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ここだけ男子高校ただしPCは男装少女PART45 - パー速VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) [sage]:2014/09/29(月) 18:09:46.10 ID:gCGAVyYfo
チェーンソー持った変態女やら刀持つと武士っ娘になる空手娘やら怪力吸血鬼娘やら病弱財閥娘とか……。
なぜかそんなのが居るしよくバトル展開にもなる超次元な男子高校。Part数はパー速でのスレ数!
名前や設定が無くてもノリで案外どうにかなったりする。名前が無い間はトリップを付けておくとみんな安心。

常に相手を思いやったロールを心がけましょう。
・言い切りや確定描写は好ましくありません。状況をみてやりましょう。避けられても文句を言わない。だけど避けすぎも気を付けて。
・バトルの際はパワーバランスを意識しましょう。俺TUEEにならないように。
・カオスにぶっ飛ぶのも良いですが無理に巻き込まない様にしましょう。
以上、保険の先生とのお約束です!


基本は>>980が次スレ立て。過疎具合を見て調節。
1000は高校名物超次元校長の言葉……かも?

まとめWiki
ttp://www36.atwiki.jp/kokodakedansikoukou/pages/1.html
チラシの裏(中の人の雑談場)
ttp://s.z-z.jp/bbs.cgi?id=AAA1192&p3=&th=&style=1


生徒一覧

◆RYO/n8uupE

リョウ。アヤではない。大剣を使う怪力吸血鬼。
学内一のバストをどうやって制服の中に納めているのかは永遠の謎。本人にも謎。

ラインハルト=アドヴァルド
アクセサリーが過剰装飾なギラギラのお兄ちゃん。校長の息子。
ただ中身は全くの優男。外見のせいで損をしたりシスコンやらホモの疑惑が掛ったりする役回り。

白いアルビノ
出世不明の記憶喪失のアルビノ。蹴り技のみで戦うクール系ぼっち。

◆L9RINJkdVs

刀を持つと武士っ娘になる空手使いのブロンティスト。

伊織
現代に生きる忍者。変態。イケメンでそれなりに機械にも詳しい。だが不憫。


他にもまだまだいるのです!
前スレ↓
ここだけ男子高校ただしPCは男装少女PART44
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1380990363/
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :霜月 ◆KUsFpBQySSZP :2014/09/29(月) 20:07:11.67 ID:v8cGLgTPo
>>1000
「くうっ……いい……ふふ……すごく可愛いですよ……」

少女の頭を押さえたままで、その口腔と喉の感触を味わう。もたらされる刺激に思わず声が漏れた。快感と身体を痙攣させる少女の姿に更に口の中のモノは硬さを増した。

「本当に官能的で素敵ですよ……」

右腕でがっちりと少女の頭を固定しながら、左手を使って愛撫するように少女の髪を撫でる。

「それじゃあ、いきますよ」

そして遠慮なく少女の頭を両手で動かしながら腰を動かし始めた。
3 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大分県) [sage]:2014/09/29(月) 20:43:39.08 ID:gCGAVyYfo
>>2
「はんっ、く……だめ、っ……!」
唐突な動きに対応できない少女は嗚咽を漏らす。
口内の唾液が伊織のモノで掻きまわされ、じゅぶ、と淫らな音を立てる。
本格的に動かされれば、少女の瞳に涙が浮かび始める。
4 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2014/09/29(月) 20:51:04.28 ID:v8cGLgTPo
>>3
「っ……そろそろいきますよ……」

どんどんと動きを速めていくにつれ伊織の限界は近づく。激しい動きで浮かび始めた少女の涙はすぐに振り落とされていく。
5 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/09/29(月) 21:05:22.97 ID:gCGAVyYfo
>>4
「っ……!!」
限界が近いと言われ、強張る少女。
抵抗する気力も力も残っておらず、最早受け入れるしかなく、目を強く閉じた。
6 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2014/09/29(月) 21:13:54.19 ID:v8cGLgTPo
>>5
「くうっ!」

最後に少女の頭を思い切り抱きしめるようにして根元まで突き入れ、大量の白濁を解き放つ。何回かに分けて吐き出されたそれは口腔内まで汚してゆく。
7 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/09/29(月) 21:23:48.47 ID:gCGAVyYfo
>>6
「んッ……、っ!!」
喉奥までを埋め尽くす白濁した粘液。
収まりきれなかった分は喉奥へ流れ、口端からこぼれ出る。
口の中に咽せ返る生臭いものに脳髄まで浸された錯覚に落ち入り、身体が脱力していく。
8 :霜月 ◆KUsFpBQySSZP :2014/09/29(月) 21:37:29.03 ID:v8cGLgTPo
>>7
「ふう……すごく良かったですよ……結構溜まってましたね……」

白濁を吐き出し終え少し柔らかくなったモノを少女の口から引き抜き、少女を愛おしむように撫でながら眺める
9 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/09/29(月) 21:53:06.35 ID:gCGAVyYfo
>>8
力が抜けて座りこみ、両手で後方に逸れた身体を支える少女。
赤らんだ身体は煽情的に震え、呼吸に合わせて胸が揺れる。
生臭さに顔を蕩けさせると口の中に残る物をコク、コクと飲みこんでいく。
10 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2014/09/29(月) 22:02:03.16 ID:v8cGLgTPo
>>9
「……ゴクリ」

色っぽい少女の姿。少し柔らかくなっていた伊織の分身は再び元の固さを取り戻していく。
11 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/09/29(月) 22:31:20.78 ID:gCGAVyYfo
>>10
「ぁ……」
散乱した意識の中で感じる視線。
片腕で露出したままの胸を隠しつつ、逆に少女の視線は伊織の分身へ。
「あのぅ……まだ、やれますか……?」
じっと見つめる視線は淫らな熱を帯び、無意識に伸びた手でドロドロになったそれを揉んでいく。
12 :霜月 ◆KUsFpBQySSZP :2014/09/29(月) 22:47:44.63 ID:v8cGLgTPo
>>11
「隠すことなんて無いですよ。とても……きれいだ」

そう言いながら腕と胸の間に手を滑り込ませて揉みしだく

「ええ……今度は一緒に気持ちよくなりましょう」

耳元でささやき耳たぶを甘噛みする。少女の手によって揉まれればそれは応えるようにどんどん元気になっていく
13 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/09/29(月) 23:36:34.28 ID:gCGAVyYfo
>>12
「は、んぁ……っ、ダメ、ですっ」
近寄られるとそれだけで顔を赤くして鼓動が速くなる。
伊織の胸に手を置いて押し返そうとするが、力のこもらない手に抵抗力は無い。
そのままなし崩しに身体を覆われ、耳たぶを刺激されれば甘い声を響かせる。
「わたし、ほんとに……っ」
14 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2014/09/29(月) 23:51:45.47 ID:v8cGLgTPo
>>13
「ふふ……かわいいなあ……」

押し倒したような体制で正面から少女を見つめると、欲望のままに唇を唇でふさいで舌をからめた。
胸をもんでいるのと反対の手は少女の濡れそぼった部分を下着の上からいじり始める。

特に抵抗もなく、誘うような声で言われてしまえばダメというのは特に意味を持たないただの嬌声のひとつにすぎない。
15 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/09/30(火) 00:17:28.37 ID:2eUML3i6o
>>14
脳髄まで官能に浸った少女は無意識に舌を絡めていく。
散々に高められていた身体は両手の愛撫によってすぐに限界の兆候を見せ始める。
胸の先端に振れるだけで身体が跳ね、浮いた腰は指の動きに敏感に反応を示す。
それでも、最後の理性を振りしぼり、下着に振れる伊織の手を掴みグッと握る。
「ごめんなさい……わたし、はじめてはっ、好きな、人に……っ」
16 :霜月 ◆KUsFpBQySSZP :2014/09/30(火) 00:32:40.43 ID:77TW4+M0o
>>15
「ははっ、おかしなことを……ここまでやっておいて初めても何も無いでしょう……?こんなに乱れた姿を見せられてはもう……もう止まれませんよ……!」

握られた手でそのまま下着の上から突起を摘みつつ、下着をずらす。そしてはちきれそうなほどに膨張したものをあてがった
17 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/09/30(火) 01:21:32.22 ID:2eUML3i6o
>>16
「あぅ……ごめんなさい」
突きつけられた言葉に身体が熱くなるのを感じる。
それでも、最後までを許すわけにはいかず、抵抗を試みたが敏感な部分を摘まれる刺激に意識を奪われる。
「わたし、わたし……っ!」
瞳から落ちる涙は頬を冷たく撫でて、うわ言の謝罪を繰り返す。
ここにはいない彼を強く想いつつも、心が諦めに向かった、その瞬間だった――――


