勇者の体が真っ白に輝く
紫電が放出され、大気を震わせるように龍のような電気が走る


勇者「いくぞ!」

暗黒騎士「応ッ!」



最初の斬り合いと同じ一瞬での間合い詰めと斬撃
先こそ常人では目で追えないものだったが、今度は正真正銘2人だけの世界
いや、最早2人すらも見えない反射だけの斬り合い

瞬きの間に幾十もの斬撃が踊り合う
ずばばばばばと空気が引き裂かれるが2人とも互いにまだ刃は届かない


雷の速さで勇者が背後に瞬時に回り込み勢いそのままでの袈裟斬り
しかしそれはやはり暗黒騎士の大剣が打ち払った
もう100回を超える打ち合いで驚きもしないが、勇者はすぐさま右脚を鞭のようにしならせ暗黒騎士の顔面めがけて蹴りあげた

ピンボールのように吹き飛んだ暗黒騎士をすぐさま追撃する

その時勇者は確かに暗黒騎士と目が合った


紅く光る目はこちらを見据えており、吹き飛んでいる中で勇者を待っていた
その深い瞳は次の一撃で全てを終わらすと、そう言っているのが聞こえた
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/01(土) 21:20:27.82 ID:ubDKw6gLO

体を返し地面を砕きながら踏み込んだ暗黒騎士の今日最速の一薙ぎ

空駆ける雷の如く、神速を体現した勇者の持てる限りの最速の一閃


暗黒騎士「破ァッ!」

勇者「うらあぁぁぁぁっ!!」


その互いの剣は交錯する

擦り切れる金属音、爆発するような雷撃音、轟々と燃える炎の音

音以外の全てを置き去りにした互いの一振りは、相手の身体をめがけて剣閃を描く



無音



そしてたっぷりと一拍おき、ドサッと力なく倒れる音


立っていたのは勇者だった

しかしその左肩から右下腹部まで大きく切り裂かれ、血が溢れる


膝が折れそうになるのをぐっと堪え、胴体と、下半身が切り離された暗黒騎士の元へ歩み寄った

血は溢れて止まらない。 それは水たまりのように広がり彼の命を吐き出しているかのようだった
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/01(土) 21:22:40.82 ID:ubDKw6gLO

暗黒騎士「見事……ッ!」

勇者「……危うく負けるとこだったぞ」

暗黒騎士「くははっ…… あと1歩。 俺もまだまだ精進が足りなかったということか」

暗黒騎士「あぁ…… 俺はやっと死ぬ事が出来るのだな……」

勇者「ふざけんなよそんなに強いのに。 お前がいれば魔王を倒せたかもしれねえってのに」

暗黒騎士「ふっ……それは、がはっ……無理だろうな」

暗黒騎士「俺は……魔王に敗れ、永遠の命と闘争心、殺戮の呪いを受けた人間」

暗黒騎士「魔王の……強さは……はぁ……人が太刀打ちできるものでは…ない」

勇者「……お前も魔王と戦ったのか」

暗黒騎士「くはは……それはもう……刃が立たぬ…とは、このことよ………はぁっ……」

暗黒騎士「はぁっ……勇者よ……はぁ……俺を……呪いから解放してくれて……」

暗黒騎士「本当に……有難うッ!」

勇者「…………」

343 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/01(土) 21:26:08.46 ID:ubDKw6gLO

勇者「ただいまー」

盗賊「おかえ……ひっ!?」

魔法使い「……っ! 早く治療を」

賢者「ひどい傷! 今、回復魔法をかけますから!」

勇者「あぁ、悪ぃね」

盗賊「勝ったんだよね?」

勇者「おう、勝ったぞ?」

賢者「すごい音と迫力でした。 建物の中にいるのに、まるで戦場みたいな感じで」

魔法使い「……魔力やら衝撃やらで建物が吹き飛ぶんじゃないかと思った」

勇者「あぁ……本気で戦ったよ。 相手は元人間」

勇者「いや、元勇者だったよ」

賢者「え……?」

勇者「多くは語らなかったが、かつて俺と同じように勇者として生まれ、そして戦った勇者だろうな」

勇者「負けて……呪いを受けて嫌々生かされ続けてたようだな」

盗賊「なに、それ……」

勇者「俺も詳しくは聞いてねえけどさ、元勇者が人間を殺し続けなきゃいけないんだぜ?」

勇者「人を守る勇者が一転、人を殺す殺戮マシーンだ」

勇者「きっとあいつにとって生きてることは地獄だったんだろうな」

魔法使い「……ひどい」

勇者「最後は殺してくれてありがとうだってさ。 後味悪いったらありゃしねえ」

賢者「……許せません、魔王」

勇者「あぁ…… 俺もだよ」

勇者「やっぱり俺は魔王をぶっ殺したいと思った」

勇者「だからこの気持ちを忘れないようにさ傷残しておきたいんだ」

賢者「え?」

勇者「このデケェ傷は勇敢だった元勇者の生きた証と、俺の魔王討伐の再決意の証ってこと。 傷残る程度までしか回復しなくていいから」

盗賊「い、痛いよそれじゃ!?」

魔法使い「……盗賊」

勇者「ははっ、いいんだよ。 怠けてた俺への戒めってことなんだから」

勇者「だから、頼むな賢者」

賢者「もう、痛くて泣きついてきても知りませんからね?」

勇者「ありがと」

賢者「もう…… どういたしまして」
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/01(土) 21:26:38.30 ID:ubDKw6gLO
唐突にバトルを書きたくなったんだ
真剣に書いたけどエロと同じくらい疲れる

