【マギレコ】いろは「好感度測定のウワサ……?」【コンマ】

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1 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2017/09/25(月) 00:45:48.19 ID:SNq7WCF/0
 キャラ崩壊、独自設定に注意



 神浜市を調べるようになってからちょっと。
 やちよさんの助手として私は空いた時間を利用してウワサの調査をしていた。
 聞き込みはもちろん、足で情報を探し回り――命懸けの場面も多かったはずなのに、思い返してみれば不思議と充実した日々であった。

 そう。あの日あれを見つけるまでは。

いろは「……?」

 とある土曜日の夕方。いつものように神浜を探索していた私は、不思議なものを見つけた。
 オレンジ色の陽の光に照らされた一本の看板。町に看板があることはおかしくない。けれど私の視線は一目見た瞬間それに釘付けになってしまっていた。
 それほどその看板は異質だった。
 細めの丸太一本と木の板一枚だけで作られ、きっちりしたサイズの紙が貼り付けられているチープな作り。
 地面のコンクリートにまるで最初から穴が空いているかのように綺麗に刺さっており、住宅街――車も普通に通る道なのにど真ん中に配置されている。

 ……うん。常識的に考えてすごくおかしい。
 『町に看板!』ってところだけだよね……。おかしくないのは。

いろは「もしかして新しいウワサ……?」

 危ないことに巻き込まれるかもしれない、なんてことは考えず私は思うまま近づいてしまう。実際それで危ない目に遭ったこともあるのに。
 それでもフラフラ近づいていくのは私の中で「ウワサ」イコール「手がかり」みたいな方程式が出来上がっているからに違いない。
2 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2017/09/25(月) 01:13:01.28 ID:SNq7WCF/0

いろは「……」フムフム

 看板にはたった一文。『あなたは好感度を見たいですか?』。
 ……なんだろう? この問いかけは。

いろは「好感度……好感度。どれだけ好かれてるってことかな」

いろは「そんなの見られるなら、見てみたいよね」

 やちよさんに鶴乃ちゃん、フェリシアちゃんにみたまさん。それに手を貸してくれる魔法少女のみんな。
 全員の気持ちを見られるなら喜んで頷く。でもこうも露骨に怪しいものを頼る気にはならな――

??『見てみたい? 見てみたいの?』

いろは「へぇっ!?」

 くすくすと笑い、ささやくような声がすぐ間近から聞こえた。
 驚き飛び跳ねて周りを見回すけど誰もいない。
 なんだかまずい気がする。否定しないと……!

いろは「あ、あのっ。見てみたいけど、見えなくてい――」

??『なら力を貸してあげる』

いろは「いいんですけど!?」

??『いいならいいじゃないの』

いろは「そのいいじゃなくて――えと」

??『はいじゃあ頑張って』

いろは「ちょっ! 本当に要らない――」

 妙に砕けた口調になった声の適当さに戸惑っていると、私の前から看板が消えた。

 ……完全に巻き込まれちゃった。

 ど、どどどうしよう……。

いろは「そもそも何に巻き込まれたのかも分からないし……」

 誰かに助けを求める、とか?


 ↓1、2 ちょうどよく会う人 実装されているマギレコの魔法少女で一人指定 被ったら安価下
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/25(月) 01:55:27.30 ID:sxTofP6pO
鶴乃
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/25(月) 02:03:36.26 ID:ZgPbVjXgo
ももこ
5 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2017/09/25(月) 03:58:08.73 ID:SNq7WCF/0

鶴乃「あっ、いろはちゃんだ! おーい!」

ももこ「ちょ、鶴乃? 街中だぞ」

 どうしようとあたふたしていると、前の方から見慣れた女の子二人が。
 私を見つけると笑顔で手を振り小走りでやって来る明るい女の子、鶴乃ちゃん。彼女の少し後ろで呆れ顔をしながら早歩きで進むもう一人、ももこさん。
 二人とも心強い私の味方で、これまで何度お世話になったかは分からない。

いろは「ぁ――鶴乃ちゃん、ももこさん!」ダッ

ももこ「いろはちゃんまで……なにかあった?」

 だから彼女達の姿を見た直後、私も走り出していた。
 何かに巻き込まれた不安と焦り。自分からフラフラ近寄ったのに、と思わなくはない。
 でもああ簡単に巻き込まれるなんて――

いろは「――あれっ?」

 二人に近づいた私は足を止めた。
 いつもの制服姿の二人の頭上。そこに不思議な数字が浮いているのだ。

 これが好感度……?


 ↓1、2 鶴乃、ももこ のいろはへの好感度 コンマで測定 00は100
      ゾロ目は二倍にして計算。奇数は通常の二倍。偶数のゾロ目は――

     『01から20』 顔見知り……むしろ敵対?
     『21から40』 ちょっと苦手な知り合い
     『41から60』 普通のお友達
     『61から80』 親友レベル。信頼している
     『81から100』 恋愛対象。意識している?
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/25(月) 04:43:45.77 ID:MHgo9Z320
ほい
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/25(月) 05:09:02.07 ID:xFUexrGao
あい
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/25(月) 07:03:56.21 ID:s6gfDXFp0
ももこ低っ
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/26(火) 02:17:10.69 ID:Fb8IB4AdO
愛情たっぷりの50点のチャーハン食べさせてくれるんだ…
10 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2017/09/27(水) 08:12:57.36 ID:jg6ppdCUO
鶴乃 77×2 154
   『いろはちゃん愛してる! いろはちゃんと一緒にいたい!』