「―――――シアッ!!!!」
通路の彼方から放たれる氷の弾丸。
這う床全てを凍らせながら、正確に伊織へと向かって行く!
18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2014/09/30(火) 02:00:19.78 ID:QCBe4JED0
(興味があったので覗いて見たら官能小説からバトル物になってたで御座るの巻)
19 : ◆DfkujouDJE [sage]:2014/09/30(火) 04:41:19.04 ID:/PFYab0To
(スレ立て乙です)
20 :霜月 ◆KUsFpBQySSZP :2014/09/30(火) 07:33:57.86 ID:77TW4+M0o
>>17
「!」

敵の気配。お楽しみを中断し、少女を抱え横に飛びながら手裏剣を5枚まとめて投げ返す。

「っ……あなたが素敵過ぎて少し夢中になりすぎましたね……危なかった。途中でさっきの部屋に一旦戻るべきでしたね……いや、一旦戻りますよ」

手裏剣を投げて作った隙で体勢を立て直し、少女を抱え直すと一番身近な角を曲がり走り出した。
少女に夢中になっていたとはいえここまでの接近と不意打ちまで許してしまったほどだ。相手はその辺の失敗作とは違う。
少女を守りながら戦うのでは分が悪い。そう判断した伊織は一時撤退を考える。
21 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/09/30(火) 07:34:30.00 ID:2eUML3i6o
>>18
さぁすがに止めないと不味いですからね!

因みにどちらかと言えばバトル物よりが平常運転ですよ!!

>>19
ありです!!
22 :霜月 ◆KUsFpBQySSZP :2014/09/30(火) 08:44:10.26 ID:77TW4+M0o
>>18
悪いなエロ展開は珍しいんだ……

日常メインバトルもあるよエロも無くはないよレベルなんだぜ。>>1の雑談所はエロスレみたいなのあるけど!
23 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/09/30(火) 10:19:36.14 ID:0dYI3WK8O
>>20
「何やっとんのじゃ貴様ッ!!」
凍った床の上を滑り高速で迫る侵入者。
姿は見えないがかなりの怒気が声に現れ、遠くからでもそれを感じ取れるだろう。
向かって来た手裏剣を飛び退き回避するが、氷のレーンから降りた事により速度は失われてしまう。
最早走り出した方が早いと判断し後を掛けていく。



「ぁ……」
伊織の腕の中の少女が、その声を耳に入れると、小さく声を上げる。そして彼の方向を見つめた。
24 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2014/09/30(火) 10:30:14.48 ID:77TW4+M0o
>>23
「うーむ、随分とガラが悪いですね……黒服を統括するグレーターヤクザな司令官タイプでしょうか……」

ひとりごちながら走る。かなりの速度であるがさすがに少女を抱きかかえてでは少しスピードは落ちるようだ。


「大丈夫ですか?僕がそばにいる限りは心配ないなんて言った手前、何が何でも大丈夫であってほしいんですけどね……」
25 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/09/30(火) 10:55:30.76 ID:0dYI3WK8O
>>24
追跡者の速度はかなりはやく、足音は着々と近づいてきている。
ルートにも迷いがなく、その分でもロスが少ない。


「えっと、大丈夫、です……」
抱えられる直前に拾い上げた水色のシャツで胸元を押さえながら。
伊織の背に手を回し、落ちないように身体を寄せていく。
26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2014/09/30(火) 11:50:18.03 ID:77TW4+M0o
>>25
「良かった……」

ほっとした表情を見せる。

「速い……そして正確だ。でもここは僕の庭のようなものですからね……心配はいりませんよ」

走りながら壁をリズミカルに叩くとギャリギャリと何か重たい機械が動き始めたような音が響く。伊織が角を曲がったところでトラップが追跡者を襲い始めた!









「ん?なんだろうこの音……」

鈴たちの方にも影響が出始めたようです
27 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/09/30(火) 12:11:06.32 ID:0dYI3WK8O
>>26
「予め鈴お嬢様を出しておいて良かった。
 ……これなら、他に目を配る必要が無い」
耳に届く重々しい音。
小さくない何かしらが起動に安堵の呟きを漏らす。
「罠に取られる程、主に甘く躾けられてはいない! 無駄だッ!」
身体を厚く、強固な氷で覆い鎧として罠に立ち向かっていく。



「鈴……?」
ムックに地上に案内された出口で待っていたのは綾だった。
ペットボトルから伸びるストローを咥えたまま、首を傾げる。
28 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2014/09/30(火) 12:30:19.13 ID:77TW4+M0o
>>27
飛び出す矢、竹槍は氷の鎧に阻まれて追跡者を傷つけることはできない。しかしそれまで軽快に走っていた彼の足を遅くするくらいの役には立つだろう。
しかし罠はそれだけではない。次に追跡者を阻むのは落とし穴。一気に広範囲の床が開き、ワニのプールに落とされるタイプだ!













「あれ何の音だったんですかね……?おう、リョウじゃないか」

トラップの被害を受ける前に出てきたのでなんだったのか気になるようだ
29 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/09/30(火) 13:53:35.79 ID:0dYI3WK8O
>>28
「なんと卑劣な罠!
 しかし、私に落とし穴は通用しませんぞ!」
ポケットから取り出した黄色の新たなプロペラ。
それを頭に取り付ければ飛べる! 凄いぞ赤モップ!!


「そう」
名前を呼ばれると小さく頷き、ペットボトルの水を吸う。
「……飲む?」
ストローを外すと、地下道から出てきたばかりの鈴に差し出す。
30 :霜月 ◆G8KSVj5k4HCf [sage]:2014/09/30(火) 14:22:00.63 ID:77TW4+M0o
>>29
侵入者を落とし穴に閉じ込めようと更に上から天井が落ちてくる!



「ふふ……絶対に守り切って見せますよ……はっ!」

壁を叩くと天井が開く。そこに飛びこむと天井は閉じて元通りに戻る









「ってあれモップさんどこいった」

気付いたらいなかったらしい。

「まあいいか。それ何だ?」
31 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/09/30(火) 14:45:39.54 ID:0dYI3WK8O
>>30
「甘いッ!」
プロペラを頭から外す間に身体を反転させ、下向きに持つ事で上への浮翌力を確保。
天井に脚が付いた瞬間に蹴り飛んで、浮翌力の必要なくなったプロペラを投げ捨てた。
「一体何を想定した罠なんですかな……これは効きましたぞ」
大きな溜息を吐きながらも直ぐに脚を進め。
伊織が天井に消えた箇所まで辿り着けば足を止める。
「ここで途切れている……?」
目印になる何かを辿っていたのだろう。
目を閉じて、神経を集中させれば、その目印はすぐに見つかる。
「上だぁッ!」
天井を殴りつけたと思えば拳から爆発が起き、道を無理矢理開き出す!



「水」
軽く揺らし、ちゃぷちゃぷと音を鳴らす。
「モップ……冬瓜と一緒、だったの?」
32 :霜月 ◆G8KSVj5k4HCf [sage]:2014/09/30(火) 15:31:45.23 ID:77TW4+M0o
>>31
ピーーーー

モップの飛び込んだ瞬間、入り口を厚い金属板が閉ざす。彼の目に映るのは己を囲む大量の爆弾……それが入り口を開いたことで起動、爆発しようとするところだった。
ここは爆発の衝撃のテストをする部屋を丸ごと利用して作られた特製のトラップ部屋だったのだ。






「かかったか……わざと目印と匂いを付けておいて正解でしたね……」


天井裏の装置を起動させたあと、すぐに戻って横の隠し回転扉を使って移動していた伊織は爆発の衝撃に手ごたえを感じる。









「じゃあもらおうかな、ああ、なんか地下で迷ってたら出会って案内してもらってたんだけど・・・・・・」
33 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/09/30(火) 15:37:43.01 ID:77TW4+M0o
新酉テスト
34 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/09/30(火) 15:38:19.08 ID:77TW4+M0o
これでいきます
35 :霜月 ◆DN/ZQHCf0g :2014/09/30(火) 15:47:12.47 ID:77TW4+M0o
スマホも大丈夫かな
36 :霜月 ◆DN/ZQHCf0g :2014/09/30(火) 15:47:46.28 ID:77TW4+M0o
こうか
37 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/09/30(火) 16:03:39.09 ID:0dYI3WK8O
>>32
「ダミーか……忍者だけあって賢しいな」
室内の雰囲気、閉ざされた入り口に小さく呟く。
「これは、覚悟を決めるか――――」


