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【マギレコ】いろは「好感度測定のウワサ……?」【コンマ】
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269 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/05/17(金) 22:12:34.17 ID:Z3jdXx5aO
まだかな
270 :
◆HTrEUwqtEM
[sage]:2019/05/23(木) 03:47:20.39 ID:gczVYauT0
いろは「……ん。ふあ……」
ぼんやりしていた意識がパッと元に戻る。
目を覚ましたら何処かに立っていた。そんな経験、これまでしたことなんてなく。バランスがうまくとれずによろけてしまう。
??「っと。気をつけて、いろは」
いろは「へっ?」
思わず素っ頓狂な声が出てしまう。私を横から支えてくれた人物。それはやちよさんだった。……何故か探偵ルックの。鹿撃ち帽にロングコート、一目でこの人は探偵だと思ってしまうほど典型的な姿をしている。
いろは「やちよさん? ……あれっ?」
やちよさんの姿を見、しっかり立とうと身体を動かして自分の服装に気づく。私の頭にも同じ帽子が乗っていて、長めのケープに短いスカート。やちよさんのキリッとした探偵姿に比べてコスプレ感が強いけど、私も分かりやすい格好をしているみたい。
やちよさんの腕から離れ、周囲を見回す。
やっぱり、夢を見ているらしい。
私の部屋とは全然違う景色が広がっている。
時刻は夜。見るからに都会な街で、見上げるほど高いビルがあちこちに立っている。私とやちよさんがいるのはその裏道みたいで、街のネオンも喧騒も遠くぼんやり届きなんだか寂しい雰囲気。
人気もなく、女の子二人で来る場所だとは思えなかった。
271 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2019/05/23(木) 03:49:28.20 ID:gczVYauT0
やちよ「大丈夫かしら、いろは」
いろは「は、はい……」
私から手を離したやちよさんは、心配そうな顔をして首を傾げる。
……えっと。やちよさんがいるってことは、これってやちよさんの夢? やちよさんの妄想が探偵? なんだからしくないような気が……。
やちよ「これからあの大怪盗……かりんのアジトへ潜入するのよ、しっかりしなさい」
いろは「すみませ――はいっ?」
かりん? 大怪盗?
と、ということはこれってかりんちゃんの妄想なんだ……。
それなら安心できそう。かりんちゃん漫画が好きで、描いてるくらいだからきっとこれもその漫画の題材的な妄想だろう。
……あ。でも嫌われてたから、もしかしたら私がひどい目に遭う妄想だったり……。い、いや、かりんちゃんはそんな子じゃないよね。
やちよ「不安だけれど……私は裏社会で顔が割れてるから、あなたに任せるしかない。しっかりね」
いろは「……」コク
服装ですぐばれそうだけど……という主張は口にせず。ウワサによる妄想を再現する夢なのだ。ここで私が好き勝手暴れてもどうにもならない可能性が高い。登場人物に従うしかないだろう。
やちよ「アジトはあの酒場の奥よ。客になりすまして、機会を窺うのよ」
いろは「分かり、ました……」
不安だ。これは夢で、なるようになるんだろうけど、私には記憶があって感覚もしっかりある。現実と違いがないのだ。
命の危険はないけど、どうなるのか……。
272 :
◆HTrEUwqtEM
[saga sage]:2019/05/23(木) 03:50:53.04 ID:gczVYauT0
いろは「やってみます、やちよさ――」
酒場のドアから目を離し、やちよさんを見る――が、さっきまでそこにいた筈の彼女の姿はなかった。
物音一つもなく人が消えた。紛れもなくここは夢なのだろう。
いろは「……少年漫画くらいがいいなぁ」
敵の私と戦って友情展開、とか。肩をがっくりと落として私は呟く。
いろは「……はぁ」
……行こう。ため息を一つ吐くと私は酒場のドア目指して歩き出した。
薄暗い道の中、酒場の看板は眩しいくらいの光を放っている。ドアの向こうからは楽しげな声が聞こえてきた。
いろは「子供で大丈夫なのかな……」
呟きつつ中へ。ドアをくぐって入っていくと、そこは――
いろは「……え?」
もぬけの殻。さっきまで声が聞こえていて、誰かがそこにいた筈なのに人の姿がない。急に無音になり、カウンターやテーブルの上には煙を昇らせるタバコが乗った灰皿、グラスやお皿に乗った料理、食器類が。
形跡はあるのにそれを残した人物は姿形もない。不気味な光景に唾をごくりとのみこむ。
いろは「……」
まるで魔女の結界に入ってるような不安感。
何が飛び出してきてもいいように周囲を警戒しつつ私は酒場の奥のドアを開く。
やちよさんの話通りなら、ここがかりんちゃんのアジトの筈だ。
273 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2019/05/23(木) 03:51:48.64 ID:gczVYauT0
いろは「誰もいない……よね」
ドアを開いた先にある部屋は、やはり無人。パッと見た感じでは私達の私室と大して変わりない。ベッドが置いてあってクローゼットがあって、棚とかがあって……おかしなところといえば、部屋の中心にある台座くらい。
広い部屋の中央。ぽつんと置かれたそれの上には、宝石みたいなものがポツンと一つ設置されている。
かりんちゃんは怪盗らしいし、どこからか盗んだものかな。ドアをしっかり閉め、台座へ近づく。明らかに怪しいんだけど、つい無警戒に接近しすぎてしまった。
いろは「ひゃっ!?」
宝石へ伸ばしていた手が不意に掴まれる。硬い感触にぎょっとし反射的に振り払おうとするけれど、まるで手応えなし。
見れば、銀色の鉄? みたいな手が私の手首を掴んでいる。その腕部分はバネみたいになっていて、私が振っても形を変えて衝撃を逃がすだけ。
強引に手の部分を開かせようと、もう片方の手を伸ばそうとするも――
274 :
◆HTrEUwqtEM
[saga sage]:2019/05/23(木) 03:52:37.23 ID:gczVYauT0
