幼女魔王N「小さなお城で甘えたい」 母性巫女「晴れ渡る雨の新世界」

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92 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/05/29(月) 00:35:09.92 ID:xZfW1jcLo


幼女魔王M 「それで、K」

幼女魔王M 「あなた、下から来たの?」


母性巫女 「ええ……」


幼女魔王M 「下で生まれたってこと?」

幼女魔王M 「もしかして、棺の死神の牢獄より下から……!?」


母性巫女 (死神の牢獄……)

母性巫女 「いえ」

母性巫女 「気づいたら下の牢屋の中にいました」


幼女魔王M 「そっか。まあ、そうよね」

幼女魔王M 「……あの、ところで、Tはどこ?」


母性巫女 「え……」


幼女魔王M 「卵スライムの卵を孕みし幼女魔王よ」

幼女魔王M 「お腹が大きいの」

幼女魔王M 「下から新しい子の気配がするって、出て行ったのよ」

幼女魔王M 「ほら、あの子生まれる系のことに敏感みたいで」

幼女魔王M 「会わなかった?」


母性巫女 「…………」

母性巫女 「会いました」



…………



93 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/05/29(月) 01:10:44.38 ID:xZfW1jcLo



…………


幼女魔王の塔 下層階段




ザ ザ ザ


母性巫女 (二人のNに、死神の牢獄でのことを話した……)


幼女魔王M 「そうか、とうとうTもいっちゃったのね」


幼女魔王A 「クスン……」


母性巫女 「ごめんなさい、何もできなくて」


幼女魔王M 「あやまること無いわよ」

幼女魔王M 「きっとあの子は幸せな方だと思うから」


母性巫女 「幸せ……?」


幼女魔王M 「でも困ったなあ」

幼女魔王M 「あの子、私たちの中でも頭が良い方だったから」


母性巫女 「……………」



ポワ ポワ ポワ


幼女魔王T 『私はあんまり難しいことを考えることがあんまり、あんまりなの!』


ポワ ポワ ポワ



母性巫女 「…………」



ザ ザ ザ ザ……


94 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/05/29(月) 01:30:12.59 ID:xZfW1jcLo



幼女魔王M 「もう少しで上に着くよ」

幼女魔王M 「詳しいことはそこで話そ」


母性巫女 「はい」

母性巫女 (上。幼女魔王の塔。増えていくN……)

母性巫女 (もしかして、ここはNの……)


幼女魔王A 「……あ、うあ」


母性巫女 「?」

母性巫女 「どうしました? N……A」


幼女魔王A 「あの、わたし、あのね……」

幼女魔王A 「上についたら、まま、上、あの、案内……する……したい……」


母性巫女 「あら」


キュン


母性巫女 「お願いします」

母性巫女 「いろんなところ、教えてくださいね」


幼女魔王A 「ぅ……うん!」


母性巫女は 幼女魔王Aの 手を握った!


幼女魔王A 「!!!」

幼女魔王A 「あぅ、あ……」


ポー……


幼女魔王M 「恥ずかしがりのAだけじゃ大変でしょ。私も付き合うからね」



95 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/29(月) 10:28:12.54 ID:u759m31lO
更新多くていいね! 乙
Nってなんの頭文字だったけか
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/29(月) 19:17:59.43 ID:xYFzxnmGO
抜け殻じゃないか
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/29(月) 19:20:20.01 ID:z7V8/r9eo
なめなめだよ
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/29(月) 20:57:32.04 ID:T9kRFiQOo
にゅーとらるかも
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/30(火) 12:58:18.02 ID:Ja8TMB+9O
なんで黒髪のKなんだよ!
巨乳のKだと誰しも思っただろ
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 09:19:32.78 ID:Yeor8/nrO
ねっちょりにゅるにゅるのNだな間違いない
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 19:44:15.82 ID:kel6xM1ko
更新はよと言いたいけど最近一杯更新してくれたし流石になぁ……

更新はよ
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 00:45:12.50 ID:N/uQnC+E0
NはニヨラのNだと思ってたけどこれは他にも何かありそうだな
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 19:59:25.26 ID:A0+BeJvmo
ニッコールクラブだよ
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 00:19:04.56 ID:rN6ZVMcgO
ナナカマドだよ
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 21:56:32.19 ID:mGrNHcNzo
ネイキッド……とかはカッコいいからあわないな、やめよう
ナース服にしよう
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/09(金) 21:40:12.31 ID:h3QJuJTRo
更新マダー?( ・∀・)っ/っチンチン
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/17(土) 02:38:47.67 ID:JY7aQJnfo
更新待ちなのですがいつ頃になりますか?
108 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/06/18(日) 04:19:30.62 ID:v9TFi4H7o


テク テク



幼女魔王A 「あのね、あのね、私のお部屋を一番に見せてあげる」

幼女魔王A 「大事な人にしか見せてあげないの……」


母性巫女 「あら、ありがとうございます」


幼女魔王A 「えへへ……」


ギュ


幼女魔王M 「本当に珍しいね。Aがそこまで積極的になるなんて」

幼女魔王M 「だけど、城の案内はあとだね。先に幼女魔王会議があるから」


幼女魔王A 「あ……うん」


母性巫女 「幼女魔王会議」


幼女魔王M 「この塔が出来た頃から定期的にひらかれているという、大事な会議だよ」

幼女魔王M 「まあ、このところはずっと……」



??? 「……おおっと、そこの三人、そこで止まってもらおうか!」




母性巫女 「!」



???1 が現れた!
???2 が現れた!
???3 が現れた!

109 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga]:2017/06/18(日) 04:44:15.08 ID:v9TFi4H7o


???たち 「ふっふっふ」

???たち 「ここから先、簡単には通さないぞ!」


母性巫女 (新しいNが三人、私たちをを通せんぼしている……)


幼女魔王M 「……あんたたち、またやってるのね」

幼女魔王M 「悪いけど、今は……」


???1 「私は幼女魔王F!」

幼女魔王F 「Fの字を持つ幼女魔王!」

幼女魔王F 「幼女魔王……フェニックス!」


ビシィ


母性巫女 (……ん?)


???2 「そして私は幼女魔王H!」

幼女魔王H 「Hの字を持つ幼女魔王!」

幼女魔王H 「幼女魔王……フェニックス!」


ビシィ


母性巫女 「えっ……」


???3 「最後に私は幼女魔王W!」

幼女魔王W 「Wの字を持つ幼女魔王!」

幼女魔王W 「幼女魔王……」

幼女魔王W 「フェニックス!!」


ズバアン


母性巫女 「…………」


110 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/18(日) 08:48:56.04 ID:NRKf1K6io
更新乙
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/06/22(木) 16:36:45.67 ID:3AXn9UrUO
トライペガサスアタックですねわかります
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/12(水) 18:43:34.96 ID:ZrBHkGjRO
7月になってしまった
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/16(日) 18:11:51.15 ID:6Sycy0ZDo
そろそろ来ますかね?
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/03(木) 00:16:44.46 ID:HmrOqBhN0
夏だぞ
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/04(金) 06:23:54.79 ID:vFXbtNmk0
これはイカちゃんに夢中になってますね
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/04(金) 07:46:55.50 ID:ozhszSQ/o
まじかよDQサイテーだな
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/04(金) 17:46:11.57 ID:pRxACdU0O
おいおい冨樫病は不治の病やぞ
118 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/05(土) 07:10:01.41 ID:Bie0A8nYo


幼女魔王W 「私たちフェニックス隊は塔の未来のために頑張っている、選ばれた者しか入れないすごい隊!」


幼女魔王H 「仲良しでコンビネーションがすごい!」


幼女魔王F 「でも頑張ってるからすごいお腹がすく!」


幼女魔王WHF 「ここを通りたかったら、何かお菓子をください!」


母性巫女 「お菓子……そういえば、箒少女から貰ったスルメガムがボケットに」

母性巫女 (……無い。お城にいたときの持ち物が無くなっている……?)