「あの、多分、ですけど。
 私の特殊な『気』を伝って来てるんじゃ、ないかな……って」
直後、爆発が起きる。
しかし、少女もそれを感知したが、追跡者が止まったとは思っていないらしく警告の言葉を。



「そう……」
視線は鈴の手にあるプロペラへ向いていた。
彼に関する証明ならそれが一番の効力になるだろう。
「怪我は、無い……?」
地下迷宮には危ない思い出しか無い。
その記憶を共有している筈の鈴に、心配の言葉を投げ掛ける。
38 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/09/30(火) 16:12:30.20 ID:77TW4+M0o
>>37
「それは……どういう……?ドラゴンボールみたいなアレですか……?」



「ああ、なんともないぜ?このとおりさ」

軽く空手の動きをして見せた
39 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/09/30(火) 17:09:45.55 ID:0dYI3WK8O
>>38
「……」
目を合わせようとはせずに、逸らしていく。
自ら墓穴を掘ってしまった、苦い顔をして。
小さい口を小さく広げて、紡いでいく。
「あの、わたし……人間じゃ、なくて。
 妖怪の、気……妖気を持ってるん、ですね……」




「……よかった」
その動きと言葉に安堵を覚えたのか表情が明るくなる。
「じゃあ、はい」
水の入ったペットボトルを差し出し。
40 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/09/30(火) 17:18:41.68 ID:77TW4+M0o
>>39
「なるほど、道理で人並み外れたきれいな肌とエッチさなわけだ」

ふふふ、と冗談めかして言うと首筋を舐めた。特に気にしていないようだ。





「ありがとー、しばらく歩きまわったからノドかわいてたんだよ」

受け取ると特に気にする様子もなく口をつけて飲んだ
41 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/09/30(火) 17:44:59.81 ID:0dYI3WK8O
>>40
「ひゃんっ……。
 ハーフ、なんですけど……それでも、妖気は篭ってて」
気にしない素振りに居心地を感じたのか、視線は逸らしたままだが笑みを浮かべる。
「あの、その……可愛いとか、言わないで、ください……」
紅く上気した顔を隠してしまう。



「もっと、要る?」
手に持っていた鞄から新しいペットボトルを取り出して。
42 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/09/30(火) 18:31:58.70 ID:2eUML3i6o
//何処見てたんだろう……。
//「かわいい」→「きれい」に変換しておいてください……。
43 :霜月 ◆DN/ZQHCf0g :2014/09/30(火) 19:58:24.21 ID:S/zWIjysO
>>41
「まったく、可愛いですね……頭がおかしくなりそうですよ……しかし妖気を追ってくるなんて相手は妖怪ハンターかなんかですか……
やれやれ、僕としたことが、あなたに夢中で咄嗟に相手の姿を確認し損ねるなんてね……」

相手が同族という発想には至らなかったらしく、こちらからは逆に探れないのかなどということは思いつかなかったようだ



「おいしいな、これなんの水?」


まだまだあるのを確認すると飲みかけの水を飲み干した。
44 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/09/30(火) 20:33:49.81 ID:2eUML3i6o
>>43
「たぶん、私の、お兄ちゃん……です……。
 わたしも、気を、たどってみたんですけど……」
伊織の身体にしがみついたまま、やってきた通路の奥を眺めて。
密着しているため胸を押し付けているがそこには気付いてないようだ。



「解らない。
 冬瓜が雪山から取ってきた、って」
更にもう一本取りだす。
一本を鈴に渡すと残るもう一つを口にした。
45 :霜月 ◆DN/ZQHCf0g :2014/09/30(火) 20:53:55.13 ID:77TW4+M0o
>>44
「えっ……お兄……?えっ?」

最初は研究所の暴走した失敗作かと思っていたらまさかそんなのだったとは……

「ちょっとやり過ぎた気もするんですが……大丈夫ですかね……」

近くの壁を叩けばトラップが解除されていく。ちなみにこのスイッチは特定の場所を特定の力加減とリズムで叩かなければ作動しない仕組みで外からは他の壁と見分けがつかない。
心配そうにつぶやく伊織。しかし押し付けられた胸の感触に正直に応えた下半身が少女のお尻に当たっていた。





「雪どけ水とか山のわき水とかかな?さんきゅ」

受け取るとまた口にした
46 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/09/30(火) 20:55:19.10 ID:77TW4+M0o
IDおかしいとおもったらこうか!
47 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/01(水) 02:07:55.20 ID:wCvDjkflo
>>45
「大丈夫、みたいです。
 ……お兄ちゃんは強いですから」
気を辿れば、居場所だけでなく状態まで測ることができる。
少女の口振りや様子に変化は見られないが……?

「あの……あたって、ます……」
顔を赤らめ、視線をお尻に向ける。



「そんな感じ」
ペットボトルの蓋を取るとストローを差し込み吸い上げる。
「おいしい」
48 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/01(水) 10:14:32.20 ID:ERZIUc3Vo
>>47
「うちの学校のトンデモクラスの人なら死にはしないだろうくらいのレベルにはしてあるんですけどね……まあ、普通の人なら確実にアウトですが」


「おっと失礼、あなたの色気とこの胸の感触があまりに素晴らしかったもので……」

抱えていた少女をおろした
49 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/01(水) 10:15:23.50 ID:ERZIUc3Vo
>>47
「水ってあんまりストローで飲まないよな。なんでか知らないけど」
50 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/01(水) 11:16:13.82 ID:+csb/TWDO
>>48
「もう……そんなこと、言わないでください……」
伊織の言葉で初めて胸が当たっていた事に気付いたらしく、頬を染めて胸を隠した。
水色のシャツを手に持つと、背を向けて首に通す。着付け終わったシャツの張り詰めた胸元越しにはっきりと興奮の証が見てとれる。ノーブラ。
さっきまでお尻に沈んでいた伊織の分身が気になるのか、チラリとほんの一瞬だけ視線を向けた。

「……来ます」
何かを察知した少女が言葉を口にしてすぐ。
天井から白い靄を纏って落ちてきた。
彼、恐らくは少女の兄がこの場に出てきた瞬間、冷気が当たりを包む。
『待たせたな……いくら霜月様の子と言えど、容赦は出来んぞ』
白い靄に包まれた彼の正確な姿は、未だ確認できず。



「そうだね」
水を吸っていた綾の視線が鈴を見つめるものに変わる。
瞳の中から脚の先までをじっと眺めたと思えば、距離を詰めて来た。ちかい。
51 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/01(水) 11:53:07.20 ID:ERZIUc3Vo
>>50
「ふふ……あなたが魅力的すぎるからいけないんですよ。
もう少し下がっていてください、絶対に守ってはみせますが少しでも守りやすい方がいい」

相手が背中を向けているうちにさりげなくチンポジを修正しつつ、ポケットの中のものを確認。

「さて、と……穏便に済めば良いのですが……大丈夫ですかお兄さん……霜月様……?」

少女の言葉に一言返したところで現れた白いもや。とりあえず心配してみるが相手はこちらを知っているらしい。





「ん?どうしたんだ?」
52 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/01(水) 12:47:34.92 ID:+csb/TWDO
>>51
「もう、また……」
頬を染めながら言われるがままに下がっていく。
相手は兄なのにどうして下がるのか。

「私は白様の従者として生きてきましたからね……。
 勿論、貴方の小さい頃からを見ています。だからこそ、灸を据えさせてもらいますよ」



「久しぶりだと、思って」
横に並んで顔を近づけると頬を付ける。
53 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/01(水) 13:53:41.32 ID:ERZIUc3Vo
>>52
「心配いりませんよ……僕は負けませんから」

少女の方を振り向きはしないが口元をゆるめながらも真剣な表情で答える。変態でふざけた人間ではあるが、顔の造りは鈴の双子だけあってかなりの美形なのだ。

「白様……ん?その声はまさか……」

靄の中にうっすらと赤い色が見えた

「赤モップ……さん……!?」

油断はしていない、しかしかなり驚いた様子だ。




「おいおい、教室じゃいつも顔合わせてるじゃないか……って顔合わせるってそういう意味じゃないだろ」
54 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/01(水) 14:58:46.26 ID:+csb/TWDO
>>53
「可愛い妹に手は出させませんぞ……!」
靄の中に微かに見えた赤は、確かに彼の持つ赤だった。
しかし、増大した冷気の靄に彼の姿は何一つ捉えられなくなる。
次の瞬間には伊織の目の前まで広がった靄の中から、赤く硬い何かが振り下ろされる!