いろは「こっ、こっちも!?」
その手も同じような腕に掴まれていた。慌てて抵抗を試みるも、その瞬間にタイミングを計っていたみたいに金属のアームが収縮を始める。
バネみたいな柔らかさが嘘みたいに固くなり、私が腕を動かしてもビクともしない。あっという間に私は腕を斜め上に挙げる形で拘束されてしまう。
足は自由に動かせるけど、手は全然動かせない。これじゃあ何もできないのと同じだ。
いろは「うう……なんでこんな」
???「はーっはっはっは!」
夢だからだろう。変身しようとしても変化はなし。焦る私がもがいていると、アジトの入り口のドアが開く。高笑いと共に登場したのは予想通りの人物で。
かりん「天才大怪盗かりん、ここに登場!」
いつもの魔法少女姿のかりんちゃんだった。
探偵と怪盗。私とかりんちゃんはこの夢では敵同士ということ。そして潜入、捕縛、アジトの主登場……不穏な流れだ。もしこれで処刑なんて流れになれば、どうなるのか。
いろは「か、かりんちゃん……」
かりん「ちゃん? 不思議な新米探偵もいたものだな。あんな罠にあっさりかかるなんて」
決めポーズから姿勢を崩し、ちゃん付けに首を傾げるかりんちゃん。けれど今はその疑問より作戦が成功した喜びの方が大きいみたい。ニヤニヤと馬鹿にするみたいに笑いながら、私へとゆっくり近づいてくる。
そういえば彼女、戦いの時のマジカルかりんモードだ。妄想でも使っているとは、よっぽど思い入れがあるらしい。
275 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2019/05/23(木) 03:53:51.24 ID:gczVYauT0
かりん「環いろは。頭はいいと聞いていたが、これではな」
いろは「離して……くれない、よね?」
すぐ前までかりんちゃんがやって来る。妄想といえ容姿に変わりはない。けれどなんでだろう。私のことを上目遣いにニヤけつつ見てくる彼女の表情から目を離せない。なんていうか、色気が……。
いろは(肩におへそ、太もも……あぁああ。妄想の影響……っ?)
表情も、制服に比べて薄い生地で露出も多めな魔法少女姿のかりんちゃんのあちこちが、魅力的に見えて仕方がない。
急激に顔が熱くなるのを感じつつ、私は目の前で笑うかりんちゃんを見つめ続ける。
今から拷問、処刑するなんて言われてもおかしくはない状況なのに私の頭の中はかりんちゃんのことでいっぱいだった。
かりん「当たり前だろう? 探偵をタダで返す怪盗がどこにいるのだ?」
いろは「だよね……」
かりん「フッ。お前のことはしっかり調べつくしてから……逆らう気が起きないようにするとしよう」
いろは「えっ? ……ふあっ!?」
かりんちゃんの顔が急接近。思わずドキリとし後退りしようとするのだが身動きは当然とれず、かりんちゃんの更なる接近を許してしまう。
ピトッと身体を密着させ、かりんちゃんの小さな手が私の頬に添えられる。息がかかりそうなほどの距離感。かりんちゃんのお菓子みたいに甘い香りが鼻に入ってくる。今この瞬間、思い切り蹴り飛ばすこともできるのに――私はかりんちゃんの唇を見つめていた。
普段子供っぽい彼女の、余裕に満ちた大人びた表情。微笑に歪む柔らかそうな唇は、今まで感じたことがないくらい魅力的で。
276 :
◆HTrEUwqtEM
[saga sage]:2019/05/23(木) 03:55:02.25 ID:gczVYauT0
いろは「んっ……」
かりん「どうした? 抵抗しないのか?」
視界外で腰にそっと手を添えられ、身体を小さくよじる。過敏な反応に恥ずかしさを感じていると、頬に添えられたかりんちゃんの手が私を可愛がるように優しく撫でる。
いろは「そん、な……っ、抵抗したって逃げられないからっ」
かりん「それもそうだな。けど……」
いろは「あっ、う……」
かりんちゃんの手が腰を無でる。くすぐったさと、よく分からない感覚が私の口から声を漏らさせる。かりんちゃんは楽しそうな笑みを深めた。
かりん「逃げる気すらないのではないか? 我にこうされることを望んでる……違うか?」
いろは「そんなこと……っ」
これから何をされるのか。知識があまりない私でもなんとなく察しはついてしまっていた。これは、その……つまりこれからエッチな漫画みたいなことになっちゃうかもしれないんだよね?
……これって、私に対しての罰ゲームじゃなくて、かりんちゃんに対しての罰ゲームなのかな。妄想を私に見られるなんて。
でも、妄想をリアルに体験できるなら嬉しいのかな? いや……私が相手だから、そんなことないのかも。
色々なことを考えてしまい、緊張と恥ずかしさ、かりんちゃんの魅了攻撃もあって余裕がない。何をどうすればいいのか、必死に頭を働かせようとしているとかりんちゃんがまた手を動かした。
277 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2019/05/23(木) 03:56:04.12 ID:gczVYauT0
かりん「では、始めるぞ」
頬に添えられていた手が私のお腹に触れる。服の下に何かないかチェックしているのか、念入りにゆったりとした動作でそこから上に指が動いていく。
いろは「ひぅ……」
ただそれだけなのに身体がぞくぞくと震えてしまい、声が出てしまう。くすぐったいのもあるけど……もしかして、これって……。
かりん「何も持ってなさそうだな。……フフ、どうした?」
いろは「な、なにも……」
かりん「そうか? 身体が反応しているぞ?」
分かって言っているのだろう。私の反応をすぐ間近で眺めながらかりんちゃんの手が私の胸を触る。
それまであまり直接的に性的なことはしてこなかっただけに、分かり易い部位への刺激に羞恥心が煽られる。
いろは「ふぅ……っ、はぁ……ん♡」
今までかりんちゃんに触られた時の未知な感覚。それが何なのかを認識してしまった。頭がぽわぽわとして熱っぽく、意思に反し強制的に感じさせられる強い幸福感……快感、なのだろう。
かりんちゃんの指先が膨らみを無でる度、甘い感覚が私の身体に走る。少しでも何とかしようとしていた思考はぼやけ、身体から力が抜けていく。
な、なにこれ……。服の上から触られるだけでこんなに気持ちいいの……?