それではまた
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/01(土) 21:28:52.26 ID:va6tmXxkO
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/01(土) 21:33:51.82 ID:ZxRWSgKJ0
暗黒騎士の中身が美人さんでハーレムに加わるかと思ったけどそんなことはなかった。
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/01(土) 21:39:18.31 ID:MmnU/e6G0
中身が美人さんって思ってた時期が私にもありました
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/01(土) 21:50:33.27 ID:iASEfC8lo
俺も思ってたけどバトル描写がかっこよくて忘れてました
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/01(土) 22:09:17.34 ID:+v1XOgxr0
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/01(土) 22:18:00.23 ID:ubDKw6gLO
ハーレム増やすの……?
増やしたい?
じゃあ今度安価するね
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/01(土) 22:36:02.65 ID:I0ITBO3I0
でも増やしすぎると他の子の出番ががくんと減るから増えても2,3人がいいなぁ
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/01(土) 23:41:39.47 ID:ZxRWSgKJ0
個人的には盗賊がかわいくて好きだからいいけど、そういう展開もあるのかなと思っただけです。
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/02(日) 02:45:18.24 ID:E5iWp6S10
3人に警戒されるようなポジションの子が一人いてもいいかもしれないけど3人とも可愛いしどちらでもいい
354 :saga :2017/04/02(日) 11:40:56.79 ID:VZ27GbXv0
355 :saga :2017/04/02(日) 11:41:34.11 ID:VZ27GbXv0
はよ
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/02(日) 11:59:26.65 ID:5oIyEBFjo
>>354-355
sageられないんだったら書き込むんじゃねぇよks
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/02(日) 14:03:13.41 ID:BVir/GZBO
鎧の中は美女みたいな展開かなぁと思っただけよ。実力が勇者と同じぐらいの騎士とかいいやんけと思った
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/02(日) 23:51:31.79 ID:c6yVKJDhO
人は増やさないほうがいいな
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 20:29:14.20 ID:0pc8mJfuO

勇者「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

魔法使い「……なに」

勇者「御者台の振動が傷に響くんだよなぁ」

賢者「ならもう少し治しますよ? 今から回復魔法かけてもきっとその胸の傷は跡として残りますし」

勇者「あ゛ー……いや、なんとなくいい」

盗賊「なんでー?」

勇者「しばらく忘れたくない気がするから」

魔法使い「……分かるような分からないような」

盗賊「つん」

勇者「ぐぉぉああああああっっ!!」

賢者「……盗賊、それはかわいそうですよ」

盗賊「こんな痛がるのに治さない気持ち本当に分かる?」

魔法使い「……やっぱり分からない」

勇者「てめぇ糞ガキ…… 覚えてろよ……」

360 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 20:30:49.69 ID:0pc8mJfuO

魔法使い「……雨」

勇者「あー天気悪いとは思ってたがついに降ってきたか」

盗賊「濡れちゃうよー」

賢者「盗賊、風邪ひいちゃいますから荷台の中に入りますよ」

盗賊「うん、魔法使いは?」

魔法使い「……私は平気。 とんがり帽子あるから」

魔法使い「……それに雨の中、ここに勇者一人は寂しいと思うから」

勇者「健気だ…… よし、魔法使い! 俺と濡れて、濡れ濡れなことするか!」

魔法使い「……だめ」

盗賊「はぁ、サイテー」

賢者「……魔法使いは帽子ぎゅっと被って満更でもなさそうですけどね」

魔法使い「……そ、そんなことない!」

盗賊「うわっ、ほんとだ! 魔法使いが必死っぽくで逆にガチだ」

魔法使い「……うー」

勇者「顔真っ赤だな」

魔法使い「……見ちゃダメ」グイッ

勇者「ぶっ……やべ、半勃ち」

361 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 20:31:31.05 ID:0pc8mJfuO

勇者「あーさみぃなー」

魔法使い「……火炎魔法使う?」

勇者「そりゃ熱いだろ」

魔法使い「……加減する」

勇者「それでも火傷必至だわ」

魔法使い「……うーん」

魔法使い「……ならくっつく」


ピト


勇者「お、やわらけえ」

魔法使い「……太ってないよ」

勇者「そうじゃなくて女の子の柔らかさだなって」

魔法使い「……んー?」

勇者「ふにふに」

魔法使い「……おっぱいない」

勇者「女の子はおっぱいだけじゃねえだろ」

勇者「柔らかい足」ツー

勇者「気持ちいいお腹」

魔法使い「……んっ」

勇者「おいしそうな二の腕」

勇者「もちもちの頬」

魔法使い「あっ…… ちょっと、触り方やらしいよ…?」

勇者「ぷっくりした唇」チュ

魔法使い「……んんっ」

魔法使い「んちゅ……あむ…ぁ……んっ……」

勇者「お、顔が蕩けてきたな」

魔法使い「……だめなの、今日は」

勇者「ありゃ、女の子の日?」

魔法使い「…………」コクコク

勇者「そっかー」

362 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 20:32:58.22 ID:0pc8mJfuO

勇者「でもそれ、ムラムラするだろ? おっぱいだけでいかせてやるよ」

魔法使い「……!? やっ、あぁっん! だめっ、いやっ!」

勇者「嫌って言ってる割に体は拒否してねえぞ?」

魔法使い「……ひゃ……だって、勇者に……力で勝てない……!」

勇者「抵抗もしないくせに何言ってんだ。 お前はそうやって俺に無理やりやられたって思いたいだけだろ」

勇者「本当は自分もしてもらいたいのに、俺のせいにしてそれを認めたくないだけだ」

魔法使い「ち、ちが…… あっ……!」

勇者「でも、いいんだよそれで。 俺に任せて気持ちよくなるのにだけ集中しろ」

魔法使い「集中なんか……あぅっ…… そこ、だめっ…」

勇者「ほら、胸に意識しっかり向けろよ? 乳首がどんどん立ってきて気持ちよくなりたいって言ってるぞ?」

魔法使い「あっ…… らめっ、そこは気持ちよすぎ……」

勇者「コリコリってして、気持ちいいだろ? こんなにいやらしく立って、魔法使いはやっぱりいやらしい子だな」

勇者「本当は期待してたんだろ?」

魔法使い「……ぅー」

魔法使い「……うん…」

勇者「可愛いな」

魔法使い「ひゃぁん! だ、だめ! そんな乱暴に、あぁんっ!」

魔法使い「……だめだめ……待って、おかひくなっひゃう……」

魔法使い「〜〜っぁぁ! やぁぁ……!」

魔法使い「いく……ひゃっ…!」

魔法使い「あぅ……んん〜〜〜っ……!」

勇者「おー、えっろい顔」

魔法使い「……ばかぁ」

363 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 20:33:41.10 ID:0pc8mJfuO