「お兄ちゃん……あっ……」
後方の少女は何かに気付いたように声を発し、口を手で塞ぐ。



「僕はずっとこうしたい」
鈴の頭の後ろから手を伸ばし、付けていない方の頬を摘む。
55 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/01(水) 15:19:01.63 ID:ERZIUc3Vo
>>54
「っ!」

かわさなかったのか、かわせなかったのか……攻撃を交差した両腕で受け止める。





「にゃんだよ……いひゃいでゃろ……」
56 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/01(水) 15:30:59.60 ID:+csb/TWDO
>>55
ほぼゼロまで接近した事で見える彼の姿。
身体の全てが赤く色付き、全身を覆う分厚い体毛。
威を醸した瞳は靄に煌めき、その上には黄金色の、天へと向いた一本の角が見えた。




「……♪」
ふにふに。
感触を楽しんでいるらしく上機嫌だ。
57 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/01(水) 16:01:00.69 ID:ERZIUc3Vo
>>56
「なんて重い一撃だ……ブレーサーがなければ腕が砕けてましたよっ!」

全身のバネを使って赤モップをはじき返す。伊織にはモップを少し後ろにはじき返さねばならず、そこを動けない理由があった。




「おかえふぃだっ!」

反撃に出た!
58 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/01(水) 16:13:56.94 ID:+csb/TWDO
>>57
距離が離れたことで再び靄に隠されてしまったが、先程見えた輪郭と照らしあわせる事で大凡の姿が見えてくる。
二本足で立ってこそしているものの、全体的なフォルムは獣のそれに近い様相をしていた。
「真に砕こうと言う訳はありません、其処を退いてさえくれれば、私は手を出す理由が無い」



「……いたい」
そうは言うものの表情に変化はなく、むしろ狭まった鈴との距離を楽しんでいるように見える。
綾の頬は硬く、伸縮性は悪い。
59 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/01(水) 16:55:19.67 ID:ERZIUc3Vo
>>58
「……(これならかわせまい……!)」

赤モップを少し後ろにはじき返し、相手が浮いているうちに少し悪戯好きの子供めいた笑みを口元に浮かべながら右足を置いていた少し右の床を踏みつける。
先程ポケットの中でいじったスイッチと二重のロックがかかったトラップである。

左右の壁から強化ガラス製の板が飛び出し、赤モップを封じ込める牢獄を形作る!






「ちゃんといいもん食べてるか?なんか硬いぞ?」
60 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/01(水) 17:15:23.98 ID:wCvDjkflo
>>59
強化ガラスの檻に捉えられた赤毛の青年。
どうやら彼を中心に靄は吹き出ていたらしく伊織の周囲は晴れ、代わりに檻の中は完全に白く染まってしまう。
「伊織、私と妹を遠ざける理由は無いはずだ」
檻の中から、普段の甘さは何処にもない青年の声が、聞こえる。

「……っ。怒ってる……」
その声に少女は身を強張らせ、小さく。



「ん……」
対する鈴の頬は柔らかいのか。
それを確かめるように指が動く。
「柔らかい……♪」
61 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/01(水) 17:53:55.31 ID:ERZIUc3Vo
>>60
「今のあなたでは勢い余って何をしでかすかわかりませんからね……しばらくそうやってご自身で頭と火傷跡を冷やしていてください。
これ以上かわいい妹さんを怖がらせるのなら……僕のハーレム計画を邪魔するというのなら……こっちこそ許しませんよ」

ブレーサーを正しくつけ直し、学ランを略式の忍者装束に変形させた。




「てぃっ!いつまでやる気だよいたいよ……」

首を後ろに勢いよく引いて外す。鈴の肌は柔らかいながらみずみずしい弾力性があり押せばしっかりはじき返してくるようなタイプだ
62 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/01(水) 19:32:03.01 ID:wCvDjkflo
>>61
「あっ、あの」
変化した忍者装束の裾を引く少女。
ガラスに囚われた中の靄を見つめながら、口を開く。
「お兄ちゃん、離してあげて下さい……わたし、もう大丈夫です」
視線を合わせる事ができない少女は、うつむき加減で、時折チラリと上目使いで様子を確認する。
「えっと……エッチは、ダメですけど。
 それ以外だったら、私も気持ちよくしてほしいですし……」
羞恥に顔から火が出そうなほど真っ赤にさせ、消え入りそうな声で喋り。
言葉を詰まらせたと思えば、背を伸ばして抱きついて、耳元に口を寄せる。
「あの、良かったら、夢で、好きなだけ……」
告白にも近い、雪女の搾精契約。




「気持ちよかったから、つい」
ぱちん。と離されてしまった手は鈴の腰へ伸びさする。
表情にやはり変化はないナチュラルな変態行動。
63 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/02(木) 14:21:59.54 ID:kaxSb4r0o
>>62
「大丈夫なんですかね……ブチギレ金剛でしたし今も無言ですし中見えないままですし……」

そう返し、強化ガラスの檻と少女両方に視線を配っていたところに大胆な告白

「ふふ……嬉しいですね……おっと」

更に抱きつかれて目を丸くしたところに耳元でささやきかけられた誘惑。

「素敵なお誘いですね……楽しみにしていますよ」

抱きつかれた手に自分の手を優しく重ねた


「ひゃんっ!こいつっ……やったな!」

くすぐったそうに身体がはねた。腰に触れた手はチョップで叩き落とされる。
負けじと脇腹をつっつき返すがそれもまた鈴がやると貫手になる。痛い。
64 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/02(木) 14:58:50.09 ID:MqQdaKk0o
>>63
重ねられた手の感触にうっとりとしながらも、少しすれば身体を離し。
再び伊織の後ろへ戻ればフッ、と吐息を吐く。彼女から冷気が広がり、髪を、服を、撫でた。
「私が戻れば……お兄ちゃんは満足すると思いますし」
グッと拳を握り、白い靄に包まれたその奥を見極めようとしてるような、強い視線。
「それでも、止まらないなら……私が」

その靄の中では、声こそ無い物の荒ぶる赤の姿があるのか、
靄の中に光る物が見えたと思うと次強化ガラスに傷がついていく。何れにせよこのままでは突破されそうだ。


「っ、いたっ……!」
パワーこそあるが筋力由来では無く、防御力で言えばむしろ低い綾にはかなりの刺激になる様で。
鞄を二人の間に差し出し防御態勢をとった。
65 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/02(木) 15:32:41.45 ID:kaxSb4r0o
>>64
「……わかりましたよ、あなたを信じます。でも何かあったら飛び込みますからね……」


強化ガラスの中には時々暴れる姿が見える。しかし少女の言う通りにしてみることにすたようだ。
伊織がサングラスのようなものをつけながら壁を触れば強化ガラスはゆっくりと壁の中へと戻り始め、ガラスの牢獄は解除されていく。

「凍りついて動かなくなったりするかと心配しましたが……そこまでではなかったようですね。いいデータがとれましたよ」





「まったく……今日はなんなんだよ変なちょっかいばっかだして」
66 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/02(木) 15:54:36.56 ID:MqQdaKk0o
>>65
「はい……」
伊織の宣言から数回の呼吸の後、ゆっくりとガラスの檻が開かれる。
靄の中の赤い身体は四足歩行の獣特有の不規則な足音を鳴らし通路を掛けた。
間違いなくその狙いは伊織だ。一直線に飛び込んで来るんそのルートに、少女が割り込んでくる。

赤き影が跳んだと同時に、少女も跳び膝を突きだす。
膝が獣のように変化した赤き影の顎を捉えのを見逃さず、その場で身を翻し逆の脚での蹴りを叩きつけた。

「氷華連腿!!」

白い靄ごと、赤き姿を通路の壁に圧しつけた少女。
身を翻した時にバッチリと晒したライトグリーンをスカートで抑えながら着地した。




「別に……。
 僕は、鈴の事が、好きだから……?」
鞄の安否を確認しながら、そんな言葉を口にして。
67 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/02(木) 16:29:47.98 ID:kaxSb4r0o
>>66
「なっ!?そんな……」