278 :
◆HTrEUwqtEM
[saga sage]:2019/05/23(木) 03:57:14.01 ID:gczVYauT0
かりん「蕩けた顔をして……嘘はよくないぞ。ボディーチェックで感じるなんて、とんだ変態だな」
いろは「違っ。そ、んな……ことは――っ、ひゃぅっ!?」
否定しようとした矢先、指の先でくりくりと服越しに正確に……先っぽ、乳首の位置を擦られ声が出てしまう。一瞬目の前がチカッとするほどの快楽に頭の動きが止まってしまう。
いろは「はぁ……ぁ、んぅ♡」
たった数秒のことだろう。快楽で薄れた意識が戻り、自分のうっとりとした声で我に帰る。
やっ、やっぱりおかしい。経験もないのに、こんな……。
かりん「すごいだろう? 我のテクニックは。どうだ? 探偵を裏切るのならもっとすごいものを味あわせてやるぞ?」
両手を私の身体に回し、抱きしめながらかりんちゃんが身体をこすり合わせてくる。ちょうど重なった胸の部分に柔らかい感触が。でも撫でられるよりはもどかしいくらいの刺激で、餌を前におあずけされているような気持ちになってしまう。
いろは「そ、それは――ううんっ、そんなこと絶対しない!」
つい流されてしまいそうになるも、強すぎる快楽に抱いた不安が勝ち、首を横に振る。
そう。これはかりんちゃんの妄想。だからきっと、私のこの反応も妄想の弊害なのだろう。つまり、かりんちゃんが私のことをこんな反応する女の子と思っているのか、それともかりんちゃん自身の設定がとんでもないテクニシャンなのか。
かりんちゃんのセリフから察するに後者のような気がするけど……いよいよかりんちゃんへの罰ゲームの様相を呈してきた。
かりんちゃんはこの夢を見たことを覚えてるらしいけど、絶対話せないよね。
なにはともあれ、しっかり自分の意識は保たないと。
ん? ……あれ? でも、これって妄想をなぞるから……結局意味ない!? 抵抗しようと決めたことも理由がはっきり言えないし。
279 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2019/05/23(木) 03:58:32.47 ID:gczVYauT0
かりん「ふむ、そうか。ではボディーチェックを続けるとしよう」
いろは「……あれっ!?」
パッとかりんちゃんが私から離れる。その刹那、瞬きくらいの時間で起こった変化に私は驚愕する。私の探偵風味な服が綺麗に剥がれていた。腕をがっちり固定されていたにもかかわらず綺麗に、だ。
前を見ればかりんちゃんの手の上に私の着ていた服がかかっている。破れた様子はない。さ、流石は大怪盗――という設定の妄想。
いろは「そ、その……これ以上は何も隠せないと思うけど?」
服を奪い盗られ、下着とニーソックスに靴だけ。変にマニアックな姿になった私は自分の身体を見下ろしつつ弁明を始める。
薄ピンク色で上下を揃えた下着。身体は現実と変わりないけど、服がなくなったことでパンツの違和感を強く感じるようになってしまう。かりんちゃんに触られた時のせいだろう。太ももにも滴ってるかもしれない。
私の言葉通り、真っ赤になってしまいそうな恥ずかし過ぎるそれも今も隠すことはできず、かりんちゃんに晒すことしかできない。
脚をモジモジと擦りあわせ、できるだけ見えないようにしながらかりんちゃんに言うと、彼女はゴクリと唾をのむ。
かりん「……そんなことはないぞ」
人が『欲情した』とはっきり分かる表情、初めて見たかも。なんて暢気な心の声を発していると、かりんちゃんが指を鳴らす。
いろは「――なぁっ!?」
今度はしっかり目で捉えた。まるで瞬間移動みたいに下着がかりんちゃんの手に移ったところを。
驚く私の前でかりんちゃんはそれを床に置いた私の服の上に投げ、前へ。
280 :
◆HTrEUwqtEM
[saga sage]:2019/05/23(木) 03:59:29.86 ID:gczVYauT0
かりん「まだ、隅々まで調べる必要があるな」
またすぐ近くにかりんちゃんの顔が。急上昇する体温に硬直していると、視界外でかりんちゃんの手が素肌に触れる。肌と肌、かりんちゃんのすべすべとした指が私の胸に。小さい膨らみを揉まれ、甘い快楽が頭を走る。
いろは「あっ――んむっ」
反射的に喘いだ私の口を、タイミングを計ってかりんちゃんが唇で塞ぐ。彼女に見惚れていた私だけど、急なことに驚いて目を閉じてしまう。
勿論口も閉じようとして――その間を、かりんちゃんの舌が割って入る。
かりん「んっ、ふぅ……ちゅ」
いろは「ふぁ――っ、ぁ、んん」
真っ暗な視界の中、かりんちゃんが私の口内を蹂躙する音が頭に響いてくる。唾液が混ざり、粘膜が擦れ合う淫靡な音。
重なった唇は信じられないほど柔らかく、彼女の舌と私のものが絡む度、気持ちよさに身体が震えてしまう。
いろは「ぁっ、はぁ……ん、ぷぁ♡」
彼女の熱に理性が溶かされるような心地よさと息苦しさ。頭がぼんやりして、いつの間にか口を開き舌を出したままの私をかりんちゃんが遠慮なく愛撫する。
唇で舌を挟んだり、先を吸ったり、経験したことない快感に、苦しさは二の次。
もっと。もっとしてほしい。考えられるのはそれだけで、私はきゅっと瞑っていた目を開く。
281 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2019/05/23(木) 04:00:34.44 ID:gczVYauT0
かりん「……ん」チュ