魔法使い「……建物ある」

勇者「あぁ、ホントだな。 雨宿りさせてもらおうぜ」

魔法使い「……うん、そうしよ」

勇者「っつうかなんかさ」

勇者「雰囲気やばくね?」

魔法使い「……呪いの館?」

勇者「そんなんだったら除霊してやるわ」

魔法使い「……物理的なのは除霊とは言わない」

勇者「幽霊でもなんでもかかってきやがれ」

魔法使い「……ねぇやっぱりやめよ。 ここ嫌な気配がびんびん」

勇者「あれぇ? 魔法使いさん怖いんですかぁ?」

魔法使い「……こわい…… だからやめよ? ……ね?」

勇者「よし、いくぞー」

魔法使い「やだぁー…… いーやーだぁー…… 勇者のばかー」

364 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 20:34:12.09 ID:0pc8mJfuO
また後で昨日本当はここまで投下しようと思ったんだけど寝てしまったすまぬ
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 20:39:18.47 ID:0pc8mJfuO
ちなみになんだけど上地の文使わずにセリフだけで書いてみたんだけどどっちがよさげ?
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/03(月) 21:03:59.42 ID:635kwvkdo
地の文ありの方が描写分かりやすいしエロいけど、台本形式でも全然読める
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/03(月) 21:06:36.52 ID:dA2F2VBL0
どっちでも読めると思うけど、字の分があったほうがっていうのが上と同じ
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/03(月) 21:09:19.70 ID:wS33e9TFo
日常パートとかのゆるいとこは無いほうがスイスイ読める
それ以外のパートに地の分つけてもらえると、「おっ来るな」と思いつつパンツ脱げるから助かる
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 22:42:22.83 ID:ZlfUG+1yO

暗雲が立ち込め、暗くなっているのにも関わらず、そこにある洋館に明かりはついていない

手入れがされていないのか草は生い茂っている。 正面の門は錆びつき、軋みながら開き、魔法使いがそれを忌まわしげな目で見る

荒廃したこの館からはみるからに不気味な雰囲気が漂う
魔力の感知に疎い一般人でさえ、この洋館をみれば肝を冷やすに違いない

だが魔法使いのように魔力を敏感に探知出来る者にとってはこの館は地獄そのものだと感じた


魔法使い「……ねぇ、やめよ? ここ呪われてる」

盗賊「呪い?」

魔法使い「邪悪な魔力がこれでもかってくらい漏れてくるよ……」

勇者「まぁまぁ、雨に濡れるの嫌だし行こうぜ」

魔法使い「……話聞いてよー…… 嫌だよここ入るの」

盗賊「……震えてるよ魔法使い、大丈夫?」

魔法使い「……大丈夫じゃにゃい。 ほんとに怖いのに……」

勇者「俺が守ってやるってー。 旅の中での雨よりやばいものなんてねえよ」

魔法使い「……絶対ある」

盗賊「じゃあ魔法使い、手繋いでようよー」

魔法使い「……うん」

盗賊「あれ賢者、どうしたの?」

賢者「いえ……大丈夫です」

盗賊「え、ほんとに?」

勇者「体調でも悪いのか?」

賢者「いえ…… 頭が少し痛むだけですから大丈夫です」

賢者「……なんだか、ここ見覚えがあるんです」

盗賊「えぇ? こんなボロっちい建物に?」

賢者「えぇ…… なぜだか既視感が……」

勇者「ま、いいよ。 早く探検しようぜ」

魔法使い「……探検っていった…… 自分が楽しみたいだけじゃん」


370 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 22:45:01.76 ID:ZlfUG+1yO

触れるだけでビリビリと呪われそうになる玄関を開ける

これはマジでやばいところだと内心で思いながらもなんだか魔法使いを虐めたい一心でドアを開けきった

予想通り明かり一つ無い建物の中は暗く、不気味な呻き声が静かな建物の中に響き渡っていた


魔法使い「……うぅー。 やだぁ……」

盗賊「あ、あれ!? ねぇ、ドアが開かないよ!?」

魔法使い「……え?」

盗賊「と、閉じ込められちゃった……!」

魔法使い「うぅ…… もうやだ帰りたい…… お姉ちゃん……」

勇者「後ろがダメなら前行くしかねえだろ? ほらいくぞ」

魔法使い「……やだよぉ、なんでみんな平気なの?」

盗賊「魔法使いがビビリなんだよ!」

魔法使い「……うー」

賢者「いたた…… ここ、知ってる気がする」

賢者「どうして? どうして私はこんなにここが懐かしく感じるんでしょうか」
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 22:49:58.58 ID:ZlfUG+1yO

大きな玄関ホールを歩き、廊下を進む

するとそこには肉が削げ落ち、骨身だけとなった骸骨の剣士が多数闊歩していた

人間の盗賊団のようなものではなく、分かりやすく敵でいてくれる魔物に勇者は少し胸をなでおろした

後ろでわんわんと泣き出した魔法使いの声につられ、骸骨の剣士達は一斉にこちらへと向かってくる

廊下は狭く少し戦うには窮屈に感じるが、剣を振るうのには充分だった
カラカラと音を立てて走ってくる骸骨剣士を勇者はバッタバッタと切り伏せていく

最後の1匹の虚空の眼窩に剣を突き立てて、骨を砕き斬り、元人間達の魔物に二度目の死を味わわせたところで新たな魔物が出現した


魔法使い「……っ…!?」


魔法使いの真横の窓からレイスが壁をすり抜けて現れた
魔法使いしかそれに気付かず、彼女は恐怖のあまりに声も出せない


不吉で耳に残る嫌な笑い声をあげ、骸骨の顔面から覗く歯列がカチカチと歯音を立てる

生命力を吸い上げる魔物であるレイスがまさに魔法使いに触れようとしたところで、賢者が攻撃魔法を唱えてレイスを倒した


賢者「はぁ…… はぁ……」

魔法使い「……あ、ありがとぉ賢者ぁ〜〜……」

賢者「いえ、これくらいのことは…… はぁ、はぁっ」

盗賊「賢者、本当に大丈夫? すごい汗だよ?」

賢者「いえ…… 大丈夫ですよ……」

勇者「少し休んでくか?」

賢者「行かせてください…… なんだか私はこの先に行かなきゃいけない気がするんです」

賢者「私はここを知ってる…… 知ってるのに記憶にもやがかかったように思い出せないんですよ」

勇者「記憶操作の魔法でもあんのか……?」

魔法使い「……そんなの、聞いたことないよ、ぐすっ」

賢者「私はここのことを知りたい。 知らなきゃいけない気がするんです」

賢者「無くしたこの記憶を、取り戻したいんです」
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 22:53:38.26 ID:ZlfUG+1yO