幼女魔王M 「K、相手しなくて良いよ」

幼女魔王M 「WHF、会議がもうすぐ始まるよ。あんたたちも出席者でしょ」

幼女魔王M 「さっさとそこをどいて……」


幼女魔王WHF 「うわーん、お菓子ちょうだい! お菓子ちょうだい!」


ジタバタ ジタバタ


母性巫女 (床を転がって駄々をこねだした)

母性巫女 (ああ、泣いてる、何とかしなきゃ)


キュン


母性巫女 「あの、よかったら……」


幼女魔王M 「仕方ないわね、あの手を使いましょう」


母性巫女 「?」



119 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/05(土) 07:27:17.93 ID:Bie0A8nYo


幼女魔王M 「あんたたち」


幼女魔王WHF 「お菓子ぃ、お菓子お菓子お菓子ぃ!」


ジタバタ ジタバタ


幼女魔王M 「……これから覇権を握ることになる魔法ゲーム器は何か、教えていただけるかしら」


幼女魔王WHF 「お菓……」

幼女魔王WHF 「……!!」


ピタ


母性巫女 (一瞬で泣き止んだ……!)


幼女魔王W 「ふっふっふ……」


幼女魔王H 「次世代の遊び道具を模索し続ける私たちフェニックス隊にとっては、その程度の問題……」


母性巫女 (そういう隊なのね……)


幼女魔王F 「オチャノコサイサイよ!」


母性巫女 (オチャノコ……?)


幼女魔王W 「これから覇権を握る魔法ゲーム器、そう、それは……!」


幼女魔王H 「ニンシンドーsbitchよ!」
幼女魔王F 「ペニーステーション4よ!」
幼女魔王W 「セイガサカーンよ!」


120 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 08:11:38.46 ID:gsFe0Jlqo
どいつとは言わんが既に覇権どころか滅んだゲーム機が一つ混ざってますね…
121 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/05(土) 08:51:41.33 ID:Bie0A8nYo


母性巫女 「…………?」



幼女魔王H 「ちょっと、何でそうなるのよ。sbitchしかありえないでしょう!」

幼女魔王H 「ペニステなんて見栄えばかりにこだわって中身すっかすかのゲームしか無いじゃない!」

幼女魔王H 「sbitchは携帯魔法ゲーム器としての運用も可能なのよ!」

幼女魔王H 「乙女ゲーと劣化美少女ゲーまみれのペニーステーションバイタと合わせてかかってきても、sbitchの足元にも及ばないわ」


幼女魔王F 「何を言っているの! 次世代の遊び道具を追求する私たちが推すにふさわしいのはペニステよ!」

幼女魔王F 「sbitchの性能では次世代の領域であるVR機能に対応できるとは思えない!」

幼女魔王F 「そして面白いゲームだってたくさん出ているわ! SO5とかFF15とかFF15とかFF15とか!」

幼女魔王F 「たしかにヘボゲーもたまにあるけれど、それはつまり、それだけたくさんのゲームが出ているということ!」

幼女魔王F 「玉石混交は覇権の器ゆえのこと!」


幼女魔王W 「いいえ待って、XXXboxやANARIboxを語らずしてどうするというの!」


ガミガミ ギャーギャー


母性巫女 「何の話をしているのか全然分からない……」


幼女魔王A 「あのね、私、分かるよ。聞きたい?」


母性巫女 「あら、それじゃあゆっくりしているときに教えてもらえますか?」


幼女魔王A 「うん……! えへへ」


幼女魔王M 「さあ、今のうちに行きましょう」


122 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/05(土) 09:01:41.12 ID:Bie0A8nYo


母性巫女 「え、でも……三人がせっかく答えを……」


幼女魔王M 「大丈夫よ」

幼女魔王M 「答えなんて何もない質問なのだから」


母性巫女 「そうなんですか?」


幼女魔王M 「ここはもう、ずっとそういうところ。ここにあるどんな問題にも、答えなんて無い」

幼女魔王M 「誰も答えてくれやしない。誰も答えられやしない」


母性巫女 「……?」


幼女魔王M 「すぐに分かるわ」

幼女魔王M 「……WHF、あんたたち、会議が始まる頃にはちゃんと来なさいよね」



幼女魔王WHF 「ギャーギャー、ワーワー」



幼女魔王M 「……フン」

幼女魔王M 「行くわよ、A、K」


テク テク テク


母性巫女 「あ、ちょっと……」


幼女魔王A 「まま、行こう」


母性巫女 「……は、はい」



テク テク テク テク

………

123 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 16:26:36.64 ID:nSeZxs1Ao
更新乙
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/06(日) 01:59:47.89 ID:3pQ1uSC8o
わーい
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/06(日) 03:54:03.18 ID:WDFZDe6CO
待ってた
126 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 02:57:17.64 ID:3VmAHDZuo


幼女魔王の塔 円形広間



ザ ザ ザ ザ

コツ コツ コツ



母性巫女 「ここは……お城の広間?」

母性巫女 (Nの城とはつくりが全然違う)

母性巫女 (暗い無骨な石畳。広くて寒々しい)


幼女魔王A 「まま、上を見ちゃいけないの」

幼女魔王A 「天井に張り付いた逆さまお化けが、暗闇を吐きながら、誰かと目が合うのをじっと待っているのよ」


母性巫女 「あら」


幼女魔王M 「ただの思い込み。逆さまお化けなんていないの」

幼女魔王M 「高すぎて天井が見えないだけ」


母性巫女 「あら?」


幼女魔王A 「……い、いるもん。本当だもん」


幼女魔王M 「はいはい」

幼女魔王M 「早くKに教えてあげなさい。ここは何?」


幼女魔王A 「う、うん」

幼女魔王A 「ここはね、ええとね、広間なの」

幼女魔王A 「ここから廊下がいっぱいあってね、みんなの部屋に繋がっててね、みんなでお菓子を食べたりね、お話ししたりね、遊んだりね、ええとね……」


母性巫女 「はい。はい……」


127 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 03:14:58.31 ID:3VmAHDZuo


コツ コツ コツ


??? 「あら、珍しいわね」

幼女魔王C 「M、A、あなたたちが一番だなんて」



幼女魔王C があらわれた!



母性巫女 (また新しいN……)

母性巫女 (Aと同じくらい小さいけれど、どこか落ち着いている)


幼女魔王C 「……?」

幼女魔王C 「ずいぶん大きい子がいるわね」

幼女魔王C 「そうは見えないけれど、新しい私たちなのかしら?」


幼女魔王M 「さすがC、その通りだよ」

幼女魔王M 「この子は幼女魔王K」


母性巫女 「ええと、よろしく、お願いします……」


幼女魔王C 「……!」

幼女魔王C 「そんなはずは……」


母性巫女 (Kではまずいことでもあるのかしら)

母性巫女 (というか私、幼女魔王Kじゃ無いし……)


幼女魔王M 「そう思うのも分かるけれど……どうしてそう思うのかはよく分からないけれど」

幼女魔王M 「問題は無いはずだよ」


幼女魔王C 「……そうね。よく考えてみれば、そういえばKはずっと空いていたわね」

幼女魔王C 「でも……いいえ、きっと気のせいね」

幼女魔王C 「よろしくお願いするわ、K」

幼女魔王C 「私は幼女魔王C。クールな幼女魔王よ」


母性巫女 「はい。よろしくお願いします……」


128 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 03:22:35.43 ID:3VmAHDZuo