彼女も感じていたのだろうか。私と目が合った彼女は若干涙目で、にっこりと笑う。いやらしい表情に心を奪われたのもつかの間、かりんちゃんがぐいっと私の頭を自分へと寄せ、再び深く口づけをはじめる。そして私の気持ちを読んだのか、胸に触れていた手で胸の突起をつまんだ。
酸欠と快感にぼやけていた意識が一気に澄み、そして高まり――
いろは「ん、ふぁっ――あ、んうぅっ♡」
一気に解放される。身体がガクガクと震え、触られてもいない下半身が熱く疼くのを感じる。目の前がチカチカと瞬き、強張った身体が弛緩。
繋がった口からくぐもった嬌声が漏れる。
いろは「はぁ……っ、はぁ……♡」
唇を離され、ぐったりとしてしまう私。ほぼ意識がなく絶頂の余韻が支配する頭。虚ろな目で舌を出したまま呼吸を繰り返し、唾液が垂れることも気にかからない。
ほやっとした視界の中で、項垂れていたせいか足元に飛散している水滴が目に入った。よく見れば私の脚に透明な水の筋が。
かりん「まだ触ってもいないのにこんなに……どうだ? 我に協力するなら、更に強い快楽を与えてやろう」
いろは「ん、ぷぁ……ぁ♡」
頭が働かない。かりんちゃんが私の内ももを撫で、蜜を付けた指を口へ入れてくる。人差し指で私の舌を撫で回し、口になんとも言えないいやらしい味と感触が広がる。
経験のない状態でとても現実味のないレベルの快感。すっかり理性が飛んでしまった頭の中は、かりんちゃんから与えられる快楽のことしかなくて。
私は夢見心地のまま、無意識に脚の間にあるかりんちゃんの脚へ擦り付けながら懇願する。
282 :
◆HTrEUwqtEM
[saga sage]:2019/05/23(木) 04:03:18.94 ID:gczVYauT0
いろは「お願い……協力するから、もっと、気持ちよくして……?」
かりん「……。わ、分かった。交渉成立だな」
……一瞬目を逸らした?
ちょっと落ち着いてきた頭に疑問が浮かぶものの、それは次の瞬間に吹き飛ぶ。
かりん「いくぞ……」
いろは「あっ、ぁ……入って――んうっ♡」
かりんちゃんの指が下半身、秘所を撫でゆっくりと中へ入ってくる。身体の芯に直接差し込まれるような快感に、大した動きはしていないのにもう限界が近くなってしまう。
身体を反らして反応する私を、かりんちゃんは容赦なく攻めはじめる。
かりん「そんなに腰を揺らして……聞こえるか? 敵に触られてこんなに濡らしているぞ?」
指が抜き差しされる度、粘着質な水音が聞こえてくる。恥ずかしい……けど、そんなことを気にしてられないほど強烈な気持ちよさが彼女が一動作起こすごとに私を襲う。
弱い絶頂の波が何度も押し寄せ、意識が点滅するかのように遠のいては目覚めてを繰り返し、苦しさもある筈なのにそれすらも快感の前ではどうでもよく。
いろは「あっ、はぁっ――ん、うっ♡」
言葉を発する余裕もなくされるがままに愛撫を受ける。もう身体を拘束されていないとしても何もしないだろう。
283 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2019/05/23(木) 04:04:04.46 ID:gczVYauT0
かりん「――よし、そろそろイクといい」
いろは「あっ、あっ♡ もっ――う、いくっ♡」
耳元でかりんちゃんが囁く。彼女の言葉に従うように私の快楽は上りつめ、そして――
いろは「ふああぁっ!♡」
最高潮に達する。高まった快感が頭の中を塗りつぶし、身体が電撃を受けたみたいに震え、秘部から大量の蜜が噴き出る。
絶頂を終えてもなお強い余韻が残り、私はぐったりと脱力。
いろは「は……っ、ぁ……♡」
かりん「少しやりすぎたか。まぁ、よい。これで駒として使えるのだ」
ぼんやりした視界の中、かりんちゃんが機械を取り出し、ボタンを押したのが見えた。すると手の圧迫感が無くなり、身体が床に倒れるのをなんとなく感じた。
拘束を解かれたのだろう。と、他人事みたいに考えたのが最後。
かりん「色々、活躍してもらうぞ……新米くん」
かりんちゃんの声を聞きながら、私は眠気に襲われ意識を手放した。
284 :
◆HTrEUwqtEM
[saga sage]:2019/05/23(木) 04:04:53.51 ID:gczVYauT0
○
いろは「はうあっ!」ガバッ
それはまあされるがままな悪夢から私は突然目覚めた。
奇声と焦燥感、寝坊確定な二度寝から覚醒したかのような慌てっぷりで身体を起こすと、そこは自室のベッド。
身体にはしっかり毛布までかけられており、まるで本当にただ眠っていたみたいな感じ。
フェリシア「おわっ!? い、いろは!?」
ただ違うのは、ベッドの横に座るフェリシアちゃんがいること。
突然起きた私に飛び跳ねて驚き、彼女は心配そうな顔をする。
フェリシア「大丈夫だったか? なんか、すげーうなされてたけど。――エロい声で」
いろは「あ……。う、うん。一応安全といえば安全な夢だったから」
健全ではなかったけど。精神的な貞操は守れなかったけど。
現実の私がどんな声を出してたのか気になる。
……それにしても。
額に手を当て、私は思い出す。
今思い返しても、本当に現実みたいな夢だ。記憶がはっきり残ってるし、かりんちゃんの指が触れる身体の感触だって生々しく覚えている。
……うぅ。
かりんちゃんの方に変な影響ないといいけど……。
285 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2019/05/23(木) 04:08:39.17 ID:gczVYauT0
遅くなりました!