ももこ 7
   『まぁ……苦手だけど約束しちゃったからなぁ』



いろは「……」ゴシゴシ

 立ち止まり、目を擦る私。
 何かの見間違えであって。そんな願いも目を開いてすぐ打ち砕かれた。

 ……うう。やっぱり見える。
 数字と一言コーナーみたいなのが。

 あれが好感度だよね?
 どれくらいが普通なんだろう。鶴乃ちゃん3桁いってるけど、ももこさんはたった1桁で……考えるのが怖い。

 一言のところも不穏だし――

鶴乃「ぼんやりしてるところにドーンッ!」ガバッ

いろは「わひゃっ!? つ、鶴乃ちゃん?」

 いっそ逃げ去ってしまおうか。なんて思っていた私の真正面から衝撃。反射的にそれを受け止めようと手を伸ばせば、すぐ目の前にいたのは鶴乃ちゃん。人懐っこい笑顔を浮かべて私に飛び付いている。
11 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2017/09/27(水) 08:13:47.34 ID:jg6ppdCUO

鶴乃「えへへ、いろはちゃんはくっつき心地最高だね! むしろ最強。あぁー癒される」ナデナデ

いろは「あはは……ちょっとくすぐったいかな」

 ニコニコと笑いながら私を抱きしめ、頭を撫でてくれる鶴乃ちゃん。いつも通りな過剰スキンシップだけど――好感度を見てしまった今、どうしても意識してしまう。
 ももこさんが一桁で、鶴乃ちゃんが3桁。単純に百倍近くの好感度があるわけで――どこまで想われちゃってるんだろう。的な自意識過剰な悩みが頭に浮かんでしまう。

ももこ「こら、鶴乃。いろはちゃん困っちゃうだろ」

鶴乃「そーかなー。わたしのハグはやちよにも好評――っていう設定なんだけど」

ももこ「設定ならそれは勘違いだな」

鶴乃「むー。そうでも離れないからね」ギュウウウ 

 ももこさんも私の近くへ。三人揃い、自然と道の恥へ。
 好感度が本当に高いのならば、鶴乃ちゃんは私のことを嫌ってはないはず。私は実験も兼ねて、普段はまったくしないであろう行動をとった。

いろは「ぅ――うん。私は嬉しいよ。その、鶴乃ちゃんが抱き締めてくれると」

 自分からもギュッと少しの力を込めて鶴乃ちゃんを抱き締める。
 恥ずかしさでちょっと吃ったのは秘密だ。いつもはされるがままだったけど、どうかな?
12 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2017/09/27(水) 08:14:23.72 ID:jg6ppdCUO

鶴乃「へっ? や、やだなーいろはちゃん。嬉しくなっちゃうよ」

 ……すごく分かりやすい。頬を赤らめニコニコと笑う鶴乃ちゃん。動揺しているのか、腕の力が緩んでいた。
 やっぱり本当に好感度が見えるみたい。でもなんでこんなに鶴乃ちゃんに好かれているんだろう? ももこさんに嫌われている理由も気になる。

『あら見てみたい? 知ってみたい?』

 うん。――って、あ、あれ!?
 消えたと思ったのに、どこに――

『周りには聞こえてないからお気になさらず』

『気になっていること、教えてあげるわ』


 ↓1 鶴乃の好意の理由――その判定
   コンマ末尾の数字が高いほど不純。0は10とする

 ↓2 ももこの理由判定
    数字が高いほど深刻
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/27(水) 08:32:11.33 ID:B4nZQzOIO
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/27(水) 10:18:48.47 ID:8yE0DyctO
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/27(水) 15:27:13.72 ID:tggaGJubO
二人ともなんとも言えない数字で
16 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2017/09/28(木) 08:02:58.44 ID:kEhODrcSO


鶴乃 3
   わりと純粋な方

ももこ 7
   わりと深刻め


ももこ『……なんか、納得できないんだよなぁ』

 ――ッ? も、ももこさんの声?
 これが『理由』?

ももこ『いろはちゃんが悪いってわけじゃないけど……四人チームになるのかなぁなんて思ったりもして』

ももこ『――けど結局、やちよさんと一緒に行動することになってるし……モヤモヤする』

 ……ぁ。
 そうだよね。やちよさんとももこさんは今はあんまり仲良くないし……お世話になったももこさんに何も言わないで、やちよさんとウワサ調査をしようと決めたのは複雑な気持ちになるかもしれない。
 全然考えなかった……。

ももこ『ウキウキしてたアタシもいるし、あーっ恥ずかしい!』

ももこ『……まぁ、やちよさんみたいに綺麗な人の方がいいのかもなぁ。一緒にいてウザいっていろはちゃんに思われたんだろうな、アタシ』

 ――え? そ、そんなこと……

鶴乃『いろはちゃんはパッと見て一目惚れだったけど――話していて、わたし思ったんだよね』

 あ、あれっ? ももこさんの話終わり?  というか、一目惚れって――

鶴乃『一つになるべき運命だって』

いろは「ふぁっ!?」

 低音の恐ろしい一言に、私は思わず叫んだ。
17 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2017/09/28(木) 08:03:57.24 ID:kEhODrcSO

鶴乃「……」
ももこ「……」

 そして二人にきょとんとした顔で見られる辛い現実へカムバック。鶴乃ちゃんがまだくっついているのを見るに、さっきのは脳内で起きたことみたいで時間はあまり経過していないらしい。