木々や花々が枯れて見る影を失った庭には肉体を失ったゾンビ、グールが歩きまわる。 本館に入るとスケルトンの行進の影があった

脇の部屋に入ろうとドアに手を伸ばすとまるで脅かすかのようにレイスがすり抜けてきて、俺たちを嘲笑った

まさしくここは亡霊の館
人がかつてここに暮らし、そして忘れられた場所

今は死んだ者が魔物や幽霊へと成り果て、暮らす彼らの桃源郷

俺たちはそこにズカズカと入り込む
人間の命という暖かい光に引き寄せられるように魔物達が集まってくる
彼らに安息を与えるために斬り殺し、その度に賢者はなぜだか泣きそうな目をしていた

そして大きなドアの前に立つ
汚れて読めなくなったプレートのほこりをはらうと、そこには礼拝堂と書かれていた

373 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/03(月) 22:56:31.02 ID:Zpt2/XTeo
取り返しの付かないことになって勇者には痛い目にあってもらいたいな
なんかあまりにもクズすぎてイライラしてくる
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 22:58:36.50 ID:ZlfUG+1yO

……………………
………………
…………


ここは敬虔な修道院だった
神を信じる敬虔な信徒が数多くここに住んでおり、皆幸せな日々を過ごしていた


全員が食堂に集まり、手を胸の前で組む
この修道院の院長が眼鏡の奥の優しい瞳を瞑り、柔らかな声で食事前の祈りを捧げる


院長「大地の命と神の恵みに感謝します」

「「アーメン」」


少女は院長の祈りが大好きだった
他の聖職者のようにダラダラと長い祈りでないことも好きだったが、院長が本当に神の遣いなのではないかと感じるほどの深い愛情や慈しみが祈りに表れてくるから

修道院の院長という権力者であり、多忙を極めながらも私達1人1人を気にかけ、そして礼拝に来る人々を誰よりも暖かく迎えてくれるまさに聖人を体現した人
私は彼が大好きだった


院長「○○、祈りの句は読めるようになりましたか?」

少女「えぇっと…… いえ、院長みたいに上手なお祈りをしたいのですが……まだ上手く読めなくて……」

院長「そうですか、私のような祈りをしたいと…… そう言って頂けて私も嬉しいですよ」

院長「ですが形を気にしすぎてはいけませんよ。 祈りは神とのお話ですからね? 私達が伝えたい言葉を祈りに乗せるのです」

少女「伝えたい言葉?」

院長「ええ。 感謝の気持ち、愛情の気持ち、時には懺悔の気持ち。 それらを包み隠さず、神にお話するんです」

院長「それが例え不格好でも、神なら微笑みながら聞いてくださいますよ」


私にとっては院長こそが神のような存在だった
穏やかで澄み切った瞳は本当に邪な感情など見えず、その言葉一つ一つは神の代弁のようにも聞こえた

私はまた少し、院長が好きになったのだった

375 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 23:03:23.17 ID:ZlfUG+1yO

修道院の朝は早い
日の出と共に目を覚まし、掃除を行い皆で食卓につく

しばらくすると民が祈りを捧げるために続々と修道院の中へ足を踏み入れる

玄関を入り、廊下を抜けると綺麗な庭があり、それを横目に見ながら礼拝堂に皆が入っていく

神父たちの説教を聞き、懺悔し、皆満ち満ちた顔で帰路につく

そんな民の様子を見ているのが好きだった

いつも庭を綺麗に手入れするのが私の仕事
皆が庭を見て綺麗ね、と声を漏らすのも好きだ
帰りに満たされた顔で帰っていく人達を見るのが好きだ
頭を下げると笑って撫でてくれる大人達の手が好きだ
私はこの修道院での生活が大好きだ

この毎日を過ごせることが、幸せでたまらなく天国よりもここにずっとここにいたいとすら思っていた

376 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 23:06:08.17 ID:ZlfUG+1yO

だが今日はなぜだか夜、胸騒ぎがして眠れなかった
そわそわと落ち着きがなく、目を瞑るが眠りの中に入ることは出来ず、ついにはベッドを抜け出した

なんとなく散歩をしてると院長の部屋の明かりが付いていることに気がつく

そろーりそろーりと悪巧みをする子供のような笑みを浮かべながらドアの前に立つと、中から院長の優しい声がした


院長「その足音は、○○ですね?」


ぎくり


院長「どうぞお入りなさい」

少女「失礼します……」

院長「どうかしましたか? こんな夜遅くに」

少女「あ、いえ…… なんだか眠れなくて」

院長「なるほど、そういう夜もありますね。 今ホットココアを入れますのでそこに座ってください」

少女「ありがとうございます」

少女「院長はまだ寝ないんですか?」

院長「ふふ、そうですね。 もう少ししたら寝ましょうか」

院長「私が眠くなるまで少しお話につきあっていただけますか?」

少女「はいっ」


院長は優しい嘘つきだ
本当は昼にやらない仕事が残ってて、それを毎晩こうして片付けているのだろう
そして自分は寝る気などないのに、私が眠くなるまで話をしてくれるのだろう
その優しさが嬉しくて、彼の慈しみに溢れた笑顔がもっと見たかった

377 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 23:08:41.61 ID:ZlfUG+1yO