とりあえず書いた分を投下して、今回は落ちます。続きはフェリシアの話を再開というところから。最後に判定だけ
↓1 かりんの好感度上昇判定
コンマ二桁で判定。その2分の1、好感度上昇
286 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/05/23(木) 04:13:10.84 ID:vgp4k9C3o
ほい
287 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/05/23(木) 06:54:45.14 ID:MLcNxkBcO
かりんのこうかんどがグンとあがった
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/07/01(月) 22:40:18.19 ID:nL2yMEt7O
待ってるの
289 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/10/29(火) 07:00:38.30 ID:7E/4IzIDo
待ってます
290 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2020/01/13(月) 05:32:13.38 ID:ca7vPRRS0
御園かりん
55 → 97(+42)
「夢の中でのことが頭に思い浮かぶの……」
かりん「っ――ぷはぁっ!?」
御園かりんは長いようで短い夢から目を覚ました。
悪夢から目を覚ましたかのように息は上がっており、けれど決して悪い気分ではなく。
ぼんやりと、鳥の囀り代わりに聞こえる人々の喧騒をバックにかりんは夢での出来事を反芻した。
自身の視点で現実と変わりなく自然な流れで展開された夢。夢に出てきた相手――環いろはにした行為は全て現実味があって、目を覚ました今も手に感触があるような感覚が残っている。
自身の技術でいろはがかりんへ見せたあられもない姿。快感に抗い、それでも堕ちてしまう彼女の淫靡な反応。
かりん(……さ、さっきまで嫌ってたのになんでこんな夢を見てるの……?)
まるで自分がいろはをそんな対象に見ていたかのような夢に、かりんは困惑する。彼女以外にも魔法少女、女の子の知り合いはいるのに。そもそも彼女は同性なのに。
291 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2020/01/13(月) 05:32:55.37 ID:ca7vPRRS0
かりん(まさか私、いろはちゃんのことが……?)
未だ冷めない混乱の中、視線を動かすかりんは自分が喫茶店にいるのだと思い出す。
かりん(えーと……確か先輩をお茶に連れ出して、それで突然眠くなって……)
かりん「そ、そうだったの! ごめんなさい、アリナ先輩――」
喫茶店に強引に連れて行って寝落ち。絶対に怒られる、とぼんやりした思考を放棄し即座に謝罪する。
かりん「……あ、あれっ?」
けれども罵倒も、呆れたため息も返ってこない。それもそのはず、彼女の前の席には誰も座っていなかった。
先輩がいるはずの椅子は無人で、その前、テーブルに一枚のメモが。
かりん「……」ゴクリ
とりあえずのお説教は回避されたものの、これはこれで怖いものだ。恐る恐る手を伸ばし、メモを読む。
『アリナ、ミッションに戻るカラ。誘っといて寝るなんてほんとフールだヨネ。お金は払っておいたケド、後で覚えておいて』
普段の口調に直すと、おおよそそんなことが書かれていた。後で覚えておいて。その一文だけは原文そのままだが。
292 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2020/01/13(月) 05:33:39.37 ID:ca7vPRRS0
かりん「あ、あわわ……」
確かな恨みを感じさせる文面に戦慄するかりん。けれどそれ以上に、彼女の心を乱す事実がそこにはあった。
馬鹿と言われることよりも、先輩が怒っているということよりも気にかかる点。それこそは――
かりん「アリナ先輩、そんなにいろはちゃんをストーキングしたかったの……!?」
――突然眠るかわいい後輩を置いて、それも奢りまでしてストーキング活動を再開する先輩の存在であった。
293 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2020/01/13(月) 05:34:15.36 ID:ca7vPRRS0
○
いろは「はああぁ……」
深く、ふかーく、私は息を吐いた。大きく吸って吐く。深呼吸みたいなため息をして、私は頭を抱える。
いろは「このウワサも、やっぱり厄介だね……」
分かっていたことではある。けれど最初から厄介と思っていたところに、あのランダムで襲いかかるトラブル。これからどうなるかを想像すると恐怖すらも感じる。
今回のかりんちゃんの妄想だって、一歩間違えれば嫌いな相手をいじめる内容になっていた可能性だってあるのだから。
ひょっとしたら、好感度を操作されたり、記憶を改竄したり……そんなことも起こるかもしれない。
フェリシア「まー、大丈夫だろ。今回はマギウスも見てるだけなんだろ? なら、仲間もいっぱいいるし心配ないって」
いろは「う、うん……。そこは頼もしい、けど」
フェリシア「けど?」
沢山仲間がいるだけ、今回のウワサの厄介さが増してくような気がしてならないんだよね……。という心の声は胸にしまっておこう。
悪いのはウワサだし、口にしてフェリシアちゃんを不安にさせちゃうのも嫌だから。
294 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2020/01/13(月) 05:34:49.50 ID:ca7vPRRS0
いろは「――なんでもない。言い間違えちゃった。そうだよね。みんなに頼ればきっとうまくいく筈」
フェリシア「そーそー。今まで通りだって」
にっこりと笑うフェリシアちゃん。彼女にそう言われると、根拠はなくても信じられる気がした。
いろは「うん。ありがとう、フェリシアちゃん」