ももこ「いろはちゃん、大丈夫? なんかぼけーっとしてたけどさ」

鶴乃「急に叫んでどしたの? ラーメン屋の屋台でも見つけた?」

いろは「な、なんでもないです! 気にしないでください」

 気にしない気にしない……気にしないようにしないと。
 まさかももこさんがあんなネガティブなこと思ってるなんて……そしてそれを私に知られたなんて考えたくもないだろうし。
 鶴乃ちゃんは……なんだろう。あの台詞だけ聞くとすごく怖いんだけど。でも、鶴乃ちゃんがそんな物理的に捕食みたいなこと……。

 うぅん……人の心の中って、私が思ってる以上に複雑ってことなんだろう。

 一言謝って鶴乃ちゃんを引き剥がし、私は苦笑する。二人は不思議そうな顔をしていたけど大して気に止めてないみたいで、またいつもの調子に。
18 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2017/09/28(木) 08:04:38.31 ID:kEhODrcSO
ももこ「そう? あ、そうだ。アタシら今日、偶然鉢合わせてこの辺りで魔女を倒してたんだけど――」

鶴乃「そこで面白い話を聞いちゃったんだよね」

いろは「面白い話、ですか?」

ももこ「ウワサ。いろはちゃん喜ぶかな、って」 

 ウワサ。この辺り。情報鮮度抜群。

いろは「聞かせてください!」

 巻き込まれたであろう私は即座に食いついた。

ももこ「おおう、いい反応」

鶴乃「じゃ、わたしがやちよの代わりに……」

鶴乃「『アラもう聞いた?誰から聞いた?

    好感度測定少女のそのウワサ。
    気になるあの子とその子の気持ちとワケ。普段は知れない心の底もその娘にかかればお見通し。
    嫌われてる子とも仲良くなれちゃう?
    けれども注意――』」

いろは「……」ゴクリ

 身振り手振り付きで説明してくれる鶴乃ちゃん。でも彼女は言葉の途中でぴたっと止まってしまった。タメだろうか? なんて思った矢先、茶目っ気たっぷりに鶴乃ちゃんは舌を出した。

鶴乃「ってとこまでかな。聞いたのは」

いろは「ええっ……でも、その続きすごく大事そうな」

 完全にデメリットの話だろうし、聞いておきたいのに。
19 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2017/09/28(木) 08:05:18.39 ID:kEhODrcSO

ももこ「そうなんだけどさ、何故かその話をしてた子達、途中で話がぱったり止まっちゃって。鶴乃が聞いても、覚えてないって」

鶴乃「ウワサ、もう消えちゃったのかな? いろはちゃんに会うすぐ前のことだったんだけど」

いろは「……そう、ですか」

 消えちゃった。心当たりはある。
 あの変な声が私の中からするってことから推測すると、確かに、この町って空間からはウワサは……。

 とにかく。私がウワサに巻き込まれたのはこれで確定してしまった。
 やちよさんに怒られるだろうなぁ……うぅ。

ももこ「ってわけだから、アタシらそろそろ帰るな。鶴乃に振り回されてくたくただよ」

鶴乃「えー、ももこのサポートしてたつもりなんだけど」

いろは「あはは。二人ともお疲れ様」

 ……こうして笑い合えるのに、好感度は天と地ほど違ってて。人ってこんなに本心が見えないものなのかと不安になってしまう。
 でも、これはいいきっかけだ。私が私の評価と向き合う、これからみんなと仲良くしていくための普通なら有り得ないデータだ。
 ……ウワサをなんとかする前に努力してみてもいいのかもしれない。


 ↓1 鶴乃、ももこのどちらと話す?

20 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 08:44:29.29 ID:sIRzL0mIo
ももこ
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 10:21:51.69 ID:HXClv1h3O
一旦乙です
好感度は選択肢等で上がったり下がったりしますか?
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/30(土) 01:48:25.39 ID:yTgL8abt0
乙期待
R板に立てたということは80以上ならつまり
23 : ◆HTrEUwqtEM [sage]:2017/10/02(月) 01:29:39.73 ID:/AUIm0hN0
 『好感度は上がりますが、下がりはしません

    80以上で更に仲良くなると……
          逆に低すぎても……』

 

 向き合うなら……この人だよね。

いろは「ももこさん。ちょっと話しませんか?」

ももこ「アタシ? いいけど」

 考える暇もなく頷いてるし、やっぱり嫌われてるように思えない。でも鶴乃ちゃんの好意も普段は全然気づかなかったわけだから、ももこさんの気持ちもうまく隠されているのだろう。