幼女魔王C 「本当に珍しい子ね」

幼女魔王C 「髪が黒いのなんて、今までいたかしら」


幼女魔王M 「私が知っている限りでは、ないね」

幼女魔王M 「Rあたりなら分かるかもしれないけれど、まだ病気中だっけ」


幼女魔王C 「ええ、日に日に弱っていくわ。次はあの子なのかもしれないわね」


幼女魔王M 「そう。寂しくなるね……」



母性巫女 「R……?」


幼女魔王A 「料理が得意な幼女魔王」

幼女魔王A 「ずっと前からここに住んでいるの。でも、最近調子が悪いみたい」


母性巫女 「そうなんですか。ありがとうございます、A」


幼女魔王A 「ど、どういたしまして」

幼女魔王A 「えへへ……」


129 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 03:30:13.33 ID:3VmAHDZuo


幼女魔王C 「Tの姿が見えないのだけど」

幼女魔王C 「今日の幼女魔王会議について、少し話しておきたかったのに」


幼女魔王M 「ああ……あの子はいったよ」


幼女魔王C 「!」

幼女魔王C 「……そう、分からないものね。予兆はなかったと思ってた」

幼女魔王C 「私が気づけなかっただけかしら」


幼女魔王M 「私も分からなかった」

幼女魔王M 「新しい子の気配を感じるって私に言って、下へ行ったんだ」

幼女魔王M 「そして、それっきり」

幼女魔王M 「最期はこのKが立ち会ったんだよ」


幼女魔王C 「そう。あなたが……」


母性巫女 「はい」


幼女魔王C 「それは幸せなことね」


母性巫女 「幸せ……」


幼女魔王C 「誰にも知られずに生まれること」

幼女魔王C 「誰にも知られずに生きること」

幼女魔王C 「誰にも知られずに死んでいくこと」

幼女魔王C 「そんなの、とても悲しいじゃない」


130 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 03:41:35.89 ID:3VmAHDZuo


幼女魔王C 「そう、いったのね、T」

幼女魔王C 「……Tが感じた新しい子は、では、あなただったのかしら」


母性巫女 「それは……たぶん」


幼女魔王C 「まあ、生まれたてで分かるはず無いわよね。ごめんなさい」

幼女魔王C 「でも運が良かったわね。下はとても危険な場所なのよ」

幼女魔王C 「生まれてすぐにいってしまうということにも、なりかねなかった」


母性巫女 (……小さな棺、不気味な男の人の声)

母性巫女 (MとAが来てくれなかったら、私、あの声の主に……)

母性巫女 「うっ……」


ゾクン ガク


幼女魔王A 「まま……!」


幼女魔王M 「危ないところだったんだよ」

幼女魔王M 「あの声に捕まりかけていたんだ」

幼女魔王M 「あと少し声との距離が近かったら、連れていかれていたかもしれない」


幼女魔王C 「そうだったの……」

幼女魔王C 「ごめんなさい。そんなつもりは無かったけれど、とても恐ろしいことを思い出させてしまって」


母性巫女 「大丈夫です……」



131 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 16:58:05.16 ID:3VmAHDZuo


幼女魔王C 「……ねえ、K」

幼女魔王C 「もしかしてだけど、あなたは」

幼女魔王C 「知らない私、ではないの?」


母性巫女 「知らない……?」


幼女魔王C 「本当ならこの塔にいない私」

幼女魔王C 「生まれるはずのなかった私」


母性巫女 (生まれるはずのなかった?)


幼女魔王A 「…………」


幼女魔王M 「そうか。たしかに、そう言われるとそう見えなくもないかな」



母性巫女 「…………」

母性巫女 (幼女魔王の塔……何人ものN……ワタシたち……知らないワタシ……)


幼女魔王A 「まま……」


母性巫女 (甘えん坊)


幼女魔王M 「だとしたら、私たちが普段いかないような場所にいたのも納得できる」


母性巫女 (モンスターを操る)

母性巫女 (WHFは、おもちゃで遊ぶのが好き……)

母性巫女 (やっぱり、この塔は……)

132 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 17:04:45.41 ID:3VmAHDZuo


グチョ ヌジュジュ ヌップヌップ

ドプドプドプ



母性巫女 「!?」

母性巫女 (嫌な音が広間に鳴り響いた)


幼女魔王C 「……予鈴ね」

幼女魔王C 「続きは後にしましょう」

幼女魔王C 「K、これから幼女魔王会議が始まるわ」

幼女魔王C 「あなたも参加してちょうだい」


母性巫女 「はい」

母性巫女 (会議……)




ゾロゾロゾロ

ガヤガヤガヤ



幼女魔王たち 「おはよう」

幼女魔王たち 「こんにちは」

幼女魔王たち 「こんばんは」



幼女魔王たち が現れた!

















133 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 17:18:16.75 ID:3VmAHDZuo


幼女魔王D 「今日もクソみたいな一日になりそうね」


幼女魔王E 「さっさと終わらせましょう。はやくお風呂場での石鹸遊びに戻りたいわ」


幼女魔王P 「私も、孵化マラソンに戻りたい」


幼女魔王L 「今日のおやつは何かしら。Lサイズのパフェ? すごく大きなLサイズのパフェ?」


ザワ ザワ



幼女魔王G 「こんにちは、C。さすが、早いね」

幼女魔王G 「連続一番乗り記録は更新中というわけだ」


幼女魔王C 「おはよう、G。今日で途切れたわ、四番目」


幼女魔王G 「驚いた。変なことでも起きるんじゃないか」

幼女魔王G 「たとえば黒髪で背の高い私が現れるとか」


母性巫女 「…………」

母性巫女 (この子……)


幼女魔王C 「それだけじゃないわ」

幼女魔王C 「Tがいってしまった」


幼女魔王G 「おや……」


134 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/07(月) 17:21:33.35 ID:AyRW/i/Xo
更新乙
135 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 17:25:41.00 ID:3VmAHDZuo


幼女魔王G 「それではいよいよ袋小路」


幼女魔王C 「いつものことよ」

幼女魔王C 「M、お願い」


幼女魔王M 「ええ」

幼女魔王M 「……死の……先を往く者たちよ!」


ボワン


イボ触手 「プチュプチュ」


ドリル触手 「ドルル」


ヒトデ触手 「チュパチュパ」


鎧触手 「メガメガ」


触手たち が現れた!
触手たち は なれた手つきで作業を始めた!
なんと! 広間に不細工な円卓が現れた!


136 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 17:34:17.05 ID:3VmAHDZuo


幼女魔王M 「魂の束縛は潰えた。この場に……」
幼女魔王C 「ご苦労様、ありがとう」


幼女魔王C 「それでは私たち、席について」


幼女魔王たち 「はーい」


テク テク テク

ストン ストン ストン


母性巫女 (床に座った……椅子は無いのね……)


幼女魔王A 「まま、こっち、お隣……」


母性巫女 「あら、はいはい」


テク テク ストン



幼女魔王C 「今日はこれで……」



トタタタタタタ


幼女魔王W 「うおおおお」


幼女魔王H 「間に合ったあ」


幼女魔王F 「セーフ、セーフ!」


ストン ストン ストン



幼女魔王C 「……全員かしら」

幼女魔王C 「では、私たち、幼女魔王会議を始めましょう」


137 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 17:48:50.90 ID:3VmAHDZuo