フェリシア「おう、どーいたしまして」
お互いに笑みを向けて笑い合う。フェリシアちゃんの笑顔を見ていると、自然と不安も安らいでいく。
鶴乃ちゃんもさなちゃんもそうだけど、彼女も、フェリシアちゃんも自分の気持ちを知られたのに全然変わらない。一連の騒動で変化だらけで振り回されてきた私には、それがとても有り難い。
フェリシア「――で、休むんだろ? 昼までまだ時間あるし、寝ててもいーぜ」
いろは「あ、うん。それじゃあ横になってようかな」
実際に疲れていたので遠慮なくベッドに寝ることに。フェリシアちゃんはベッドのすぐ横、クッションを敷いて座る。身体を前に倒してベッドに上半身を乗せて頬杖をついた。
昨日からずっと騒がしかったせいで、今こうしてのんびりしているとやけに静かに感じてしまう。夜寝た時と微妙に違うのは、フェリシアちゃんが隣で見ててくれるからかな。
そんなことを思って隣を見ると、フェリシアちゃんが口を開く。
295 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2020/01/13(月) 05:35:27.53 ID:ca7vPRRS0
フェリシア「なぁ、いろは。辛くないか?」
いろは「え? 辛くは……ないかな。今のところ」
フェリシア「……女の子に好かれてるのに?」
フェリシアちゃん、気にしてたみたい。言葉を発する前の間でなんとなく分かっちゃった。表情も不安げだし。
いろは「そこは全然気にならないかな。私自身、女の子をそういう目で見られるかと言われると……よく分からないから」
フェリシア「そっか……」
複雑そうな顔をするフェリシアちゃん。彼女が何を考えてるのか、今度はすぐ分かった。出会ったばかりの頃に時々見せていたその表情――私は手を伸ばす。
いろは「でも、フェリシアちゃんが私の運命の人だったら――すごく嬉しいな」
彼女の頭に手を乗せ、にっこりと笑う。女の子を恋愛対象として見られるかは分からない。でもフェリシアちゃんと恋人になれるのなら、私はそれを喜ぶだろう。矛盾しているようだけど、それが私の本心だ。
296 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2020/01/13(月) 05:35:56.26 ID:ca7vPRRS0
フェリシア「――っ」
フェリシアちゃんは目を見開いて……あれっ? すごく顔が赤い。私が頭を撫でると、すごく恥ずかしそうな顔をしてもじもじする。
よく考えると告白にしか聞こえない台詞だったんだけど、私はフェリシアちゃんを安心させようとしか思っておらず。想定外なリアクションを見せる彼女に若干戸惑いつつ言葉を続けた。
いろは「それは他の魔法少女の子たちも同じ。みんないい子ばかりだし、助けられてきたから……」
フェリシア「……やっぱりか」シラーッ
こ、今度はすごく死んだ目を……。
いろは「えっと……フェリシアちゃん? 私、まずいこと言っちゃったかな?」
フェリシア「なんでもねーよ。ったく、もう。全然意識してねぇのな」
いろは「意識?」
ぽかんと首を傾げる。そんな私を見て、フェリシアちゃんは大きなため息。頭に乗っていた私の手を下ろし、ベッドの上に身体を乗り出す。
急に私へ顔を近づけてきたフェリシアちゃん。私が反応する間もなく、彼女はほっぺへと口づけをした。
297 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2020/01/13(月) 05:36:38.88 ID:ca7vPRRS0
いろは「えっ、あ――フェリシアちゃんっ!?」
フェリシア「あんまりむぼーびにしてると、食っちまうからな! き、気をつけろよ!」
わ、わぁ顔が真っ赤……。捨て台詞みたいなことを言い放ち、フェリシアちゃんは素早く部屋から出ていく。
いろは「無防備……?」
取り残された私はドキドキしながら彼女に言われた言葉の意味を考え、悶々とした休息を過ごすのだった。
フェリシア編 1話進行
フェリシアの好感度が+8 現在98
298 :
◆HTrEUwqtEM
[saga]:2020/01/13(月) 05:41:52.34 ID:ca7vPRRS0
【遅れました! そしてアニメ化おめでとう!今更ですが
今回は次の魔法少女指名の安価を出して落ちます】
↓1、2 次に会う魔法少女を一人指名
未登場、登場済問わず
未登場の場合はコンマで好感度測定も同時に行われます
299 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/01/13(月) 17:40:05.04 ID:55C/E2h60
かえで
300 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/01/15(水) 23:41:30.68 ID:SFlZbXX50
かこ
301 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2020/02/10(月) 07:58:08.20 ID:VoFUtFFJO
かえで 好感度4 顔見知り……? 敵対? レベル
かこ 好感度68 親友レベル
その日の午後。
ひなの「……」
ひなのはまたしても喫茶店にいた。
奇しくも午前、彼女が座っていた席とまったく同じ場所で同じ飲み物を口にする。唯一違うのはここへ彼女を呼び出した人間か。
さながら一度読み終わった本を読み返す気分。道を流れていく人を眺め、コーヒーを口に含む。余裕と退屈。喫茶店のテラスは街の喧騒から一歩ほどしか離れていないのに、やけに静かに感じられた。
ひなの「――いやいや。気取ってる場合じゃないだろう」
一人で唐突にツッコミを入れる。
梨花の相談に付き合い、そこから雑談に発展。あれやこれやとマシンガントークに付き合い、やっと店を出たと思えば今度は呼び出されてまた店内へ。
そして自分を呼んだのは……嫌な予感しかしない相手。
ひなの「れん……。アタシを呼び出すなんて、嬉しいのやら戸惑うのやら……」