鶴乃「おっ、なになに? わたしもついてっていい?」

いろは「えっ? えっと……ごめんね?」

ももこ「……。鶴乃、なんとなくだけどピンときちゃった。――今までので分かるよな?」

鶴乃「今まで? いろはちゃんの反応でしょ、ウワサでしょ、反応でしょ、それで二人きり――あああっ!」

 ブツブツと呟いて、驚愕した様子で叫ぶ鶴乃ちゃん。
 ……そんなに分かりやすい行動してたんだね、私。みるみる赤くなっていく鶴乃ちゃんを見つつ私は自嘲。

鶴乃「も、もしかしてわたしの気持ちをいろはちゃん……っ!」

いろは「うん……見えちゃった」

鶴乃「それを知ってて弄んだのね! ――ちなみに何見えるの?」

いろは「好感度154で、愛してるみたいな一言が」

鶴乃「なあああぁ!? そんなにハッキリ!? は恥ずかしいっ」

 ……かわいい。顔を真っ赤にさせて両手で覆ってしまう鶴乃ちゃん。
 こんな照れる印象なかったから意外だ。 

ももこ「――で、そういうわけだから、鶴乃」

鶴乃「ぅ……うん。まともにいろはちゃんの顔、見れそうにないし」

鶴乃「それに……いろはちゃんはももこを選んだんだしね」

いろは「うん。ごめん――え?」ポカン

鶴乃「いいの、いろはちゃん。わたし、分かってるから。ね?」ニッコリ

 さっきまでの恥じらいはどこにやら、急にさっぱりした顔で鶴乃ちゃんはすっくと顔を上げ背筋を伸ばし首をゆっくりと横に振る。
 ヒロイックな表情がなんかむかつ――あ、ゴホンゴホン。
24 : ◆HTrEUwqtEM [sage]:2017/10/02(月) 01:30:20.98 ID:/AUIm0hN0
いろは「ちょっと、鶴乃ちゃん。すごく早とちりして」

鶴乃「ももこに負けないように、わたし頑張るからー! 具体的には胸とか!」ダダダッ

いろは「話を聞いてぇっ! あとそれ大声で言うことじゃないです!」

 止めても突っ走っていく彼女の後ろ姿を、呆然と見送る私。
 頭よくて、私がウワサに巻き込まれたことも言われてすぐ気づいたのに結論がズレてる辺り、鶴乃ちゃんらしいというか……。

ももこ「――さて」

 鶴乃ちゃんの姿が完全に見えなくなると、ももこさんが私へ身体を向けた。

ももこ「鶴乃はああ言ってたけど、自分のことだからよく分かってるよ」

 苦笑から真面目な目つきに。少しだけ――ミラーズで偽者から殺気を向けられた時のことを思い出した。

ももこ「いいよ。話そう」

いろは「……はい」

 ちょっと怖いけどももこさんは悪い人じゃない。それは分かっているからやめようとは思わなかった。

ももこ「公園に行こう。ウワサについても知っておきたいし、座ってじっくり」

いろは「は、はいっ」

 歩き出すももこさんの後を追い、周りを見ながら歩く。
 いつもと同じはずの神浜の町が今日、今この瞬間は違って見えた。
 なんでだろう。私はこの時ももこさんと初めて会った日のことを思い返していた。
 初対面で助けてもらって、悪い人じゃないって思ってたのに不安で。でも、なんとなく報われるような感じがあって。

いろは「ふふっ」

 怖さと不安を感じてたはずなのに私は思わず笑みを零してしまうのだった。
 ……うん。分かり合えるよね、きっと。
25 : ◆HTrEUwqtEM [sage]:2017/10/02(月) 01:31:56.75 ID:/AUIm0hN0






 神浜へ来たばかりの時、私は一人で行動していた。
 それからももこさんに助けてもらって、みたまさんの協力を得て、仲間が増えていって――私はやちよさんとウワサの調査をすることになった。
 周りに恵まれて、一所懸命頑張って、ほとんどうまくいっていると思っていたけど、それは違って。
 きっとこのウワサの力がなければ、私はずっと気づかなかったのだろう。もしあのままももこさんと付き合いを続けていたらと思うと……ウワサに巻き込まれてよかったのかも、なんて気持ちもあるわけで。
 何かデメリットがある筈なのに、ウワサを消すことに名残惜しさを感じてしまう私もいる。

いろは「……それで、ももこさん達に会って」

ももこ「アタシと話そうって決めたわけか」

 さて、公園。夕暮れに包まれるそこでブランコを漕ぎ、私はももこさんと話していた。
 思えば彼女と初めて会ったのもこの場所だった。なんだか懐かしい気分だ。

ももこ「――正直なこと言うよ?」

いろは「は、はい。私もその方が嬉しいです」

ももこ「いろはちゃんのこと、嫌ってるというよりは……どう接していいかわからないんだよね」

いろは「……」

 正面を見ながら、なんでもなさそうなトーンで語る。
 なにも知らなかった私だったら、そうなんすかなんて言ってウワサの話に移っていたかもしれない。
 けど、彼女の気持ちを知ってしまった今、ももこさんの対応は不審に見えた。

いろは「……違いますよね? ももこさん、私のことを嫌ってると思います」

 そうじゃなければ好感度7だとか微かに感じる殺気だとか、説明がつかない。
 隠そうとするももこさんに、思わず私はストレートに問い詰めてしまう。分かり合いたい。その気持ち故の焦りだろうか。
 しまったと思ったのは全て口にした後だった。

ももこ「……本当のことだって。全部アタシのワガママみたいなものでさ、いろはちゃんは悪くない」

 俯いて、ぽつぽつと小さな声でももこさんが言う。
 そこに嫌悪――私を嫌う気持ち以外が感じられたのは、気のせいじゃないのだろう。
 彼女の好感度を知って、気持ちを知って、理由を知って、心の1片を覗き見た私に言えることは――


 1『ワガママ、もっと聞かせてください』
 2『ももこさんのこと好きだから、もっと知りたいんです』
 3『なら私がももこさんが好きな理由、話します!』

 ↓1
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 01:33:07.63 ID:AK+zwWkxo
3
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 10:40:23.46 ID:cKHbko+dO
乙です
28 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2017/10/07(土) 03:58:53.31 ID:GRm8TPXo0