幼女魔王の塔 円形広間

いびつな円卓



幼女魔王J 「モグモグ……やっぱり味は落ちてるわね」


幼女魔王R 「お料理担当だったRがいないと、こうなるわよね」


モシャ モシャ


幼女魔王W 「結局あれよね、花札よね」


幼女魔王H 「突き詰めていくとそうなるわよね」


幼女魔王F 「流行って回帰するのよね」


ペチャクチャ


幼女魔王I 「ハア、ハア……ああ、素敵な気持ち悪さ」

幼女魔王I 「この口でヌチョヌチョいじめられちゃったらどうしよう……」


ヒトデ触手 「チュパチュパ」


ウニョウニョ


幼女魔王G 「Oは欠席か」


幼女魔王C 「男のミルクを見つけるまで帰って来ないと言って出て行ったきりだけど」


幼女魔王M 「いま思えば、止めるべきだったのかもしれないね」


ペチャクチャ


幼女魔王A 「まま、私のお菓子、一緒に食べよ……」


母性巫女 「あら、ありがとうございます」

母性巫女 「じゃあ私のお菓子も一緒に食べましょうね」


キャッキャッ ウフフ

138 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 17:55:15.13 ID:3VmAHDZuo


ペチャ クチャ

ダラダラ ダラダラ ダラダラ ダラダラ


幼女魔王C 「……待って」

幼女魔王C 「これ、たぶん会議じゃないわ」

幼女魔王C 「やり直しましょう」


幼女魔王たち 「賛成」


ピタ


幼女魔王C 「……コホン」

幼女魔王C 「では、会議を始めましょう」


幼女魔王たち 「はーい」



…… …… ……



幼女魔王S 「ふうん、今日は焼き菓子なのね……」


幼女魔王J 「モグモグ……」


139 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 17:58:36.47 ID:3VmAHDZuo


サイコロを3回振り、出た目の数の合計に10000をかけた回数だけ
>>137->>138を繰り返す。
なお、3回とも同じ目の場合、繰り返しは発生しない。



140 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 18:11:10.17 ID:3VmAHDZuo





淫魔幼女のアイテムメモ


■プレミアムステップアップサイコロ 
 ノーマルサイコロに比べ、三連続で同じ目の出る確率が1%も高いサイコロ。
 一個につき白貨6000枚。一度使うと消滅する。
 購入するたびに、緑の薬と赤の薬を8個ずつ貰えるぞ。
 
  

141 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 18:15:27.20 ID:3VmAHDZuo




幼女魔王C 「ふむ……どうしてかしらね、同じことの繰り返しになってしまう」

幼女魔王C 「何がいけないというのかしら」


幼女魔王M 「頭脳派のTが欠けたのは痛いね」


幼女魔王G 「嘆いてもいられない。残った私たちで頑張ろう」


幼女魔王C 「そうね」

幼女魔王C 「そうだわ、今日は新しい私がいるのよ」

幼女魔王C 「なので、自己紹介から始めましょう」


幼女魔王M 「……うん、斬新な切り口なんじゃない?」


幼女魔王G 「さすがの発想力だね」


幼女魔王C 「では、Aから順番にお願い」


幼女魔王A 「ふぇっ……!?」


142 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 18:30:59.28 ID:3VmAHDZuo


幼女魔王A 「あ、あの、あの……あの……あの……」


幼女魔王たち 「…………」


幼女魔王A 「ま、まま……」


母性巫女 「大丈夫、大丈夫ですよ」


幼女魔王A 「……幼、幼女魔王A」

幼女魔王A 「Aの、甘えん坊の、幼女魔王……」

幼女魔王A 「です」


幼女魔王C 「幼女魔王C。Cの字を……次からここは省略で良いかしら、クールな幼女魔王よ」


幼女魔王D 「幼女魔王D。だんご虫の幼女魔王」


幼女魔王E 「幼女魔王E。エロスの幼女魔王」


幼女魔王F 「フェニックス!」


幼女魔王G 「幼女魔王G。ゲーム大好きの幼女魔王だ」


幼女魔王H 「フェニックス!」


幼女魔王I 「幼女魔王I。いじめられたい幼女魔王」


幼女魔王J 「幼女魔王J。上下貫通されたい幼女魔王」


幼女魔王C 「Kは最後でお願いね。お願い、L」


幼女魔王L 「K……!?」


143 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 18:42:31.55 ID:3VmAHDZuo


幼女魔王L 「……コホン」

幼女魔王L 「L。Lサイズのパフェを友だちと食べたい幼女魔王」


幼女魔王M 「M。モンスターを使う幼女魔王」


幼女魔王P 「プニマン……プニットマンスター大好き。Pよ」


母性巫女 (プニマン……?)


幼女魔王S 「S。処女だけど寂しいから人型のしもべを手に入れて甘えたい幼女魔王」


幼女魔王W 「そしてフェニックス!」



幼女魔王C 「ありがとう、私たち」

幼女魔王C 「では、K」


母性巫女 「はい」

母性巫女 (ええと……)

母性巫女 「幼女魔王K……です。黒い髪の幼女魔王」

母性巫女 「かなあー……」


幼女魔王たち 「K……!?」


144 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 18:54:23.74 ID:3VmAHDZuo


幼女魔王S 「……って、よく考えたらKで驚くことなんて無いわよねえ?」


幼女魔王D 「どうして反応しちゃったのかしらねえ?」


ザワ ザワ


母性巫女 「…………」


幼女魔王G 「うーん……Kか」


幼女魔王C 「やはり引っかかるのかしら、G」


幼女魔王G 「君もそのようだね」

幼女魔王G 「何と言うか、Kがどうこうではなくて」

幼女魔王G 「それ以前に、根本的に私たちと違う存在というような気がしてね」

幼女魔王G 「そう、あれだよ……」


幼女魔王M 「知らない私?」


幼女魔王G 「それだ」




??? 「つまり、オレの側の存在ということか?」




??? が現れた!



145 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 19:02:42.62 ID:3VmAHDZuo


幼女魔王たち 「!!!!」


幼女魔王J 「夜の腐婦……」


幼女魔王L 「星を見る風婦……」


幼女魔王C 「……!」

幼女魔王C 「驚いた、Y。あなたの方から降りてくるなんて」


??? 「胸がざわついて、静かに星も見れなくてね」

??? 「こんばんは……K? だっけ」

幼女魔王Y 「オレは幼女魔王Y」

幼女魔王Y 「夜の湖畔に淀む風であり、幼女魔王でないものだ」


母性巫女 「は、はあ……」

146 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 19:31:01.05 ID:3VmAHDZuo


幼女魔王Y 「魔道の流線、無情の風、黒い花飾り、オレのことは何と呼んでも構わない」

幼女魔王Y 「オレは何者でもないのだから」

幼女魔王Y 「だが、ここの子らとは違う岸に立つことを示すため」

夜の風 「夜の風とでも名乗ろうか」


母性巫女 (この子……人……見た目はNだけど、まったく別のものみたい)

母性巫女 (あっ、髪から覗く耳がロバの耳のよう……)


幼女魔王C 「Y………ウッフ……コホンッ………夜の風」

幼女魔王C 「あなたも会議に参加してくれるのかしら」


幼女魔王Y 「鐘は鳴ったのだろ」

幼女魔王Y 「それに、この会議に意味が無いことは、お前たちも知っているはずじゃないか」

幼女魔王Y 「最も重要な一人を欠いてしまっていては」


幼女魔王C 「重要な一人」

幼女魔王C 「Nのことかしら」


147 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 19:38:05.31 ID:3VmAHDZuo


幼女魔王H 「そういえばそうね」


幼女魔王F 「Nがいなければ、会議がどうなろうと何にもならないわよね」


母性巫女 (N……)


幼女魔王W 「何か良い案があるっていうの、夜のフェニックス」


幼女魔王Y 「さあ? オレはそこのKに用があってきただけさ」

夜のフェニックス 「夜の風とよべ」

夜の風 「それだけは何か嫌だ」


148 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 19:55:26.29 ID:3VmAHDZuo