その後は院長の入れてくれたホットココアを飲みながらたわいもない話をした
私の近況、庭にコスモスの花が咲いたこと、最近読んだ本のこと

子供のつまらない話にも彼はうんうんと優しく頷きながら聞いてくれた

そして私はハッと思い出す


少女「院長、これ」

院長「これは?」

少女「ハンカチです、今日教えてもらいながら作ってみました」

院長「可愛いヒマワリの刺繍ですね」

少女「えへへ、ありがとうございます。 それ院長にあげる!」

院長「嬉しいです、ありがとうございます○○」

院長「どんな名画よりも子供の書く絵には叶わないとはよく言ったものです」

院長「優しい…… 暖かい出来ですね。 見ているだけで心が休まりますよ」

少女「えへへ」

院長「あぁ、そうだ。 ○○にこの本をあげましょう」

少女「……これは? さとりの、書?」

院長「えぇ、時が来たらこれを読みなさい」

院長「それまで大切に持っているのですよ? とても貴重な本ですからね」

少女「はいっ、分かりました!」

378 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 23:16:08.30 ID:ZlfUG+1yO

先程までニッコリと笑っていた院長が突然ガタンっと音を立てて椅子から立ち上がった
その目はいつもの優しい瞳ではなく、真剣な眼差しそのもの


聖なる環境に身を置いていた聖職者だからこそ分かったそれは聖と対を成す魔の気配

死の鐘が鳴り響くのが聞こえる
それは確実な死が迫る死神の足音だ


逃げねば
そして逃がさねば……


慌てた様子で1人の若い神父が部屋のドアを開けて叫ぶ


「院長!!」

院長「何が起きたのです!」

「魔物の大軍が突然押し寄せてきて!! 皆逃げております!!」

院長「分かりました! あなたも早く逃げなさい! 私もゆきます!」


神父に逃げるよう促し、彼が逃げようと身を返したその時、死神はやって来た
大型の狼の魔物

それは赤い目をぎらりと光らせ、恐ろしいスピードで神父へと飛びかかった


院長「くっ……! 見てはいけません!!」

少女「あっ……あぁっ、神父様……!」


断末魔の叫び声と共に骨を砕くバキバキという音
そして肉を引きちぎる咀嚼音が小さな部屋に響いた


院長「こっちです○○! 早く!!」

少女「……っ!!」


院長に手を引かれ、部屋の窓から脱出する

外は、まさに本当の地獄絵図だった
修道院は殺戮の地獄となる


建物の窓には、助けを求めながら死んだのだろう血が付着しており、その下にはシスターの衣装と原型を留めないほどに切り刻まれていた肉塊があった

壁には顔面を剣で貫かれて無様な姿で貼り付けにされている者もいた

ある者は回復魔法を唱えている間に私たちの目の前で首をもがれて死んだ


美しい花々が咲き誇っていた私の大好きな庭は、血の薔薇が咲き乱れ私の心を絶望へと変えていく

修道院の白い壁は血で赤く塗り直され、大きな爪痕が残される

私の大好きな修道院はもう残っていない
全ては終わってしまったのだと確信した

379 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 23:20:09.32 ID:ZlfUG+1yO

院長は私を連れて礼拝堂へと入る
内側から鍵をかけ、そして私の肩を掴んで言った


院長「良いですか○○よく聞きなさい」

院長「今日という日は人生の中で最も辛い日になるでしょう。 この日をしっかりと覚えていなさい」

院長「この日があなたの人生の底です。 あとは這い上がっていくだけです、これ以上に残酷で過酷な辛いことはもうありません」

少女「院長……?」

院長「この礼拝堂の裏口から外へ逃げなさい。 隣町まで走るのです!」

少女「院長は? 院長も逃げましょうよ!」

院長「いいえ…… 私はもうダメです」


見ると彼の足から多くの血が流れていた
私たちが逃げる間に怪我をしたのだろう。 それでも彼は私をここまで導いてくれたのだ


その時、ドアに何かがぶつかる大きな音がした
木製のドアとはいえ他のドアよりは分厚く強度もある。 それでも相手は魔物なのだ

もう、残された時は少ない


院長「私は神を呪います。 このような残虐な仕打ちがあるでしょうか」

院長「私は天に上るつもりはありません。 神の顔など見たくもない」

院長「ですからここを地獄へと変えましょう。 人間と等しく、魔物にも本物の地獄を見てもらわなければなりません」


いよいよドアが形を歪ませ、いまにも破られそうになってくる


院長「行きなさい○○! あなただけは、必ず逃して見せます!」

少女「い、いやです…… 院長……! 私1人だなんて!」


そしてドアがついに破られ魔物が多数ひしめき合いながら向かってくる


院長「神よ、私はあなたを許さない! 奴らに真の地獄を返して見せよう!」

380 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 23:21:24.92 ID:ZlfUG+1yO

彼は呪詛を呟く
祈りとは真逆のまさに神を呪う言葉の羅列
聞いているだけでこちらまで呪われそうな悔恨や、怨み、妬みが伝わってくる

彼は十字架を胸に突き刺した

瞬く間に彼の肉体は透明なものとなり、そして再構築される

その姿がアンデットへと変わっていくのを私は見た

381 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 23:28:33.66 ID:ZlfUG+1yO
……………………
………………
…………


賢者「院長……?」


礼拝堂の奥にはリッチが1匹佇んでいた
それが、院長の今の姿なのだと賢者は思い出した
いや、院長の姿だけではない。 さっきの記憶が私の小さい頃の記憶であることを、全て自分の記憶だということを思い出した


ギェアアアアアアアア!!!


彼の優しい声は聞く影もなく、死霊の甲高い声へと変わっている
優しかった瞳は抜け落ち、虚空の眼窩がこちらを覗く

肉体は半霊の体となり、肉体から青白い炎を放っている
その羽織る衣はかつて、彼が着ていた修道院服だ


人骨の杖を振り、業火魔法が放たれる
美しかった礼拝堂のこの惨状はまさに彼が魔物と戦い抜いた証
そして地獄と変わった日から止まってしまった彼の時間そのもの


勇者が剣で一振りすれば業火は消炎した
彼は剣を握り直して戦闘態勢に入るが、賢者は肩に手を置きその前に歩みでる


賢者「ごめんなさい院長、忘れるなと言われたのに私は自分の記憶を閉ざしてしまっていたようです」

賢者「ですが、今全て思い出しました」

賢者「あなたが救ってくれたおかげで…… 私はこうして生きています」

賢者「だから…… 次は今まで頑張ってくれているあなたを私が助ける番です……!」

382 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 23:32:05.95 ID:ZlfUG+1yO