ももこ「――へっ?」

 素っ頓狂な声を出すももこさん。
 ブランコの鎖を握り、私は戸惑う彼女をよそにももこさんの好きなところを語ろうと口を開く。

いろは「初対面の人を助けてくれる優しい性格。面倒見のいいお姉さんなところ。綺麗で、かわいいところも――」

ももこ「わーっ! ちょ、ちょっといろはちゃん!? 何してんの!?」

 呆気にとられていた彼女だけれど、私が喋り出すとすぐ反応して止めにかかる。
 私に褒められても照れくさいみたいで頬がほんのりと赤い。

いろは「嫌ってる理由を言わないから、私は逆のことをしちゃえって思って」

ももこ「時々突拍子もないことするな……いろはちゃん。でもそれって何の意味もないような」

いろは「意味なら、私がももこさんのこと好きって分かってもらえれば、それで」

 私がももこさんのことを好きで、好かれたいって思っているのは紛れもない事実。
 だからももこさんが私を嫌っているならその理由をはっきり知りたい。ウワサで聞いた理由はほんの一部だろうし……正確なのかも分からないから。ウワサのことだから、嘘を教えてトラブルを起こす、とかデメリットがあっても不思議じゃない。


29 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/10(火) 00:30:52.50 ID:RqVsRUADO
油っぽい万々歳の中華と味のしないいろはちゃんの料理を足して割れば丁度いいってウワサ
30 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2017/10/11(水) 04:28:30.15 ID:qmj3bvZl0
 
ももこ「いろはちゃん……」

 前のめりになっていた体勢を戻し、ももこさんは苦笑する。
 ちょっと……いや、かなり迷惑だったかも。嫌いな人からこんなことされたら。

ももこ「――うん、分かった。言うよ。嫌ってる理由」

いろは「は、はい……」

 どこかさっぱりした顔でももこさんはブランコから降りる。『嫌ってる理由』。口にされるとこれほど堪えるものなのか。
 ……でも、全ての人から好かれているなんて思うだけでも傲慢なこと。受け入れて、改善できるようにしなくちゃいけないよね。

 なんて、私が思った直後に異変は起こった。

ももこ「……」ピタッ

いろは「……? ももこさん?」

 私の方へ振り向いたももこさんの動きが綺麗に静止した。動画の再生が止まったみたいに表情、視線一つ変えずに髪だけを揺らして。
 刹那、視界に映る景色が激変した。

 不気味な文字列が並ぶ結界……これは。
31 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2017/10/11(水) 04:29:32.29 ID:qmj3bvZl0

いろは「ウワサ……!?」

 周囲を見てみれば、公園の辺りはもう結界で囲まれていた。戸惑い、周囲を見回しているとすぐ目の前で魔力を察知した。

いろは「っ!」

 ほぼ直感。直前のももこさんの異変が私の頭の中にフラッシュバックし、近づいてくる足音から反射的に遠ざかるように横へ飛ぶ。
 紙一重でさっきまで私のいた場所を縦に裂き、地面に突き刺さったのは刃が半円の形をした特徴的な剣。
 そしてそれを持っている人物は……一人しかいない。

ももこ「……」

 ももこさん。魔法少女姿になった彼女は、地面に刺さった剣はそのまま私へ顔を向ける。
 ――人を殺しにかかったとは信じられないくらい真顔で、感情を感じさせない。正気じゃないことは確かだ。

いろは「ももこさん! しっかりしてください!」

 攻撃が止んでる内に変身。必死に頭を回転させながら声をかけるけれど、ももこさんは剣を地面から引き抜くだけ。声に反応する素振りすらない。
32 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2017/10/11(水) 04:30:42.18 ID:qmj3bvZl0

いろは「ももこさ――あ゛っう!?」

 そのくせ動きはいつも通り。剣に意識を集中させていた私へ、彼女は思い切り蹴りを命中させる。
 腹部を綺麗に打ち抜かれ地面を転がる私。痛みと息苦しさ、霞む視界。止まった後も平衡感覚を乱しもたもたと、立ち上がるのに手間取る。
 すぐ前でももこさんが剣を振り上げているのが見えているのに、まともに動くことすら――

いろは「……っ」

 万事休す。せめてソウルジェムを守ろうと身体を丸め、ぎゅっと目を閉じていた私だけど――痛みが身体を襲うことはなかった。

???「……」

いろは「――えっ?」

 代わりに、頭上から降りかかる言葉。私はハッとして顔を上げた。
 そこにいたのは――


 ↓1 助けてくれた魔法少女は?(条件は最初のものと同じ)
 ↓2 その魔法少女の好感度を判定
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/11(水) 07:36:00.52 ID:OjAL8BJGo
レナ
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/11(水) 07:36:30.10 ID:a66/kZDc0
はい
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/11(水) 08:31:20.35 ID:z4xGk+hEO
ヤバイ
36 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2017/10/12(木) 05:25:16.27 ID:2f68mIRk0


レナ 10
   「……」
 
いろは「……レナちゃん」

 助けてくれたのはレナちゃん。目を開いて顔を上げると、ももこさんと対峙する彼女が見えた。
 ……好感度はももこさんとどっこいどっこいなんだけど。

レナ「ああもう、早く立ってよ。この結界ってことは、またウワサなの!?」

いろは「う、うん。ごめんねレナちゃん」

レナ「ほんとよ。なんでアンタのためにももことこんなこと――っ!」

 いつも通りに悪態をつくレナちゃんへももこさんの剣が横凪ぎに振られる。彼女はそれを屈んで避け、攻撃しようと槍を向け――止まる。
 ……躊躇っちゃうよね。偽者ってわけでもないから。