自分を狙って突進してきた相手、頭に血が上ったままなのか狙いもわかりやすい。ならば叩きのめしてもう一度頭を冷やし直してやる。
そう思い構えていたところに想定外の少女の行動。反応が遅れ、驚きの声と絶望の声が続けてこぼれた。


「なんと……いいものが撮れましたね」

意外なキレのある蹴り技。身をひるがえした瞬間にサングラスのようなものをいじっていた伊織は写真に収めたらしい台詞を吐いた。





「あのなあ……」
68 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/02(木) 16:44:18.54 ID:MqQdaKk0o
>>67
「お兄ちゃーん……?」
口元に指を当て、壁に圧しつけられ地面に落ちた兄を心配したことなを掛ける。
キレのある動きとしなやかな身体の織りなす威力は尋常じゃないと推定できる。普段から鈴の格闘術を見ている伊織なら尚更だろう。
靄が揺れたと思えば、中から兄の返事が返ってくる。
「いったた……何も本気を出す事は無いんじゃないか、彗華」
スイカ。それが少女の名前なのだろう。
靄中から伸びた肌色の手が少女を撫でる所を見れば、一通り収まったらしかった。



「何?」
これまた表情を動かさないまま首を傾げ。
69 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/02(木) 23:45:38.44 ID:kaxSb4r0o
>>68
「……納得されたんでしょうか?」

サングラスにさっき撮ったスイカのライトグリーンを映して見ながら二人の様子を見ている。



「やれやれだぜ……」
70 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/03(金) 00:09:25.81 ID:jBXNgNgfo
>>69
ライトグリーンに包まれたお尻は胸と同様にかなりのボリューム感。

「伊織様が逃げずに早いとこ返してくだされば、こんな痛い目に合わずに済んだんですがな……いってて」
「あ、ごめんなさい……お兄ちゃん、大丈夫?」
様子を見ていた伊織にそう告げながら、痛がる兄を心配する少女。
相変わらず濃すぎる靄の中で何が起こってるのかは解らないが、壁に打ち付けられた痛みを引きずっているのだろう。
「はは、まぁ仕方ないからな。勘違いだったようだし」
再び彗華の頭を撫でながら、今度は伊織に言葉が向かう。
「それでは、帰りますかな」
とは言っているが靄は以前消えない。


「そう」
よく解らなかったが、納得した雰囲気の鈴に異を唱える事はしないようだ。
71 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/03(金) 09:41:08.40 ID:JmYO9+8Do
>>70
「……(避けたり逃げたりしないと僕らが痛い目というか生命の危機でしたよ……)」

靄の中の会話を聞きながら忍装束を学ランに戻してサングラスみたいなのも外した。

「とりあえずもう大丈夫そうですね」

二人の後をついていく。



「ふわあ……」

大きなあくびである。眠そう。
72 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/03(金) 10:13:13.49 ID:K2b5xE9kO
>>71
「おっと」
靄に包まれていた青年、冬瓜が急に足を止める。
「すっかり居心地がいいから忘れてましたが、このまま彷徨けば捕まってしまうんですな」
「うん、そうだね……」
少女の頬はどことなく赤らみ、視線は兄からは遠のいているように感じる。
「という訳で、彗華を地上まで送ってほしいんですな。
 私は別から出てきて用事を済ませた後で合流しますぞ。
 ……解ってると思いますが、手を出すのは厳禁ですぞ?」
彗華の肩を掴み、伊織へ差し出す。



「眠い? 一緒に寝よう」
相変わらずの凄いデレ具合である。
いい感じに木陰になったベンチを指差す。
73 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/03(金) 10:35:48.01 ID:JmYO9+8Do
>>72
「・・・・・・」

近くまで寄って気付いた赤モップの姿。

「・・・・・・禁断の近親3Pですか赤モップさん!」

なんか勘違いした。





「そうだなあ……いい感じの風もふいてるしちょっと寝ようかな」
74 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/03(金) 11:02:29.20 ID:K2b5xE9kO
>>73
「……」
無言で拳を振り下ろす。

「とにかく、彗華を安全に送り届けてもらわないと困りますからな?
 行為に及ぼうなんかした日にはお父様に報告させてもらいますぞ」
口調こそ普段のものだが秘められたものは鋭く。
身勝手に託し、出口とは逆方向に歩いていく。



「寝よう」
手を引いてベンチに誘導し。
自分が先に座れば膝の上を叩いてアピールする。
「ここ」
75 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/03(金) 11:24:24.17 ID:JmYO9+8Do
>>74
「ぐえっ!全裸で追っかけてきた変態に殴られるなんて……」

普通に殴られた。ツッコミはガードしてはいけないのだ。

「ハイワカリマシタ」

明らかに信用できない棒読みだ!




「うーん……やっぱりなんか気になるな……」


地下施設の入り口を振り返った
76 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/03(金) 11:38:49.65 ID:K2b5xE9kO
>>75
「とにかく、頼みましたぞ」
拠りにもよって女の子と伊織をペアにして何処かに行ってしまう。
「こ、今度は私も守りますから!
 ちょ、ちょっとだけなら考えますけど……」
残された少女も意気込むが既にダメそう。
というかある程度なら受け入れる気満々である。



「そう?」
ずっと外に居た綾には状況が解らず。
けれども、手を掲げて双頭の機械馬を呼び寄せる。
その場に二本の大剣に分離させ、その内蒼い光を灯す一本を手に取った。
「何か、ある?」
付いていくつもりのようだ。
77 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/03(金) 11:50:04.73 ID:JmYO9+8Do
>>76
「フヒヒお任せください」

あっダメだこいつ

「さて、今度は邪魔が入らないように部屋に行きますか……ふふ……」







「イオリのやつのいるとこはなんとなくわかるからそこまでいって帰りはあいつに案内させれば大丈夫だろう、うん。行くか」

軽くストレッチをしてトントンとジャンプすると走り出した。やっぱり速い。
78 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/03(金) 12:09:06.99 ID:K2b5xE9kO
>>77
「あっ、あの、お部屋に行くのは、ダメだと……思うんです……」
何を言うにしても意思が弱い。
否定の言葉は弱くどうみても押しに弱いタイプだ。
だからこそここまで来てしまったのもあるが。



「解った」
残る赤い光を灯す大剣を地面に突き刺し、蒼い方を握り締め後を追う。
特に重くとも一本では負担にはならないらしく付いていく事ができている。
79 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/03(金) 12:28:16.56 ID:JmYO9+8Do
>>78
「誰かに見られるかもしれない外の方がいいなんてやっぱり淫乱ですね……でもそういうところも好きですよ……」

いわゆるついったーとかで流行ってるタイプの壁ドン




「大丈夫かー?(馬のままつれてくかのればいいのに……)」

一応振り返りながらついてこれる程度のスピードで走っている。
80 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/03(金) 13:05:27.12 ID:6bkO3xySO
>>79
「へ? あ、いや、その……そういう訳じゃ、なくて……」
距離を詰め寄られるとどうしようもなく身体が固まってしまう。
一応、微かな抵抗の証として伊織の胸に手を起き押し返そうとはするが、このくらいだと何も無いのと等価に過ぎない。


「大丈夫」
馬はサイズがかなりに大きく、地下では行動が制限されそうだ。
剣二本では機動力で劣るが、一本であれば元々の速度は十分に出せる。
鈴が置いていこうとしなければ見失うことはないだろう。
81 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/03(金) 13:31:05.75 ID:JmYO9+8Do
>>80
「ふふ……かわいいですよ彗華……」

壁についてない方の手で彗華のあごを引き上げるようにしてまたキスをしようとする。




「よし、リョウ、ここの床ぶち抜ける?」

10mほど先を走っていた鈴は立ちどまり、綾が追いついたところで尋ねた。
82 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/03(金) 13:47:03.35 ID:6bkO3xySO
>>81
「あ、名前……」
名前で呼ばれ、ビクリと身体を震わせる。
そのままなし崩し的に唇を受入れてしまう。



「構わない」
大剣を一旦突き刺し、楔を作り。
その微かに付けた傷目掛けて、懇親の力を込めて拳を振り下ろす。
「できた」
一人が通れるくらいの穴が出来上がる。
83 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/03(金) 17:35:43.65 ID:JmYO9+8Do
>>82
「はむっ……ちゅっ……ぷはっ、もっと君のことを知りたいな……彗華……ちゅっ……」


情熱的な口づけをしながら彗華を抱きしめた



「さすがのバカ力だな……さんきゅー!ここを通ればすぐ着くんじゃないかな……よいしょ」

そろそろと開いた穴を下っていく
84 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/03(金) 17:51:28.57 ID:6bkO3xySO
>>83
「んっ、ふぁあ……っ」
抱き締められて顔を真っ赤に染める。
少女の腕も自然と伊織の背に周り、抱きしめようとした、そのとき、
「待って、誰か……来てます……」
近付く鈴たちの気配を察した少女。
通路の奥に視線を投げ掛ける。


「馬鹿力……」
鈴の物言いにショックを受けたのか小さく呟く。
けれども鈴が動けば、後を追って飛び降りる。
85 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/03(金) 18:04:58.61 ID:JmYO9+8Do
>>84
(ちょっ!?うわああああああああ!)