幼女魔王C 「……たとえ意味が無いとしても」

幼女魔王C 「いつか意味が出てくるときのために、これは続けておかなくてはいけない気がするの」


夜の風 「そうか、好きにするべきさ。この塔についての権利はお前のものなのだから」

夜の風 「さて、オレにはせいぜい見守ってやることしかできないが、では、一つ余計なお世話をしてやろう」

夜の風 「会議とやらが終わったら、K、オレの部屋においで」

夜の風 「幼女魔王の塔について話したいことがある」

夜の風 「知らない者同士で」


母性巫女 「知らない者……」


幼女魔王C 「やっぱりこの子は、あなたと同じ側なの?」


夜の風 「オレにお前の答えを求めるな」


幼女魔王C 「…………」


幼女魔王A 「………だ」

幼女魔王A 「駄目!」


幼女魔王M 「A」


幼女魔王A 「会議が終わったら、ままは私と一緒。私が、塔を案内するの」


夜の風 「そうかい」

夜の風 「だったら、一番にオレの部屋へ案内すると良い」


149 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 20:07:18.21 ID:3VmAHDZuo


幼女魔王A 「……!」

幼女魔王A 「で、でも、道が分からない……」


幼女魔王G 「君たちの部屋への道は崩れて、私たちでは通れないんだ」


夜の風 「……どうにかすれば良い」

夜の風 「できなかったらそれで良い」


幼女魔王A 「…………」


夜の風 「お前たちが望むかどうかだ」

夜の風 「好きにすれば良いさ」


キイイイ


母性巫女 (! ……魔法?)


キイイイ ニョンニョンニョン


夜の風 「じゃあな。願わくば、またあとで」


ニョンニョンニョン

バシュン


母性巫女 「消えた……」


150 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 20:13:21.71 ID:3VmAHDZuo


シイン


母性巫女 「…………」


幼女魔王M 「……さすが、知らない私」

幼女魔王M 「何を言っているかさっぱり分からなかった」


幼女魔王C 「そうね」

幼女魔王C 「……会議に戻りましょう」


幼女魔王G 「何を話そうか」


幼女魔王L 「何でも良いわ。みんなでLサイズのパフェを食べながら話しましょう」


幼女魔王P 「……早くプニマンに戻れるなら、どうでも良い」


幼女魔王C 「まずは、Tのことかしら」



151 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/07(月) 20:20:57.42 ID:3VmAHDZuo


幼女魔王W 「Tがどうしたって言うの?」

幼女魔王W 「そう言えば、姿が見えないけれど」


幼女魔王C 「M」


幼女魔王M 「いってしまった」

幼女魔王M 「立ち会ったのが、このKなの」

幼女魔王M 「ね?」


母性巫女 「はい……」


幼女魔王P 「! ……ふうん」


幼女魔王S 「私より後に生まれたくせに……複雑だわ」

幼女魔王S 「逝き遅れること、これで何人目かしら」


幼女魔王G 「前向きにとらえよう。いくことが不幸なわけじゃ無い」



152 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/08/08(火) 01:11:09.72 ID:v0zYe5aC0
>>137
Rが出席してる件について
153 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/08(火) 02:30:11.46 ID:ZsN+cuEAo

>>152 ありがとうございます


※訂正ごめんなさい

>>137 の名前表記

「幼女魔王R」は「幼女魔王L」か出席者の誰かということでお願いします


154 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/08(火) 02:38:48.45 ID:ZsN+cuEAo


幼女魔王G 「それで、Kのことだ」


幼女魔王C 「そうね」

幼女魔王C 「あら……G、あなた」


幼女魔王G 「何だい?」


幼女魔王C 「いえ、些細なことなのだけれど、あなたって、物を食べるときはいつも左手を使ってなかった?」

幼女魔王C 「今は右手で食べている」


幼女魔王G 「そうだったかな?」

幼女魔王G 「まあ、本当に些細なことさ。LボタンとRボタンを間違えることもある」

幼女魔王G 「なあ、P?」


幼女魔王P 「ゲーム大好きとしてありえないんですけど」


幼女魔王G 「やれやれ、君はいつも通りだね」


155 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/08(火) 03:02:53.46 ID:ZsN+cuEAo


幼女魔王C 「コホン……さて、新しい私である、Kのことだけれど」


幼女魔王W 「私じゃ無いって、夜のフェニックスが言っていたわね」


幼女魔王H 「幼女魔王じゃない幼女魔王K……つまり」


幼女魔王F 「偽者か!」


幼女魔王C 「偽者では無いわ」

幼女魔王C 「知らない私よ」


幼女魔王W 「知らない私って何だろう。忘れた」


幼女魔王H 「知らない私が幼女魔王K?」

幼女魔王H 「それって、つまり」


幼女魔王F 「偽者か!」


幼女魔王C 「違うわ」


幼女魔王W 「じゃあ本物なのね。本物の幼女魔王K」


幼女魔王H 「本物の幼女魔王Kが偽者じゃ無い知らない私?」


幼女魔王F 「じゃあどっちが本物なのよ」


幼女魔王C 「…………」

幼女魔王C 「どっちなのかしら」



幼女魔王たち 「うーん……?」



母性巫女 (これが、幼女魔王会議……)



156 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/08(火) 03:12:28.34 ID:ZsN+cuEAo


母性巫女 「あのう、すみません……」


幼女魔王G 「何だい」


母性巫女 「はい。実は、幼女魔王KというのはTにつけてもらった名前で」

母性巫女 「私は……」


幼女魔王H 「偽者か!?」


母性巫女 「いえ……あ、そうですね、ええと、もともと幼女魔王Kではなくて」

母性巫女 「母性巫女という名前で……」


幼女魔王たち 「!!!」

幼女魔王たち 「!!!!!!」


ザワッ


母性巫女 「ひっ……!?」

母性巫女 (一斉に身を乗り出してきた!)


157 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/08(火) 03:28:22.78 ID:ZsN+cuEAo


幼女魔王たち 「…………ゴクリ」


母性巫女 「ご、ごめんなさい、言い出せなくて……」


幼女魔王たち 「…………」


母性巫女 (みんな同じ表情で、目だけを爛々と光らせたまま動かない)


幼女魔王A 「………わ」

幼女魔王A 「私の!」


ダキッ


母性巫女 「A?」

母性巫女 (腕にしがみついてきた……)


幼女魔王A 「私のままだもん、私が最初に見つけたんだもん!」


幼女魔王S 「ずるい! 母性巫女は私の……私たちのものでしょ!」


幼女魔王I 「そうよ、あなただけがお尻ペンペンしてもらえるなんてずるい!」


幼女魔王P 「消えなさいよ、あなたたち!」

幼女魔王P 「ねえ母性巫女、私しか持ってない伝説のプニマンをあげるわ。私の母性巫女になってくれたら、どんなプニマンでもあげる」


ギャア ギャア


母性巫女 「あ、あの……」


幼女魔王M 「お、落ち着きなよ!」


幼女魔王C 「ええ、そうねっ……母性巫女がここに居るなんて、ありえないはず……!」



158 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/08(火) 03:38:24.73 ID:ZsN+cuEAo


幼女魔王G 「ううむ。彼女が知らない私なのだとしたら、ありえないことも無いのでは?」


幼女魔王C 「でも、母性巫女よ……そんなこと……」


幼女魔王H 「じゃあ、偽者か!」


幼女魔王C 「……そ」

幼女魔王C 「そうよ! きっと、そう。偽者に違いない」

幼女魔王C 「彼女はKで、母性巫女では無い……そう、きっと、ええ、そう……」


幼女魔王W 「だとしたら、知らない私で幼女魔王Kなの?」


幼女魔王F 「母性巫女じゃ無くて幼女魔王Kで、でも本物は知らない私で幼女魔王Kじゃ無い?」


幼女魔王たち 「…………」

幼女魔王たち 「……うーん?」



母性巫女 (……もう一度、母性巫女だと名乗りたいけれど)