レナ「まったく状況分からないんだけど。ももこは話そうともしないし……レナはどうすればいいの?」

いろは「ええと……と、とりあえず一緒に結界の外に。今回はももこさん置いていっても問題ないと思う」

 縦に振られる剣を槍で弾き、蹴りを華麗にかわし、レナちゃんが時間を稼いでくれる。
 お陰で冷静に考えることができた。多分、今回もウワサのルールから外れたことをしてしまって襲われているのだろう。もしくは、ルールに従っているのか。
 いずれにせよその中心は操られているももこさんじゃない。私だ。

 私が離れれば、ウワサの影響下から外れる……と思う。
37 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2017/10/12(木) 05:26:09.79 ID:2f68mIRk0
レナ「……それで本当にいいの?」

いろは「うん。ごめんね、迷惑かけちゃって」

レナ「――ももこに何かあったら許さないから」

 渋々、といった感じでため息をもらしてレナちゃんはももこさんの頭を槍の柄で叩いた。怯んだ隙を見てレナちゃんは素早く後ろへ。私を抜いて出口に向かった。
 私も慌ててその背中を追う。

いろは「ありがとう、レナちゃん――」

 と言葉を発するよりも早かったか、遅かったか。はっきり分からないけれど、不意に振り向いたレナちゃんを見た瞬間、私は反射的に思い切り飛んだ。

レナ「……」
ももこ「……」

 ももこさんと同じように目から感情の光をなくして、槍を突き出すレナちゃん。それを私は飛び越え地面に着地。
 のそっとした動きで振り向くレナちゃんに、その隣へ並ぶももこさん。言葉はないけど彼女らの敵は誰かはっきり分かる。

いろは「レナちゃんまで――なんでっ」

 ひとまず結界の外に出られそうな間合いだけど……見ておかないと。レナちゃんがなんで私のことを嫌っているのか。

 ↓1 レナの理由判定
     コンマ末尾の数が小さいほどくだらない理由
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 06:27:35.50 ID:YDyHBbwdo
から揚げにレモンをかけられた
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 07:48:36.89 ID:+X2hGKDYo
これはひどい
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 12:04:08.92 ID:Rzb8KXnJO
レナちゃんならあり得るそれに空腹満たして上げれば好感度簡単に上がりそう
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 21:28:33.94 ID:sVtptKOg0
食の好みはフェリシアに近いからな、レナちゃん
42 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2017/10/16(月) 03:17:23.30 ID:yjbWFNbkO


『面白そうなので理由判定時に書かれた理由はできる限り採用する――ようにします。力量不足で、最初はやめようかと思いましたが』

 0=10 かなり深刻


レナ『……いろはのことはすっごく嫌い』

レナ『ももこに助けてもらって、一所懸命でいい子で……誰かさんを思い出す雰囲気と流れで』

レナ『受け入れようとも思ったわ。でも……でも……』

レナ『結局、裏切った。よりによって――』


 ……例によって、私が念じたと同時に聞こえてくる声。深刻そうな、憎しみを込めた声音に私の背筋は凍る。
 ももこさんに続いて、こんなにも人に嫌われることを、私は……。

 でも、受け入れる覚悟はある。
 私がしたいこと――ういのために、私はやちよさんとウワサのことを調べるって決め――

レナ『よりによって……唐揚げにレモンをかけるなんて』

 ……。

 ……え?

いろは「唐揚げにレモン……そ、そんな理由で嫌われてるの!?」

レナ「『そんな理由』ってなに!?」

いろは「わ、喋った!」

 無表情だったレナちゃんが私のツッコミに過敏に反応する。怒りを露に、武器を強く握り締めた彼女はわなわなと身体を震わせた。
43 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2017/10/16(月) 03:19:47.78 ID:yjbWFNbkO

レナ「一緒に食べようと思った唐揚げを、アンタは5個全部レモンをかけて……」

いろは「あ、あれは……その、くれるって言うから、つい――全部かなぁ、って。味が濃そうで」

レナ「唐揚げはそういうもんなの! 調味料は自分が食べる分だけ! あとあれは恥ずかしくて入れ物ごと渡しただけ!」クワッ

いろは「ひっ、ごごめんなさい!」

 唐揚げで殺されそうな状況に追いやられるなんて、思ってもみなかった。
 キレつつされる気持ちの暴露やレナちゃんの剣幕に怯えつつ、私は心の中で嘆いた。

レナ「とにかくアンタは勝手に決めすぎなのよ。勝手に進んで決めて、人を巻き込んで――」

 理由もあってシュールさすらあったけれど、段々と緩んだ空気も再び張りつめていく。
 怒りは殺意に。聞こえてきた心の声と同じく、強い憎しみや様々な暗い感情が入り混ざった、寒気すら感じる威圧感に私の足が無意識に後退る。
44 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2017/10/16(月) 03:20:27.34 ID:yjbWFNbkO

レナ「――それで、結局正解してる。鬱陶しい。忌々しい……」

 ……唐揚げだけじゃないのかもしれない。色々きっかけがあって、彼女は私を嫌っているのだ。
 弁明したいし、反省も改善もしたい。でも今はそれもできなそうだ。
 彼女の青色の瞳は再び色を失い、私へゆっくり歩み寄ってきている。
 これから、二人との関係を良くしていくためにもここは……。