「そのようですね……ね……コホン、まだいたのか兄さん……」

少し離れたところで何かが落ちる音と聞き覚えのある叫び声が聞こえた。





「いたた……なんでいきなりとびついてくるんだよ……あぶないじゃないか……」
86 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/03(金) 18:28:42.53 ID:6bkO3xySO
>>85
「えっ、あの、あの……!」
口が詰る。
新しい人が来るというのは極度な人見知りの少女にとっては脅威だろう。
伊織を突き飛ばし、ヘルメットを回収すれば即座にかぶり。
「……よ、よしっ」



「……そこ」
指差したのは通路の奥。
伊織と一緒に場違いなヘルメット少女が居る。
87 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/03(金) 19:16:06.49 ID:JmYO9+8Do
>>86
「んえ?」

仰向けで綾に乗られたまま、首だけ動かして綾の指す方向を見た。




「何やってるんですか兄さん、綾さん」

二人の様子を見てやれやれといった様子の伊織。


「はは……なんとなく心配になってさ、殺されかけたとか言ってただろ?どうなったんだ?」


「ああ……この通り今じゃ仲良しですよ!」


彗華の後ろから服の中に手を突っ込みダイレクト胸もみ!

88 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/03(金) 19:25:32.36 ID:6bkO3xySO
>>87
「……」
敷いた状態の鈴を眺め、眺め、眺め。
押し倒したような状態をしっかりと目に焼きつけてから名残惜しそうに降りる。



「こ、殺そうとしたわけじゃなくて……ちょっとしたミスで……ひゃあぁんっ!!?」
弁解しようと新たに来た二人の方を向いた途端、背後から迫る手に揉まれ腰砕けになる。
今までに無かった快感の与えられ方に声が上ずり伊織に背中を預けてしまう。
ノーブラの為、硬くなった頂がダイレクトに触れるとビク、と身体が跳ねる。


「……」
無言で見つめる綾。
自分もこんな感じになってるのだろうかとか考えてる。
89 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/03(金) 21:27:15.93 ID:JmYO9+8Do
>>88
「ななななっなっ何やってんだばくあっ!」

上にいた綾がいなくなり動けるようになっていたので、何やってんだバカと赤面しながらも伊織に一撃入れて止めさせようとする鈴。
しかし足をひねっていたらしくドジっ娘のようにすってーんとすっ転んだ。


「おやおや、大丈夫ですか?」

鈴を心配するような声をかける伊織だが、作業の手を止めることはない。
彗華の胸を揉みながら人差し指で突起をこねくりまわしつつ、預けられた首筋をスーッとなめあげていく。
90 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/03(金) 21:55:10.44 ID:VfJbl5Cio
>>89
「はんッ、んぅうっ!」
高められつつも限界を越える事の無かった身体は直ぐに温まり。
伊織の手に敏感に反応し艶かしい反応を返し、すぐに限界の兆候を見せていた。

が、

「……ッ!!」
鈴を助けるよりも早く。今回は綾が動く。
鈴の意思は我の意思とでも言わんばかりに跳び出して、次の瞬間には目の前まで迫る。
逆向きに持った大剣の柄を思いっきり伊織の額に圧し付けた!
91 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/03(金) 22:43:38.23 ID:JmYO9+8Do
>>90
「ちょっ!危ないでしょう!?」

密着した状態で伊織が後ろにいるため、彗華が巻き込まれるのは必至と後に跳んで下がる。

「ぐへっ!」

しかし綾に意識を割いているうちに鈴が放った指弾竹串が足に刺さり着地できずにそのまま後ろに盛大にすっ転ぶ。
92 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/03(金) 22:56:54.11 ID:VfJbl5Cio
>>91
「ふえぇ……」
完全に脱力しへろへろと倒れ込む彗華。

綾は剥がれた伊織の方に近付き、大剣を箒に見たて伊織を転がしていく。
「よしっ」
よし。ではない。
93 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/04(土) 00:16:40.09 ID:8ypps1AWo
//では、>>92取り消しでお願いします!


>>91
「……」
鈴の怒気にも近い勢いをそのまま体現しているかの如く、大剣を手にしたまま近付き。
伊織から彗華を引き剥がせば、大剣の柄で額を殴る。痛い。

『ふぇ……どうなってるんですか……』
快楽の波に攫われた間に起こった出来事を把握できてないらしく綾の腕の中で眼を回す。
94 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/04(土) 00:29:42.75 ID:YkvChOzZo
>>93
「くあっ……ぎゃっ!」

無理矢理彗華をかばって倒れたために背中を強打して動けないアワレな忍者は彗華を奪われあっさりぶん殴られた。痛い。


「大丈夫か?ごめんなうちの弟がまたヘンなことやったみたいで……」

彗華のところまでやってくるとすごく申し訳なさそうな顔で頭を下げた。
95 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/04(土) 00:42:39.65 ID:8ypps1AWo
>>94
『おー、おとーと……?』
刺激の余韻と混乱で呂律の回ってない口を開く。
ハッとして鈴の視線が間近に迫っている事に気付けば手で覆い隠す。
『あっ、あああああああああの、だ、だだ、ダメですっ。
 ……ぎゃああああ!?? わ、わた、わたし、お、おとこのこのこのこに、抱かれっ……!?』
更に綾の腕の中に居ることに気付き、一人で混乱する。

「……」
ただし綾は無表情。
『きゃっ、怖い……』
「……」
ちょっとショック。
96 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/04(土) 00:47:42.75 ID:YkvChOzZo
>>95
「……」

「……」

何言ってるのかよくわからずに困って無言の鈴と気を失って無言の伊織。
97 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/04(土) 00:53:44.38 ID:8ypps1AWo
>>96
自分以外が完全に口を噤んでいる事に気付いた少女。
ヘルメットの中で羞恥で顔を真っ赤に染めて、ヘルメットの上から頬を押さえる。
『あっ、あのっ、ごめんなさい……っ! わたし、ちょっと緊張して……!』
平謝りの少女。とりあえず落ち着かせないと話は進まなさそうだ。
彗華を解放するとちょっとふらつきながらも確りと立つ。

その一方で伊織の元へ歩いていく綾。
「起きて」
それなりに加減したつもりで頬を叩く。痛い。
98 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/04(土) 01:06:36.32 ID:YkvChOzZo
>>97
「とりあえずちょっと深呼吸しようか、ヘルメット預かっとくから」

そのままでは息がしづらいだろうとヘルメットを預かるために手を差し出す鈴。


「………………」

伊織は反応がない
99 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/04(土) 01:46:22.72 ID:8ypps1AWo
>>98
『ダメですっ! ダメですっ!
 深呼吸ならしますからこれだけはどうかっ、許してくださいぃ〜っ』
尚更悪化してヘルメットを抑え屈みこむ。
シャツとスカートにヘルメットの格好はよくよく考えれば凄く不自然。


「……」
起きない。どうしたものか。と首をひねり。
二人が何かのやり取りを起こしている傍で学ランのボタンを上から数個外し、彗華程では無い物の十分な谷間をチラつかせた。
100 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/04(土) 13:15:49.77 ID:YkvChOzZo
>>99
「伊織はやっつけたからもう大丈夫……ダメだこれ」

男の子にだかれてどうのというのを伊織のことだと解釈してそんなことを言うが、あんまり効果はないようだ。


「……」

反応がない。目を閉じて安らかに気絶している。
101 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/04(土) 13:51:57.26 ID:Cgk5nvcEO
>>100
「……」
もし目を覚まして飛び付いてくるなら寸での所で首を掴んで捉えようとしていたのだが。
目を覚まさないのだったら仕方無い。と起こすのを諦めたようだ。