母性巫女 (同じことの繰り返しになりそうで言えない)

母性巫女 (どうしよう)



159 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/08(火) 03:45:03.41 ID:ZsN+cuEAo


幼女魔王C 「……そうだわ」

幼女魔王C 「Nよ」

幼女魔王C 「Nなら全部分かるはず」


幼女魔王G 「たしかに。彼女に聞けばすべて分かるはずだ」


母性巫女 (N……)


幼女魔王M 「でも、無理な話だよ。あの子はもうずっとこの会議に姿を見せていない」

幼女魔王M 「議長のくせに」

幼女魔王M 「どうして彼女がNなのか、私たちに忘れられてしまうほどに」



160 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/08(火) 05:16:31.76 ID:ZsN+cuEAo


幼女魔王W 「Nって何の幼女魔王だったっけ」


幼女魔王I 「なめこ」


幼女魔王D 「なめくじ」


幼女魔王S 「にしんの缶詰」


幼女魔王L 「にゅるっと出てくる歯磨き粉」


幼女魔王H 「ふぇにっくす」


幼女魔王J 「ねいきっど」


幼女魔王C 「どれも違っていそうね」

幼女魔王C 「ニューだったかしら」


幼女魔王G 「眠り姫では?」


幼女魔王M 「ほらね、みんな分からない」


幼女魔王C 「というか、会議の場以外でも、もうずっと彼女の姿を見ていない気がするわ」



161 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/08(火) 05:41:49.48 ID:NKrMK+Cto
更新乙
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/09(水) 11:08:08.94 ID:VUYWIAjUO
ボーボボの会議みたいだなww
163 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/10(木) 03:20:40.06 ID:1PrAJAp/o


幼女魔王C 「Nはどこにいるのかしら」


幼女魔王E 「浴場では見ていないわ」


幼女魔王P 「知らない」


幼女魔王F 「N……そうか、偽者か!」


幼女魔王L 「その話題はひとつ前に終わっているのよ、F」


幼女魔王G 「そうか。このところ会議がまったくまとまらなかったのは、彼女がいないからか」


幼女魔王M 「正直まとめきれていた気もしないけど、やはり居ないとまずいのよ」


幼女魔王C 「Nを探すべきとういうことかしら」

幼女魔王C 「Nを探しましょう」


幼女魔王たち 「賛成」


母性巫女 (Nがいない……)

母性巫女 (みんなが言っているNは、私の知っているNのことなのかしら)


164 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/10(木) 03:30:46.03 ID:1PrAJAp/o



幼女魔王C 「会議が終わったら、Nを探しに行くのはどうかしら」


幼女魔王G 「それなら、いくつかの班に分けた方が良いんじゃないかな」


幼女魔王たち 「賛成」


幼女魔王M 「美触手にも手伝ってもらうことにするわ」


幼女魔王A 「……ままと一緒に遊ぶって約束したのに」


母性巫女 (塔の案内がいつの間にか遊びになっている……)


幼女魔王C 「では班を決めて、準備をしてから第一次N探し隊の活動を開始します」



165 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/10(木) 03:47:21.24 ID:1PrAJAp/o


…………



母性巫女 (幼女魔王会議が終わった……)



幼女魔王W 「フェニックス!」


幼女魔王H 「フェニックス!」


幼女魔王F 「フェニックス!」



幼女魔王E 「石鹸が一番よ。ここに押し当ててをニュルニュルニュルって前後に動かすと、脳みそがバターみたいにとろけちゃう」


幼女魔王J 「上下貫通よ。全身を一本の触手に支配されている感じはきっと終わらない多幸感よ」


幼女魔王I 「無理矢理よ、無理矢理いろんなことを身体にされるのが最高なの」



幼女魔王C 「合わせて、新しい道も見つかると良いわね」


幼女魔王G 「YやXのような、知らない私がいる可能性はまだまだあるからね」



ガヤガヤ



幼女魔王A 「まま、一緒だね……」


母性巫女 「はい。よろしくお願いします」


幼女魔王A 「うん」

幼女魔王A 「えへへ、ままと二人っきり……」


幼女魔王M 「三人よ、三人」




166 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/10(木) 04:05:59.10 ID:4/ZaSC0Zo
更新乙
たくさん読めてうれしい
167 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/10(木) 04:13:14.77 ID:1PrAJAp/o


幼女魔王C 「みんな、班に分かれたわね」

幼女魔王C 「塔を歩くときの注意はおぼえているかしら」


幼女魔王たち 「ここより下の階には行かないこと」

幼女魔王たち 「三つの怖いものを見かけたら一生懸命逃げること」



幼女魔王M 「……この塔には、恐ろしい三匹のモンスターがいるの」

幼女魔王M 「K、階段であなたが襲われそうになったのもそれよ」


母性巫女 「あの男の人の声ですね」


幼女魔王M 「下層をうろうろしながら、ずっと私たちに呼びかけるの」

幼女魔王M 「静かな日には、この広間まで聞こえてくることもあるわ」

幼女魔王M 「でも絶対に答えては駄目。分かるでしょ?」


母性巫女 「ええ……」


幼女魔王M 「あとは鎌の生えた棺と、大きな毛玉」

幼女魔王M 「鎌の生えた棺も下層にしかいないから、まず見かけることは無いと思うわ」

幼女魔王M 「下層で鎌を振り回して物を壊していたり、下層のさらに下を探索しようとした別の私が襲われそうになったこともあるらしいから」

幼女魔王M 「もしも出会ったら逃げるべきね」


母性巫女 「はい」

母性巫女 (崩れた牢で見た、あの小さな棺ね)


幼女魔王M 「大きな毛玉は……ときどきここにも出てくる」

幼女魔王M 「ふわふわ浮きながら笑っているだけで何もしてこないし、放っておけばいつの間にかいなくなるけど」

幼女魔王M 「見るとすごく嫌な気分になるのよ。どんなお菓子の味も分からなくなるくらい」


母性巫女 「そんなものがいるんですね。ありがとうございます」


幼女魔王A 「! ………」

幼女魔王A 「私だって、説明できるのに……」


幼女魔王M 「ごめん、ごめん」

幼女魔王M 「でもAは説明してる途中で自分で怖くなって泣いちゃうでしょ」


幼女魔王A 「うぅうー」


母性巫女 「あはは、大丈夫、大丈夫……」


ナデ ナデ



168 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/10(木) 04:19:38.24 ID:1PrAJAp/o


幼女魔王C 「説明は済んだかしら、M」


幼女魔王M 「うん」


幼女魔王C 「何か珍しいアイテムを見つけたら、ネコババせずに一度はみんなに見せること」

幼女魔王C 「新しい部屋や道を見つけたら地図に記録して、みんなにしらせること」

幼女魔王C 「新しい私や知らない私を見つけたら、やっぱりみんなにしらせること」

幼女魔王C 「Nがいない分、情報を積極的に分かちあいましょう」

幼女魔王C 「疲れたらちゃんと休むこと」

幼女魔王C 「それでは、第一次N探し隊」

幼女魔王C 「活動開始」




169 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/10(木) 04:41:14.44 ID:1PrAJAp/o

…………


幼女魔王の塔 めちゃくちゃな廊下



コツ コツ コツ


母性巫女 (広間をあとにして、Nを探し始めたけれど)

母性巫女 (曲がりくねった石畳の廊下が上に下に入り組んで、どこをどう歩いているか分からない)


幼女魔王M 「……おっと」


床 が崩れて 通れない……


母性巫女 (大きな穴)

母性巫女 (下には何もない。真っ暗……)