いろは「ごめんなさいっ!」

 変身を解除。のろのろ動く二人を背に、結界の外へと全力疾走。
 ウワサのことなら、やちよさんに聞くのが一番。とにかく今はやちよさんと合流して情報を集めなくちゃ。
 あとは、私が二人から離れることが正解だったのかも確かめないと。
 ……そっちもやちよさんと合流して、連絡してもらえば大丈夫かな。

 ごめんね、二人とも。
 私が変なウワサに巻き込まれたせいで……。


 ↓1 やちよさんと共にいる魔法少女を一人
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/16(月) 06:40:25.70 ID:7iiTKpYM0
みゃーこ先輩
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/16(月) 08:00:14.23 ID:ecc15JWdO
みゃこ先輩には嫌われたくないな…
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage ]:2017/10/16(月) 23:59:47.38 ID:SLONmXTi0
年長コンビいいね。
SS的な意味でみゃーこ先輩のポテンシャル高いと思うんだよ
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/17(火) 01:49:45.45 ID:3qTlzJseO
みゃーこ先輩って小学生じゃないの???
49 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2017/10/19(木) 04:20:58.17 ID:2IYv8mlQO

 家に向かって走っていると、その入り口の前で話している二人の人影を見つけた。
 夕方も過ぎ、そろそろ暗くなる時刻である。人気も段々となくなってきた時間。静かさが今日は妙に怖く感じられる。

いろは「はぁっ、はぁ……」

 息が切れているけれど、私は足を止める気にはなれなかった。一刻も早くなんとかしないと、二人……いや、この町にいる皆に迷惑がかかるかもしれない。
 段々と人影が誰なのか見えてくる。すらっとしたスタイルの良い一人と、小柄な一人……知っている人だ。
 やちよさんと、都さん。二人とも私よりずっと歳上で、頼れる人たちだ。
 良かった……やちよさんと会えた。

いろは「や、やちよさ――っ、都、さん」ゼエハア

やちよ「……あら。環さん、急いでどうしたの?」

ひなの「なにかトラブルか?」

いろは「は、はい……」スーハー

 ……でも、会ったということはアレも見えてしまうということで。
 乱れた息を整えつつ、私は覚悟を決めて二人の頭上をチラッと見た。


 ↓1 やちよの好感度判定
 ↓2 みゃーこ先輩の好感度判定
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/19(木) 05:17:01.38 ID:W7qEyw+QO
調子はどうかしら
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/19(木) 06:58:41.64 ID:wn6X4uvo0
リア充乙
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/19(木) 10:18:55.85 ID:l77SVrboO
なんなのそんなに味のしないご飯が嫌なの
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/21(土) 00:34:19.95 ID:vBUUk4n/0
やちよの好感度低い(´・ω・`)
54 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2017/10/23(月) 07:55:35.09 ID:5DZT/UH8O

 やちよ 38
    『手は組んだけれど話し難い子ではあるわね……』

 ひなの 64
    『素直でかわいい――後輩ってのはこういうものだな』


 わ、わぁー……やちよさんとそれなりに仲良くなれてたと思ってたのは私だけだったんだ。
 でも都さんの好感度が高くて嬉しいな。友達くらいには思ってくれてるかな。

やちよ「……どうしたのかしら?」

いろは「あ、やっ、なんでも――なくはないですけど」

ひなの「はっきりしないな。何かあったのは分かるが――」

 そう言って、二人は私から視線を外して……自分達の頭上を見た。う゛……流石鋭い。私の視線をしっかり捉えているとは。
 隠し事をするつもりがあるわけでもないのに、ちょっと焦ってしまう。
 ……本当のことを話すってことはつまり、その後は当然、好感度の話になってしまうのだから。
 ちょっと気まずい……。

いろは「やちよさん、ごめんなさい。私ウワサに巻き込まれたみたいで……」

 でも、黙っているわけにもいかない。
 おずおずと私は二人へこれまで起こったことを話しはじめた。二人とも真面目な顔をして、最後まで話を遮ることなく聞いてくれる。落ち着いた対応に、私も自然と平静を取り戻していった。
55 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2017/10/23(月) 07:56:22.02 ID:5DZT/UH8O
やちよ「……なるほど。状況は分かったわ」

ひなの「毎度厄介なことに巻き込まれるな、いろはも」

いろは「ごめんなさい。無用心ですよね」

ひなの「や、アタシも近づくかもしれん。そんなのあったら」

やちよ「そうね。看板に答えるのは、少数派かもしれないけれど」

いろは「うぅ……すみません」

 つい独り言が多くなっちゃうんだよね……ここに来てから色々あるし。常にあの子も傍に――あ。

ひなの「まあまあ。責めないで解決法を考えようじゃないか。とりあえず、襲ってきた二人に電話か?」

やちよ「そうね。離れて正解か確かめないと」

やちよ「レナでいいかしら……」

 やちよさんが携帯電話を取り出す。それを横目で見つつ、私はキョロキョロと周りを見回す。
 や、やっぱりいない……!
56 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2017/10/23(月) 07:57:07.97 ID:5DZT/UH8O
ひなの「どうした? キョロキョロして」

いろは「いないんです……小さいキュウべえが」

ひなの「――いないな。はぐれたのか?」

いろは「みたいです。私にウワサが憑いたからかな……」

ひなの「まあいずれ戻ってくるだろ」

いろは「だといいんですけど……」

 前のやちよさんみたいに命を狙う人もいないだろうし、一匹でも大丈夫だろうけど……心配だ。騒動がおさまったら戻ってきてくれるかな?