『ひゃぁ! ごめんなさいぃ!!
 なんでも、なんでもしますからー……ほぇ?』
更に見を縮こませて謝罪の言葉を連ねるが、ふと先程目を合わせた人間の顔を思い出す。
綾の方に視線を向け、それが誰かをじっくりと確認すれば。
『あ、綾さん……ですか?
 いつもお兄ちゃんがお世話になってます……』
と、礼儀正しく頭を下げる。
102 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/04(土) 14:20:32.46 ID:YkvChOzZo
>>101
「………………よし、まかせたリョウ!」

選手交代とばかりに今度は鈴が伊織の方へ行った。

「大丈夫かー……うわあ、これはひどい……」

とりあえず軽く軟気功治療をしてやる。鈴の手が淡く蒼い陽炎に包まれる
103 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/04(土) 14:40:53.54 ID:8ypps1AWo
>>102
「あぁ、うん……僕も、助かってる」
下げた頭の顎(ヘルメットの縁)を持って上げさせる。
『あっ……』
顔が向き合い、視線が交錯するが不思議と少女は落ち着いた雰囲気を保っていた。
104 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/04(土) 15:03:21.99 ID:YkvChOzZo
>>103
「よし、それじゃあこれをこうして……えいっ!」

「うっ!ごほっごほっ!!……はっ」


上半身を起こして後ろから何かやったら気がついたようだ
105 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/04(土) 15:17:37.53 ID:8ypps1AWo
>>104
「……」
綾が立ち上がると従って立つ彗華。
二人の方に寄っていき、声を掛ける。
「帰ろう」
『そうですね……時間、掛かっちゃいました』
106 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/04(土) 15:19:23.43 ID:YkvChOzZo
>>105
「おう、もう大丈夫か?」

「最初から大丈夫ですよ……」
107 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/04(土) 15:20:01.05 ID:YkvChOzZo
鈴の言葉は彗華宛で
108 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/04(土) 15:37:00.52 ID:8ypps1AWo
>>106
『はい、えーっと……大丈夫です』
胸の前に手を持っていき、グッとガッツポーズ。
個人的な大丈夫のサインなのだろう。

「じゃあ……」
綾が先頭を切り、双子と彗華を連れて帰ろうとしたその時だった。
『……?
 待って、下さい』
またも声を上げる少女。
この雰囲気に伊織は先程と似た物を感じるだろう。
『誰か、来てます』
皆の向いた方とは逆の通路の奥へ。
静かに視線を投げ掛けていた――――


――――!!

次に動いたのは綾だった。
突如三人を掻き分け彗華の視線の先に躍り出ると、手にしていた巨大な刃の側面を前にして地面に突き刺す。
すると、刃の奥、通路の向こうが光ったと思えば、刃に衝撃。地を這って進んできた電撃に対する盾として、刃を構えさせたのだろう。

「フフ、上出来だよ。
 狭い地下道ではそのサイズ、扱いづらいのかと思ったけど」

そして、声。
盾の必要が無くなり、視界を妨げなくなった綾の刃の向こうには、いつも通りに不敵な笑みを浮かべるアルビノの姿があった。
109 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/04(土) 23:10:42.15 ID:YkvChOzZo
>>108
「そうみたいですね」
「ヤな気をばらまきすぎだ、さすがに気づくぜ」

彗華の言葉に応じるように振り返る二人。

「あいつっ!なんでこんなことを!」
「僕らの力を見せてやりましょうか」
「よし、いくぞっ!」
「「あうっ!」」ビターン!

綾の後ろから二人同時に飛び出そうとするも、落ちて綾が上に乗ったのと指弾竹串……踏み込む足へのダメージのせいで仲良くすっ転んだ!
110 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE :2014/10/04(土) 23:50:56.57 ID:8ypps1AWo
>>109
「白い……人……?」
「フフ、キミは始めてだね。
 だけど他の彼らは……そうじゃない」
彗華の視線を不敵に往なし、迫る兄弟へ目を向ける。

「ダメじゃないか、そんな所で寝ちゃ……死ぬよ?」
脚を振りあげれば、『紫色の電撃』が地面を這い倒れた二人に襲いかかる。
「危ないっ!」
それを防いだのは少女の氷。
電撃と二人との間に氷の壁を生みだし盾にした……が、相打ちになって砕けてしまう。
「なるほど……キミは、迷い込んだにも関わらず、中々の力だ」
防がれたにも関わらず、不敵だった物を怪しい笑みに変えて彗華を見つめるアルビノ。
紅い瞳から放たれる視線に釘づけにされて萎縮する彗華を眺め、フッ、と息を吐きだし。
「美しいね……キミの、全ても、奪ってしまおうかな……」
111 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/05(日) 00:10:52.91 ID:ehGSmIuBo
>>110
「糸は使う氷は使う無効化はする体術は使うそして今度は電気ですか……ちょっといろいろ詰め込みすぎでしょう、詰め込む胸もないのに」

「うわあ!?」

なんかひどいこと言いながら一緒に立ち上がった鈴の学ランの下から手を突っ込みサラシをクナイで切断する伊織。急に胸が解き放たれたことにより学ランのボタンが白いのの方へ弾け飛んだ。

「ばばばばっ!ばか!なにすんだこのヘンタイ!どあほ!しきじょーま!」

胸を押さえながら顔を真っ赤にして怒る鈴。


「いやあ、いいですね、おっぱいがいっぱいというのは……」
112 : ◆RYO/n8uupE :2014/10/05(日) 00:21:51.04 ID:tC2X1Obno
>>111
「フッ、フフフ……」
伊織の挑発にも取れる言葉に対して相変わらずに怪しげな笑みを浮かべるのみ。
激昂や揺らぎ、意に介する様子すら見せず再び地面を蹴り上げる。

氷。
続けてもう一発。放たれた氷は二本のラインを描きつつルートを凍らせながら標的へ迫る。
内の一本は伊織へ。更にもう一つは綾へ。
後方の彗華は再び氷の盾を作りだしたが氷と氷。防ぐことはできずすり抜けた様に意味を為さない。

そして、アルビノの狙いは胸を抑え動きに障害が生まれるだろう鈴だった。
綾と伊織は動けない。後方の彗華では間に合わない。
鈴が直接味わった、目にもとまらぬスピードで瞬く間に駆け抜け、喉元に突き手を向ける。
「さて、まず一つ……」
113 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/05(日) 00:35:40.65 ID:ehGSmIuBo
>>112
手応えは希薄、ゴトッという音とともに転がる二つの丸太。伊織の十八番、代わり身の術。

「ふふふ、あなたのようなタイプはこういう安い挑発に乗ってくるタイプだと信じてましたよ」
「えっ?ええっ!?あれっ!?」

驚く鈴を抱え、床を滑りながら見せつけるようにボタンを押せば丸太が爆発する。もちろん反対の手で胸を揉むことは忘れない。
114 : ◆RYO/n8uupE :2014/10/05(日) 01:06:35.57 ID:tC2X1Obno
>>113
「フ、フ……手間取らせて、くれるね」
跳びこんだ身体は避けられずに直に爆発を受ける。
煙が晴れてそこに立っていたのは、純白の髪を焦げ付かせ、肌を焼いて防御に使ったのだろう交差した腕を赤く晴れさせた姿
「こんなに、なっちゃったじゃ、ないか……」
頬が裂けて流れた血を、舐め取りながら、クク。と笑う。

「ッ……!!」
麗しかった姿が変わり果てた惨状とも言う変化に竦む彗華。
「キミは、後だ……今は、黙って、いてくれ」
血のしたる腕を振り、跳びかかる鮮血を防ぐために差し出した腕。
その防御を見越したのか、跳びかかり空いた腹部に鋭い蹴りが入る。

紛うこと無い、殺意の込められた一撃だった。
115 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/05(日) 01:28:41.91 ID:ehGSmIuBo
>>114
「調合を誤りましたね……」
「お、おい、やり過ぎだ、大丈夫かコーハ……っ!?」

アルビノの状態を見てそれぞれの反応を見せる二人。心配して近寄ろうとする鈴は異変に気づく。動けない。

「すみません、飛ぶ方向も間違えましたね」

滑って行き着いた先はアルビノと彗華の放った氷の術により凍てついた地点であった。相殺されずに残った二人分の氷の力が鈴と伊織をその場所に釘付けにしていた。

「っ、彗華!」

守ると約束した少女は強烈な蹴りを受けてしまう。しかし氷に拘束されてしまった二人は何もできない!
116 : ◆RYO/n8uupE :2014/10/05(日) 02:14:14.59 ID:tC2X1Obno
>>115
「鈴、伊織ッ!」
大剣を振りかざし、脚元の氷を粉砕する綾。
鈴が馬鹿力と言う通り、粉々に砕け散る氷によって拘束は解かれる。