膨大な魔力を持つ上級モンスターであるリッチはその凶暴さも相まって恐れられる魔物の一角だ

だがリッチは…… 院長はその杖をもう振らない

まるで賢者に殺される時を静かに待つように


賢者「院長……ありがとうございます」

賢者「聖なる火柱よ立ち登れ! グランドクロス!」


リッチの足元が白い光に溢れる
瞬く間にそれは爆発的に広がり、光の柱が立ち上った
アンデットのリッチにとっては弱点の聖なる魔法は致命傷だ
彼は声を上げ、そして倒れた

その虚ろな瞳の先の説教台の上には、小さなヒマワリが縫われた可愛らしいハンカチがあった

383 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/03(月) 23:32:34.67 ID:ZlfUG+1yO
今日はここまで
考えてた賢者の過去話消化
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/04(火) 06:15:34.06 ID:0Znj5SniO
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/04(火) 18:39:06.83 ID:xswBvHWSO

賢者ではなくパラディンだったのか!?
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/05(水) 22:27:35.84 ID:ruQzrAxs0
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/08(土) 16:22:49.39 ID:PkPkTXMCO
続きはまだー?
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/10(月) 22:23:05.13 ID:/djWyH6JO

勇者「ふぅ」


一息つく
アンデットはほぼ全て倒し雨が止むまでやっと体を落ち着かせられる

賢者は取り乱すこともなく、落ち着いている様子だった
彼女にとっては忘れていた思い出の地であり、そして命の恩人をアンデットの地獄から解放出来たことが嬉しいのかもしれない

女陣は各々体を休めているがもう一つ、やることが俺にはあった
アンデットとは違う嫌な何かがここにはある

俺はその気配に導かれるまま礼拝堂を出て、本館に入った
血が乾いて黒く塗りつぶされた壁を不気味に思いながら俺は廊下を進む

陽が沈み真っ暗な廊下を進み、そしてとある部屋のドアノブに手をかけた

この部屋に嫌な気配を放つ何かがいる


389 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/10(月) 22:23:32.43 ID:/djWyH6JO

ドアをあけると鼻を突き刺すような腐臭に部屋は満たされていた
胃から上がってくるものをぐっと堪え、務めて部屋の中に注意を向ける

そこには真っ黒ないわゆるロリータ服を着た、盗賊と同じくらいの年頃の女の子がいた
しかし異質なのはその子の両隣を挟むように鎮座された腐った二体の死体

死後数週間、いや数ヶ月は立っているのだろう。 その体は朽ち果て、目も当てられない姿になっている

生と死が混ざり合う異様な光景に自分の目すら疑ってしまう
にっこりと歳相応の笑顔を見せるその異様な女の子が声をかけてきた


暗殺者「こんばんはお兄さん、いい夜ね」


390 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/10(月) 22:24:40.23 ID:/djWyH6JO

勇者「俺はたった今最悪の夜に変わったよ」

暗殺者「えーそんな事言わないでよ」

勇者「こんな所でなにしてる? そしてその隣の死体たちはなんなんだ」

暗殺者「ふふ、そんなにいっぺんに聞かれても困っちゃうなー」

暗殺者「これはパパとママだよ? 3人でここに逃げてきたの」

勇者「パパとママ……? 俺には死体にしか見え……


がきんっ!!


勇者「いきなりナイフ突き刺すかよおい」

暗殺者「あらら防がれちゃった。 お兄さん強いね」

勇者「お前こそ並の早さじゃなかったぞ? 何者だお前」

暗殺者「ちぇー、これはダメだなぁ私の手に終える相手じゃなかったかぁ」

勇者「質問に答えろ」

暗殺者「んもー、やめてよ怖いんだから」

暗殺者「私は暗殺者だよ。 闇の家業に身を置く一族」

勇者「ってことはさっきパパとママって言ってたそれも?」

暗殺者「うんっ! 私が殺したの!」

勇者「……そうか。 そりゃまたなんで」

暗殺者「えへへ、聞きたい?」

勇者「ま、夜は長いからな。 聞いてやるよ」

暗殺者「ふふ、やっぱりいい夜になるね」


391 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/10(月) 22:25:06.59 ID:/djWyH6JO

暗殺者「私ね、一族の例に漏れずアサシンなんだけど」

暗殺者「ちょっと私には才能がありすぎたみたい。 人を殺すのがすごく簡単だもの」

勇者「おっかねえ子供だな」

暗殺者「ふふ、お兄さんは殺せなかったけど。 パパとママは私の才能に嫉妬したのでしょうね」

暗殺者「優しいパパとママと一緒にいられてずっと幸せだったのに……あの日までは」

392 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/10(月) 22:25:33.97 ID:/djWyH6JO

暗殺者「私が仕事でいけすかない男を殺した日、それを早くパパに教えたくてね」

暗殺者「帰ってきたパパにその日殺したターゲットのことを話したの」

暗殺者「人混みの中を掻い潜って、喉をかっ捌いたら口をぱくぱくしながら死んでおもしろかったよーって言ったらいきなり殴られたの」

勇者「…………」

暗殺者「そのまま私の初めてを無理やり奪われちゃった。 許せないでしょ? でもね、それからそうやってパパに毎日殴られ蹴られ切られ犯され続けたの」

暗殺者「あんなに優しかったパパが怖くて怖くてたまらなかったなぁ」

勇者「ママは? 助けてくれなかったのか」

暗殺者「ママももちろんその事は知ってたよ。 見て見ぬ振りってやつ」

暗殺者「でもね、犯され続けるのが耐えきれなくなってママに助けを求めたらね酷いんだよママ」

暗殺者「あんたのせいで私はパパに愛されなくなった、だってさ」

暗殺者「もうダメだこいつって思ってママ殺しちゃった」

勇者「……そうか」

暗殺者「いとも簡単に殺せてびっくりしちゃった! ママってこんなに弱いんだー、って」

暗殺者「なんか私自信ついちゃってね! これならパパも簡単に殺せるんじゃないかなって思ってね!」

暗殺者「そしたら本当に簡単に殺せちゃったの!!」

勇者「お前……」

暗殺者「怖かったパパとママをそうやって殺したの」

暗殺者「ふふ、それで今はこうしてここで3人で静かに暮らしてるんだ」

暗殺者「怖かったパパとママは、前みたいに優しい2人に戻ってくれて私は嬉しいの!」

暗殺者「えへへ、パパもそう思うよねー」

勇者「……いかれてんな」
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/10(月) 22:26:45.51 ID:/djWyH6JO
>>395 どうするか