やちよ「――そう。分かったわ」

 ちょこっと都さんと話している内に、やちよさんの通話は終わったみたいだ。携帯をポケットにしまい、やちよさんは微笑する。

やちよ「環さんの対処法で正解みたいね。ももこもレナも無事よ」

いろは「本当ですかっ? 良かった……」

ひなの「これで、解決法を考えるだけになったな」

 白衣の袖をバサッと動かして、都さんが腕組み。真剣な表情で言う。
57 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2017/10/23(月) 07:57:59.96 ID:5DZT/UH8O

ひなの「やちよさんは、そのウワサについて何か知らないのか?」

やちよ「……知っているわ」

いろは「や、やちよさん!」

 流石やちよさん!
 いつものキリッとしたクールな表情が、いつにも増して頼もしい!

やちよ「神浜うわさファイル……その中でも、実例がなくて真偽が曖昧なウワサだけれど……」

 いつものノートを取り出して、やちよさんはパラパラとページをめくる。
 目当てのページにたどり着いたのか、彼女は手を止めると口を開いた。

やちよ「『アラもう聞いた?誰から聞いた??

    好感度測定少女のそのウワサ。?
    気になるあの子とその子の気持ちとワケ。普段は知れない心の底もその娘にかかればお見通し。?
    嫌われてる子とも仲良くなれちゃう??
    けれども注意。たった一言それだけで、好き嫌いのリョーキョクタン。

    好きはあなたを自分のものに。嫌いはあなたを亡きものに。

    時々振りかかる不幸を乗り越えて、好きと嫌いのアドベンチャーゲーム。 運命の相手が見つかるかもって神浜市の女子の間ではもっぱらのウワサ! ガンバッテー!』」

ひなの「……音読か」

やちよ「……と、こんな感じね」

 ファイルを閉じ、やちよさんが肩を竦める。鶴乃ちゃんが聞けなかったウワサの続き。大体私が体験したことと同じだけど……。
58 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2017/10/23(月) 07:58:54.07 ID:5DZT/UH8O
ひなの「『時々振りかかる不幸』、か。両極端だ、っていうのと区別されてる気がするが」

いろは「はい……。まだ他に何かあるのかも」

やちよ「ひとまずそれは置いておくとして……ウワサから解放される条件は分かったでしょう?」

いろは「条件ですか? 運命の相手を見つけるとか?」

ひなの「そうだな。俗っぽく言えば誰かとエンディングを迎えるってところか」

やちよ「アドベンチャーゲーム、なんて言っているからほぼ間違いないわ」

やちよ「ただ、今回はこれまでのウワサと形式が違うわ」

いろは「形式?」

やちよ「ええ。いつもならウワサと戦って強引に消すことができたけど……」

いろは「……あ。今回ウワサは姿を見せないから、戦えない」

やちよ「そう。元凶を叩いて排除、影響から解放という手段がとれないわ」

やちよ「環さんを叩くわけにもいかないし」

いろは「あはは……死んじゃわないなら、それが一番なんですけどね。手っ取り早いですし」
59 : ◆HTrEUwqtEM [sage saga]:2017/10/23(月) 07:59:39.42 ID:5DZT/UH8O

ひなの「憑依先を排除してもまた新しくとり憑いて繰り返しってパターンもあるかもしれないからな。あまり強行はしないほうがいい」

やちよ「そもそも、環さんと一緒にいるのかも不明だからここは大人しくルール通りにエンディングを目指しましょう」

いろは「それってつまり……誰かと恋愛、どすか?」

やちよ「そうとは決まってないけれど……そうね、やり易い相手が好ましいかしら。好感度が高い人とは会えた?」

いろは「それは……鶴乃ちゃんですね」

ひなの「ほう。鶴乃か。どれくらいだ? 数値が見えるんだろう?」

 興味津々な様子で都さんが訊いてくる。やちよさんもあんまり表情を変えないけど、そわそわとしてるような気がする。
 鶴乃ちゃんの好感度……これ多分、凄まじい数値なんだけど、言っていいのかな。

いろは「……154です」

ひなの「154。なるほどなぁ、じゃアタシは140くらいか? いろはのことは結構信頼してるし」

いろは「……都さん64で、やちよさんは38です。他の人の好感度も考えると……普通は二桁なんだと思います」

ひなの「限界突破……だと……」

やちよ「……鶴乃を攻めてればすぐ終わりそうな気がしてきたわ」
60 : ◆HTrEUwqtEM [saga]:2017/10/23(月) 08:01:03.73 ID:5DZT/UH8O
いろは「は、はい……かもしれません」

やちよ「けどそこまで高いとなると、鶴乃は避けた方がいいかもしれないわね」

ひなの「……ん? なんでだ?」

やちよ「好きと嫌いの両極端。好きはあなたを自分のものに。つまり――低い好感度で襲ってきた二人のように、鶴乃も――」

ひなの「べ、別の意味で襲ったり……」セキメン

いろは「別の意味?」

 はて。それは……

 ↓1 いろはちゃんのアレな知識量、女の子への関心。コンマ判定


 ↓2 やちよさんの嫌っている理由判定
 ↓3 みゃーこ先輩の理由判定
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/23(月) 08:06:57.38 ID:xyfO9O6uo
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/23(月) 09:24:08.62 ID:jYRDDVnq0
変身後の格好がえろはちゃん過ぎて直視しづらい
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/23(月) 11:27:03.20 ID:cCPrCcB0O
見た目を馬鹿にせずに頼ってくれるかわいい後輩だから
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