幼女魔王M 「ここ、通れなくなってるね。前に来たときは大丈夫だったのに」

幼女魔王M 「地図に記録しよう。A」


幼女魔王A 「うん……」

幼女魔王A 「んしょ、んしょ……」


カキ カキ


母性巫女 (頑張って地図に書きこんでいる)

母性巫女 (ペンの持ち方が危なっかしい……)


幼女魔王A 「まま、きれいな円になってる?」


母性巫女 「え゛っ!?」

母性巫女 「……ちょ、ちょーっとぐにゃっとなっているけれど、一生懸命の可愛い円ですよ」


幼女魔王A 「えへへ……」


幼女魔王M 「甘やかしすぎ。出来損ないのへろへろな四角じゃない」

幼女魔王M 「きれいな円を書きたかったら、まだまだ練習が必要」


幼女魔王A 「うぅうー……!」


母性巫女 「今度、今度いっしょに練習しましょうね」

母性巫女 「Mをびっくりさせるくらいきれいな円を書きましょう」


幼女魔王A 「………一緒」


母性巫女 「ええ、一緒」


ナデ ナデ


幼女魔王A 「……えへへへ」


母性巫女 (なでるとトロリとした顔で笑うのは、Nそっくり)


170 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/11(金) 00:05:46.46 ID:g23JdBWqo


幼女魔王M 「こんなことは珍しくないんだけど」

幼女魔王M 「最近は多すぎるね。地図を新しくしなきゃ、書き込みだらけで見にくいったらないよ」


母性巫女 「Nを見なくなったことと関係があるんでしょうか」


幼女魔王M 「言い切れないけど、そうだとは思う」

幼女魔王M 「今、この塔で一番大事な役割を果たしているのはあの子だから」


母性巫女 「大事な役割」

母性巫女 (幼女魔王の塔で、一番大事な役割を果たすのがN……)

母性巫女 (この塔はやっぱり……)


幼女魔王M 「まあ、果たせていないわよね」

幼女魔王M 「前の子はよくやっていたみたいだけど……」


母性巫女 「前の子?」


幼女魔王M 「この塔が一度滅ぶ前に、今のNと同じ役割についていた子」



171 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/11(金) 00:35:52.84 ID:g23JdBWqo


母性巫女 「この塔が、一度滅んだ……」


幼女魔王M 「あなたが居たっていう地下が、その名残よ」


母性巫女 「あのぼろぼろの地下牢ですね」


幼女魔王M 「その下に、私たちの知らない層が眠っているというわ」

幼女魔王M 「もう誰もおぼえていないけれど、かつて私たちは、そこで暮らしていた」

幼女魔王M 「かつてそれこそが、幼女魔王の塔だった」

幼女魔王M 「おぼえていないはずなのに、みんな不思議と分かっている」


母性巫女 (一度滅んだ塔……)


幼女魔王M 「私たちが暮らすこの上層は、塔が一度滅んだあとにできたもの」


母性巫女 「いったい何が起きたんでしょう」


幼女魔王M 「分からない」

幼女魔王M 「あの牢より下へ行ってみれば手がかりがあるかもしれないけれど」

幼女魔王M 「危険すぎてできていない」

幼女魔王M 「棺に声……もしかしたらもっと怖いものがいるかもしれないし」


幼女魔王A 「…………」



172 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/11(金) 00:43:46.96 ID:ZzOf9mFMo
更新乙
173 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/11(金) 00:46:06.73 ID:g23JdBWqo


母性巫女 (知らないけれど、分かっている……)

母性巫女 (幼女魔王の塔、下、今は上に住んでいる……下……過去……?)


幼女魔王M 「少し前、下の方で大きな音が上がったわ。何かが決定的に崩れるような」

幼女魔王M 「私より長く塔で暮らしていた子も多かったはずだけれど、いつの間にかいなくなった」

幼女魔王M 「もし下の層で何かを見つけようとするなら、時間はあまり残されていないのかもしれない」


母性巫女 「……あの」

母性巫女 「以前にNの役割にいた子は、どこに行ったんでしょう」


幼女魔王M 「……さあ」

幼女魔王M 「新しい子たちは会ったことないし」

幼女魔王M 「私は当時を知っているから会ったこともあるはずだけれど、何も思い出せない」


幼女魔王A 「…………」



174 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/11(金) 02:35:09.22 ID:g23JdBWqo


幼女魔王M 「Nのいた幼女魔王会議でも、よく議題に上がっていたわ」

幼女魔王M 「下層について」

幼女魔王M 「探索すべきだと言う子たちと、そうすべきでないと言う子たち」

幼女魔王M 「真っ二つに分かれて言い合って、いつも結局まとまらないままうやむやになった」


母性巫女 「……Nはどっちだったんでしょうか」


幼女魔王M 「いつもどっちつかずよ」

幼女魔王M 「あの子が一声上げたら、それで決まるのに」


母性巫女 「やっぱり……」

母性巫女 (怖がりなあの子らしい)

母性巫女 (私を……あんなことにした時には、勇気を振り絞ったのかしら)




175 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/11(金) 02:47:02.03 ID:g23JdBWqo


幼女魔王A 「…………」

幼女魔王A 「ずるい」


幼女魔王M・母性巫女 「?」


母性巫女 「A?」


幼女魔王A 「Mばっかり、ままとお話ししてる」

幼女魔王A 「私が案内するのに。私のままなのに」


幼女魔王M 「私たちだよ」

幼女魔王M 「私たちのK。そしてAは、私たちのA」


幼女魔王A 「…………うぅう」

幼女魔王A 「ままぁ……」


ダキ


母性巫女 「あらあら……」


ナデ ナデ


母性巫女 (こんなに素直に甘えてくることは、Nは無かったっけ)

母性巫女 (いつも申し訳なさそうにして……)

母性巫女 (あれ、後になるとこんな感じだったかしら)


幼女魔王M 「私の姿でそんなことして」

幼女魔王M 「Cあたりが見たら呆れ返るなんてもんじゃないね」


176 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/11(金) 03:59:50.48 ID:g23JdBWqo


母性巫女 (眠っているNに近づくこともできなくなっていたのが嘘みたい)


ナデ ナデ


幼女魔王A 「えへへ……」


幼女魔王M 「さあ、もたもたしてないで、先へ行くよ」


母性巫女 「あ、はい」


幼女魔王A 「うぅう……」


ギュウ


母性巫女 (小さな手で服を掴んでくる)

母性巫女 「行きましょう、A」


幼女魔王A 「……やだ」


幼女魔王M 「A、わがままがすぎるよ」


幼女魔王A 「やだもん。……もう歩けないんだもん。ままとこうしてるんだもん」


幼女魔王M 「A!!」


幼女魔王A 「ぃうっ……」

幼女魔王A 「……グスッ……うぅうう゛ー」


母性巫女 「じゃあ、歩けるようになるまで、おんぶして行きましょうか」


幼女魔王M 「K、駄目だよ」

幼女魔王M 「それじゃあ、いつまでもAは甘えん坊の私のままだ」


母性巫女 「良いじゃないですか、甘えん坊でも」


幼女魔王M 「駄目だよ。甘えん坊なんて」

幼女魔王M 「そんなんだから……」


ヒラ ヒラ ヒラ


母性巫女 「?」


ヒラ ヒラ ヒラ


枯葉


母性巫女 「塔の中なのに、枯葉が舞い落ちてくる」


幼女魔王M 「……何てこと」

幼女魔王M 「いつの間にここに」


母性巫女 「ここに何かあるんですか?」


幼女魔王M 「この先に、Yの部屋があるのよ」
177 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/08/11(金) 15:21:21.52 ID:g23JdBWqo