302 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2020/02/10(月) 07:58:42.67 ID:VoFUtFFJO
五十鈴れん。
梨花と仲の良い後輩である。つい最近までは世間話ですら中々話せない子だったのだが、呼び出してきたということはおそらく個人的な話。または相談か。信頼関係が少し進展したということなのだろうか。
普段の彼女を知っているからこそ、ひなのは断る気にはなれなかった。……れんの親友が女性に告白した、という複雑な状況があるタイミングでも。
ひなの「フフ……アタシも大人の頼り甲斐というものが身についてきたかな」
単純に頼られて嬉しい、という気持ちが大きいのも承諾した理由ではあるが。
さて、待機して十分ほど。電話してから外へ出るとなるとこの倍以上はかかる筈だが、意外にも待ち人はすぐに店へやって来た。
ひなの「来たか。こんにちは、れん」
れん「あ……こ、こんにちは。お忙しいところ、ありがとうございます……」
ぺこりと頭を下げ、れんは着席。
見たところ落ち込んでいたり、暗い様子はない。メニューを渡しつつ観察する。部活があるひなのは休みの日も大抵そうなのだが、目の前の彼女も制服姿。
303 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2020/02/10(月) 07:59:20.25 ID:VoFUtFFJO
ひなの(……学校に行ってきた、それとも行くのか? もしかして、いろはに会ったり……)
それで自分にアドバイスを、とそこまで考えて有り得ないと断定する。
ひなの(いや、それだとれんの様子と食い違うよなぁ……。いつも通りに見えるし)
メニューを開き、それをじーっと見つめる彼女。しばらくするとボタンを押して店員を呼び、小声で注文。
至って普通。れんが悩んでいたり、落ち込んでいる時は言葉に詰まることが多い。が、今はそれがまるでない。
ひなの(……むしろ浮かれてる? それは無いか)
れん「ぁ、あの……」
ひなの「――っと。悪い。ぼんやりしてた。今日はどうしたんだ?」
問うと、れんは視線を下に。少しだけ俯いてしまう。頬はほんのり赤く、けれどこの時初めて悲しげな感情を表情に出す。矛盾しているような、複雑な気持ちの現れ。不意にひなのは梨花の姿を思い出した。
ひなの「……恋愛の話か?」
普段ならからかい口調で言うようなこと。けれどそんな気にはなれなかった。
304 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2020/02/10(月) 07:59:46.72 ID:VoFUtFFJO
れん「……」コクリ
ひなの(ま、マジか……)
恋愛。タイミングがタイミングだ。
いろはのウワサ騒動に梨花の告白。それらが起こった後に梨花と親しい彼女が恋愛相談。――考えられるのは一つしかない。
ひなの(そうか……梨花のことを……)
やはり、梨花のことが頭に浮かんでしまう。友人の告白をきっかけに自分の気持ちを知って――
れん「その……でも、女の子同士で……」
ひなの「……単刀直入に聞くが、それは恋愛感情だとはっきり言えるか?」
れん「……はい」
コクン、と小さく頷く。頭を上げたれんはひなのと目を合わせる。嘘や強がりは感じられない。正真正銘、本心から好きなのだろう。
れんの真剣な表情に、ひなのも気持ちを引き締める。状況は複雑だ。魔法少女の感情の揺れは死を招くこともある。自分を頼ってくれた後輩を悲しい目に会わせることはしたくなかった。
――と、真面目に考えて椅子に座り直すひなのの前。膝の上でギュッと拳を握っていたれんが、今度は恥ずかしそうに両手の指をもじもじと弄り始める。
305 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2020/02/10(月) 08:00:25.03 ID:VoFUtFFJO
ひなの(……本当に複雑だな)
シリアスなやり取りをしていたつもりが、次の瞬間は和やかな雰囲気に。コロコロ変わるれんの表情に、ひなのは改めて思った。
顔を真っ赤にさせ、チラチラとひなのを見、落ち着きなくれんは口を開く。
れん「……ぇっと、さっきはウワサの影響もあるんですけど……そういう、邪な気持ちにも……なって。は、はぃ……。抱きしめて……触って、しまいました……」
ひなの「――ぶっ!?」
心構えも何もしていないところにいきなり爆弾投下。しどろもどろに話すれんの言葉に、梨花を襲うれんの図が脳内に浮かびひなのは口にしていたコーヒーを吹き出した。
恋愛感情に気づいたその時から、もうお手つき済みとは完全に想定外であった。
が、そういう対象として見ていると、分かりやすくはある。
ひなの(そうだ、落ち着けアタシ。触っただけだ。ウワサの影響も……ん? ウワサ?)
ピンク色の想像に気を取られていたが、クールダウンした頭に一つの単語が引っかかる。
ウワサ。今、そのワードを聞いて思い出すのは……
306 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2020/02/10(月) 08:01:09.17 ID:VoFUtFFJO
れん「都さん、大丈夫ですか……?」
ひなの「あ、あぁ。……その、もしかしてだが、梨花じゃないのか? 相手は」
れん「……えっ!? り、梨花ちゃんとなんてそんな……っ。違います、はいっ……」
『梨花ちゃんとなんて』釣り合い、と思っているのだろう。聞かれて盛大に狼狽えるれん。ひょっとしたら無意識に遠慮して引いてるいるだけで、梨花にも……とひなのは感じてしまうが、今はそれどころではない。
れん「私が好きなのは……い、いろはさんです……」
――恋する乙女な顔で、環いろはの名前を口にする五十鈴れん。彼女の相談に乗っているのだから。
ひなの(そっ、そっちかぁぁ! 完全に読み違えてた! いやそもそも読めるか! 昨日鶴乃の好感度カンストに、やちよさんの下心に、梨花の告白で驚いてたとこにコレだぞ。いろはは何だ、サキュバスか何かなのか! いやその言い方はよくないけど、女性人気すごいな!)
