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【モバマス】千川ちひろ「アイドル風俗『しんでれらどりーむ』」
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1 :
◆q4ctS9nNro
[saga]:2019/09/06(金) 21:07:57.30 ID:OgO5IGt40
──「お疲れさまです……さん。私のことわかりませんか?そう…ですよね……あなたは【プロデューサー】にならなかったんですから……」
2 :
◆q4ctS9nNro
[saga]:2019/09/06(金) 21:09:35.86 ID:OgO5IGt40
大学卒業後、大手商社に就職した俺は実力を上げ営業成績上位を維持していた。そんな時、慕っていた先輩が退職すると本人から打ち明けられた。
「ホントに辞めるんですか?」
「あぁ、地元に戻るよ……次はお前が部署を引っ張れ」
「はい、寂しくなりますが、頑張ります」
「あっそうだ。別れの前にこのカードを渡しておこう」
渡されたのは1枚の会員カード。それが不思議な物語の始まりだった。そのカードは会員制風俗店のものらしい。本人か譲渡された人しか使えない不思議なカードだった。
「変なシステムですね……」
「まぁ値段は張るがアイドル級の女の子がサービスしてくれるぞ」
『アイドル』……そういえば就活中にアイドル事務所からプロデューサーにならないかと誘いがあったことを思い出す。結局は今の商社に内定をもらい、プロデューサーになる話はなくなったが。
3 :
◆q4ctS9nNro
[saga]:2019/09/06(金) 21:10:22.61 ID:OgO5IGt40
「看板ないけどここかな?」
会員カードには電話番号も書いてなければ、しホームページもなかった。唯一あるのは住所のみ、不安を抱えつつ住所の雑居ビル地下へ向かう。
「いらっしゃいませ〜」
入口の扉を開けると女性の声が聞こえた。この手のお店で女性スタッフとは珍しい。緑色のスーツを着た20代中盤の女性……かなりレベルは高い。
「会員カードはお持ちですか?」
「あっはい。紹介出来たのですが……」
初訪問の店で会員カードを出すのは不思議だ。
「ありがとうございます。初めての方への注意事項をいたしますね」
4 :
◆q4ctS9nNro
[saga]:2019/09/06(金) 21:10:50.61 ID:OgO5IGt40
「1つ目の注意事項です。当店では女の子の指名は基本的には出来ません」
「えっ?フリー限定ってことですか?」
「はい。常連、ランクSSSになりましたら指名9万円で承ります」
「……」
「高額ですので対象の方でも指名する方はあまりいませんね……」
9万円、高級ソープランドのような価格設定だ。しかもこれが指名料のみというのが驚きだ。
「2つ目の注意事項です。当店を利用しなくなった場合、会員カードは返却または次の方に譲渡していただきます」
不思議なシステムだ。こういったシステムは珍しい。
「最後の注意事項です。当店は完全会員制のため、譲渡される場合を除き口外は禁止いたします」
なるほど、それでネットでも口コミが出てこなかった訳か……
俺は安くない代金を支払い、待合室へと案内された。女の子の写真が張り出されていたが、どの娘もトップクラスのビジュアルだ。
「おまたせいたしましたー!カーテンの向こうで女の子がお待ちです」
いよいよ対面のとき、何時になっても緊張する。特に初めての店での初対面はなおさらだ。
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