幼女魔王M 「そう、夜の……フフッ……風の」


幼女魔王A 「プフッ……」


母性巫女 「会議の場に突然現れた、あの人の」


幼女魔王M 「そんなつもりは無かったんだよ」

幼女魔王M 「まずはNの部屋へ向かおうとしていたのに」


幼女魔王A 「まま……」



夜の風の声 『思ったより早かったじゃないか』



母性巫女 「!」

母性巫女 「声が響く……」


夜の風の声 『よくできたね、A。ちゃんと迷わずにKを案内してきた』


幼女魔王A 「……ち、違う、私は」


ヒラ ヒラ ヒラ ヒラ

カサ パサ ファサ


母性巫女 (枯葉が積もっていく……)


幼女魔王M 「あいつ、何かしたのね。私たちをここに誘導したのよ」

幼女魔王M 「知らない私は、私たちの知らないことができるから厄介」



夜の風の声 『K、いるね。ここから先はお前一人でおいで』




178 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/11(金) 22:16:53.24 ID:+ZT5OaW0o
おつ
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/11(金) 22:20:33.18 ID:TLEmjO+co
おつ
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 01:12:01.63 ID:HvIRWL9yO
葉巻さん何やってるんだwww
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/13(水) 18:12:18.55 ID:AhHOp3Kp0
待ってる
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/26(火) 14:21:08.20 ID:cTEbmKr40
そろそろか?
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/30(土) 13:03:19.16 ID:k3ur67xAo
9月も終わりそうだけどまだ来ないっすかね?
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 04:54:26.36 ID:gF5lCfEa0
もうすぐ来るよ
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 00:18:06.22 ID:luw9bpT7o
来ないっすね
186 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/10/13(金) 18:26:16.77 ID:RTxEFThOo


カササ パサ カサ


母性巫女 (行かないといけない気がする)


幼女魔王M 「K」


幼女魔王A 「まま……」


ギュ


母性巫女 (小さな手……)

母性巫女 「ごめんなさい。ちょっと行ってみます」

母性巫女 「探しているものの手がかりが見つかるかもしれないし」


幼女魔王M 「しかたない。じゃあ、私も……」


幼女魔王A 「だめ!」


幼女魔王M 「A……」


幼女魔王A 「……A、向こうに行っちゃ駄目……」


幼女魔王M 「A?」


幼女魔王A 「ままも……」


ギュウ


母性巫女 「…………」

母性巫女 「ちゃんと、帰ってきますから」


幼女魔王A 「…………」


母性巫女 「ね?」


幼女魔王A 「…………」

幼女魔王A 「……うん」




187 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/10/13(金) 18:36:28.50 ID:RTxEFThOo


幼女魔王M 「じゃあ、行こうか」


母性巫女 「良いんでしょうか。一人で来るように言われたのに」


幼女魔王M 「大丈夫だよ。私にできないことができても、どうせ私だし」

幼女魔王M 「Aは残るんだね?」


幼女魔王A 「……だめ」

幼女魔王A 「私たちは、みんな駄目」


幼女魔王M 「うん?」


夜の風の声 『Aの言う通り、お前たちは来ないように』

夜の風の声 『オレにはちゃんと見えているのだからね』


幼女魔王M 「ちぇっ、いやな奴」


母性巫女 「あの、Aのこと、よろしくお願いします」


幼女魔王M 「うん。何かされそうになったらすぐに引き返してきなよ」


母性巫女 「ええ……」


ザ ザ ザ


188 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/10/13(金) 18:58:13.81 ID:RTxEFThOo



枯葉の廊下



ペシ カシャ ガシャ


母性巫女 (枯葉だらけ)

母性巫女 (私の故郷では見ない形の葉だわ)


パキ パパキ ザ ザ


母性巫女 (本当に枯葉だらけ。床も見えない)

母性巫女 「…………」

母性巫女 「夜の風……さん?」


夜の風の声 『何だ? 部屋まであと少しだよ』


母性巫女 「あの、少し掃除してからでも良いでしょうか」


夜の風の声 『掃除?』


母性巫女 「廊下に枯葉が積もっているなんて、歩きにくいでしょうし」


夜の風の声 『必要ない。早くおいで』


母性巫女 「あら、大丈夫ですよ、お掃除好きですから」


夜の風の声 『遠慮して言ってんじゃないよ』

夜の風の声 『そこはそれで良いんだよ』

夜の風の声 『そういうものなんだよ』


母性巫女 「はあ……」


ザ ザ ザ


母性巫女 「…………」


夜の風の声 『…………』


母性巫女 「……でも、このまま積もっていくと」

母性巫女 「廊下が枯葉で詰まってしまうわ」

母性巫女 「たいへん。やっぱり、掃除しましょう」


夜の風の声 『…………』


母性巫女 「ね?」


夜の風の声 『はよ来い』




189 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/10/13(金) 19:00:25.69 ID:RTxEFThOo


夜の風の声 『一定量以上は積もらないような仕組みなんだよ』

夜の風の声 『魔法でそういう風にしてんだよ』

夜の風の声 『そういう演出なんだよ』


母性巫女 「そうなんですか?」

母性巫女 「そういうことなら……」


ザ ザ ザ

ペシ ペペキ


母性巫女 (踏んだときのこの感触)

母性巫女 (本物の枯葉よね)

母性巫女 「………あの」

母性巫女 「演出って、いったい」


夜の風の声 『いい加減にしろよ。勘弁しろよ』

夜の風の声 『はやく来いよ』


190 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/10/13(金) 19:13:43.72 ID:RTxEFThOo


ザ ザ ザ


母性巫女 「…………」

母性巫女 (城のみんなは、ちゃんとご飯食べているのかしら)

母性巫女 (記録魔、泣かされていないかしら)

母性巫女 (猫耳蛇娘も箒少女も、元気だけどやりすぎるところがあるから……)

母性巫女 (波魔法少女も、しっかりしているけれどそういうのはじっと見守る人だし)

母性巫女 (書き置きくらい残しておくべき……って)

母性巫女 (故郷の森じゃなくて、城のことばかり思い出している……)


ザ ザ ザ


母性巫女 「……あら?」





母性巫女 「行き止まり……?」


ザ ザ


母性巫女 「どうしま……」


ズボ


母性巫女 「しょお゛っ!?」


なんと 落とし穴だ!


191 : ◆tHMiOqNMgmiR [saga sage]:2017/10/13(金) 19:35:47.68 ID:RTxEFThOo


ヒュルルル


夜の風の声 『あっはは! 引っかかった引っかかっ……』


母性巫女 の 空中多段跳び!
落とし穴 を 無効化した!


母性巫女 「ふう、危なかった」

母性巫女 「とっさに空中でジャンプしていなかったら落ちていたところだった……」


落とし穴


母性巫女 「深い穴……。どこまでも続いていそう」

母性巫女 「塔の所々にあったものと同じようなものなのかしら」

母性巫女 「夜の風さん。やっぱり危ないので、掃除してから……」


夜の風の声 『…………』


母性巫女 「夜の風さん……?」


夜の風の声 『……ふっ、ふふん』

夜の風の声 『何を言っている。入り口はそこさ』


母性巫女 「ええっ!?」


夜の風の声 『さっさと降りておいで』


母性巫女 「降りるって、こんな深い穴……」


夜の風の声 『飛び降りたら良いのさ』


母性巫女 「と、飛び降りるって……」


夜の風の声 『心配するな。オレは風だぜ?』

夜の風の声 『ふんわり受け止めてやることくらい……』



母性巫女 の 空中多段跳び!



母性巫女 「少しずつ高さを落としながら、空中でジャンプを繰り返せば……」

母性巫女 「うん、いけそう……」


トイーン トイーン トイーン

トイーン……



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