ひなの「そ、そうかぁ……で、いろはに触ったわけだ」
脳内は駄々こね状態で、本体は努めて冷静に、けれど訳の分からないセクハラ発言。ひなのは完全に混乱していた。
307 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2020/02/10(月) 08:01:46.58 ID:VoFUtFFJO
れん「はい……その、お尻を……」
そしてそれに素直に答えてしまう彼女もまた混乱しているのは言うまでもない。
れんの頭が一連の出来事についていけていないのは当然のこと。恋心もないうちから恋愛感情を抱き、告白し、ついには暴行未遂、そして頭部強打。目覚めてからは明日香にギクシャクした感じで説明をされ……彼女と別れた後はほぼ反射的にひなのを呼び出していた。
普通の人間ならば、ベッドで半日は頭を抱えてようやく呑み込める案件。その時間がほぼ皆無というなら、どうなるかはお分かりだろう。
ひなの「……ウワサって、大変だな」
れん「はい……とても……」
遠い目をして二人でしばし沈黙。少々落ち着いたところで、ひなのはため息を吐く。
ひなの「まぁ……ここに呼ばれた理由は大体分かった。梨花のことで申し訳なくなったんだろ?」
れん「……」
黙秘。視線を下に向け、口を閉ざしてしまうれん。
けれどもそれが肯定を意味していると流れで分かるし、彼女の表情がそう物語っていた。
告白した友達のことを知っていての行動。それは彼女を裏切ることと同義。
308 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2020/02/10(月) 08:02:14.01 ID:VoFUtFFJO
ひなの「……。気にすることはないんじゃないか?」
考えて、ひなのは一言口にした。
適当そうな言葉を意外に思ったのか、れんは勢いよく顔を上げる。しかしひなのの表情を見て、本気で言ったのだと理解する。
ひなの「アタシは……梨花のこと、少し知っていてな。今のれんの行動を知ったら、きっとあいつは喜ぶと思う」
れん「……」
自分のようにはなってほしくはないから。梨花ならばそう思うはず。それに多分、同じ人を同じ性別の友人が好きになったと、仲間ができたと喜びすらすると思うのだ、彼女は。
はしゃぐ梨花を想像し、ひなのはフッと笑う。
ひなの「それにな……」
それに、れんの行動が問題ないともう一つ言える理由があった。それは梨花の過去や優しさ、れんの気遣いや不安――それらとはまた違う、シンプルな事実。
ひなの「いろは争奪戦は凄まじい激戦区だ」
みかづき荘に加え、梨花を含むその他魔法少女まで。今更れんが加わっても全体的に見れば些事に違いない。
309 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2020/02/10(月) 08:02:56.80 ID:VoFUtFFJO
れん「えっと……あの……女の子同士、ですよね?」
ひなの「ああ……」
間違いなくマイノリティなのだが、ここ神浜、ひいてはいろはの周囲では例外なようだ。それがウワサの影響ならまだ分かりやすいのだが、みかづき荘メンバーの好意は既に外部の人間も認知しているもので。特別いろはが好かれやすいと考える他ない。
ひなの「とにかくだ。今更れんが参加しても卑怯だなんだと騒ぎ立てる奴はいない。堂々としてればいい」
れん「……はい。ありがとうございます……」
安堵した様子の後輩に、ひなの自身もまたホッと胸を撫で下ろす。恋愛の、それも女性同士の悩み相談。自信はなかったがどうやら少しでも力にはなれたらしい。
ひなの(れんが恋か……。それも、いろはに)
我が子の成長を感慨深く思うような気持ちで、ひなのはこれまでを思い返す。自分と話すこともままならなかった少女が、友達と同じ人を好きになって想い人に気持ちを伝えた。色々と複雑な気持ちはあれど、喜ばしいことであった。
310 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2020/02/10(月) 08:03:30.94 ID:VoFUtFFJO
ひなの(……まぁ、いろはが大変なことになるだろうし、もうなっているだろうが……)
ひなの(応援するしかないだろう。後輩達の成長を)
止めて、忠告したってやめたりはしない。
自分も恋に関しては暴走気味な自覚はあるため、止める気にはなれなかった。ましてや消極的な彼女が告白、それを先輩に相談までしてきたのだ。
ひなの(5人以上から好意を……。今度そのモテモテさの秘訣を教えてほしいものだな……)
今回は黙って成り行きを見守るしかない。
どんどん厄介さを増していく後輩の状況に、ひなのは苦笑しつつ彼女の無事を祈った。
311 :
◆HTrEUwqtEM
[sage saga]:2020/02/10(月) 08:04:04.57 ID:VoFUtFFJO
家にいるだけじゃウワサは解決しない。
危険だけれど外にも出なきゃ。そんな想いで、仮眠から昼食をみかづき荘のみんなで食べて、私は一人午後の外出に。
いろは「……どうしよう」
外出……したのだけど、私は困っていた。
原因は少し遠くに見える二人の少女と数字。なんで私が困っているのかは言わずともなんとなく分かるだろう。
低いか、それとも極端に高いか。今回は……
かえで「それでね、レナちゃんとももこちゃんがいろはちゃんに――」
かこ「そ、そんなことがあったんだ……。フェリシアちゃん大丈夫かな……」
かえでちゃんは好感度4 。
かこちゃんは好感度68。
312 :
◆HTrEUwqtEM
[saga]:2020/02/10(月) 08:04:37.32 ID:VoFUtFFJO
私のことを嫌っている子と、友達と思ってくれてる子の二人組。それだけなら勇気を出して飛び込んでいくところだけど……二人は同じチームを組んでいて、とっても仲が良い。
それに加えて、かえでちゃんが所属しているもう一つのチーム……レナちゃんとももこさん達とも仲良し。
で、かえでちゃんの好感度が判明した今、ももこさんのチームメイト全員から嫌われちゃってることが確定したわけで。
そんな彼女が、私が昨日二人を巻き込んだことを話しているのだから――行くべきか見て見ぬフリをすべきか迷ってしまう。
せめてかえでちゃん一人なら、頑張ろうと思えるのだけど、今行くとかこちゃんとかえでちゃんの仲も悪くさせてしまいそうで怖い。
かえでちゃんが暴走してしまったら、間違いなくかこちゃんも巻き込まれるだろうから。
いろは「うーん……」
??『何迷ってるの? とりあえず理由、行くわよ』
いろは「――へっ? えっ、ちょ」
休日の通学路。私服姿で談笑している二人を、曲がり角から顔を出してじーっと観察していると不意に声が聞こえる。それがウワサのものと分かった時には遅く、私の頭に二人の言葉がどこからともなく聞こえてきた。
↓1 かえでの好感度4の理由
↓2 かこの好感度68の理由
313 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/02/10(月) 22:53:16.78 ID:WVdzXzKP0
両替に行っている間に5000円吸い込まれたクレーンゲームでハイエナされた
314 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/02/11(火) 00:30:49.58 ID:hUAkTcaGO
みかづき荘で戴いたいろは作の「あっさり魚介ネギ塩ラーメン」が忘れられない
315 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/08/18(火) 00:15:52.09 ID:KJ1KjZPV0
もうイッチ帰ってこないのん?
316 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
:2021/02/25(木) 07:24:01.23 ID:L+qY0BqtO
帰ってきてほしいんよ
317 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
:2021/02/25(木) 21:17:40.26 ID:q54Hp5alO
続き
318 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2021/02/25(木) 21:51:33.09 ID:SnC5wOeuO
そんなものはない
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