@暗殺者を殺す

A暗殺者を説得して一緒に来るように言う

Bとりあえず犯す

C犯す
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/10(月) 22:44:18.55 ID:dDiaLMaWo
2
怖いけどいい子そうだし…
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/10(月) 22:55:06.61 ID:SfVim/+mo
3と4の違いは何ですかね・・・
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/11(火) 00:33:20.02 ID:R/ZUs0An0
2と4の複合が良かったかな
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/12(水) 20:39:01.56 ID:33aa7R58O

勇者「お前、それで幸せか?」

暗殺者「うん! パパとママと一緒にいられて幸せだよ!」

勇者「違う、分かってねえなお前」

勇者「それはただの死体だ。 お前のパパとママはもう死んでんだよ」

暗殺者「……どうして、そういうこと言うのかな?」

暗殺者「殺すよ?」

勇者「やってみろよ」


俺が言い切る前に目の前の少女はとてつもないスピードで肉薄する
右手に握られたナイフの軌道は俺の喉元を目掛けて振られており、それをスウェーしてかわすのと同時に体を無理矢理に捻って回し蹴りを見舞う

ただの冒険者程度であればそのカウンターで勝負が決まるのだが、この暗殺者相手にはそうはいかなかった

対人戦闘を極めれば極めるほど、体の軸や視線、ほんの僅かな腕や足の動きで次の行動が予測できるようになる
そしてその能力は人間相手の殺しを専門とする暗殺者は秀でていた

小さな体も相まって容易く蹴りをかわしたところで彼女はさらに距離をつめる
人類の中では暗殺者の強さは別格だろう
逃げても逃げられない急所を狙い続ける必殺の戦法
だが所詮、それは人類の中での話だ

人類最強の勇者の前では暗殺者ですら年相応の女の子の域は出ない
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/12(水) 20:43:07.15 ID:33aa7R58O

暗殺者には何が起こったか見ることすらできなかった
不可視の早さから繰り出された勇者の投げ技は、気付けば暗殺者を地に伏せさせている

床に激しく叩きつけられた衝撃で暗殺者は息が詰まり、目がチカチカとして焦点が合わせることができない
喘ぐように酸素を求めながら圧倒的な強さの勇者をせめともと睨みつける


暗殺者「がっ…… あっ……い、いたい……」

勇者「お前はまだ生きている。 それはお前のパパとママとは違うことを認めろ」

勇者「セックスをして気持ちよくなれるのは生きている者の特権だぜ」

暗殺者「がはっ…… セックスなんて気持ちよくないよ」

暗殺者「パパと何回も何回もしたけど全く気持ちいいものなんて思ったことないよ」

勇者「それはお前がただ乱暴にされただけだからな」

勇者「俺が本当のセックスを教えてやる」


雷魔法を静かに唱える
魔力を極限まで抑えた攻撃ではない用途での雷撃
指を彼女の口にねじ込み、そしてその指先から微弱な雷撃魔法を放った


暗殺者「ひゃぁんっ!」


暗殺者はまさしく電気が走ったように体が跳ねる
そしてその体は脱力しきり、四肢は力なく投げ出された


暗殺者「あ、あれ……?」

勇者「動かねえだろ」

暗殺者「な、なにしたの」

勇者「雷魔法をちょっとアレンジして、麻痺魔法にしたのよ」

勇者「この麻痺ってやつがかなり癖になるんだぜ?」

勇者「さ、お楽しみの時間だ」
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/12(水) 20:45:13.87 ID:33aa7R58O

小さな暗殺者の体を持ち上げる
ひゃぁぁと頓狂な声を上げ抗議をしてくるが、それには答えず腐臭に満たされた部屋を出る

適当に空いた部屋に入り、埃だらけのベッドに彼女を横たわらせる

そして乱暴に彼女の服を引き裂き、その裸体を明らかにさせる


暗殺者「や、やだ…… お兄さんも乱暴するの?」

勇者「さぁな」


痺れのためか、恥辱のためか微かに歪んだ彼女の唇に口付けをする
ただそれだけの刺激でビクンと再び体が跳ねた


暗殺者「んぅ〜〜! あ、んっ!」

暗殺者「唇が、ぴりぴりする……!」


割れた唇に舌を這わせる
痺れてうまく動かせないのであろう舌を絡め取り、ちろちろと舐めながら吸い付く
通常よりも何倍にも強く感じる刺激が脳にダイレクトに届き、彼女の頭の中は真っ白になり、早くも弾けた


暗殺者「あっ、んぅ〜〜、あっ!!」

暗殺者「ひゃぁ、や、だめ! いくっ!」

勇者「へぇ、イクって感覚が分かるのか」

勇者「いいぞ? 我慢しないでキスだけでいっちゃえ?」

暗殺者「あぁん! ひっ、イクっ! いぃ、ああぁぁ〜〜っ!」


全身を雷が駆け抜けるように快感が走り彼女は達した
ただのキスだけでである


勇者「おいおい、キスだけでイクのか?」

暗殺者「あ、あぁ…… きもち、いい」

勇者「気持ちよくなるのはこれからだぞ?」

暗殺者「だ、だめ」

勇者「どうして?」

暗殺者「おかしく、なっちゃう……」

勇者「じゃあ止めるか?」


彼女の膨らみかけの胸をそっと撫でた
ビクンとしながら顔は再び蕩け、涎を垂らす
その涎を舐め取り、彼女を見つめると自分の方から舌をだらしなく垂らし俺の唇を誘った

400 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/12(水) 20:48:22.36 ID:33aa7R58O

その求めに応じるように彼女の口腔内蹂躙する
小さな唇を塞ぐようにし、息も絶え絶えに喘ぎながら必死に呼吸する彼女には構わず喉奥に舌を走らせる


暗殺者「ごほっ、はぁっ……げほっ…!」


呼吸苦のために顔を赤く染め、目尻に涙を浮かべながらも感じてしまう彼女
苦痛と快感を同時に感じ、その苦痛は快感を増強させるスパイスになってしまう
痺れと被虐に抗いながら彼女は必死に息を吸い続け、そして下の口から愛液を吐き出した

もう既にトロトロに熟された秘裂にペニスをあてがう
蜜をすくい亀頭に塗りつけるようにそそわせると暗殺者は反射的に体をビクンと跳ねさせる


暗殺者「だめっ! だめだめ!」

勇者「お前の体はこんなに欲しがってるのに?」


陰唇をわざとらしく広げ、膣口を顕にさせるとそれはヒクつき不規則にうねっていた
俺の意地悪にさらに顔を赤らめるが、そっぽを向いたり顔を手で覆うことすらできない
全ての抵抗行動を封じられた彼女はまさに俺の人形であり、快感を感じるだけのダルマだ

ずぶずぶとペニスを挿入する
熟れた腟内は抵抗などなく、容易く根元まで飲み込み、俺は子宮口をグリグリと突いた


暗殺者「あっあっ! ひゃぁああっ! 〜〜〜〜っ!!」


痺れによる何倍にも増強された快感に彼女は挿入の一突きで2度目の絶頂を迎えた

401 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/12(水) 20:49:52.90 ID:33aa7R58O

口の端からはだらしなく涎が垂れ流され、目が泳ぐ
下の秘裂から愛液が絶え間なく流れヒダがうねりながら更なる快感を求めてペニスをしごいてくる


勇者「おいおいすげえな」


率直に抱いた感想だった
ただペニスを1度入れただけで、狂うほどの絶頂なのだ
もしピストンをしたら? 奥深くまで本気で突き刺したら?
彼女はイキ狂って死んでしまうのではないだろうか

不安を感じながら彼女の余韻を邪魔しないようにじっとしていると彼女が俺の方をじっと見据えながら痺れる口で言葉を必死に紡ぐ


暗殺者「きもち、いい……」

暗殺者「もっと、いれて?」

勇者「どうなっても知らねえぞ?」

暗殺者「いい…… ほしいの」

暗殺者「おまんこがうずいておかしくなっちゃいそうなの」

暗殺者「パパとした時こんな事なかった」

暗殺者「おちんちんで奥をもっと突いて?」

暗殺者「おまんこの奥がうずうずして耐えられない……」

暗殺者「お願いします、私を犯して」

暗殺者「めちゃくちゃにして、ください」

勇者「…………」

暗殺者「早く、はやく私を狂わせてよぉ!!」
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/12(水) 20:51:54.50 ID:33aa7R58O

求めに応じられるまま固く反りたったペニスを奥深くへ突き刺す
腟内に満たされていた蜜がペニスによって押し出され、ヌルヌルと包み込んだ
まるで決壊したダムのように蜜は際限なく溢れ出て、彼女の叫び声と共に激しい水音をビチャビチャと響かせる


暗殺者「あああああぁぁぁぁああっ!!!」

暗殺者「はあぁっ! ひゃ、うあああうぅぅぅ!!」

暗殺者「ひぁっ、ああぁっ!! い、あああ……! あぐっ、き……!」


淫らな無数のヒダがまるで精液を絞り出そうとするようにうねりながら絡みつく
彼女はとまらない絶頂の波に叫び狂い、快感に全身を支配される

何度も腰を夢中で打ち付け、そして微弱な電気を時折放つ
それが子宮から全身を駆け巡り脳を震わせる
そうするだけで彼女は体を何度も跳ねさせて脈を打ち、獣じみた嬌声をあげ続けた


暗殺者「や……あぁんっ!! 気持ちいい!!」

暗殺者「びりびり、だめぇっ!! おかしくなっちゃうぅぅ!!」

勇者「お前が狂わせろって言ったんだぞ?」

暗殺者「だ、だめぇ……! ご主人様…… びりびり、ずるいよぉ…!!」


口でぱくぱくと酸素を求めて喘ぎ、肩で呼吸する彼女を抱きとめる
その刺激ですらも絶頂してしまうほどに彼女は壊れていた

あげる声すら枯れ、必死に息を吸いながら突かれる度にピンクの声色を吐き出すただの痴女の姿へと、暗殺者はいつの間にか変わっている
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/04/12(水) 20:55:38.50 ID:33aa7R58O

既に何度出しただろうか
ぱちゅ、ぱちゅと小気味よいリズムで彼女へ腰を打ち付けながらぼんやりと考える
数度ピストンされるだけで絶頂し、気を失うもすぐにまた絶頂することで現実へ意識を引き戻させられる


暗殺者「あ、あひ……」

暗殺者「あ、ありがとう、ございましゅ……」

暗殺者「ごしゅしんさま……」


いつから俺はご主人様と呼ばれるようになった?
と思いながらもまた無心で精を吐き出す

腟内へ吐き出された熱いモノで彼女はもう数えるのが馬鹿らしくなるほどの、絶頂をまた迎える


暗殺者「ひっああぁぁぁ……!」

暗殺者「また、また熱いのきたぁ……!」

暗殺者「んんぅ〜〜〜っ……!」


ペニスを引き抜いても彼女の絶頂は止まらない
ガクガクと腰を震えさせながら、刺激に慣れすぎた彼女の身体は性交を止めても快楽を止めることが出来ない


暗殺者「あひっ…… はっ…… いくの、とまんな、い……」

暗殺者「ひっ、あぁ…… んっ……」


自分の意思とは無関係に動いてしまうほどに、走り抜ける性感によって体が作り替えられてしまった暗殺者
その小さな体を抱きしめてじっと彼女を落ち着かせる
浅く早かった呼吸は、静かに深いものへ、そして最後には小さな寝息へと変わる

永遠のように続く絶頂の責め苦ともいえる暴力的な快感からようやく意識を手放せた暗殺者と俺は折り重なるように眠りについた
313.96 KB Speed:0.1   VIP Service SS速報R 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)