「さて、これで……予定通りと、言うわけだ」
視界の遠くで呻く彗華。
彼女を助ける余裕を作らないと言わんばかりに、血で濡れた手を振りかざす。
紫色の電撃が綾の砕いた、飛び散る氷を更に細かく砕き、刃に造り変えて降り注がせる。
「紅い、グローブが、壊れた……僕はもう、止まらない」
117 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/05(日) 10:38:48.41 ID:ehGSmIuBo
>>116
「ありがとー、凍え死ぬかと思ったぜ」
「恩にきますよ」

起き上がり身体の状態を確かめる二人。残っていた氷を砕いたり払ったりする。すぐに綾が砕いてくれたおかげでダメージはほとんど無さそうだ。

「……お前がこわしたのか?」
「そんなことしませんよ」
「じゃあリョウ……?ってうわあ!?」
「くっ!」

綾への質問の途中で降り注ぐ氷の針の雨を全力で前に飛んでかわす。
118 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/05(日) 13:26:45.85 ID:4ExFE1saO
>>117
「あまり、群れている、時間は……無いよ。
 そう、僕達は……キミ達を、[ピーーー]。その為に、居るのだから……」
口元に手を当てて笑みを隠せば、血に染まる。

「では、この痛みの、お返しと……行こうか」
傷だらけの腕を振るって巻き起こすのは漆黒の熱。
瞬く間に両腕に這う炎が沸き起こり、固まった位置の三人へと放たれる。
「やらせは……ッ!!」
漆黒の炎を剣で受ける綾。
しかし、もう片方の腕から放たれた炎は止まず二人へと牙を向く。
119 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/05(日) 13:45:29.58 ID:TW1WVX9PO
>>118
「おわっと!いれてくれ!」

綾の後ろへ逃れる鈴

「この程度のぬるい火じゃあ、僕の忍装束は抜けませんよ」

伊織はふたたび学ランを忍装束に変形させてアルビノの方へと駆ける。戦闘特化の正式版には劣るものの、ある程度の機能は備えている。
足の傷は先程氷づけになったときに鈴の軟気功により回復していたため殆ど問題はない。

「貰った!」

走りながら五枚一組の手裏剣を両手それぞれに持ち、同時に投げて弾幕をはる。そして鳩尾と喉の間辺りをめがけて飛び蹴りを放った。

「はあっ!(当たればそれでいい、当たらなければそのまま彗華のところまで駆け抜ける!)」
120 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/05(日) 13:57:31.18 ID:4ExFE1saO
>>119
「僕は、キミを、見た事が、無いね……。
 少し、観察させて、もらおうかな……?」
血塗れのアルビノの興味は伊織へと向いたようだ。
しかし、その前に綾と鈴の方も足止めをする必要がある。
再び宿した炎を向ける。先程の物よりも柔軟な炎の波。
「鈴、退くよッ!」
剣の盾では防ぎきれないと判断したのか、鈴を抱き締め横へ跳ぶ。
抱かれ、密着した事で鈴の身体に得体の知らぬ安らぎが流れ込むだろう。
ゆっくりと、しかし着実に、鈴の身体を癒しつつあるのは綾の身体から溢れ出す生命力のオーラだ。


「フフッ」
難なく伊織の飛び蹴りを躱す。
それも狙いの一つとして彗華の元へと駆ける伊織。
「伊織、さん……」
力無く名前を呼んで助けに来た伊織に縋る。

しかし、その背後から迫る血塗れの白。
まるで死神の鎌の如く、脚を振り上げれば、背中へと躊躇なく振り下ろす。
121 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/05(日) 16:47:45.12 ID:TW1WVX9PO
>>120
「そうでしたかね?でも僕は色々と見せて貰いましたよ」

すれ違いざまにそう言い捨てるとそのまま彗華のところまで走り抜けた。


「わわっ?」

綾の後ろで胸のサラシを動きやすい状態に巻き直し、足にもテーピング代わりに巻きつけようとしたところで綾に運ばれる。

(あれっ……あまり痛くない……気が回復してる……?)



「大丈夫ですか?僕としたことが、君を守ると約束したのにこんな……
おっと、ふふ、一度姉さんに勝ったのは流石ですが、あれから修行を重ねて更に強くなった姉さんと僕らに同時に喧嘩を売るなんて……気がふれているとしか思えませんね」

彗華のところまでたどり着き、話しかける伊織へと振り下ろされる足。しかし伊織はそれを背中を向けたまま交差した腕を上げて受ける。そしてそのまま掴んで横に回転することで遠心力を加えて壁へと投げつけた!
122 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/05(日) 17:43:03.58 ID:4ExFE1saO
>>121
「フフ、キミ、こそ……だよ。
 僕が、何者かも、しらない」
壁に叩きつけられる直前で、鈍色の風が巻き起こる。
アルビノの身体を包んだと思えば、衝突へと向かう力を和らげ安定をあたえる。
壁に脚を付けると蹴り込んで、高く飛び上がったと思えば、空中から漆黒の炎を撒き散らす。
「だのに、戦おうとする、のは、愚かだ」

「火……ッ!」
彼女は雪女だ。火を苦手とするのは当たり前だろう。
氷の壁を作り出すが、煉獄のような異型の炎に前には為すすべなく飲み込まれてしまう。


「鈴……大丈夫?」
飛び込んだ先で降ろし、視線を向ける綾。
123 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/05(日) 18:10:18.54 ID:ehGSmIuBo
>>122
「やれやれ、厨二病をこじらせ過ぎで寒いですね……」

投げたあとすぐに追いかけるように飛び、追撃の姿勢に入っていた伊織は既に必殺必中の間合いに入り、慢心で隙だらけのその喉元に牙を突き立てようとしていた。しかし。

「彗華!」

またしても守れなかった護衛対象を振り返り悲痛な声をあげる。


「なんか大丈夫みたい?っ!ばか!余所見してんじゃない!」

綾に尋ねられ身体を動かしながら不思議な顔をしていたところで隙を晒す伊織の姿が目に入った
124 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/05(日) 19:43:56.15 ID:tC2X1Obno
>>123
「フフッ……」
既に手を届けようかという伊織にも、不敵な笑みを崩さない。
何故なら、それすらも見越した脚が振り上がり、伊織を待ち構えていた。
凶器のように鋭利な脚が、その首を、狩り取らんとばかりに。

その一方で彗華にうねりながら向かう漆黒の炎。
氷の華の如き少女の天敵とも言える黒蛇。煉獄の牙。
その全てが少女に噛み付こうと迫り掛かった。



――――――伊織、ヤツに飛び付け!!!



綾の物では無い、気迫の篭った清らかな声。
それが、通路の奥から伊織の耳に届いてくる。
それと同時、彗華へと迫る漆黒の凶牙が揺らぐ。
漆黒の蛇が彼女を基点に二つに避けて、逃げていくかのように解れていく。
「誰……?」
蛇の残りを剣で往なす綾。
奥へと目を向け静かに呟いた。
125 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/05(日) 20:17:13.88 ID:ehGSmIuBo
>>124
「ぶべらっ!なんのおッ!」

彗華の無事を確認したはよかったものの、鈴と謎の声に従い振り返った瞬間殺人的キックが忍頭巾越しに伊織の横っ面をはたく。
衝撃吸収特殊素材の頭巾、お互い空中という点で威力が軽減されるとはいえ、かなりの衝撃が伝わっている筈の伊織であったが、蹴りを食らいながらもその足をつかみ、反対の腕をアルビノの方へ向ける。
袖から覗くブレーサーと腕の間には銃口のようなものが見えた。

「逃しませんよ……!」

アルビノの顔のあたりに狙いを定め、伊織が手首を内側に倒せばその装置は起動、高速で矢が放たれた!
126 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/05(日) 20:40:52.16 ID:tC2X1Obno
>>125
「こっちの、セリフ、さ……」
伊織の放った矢を顔を僅かに傾けるだけで回避する。
最小限の動きのみの頬に矢が掠め鮮血を散らす。
脚を取られたままだったがカウンター気味に腕を伸ばし、伊織の首を掴もうとする。
さらに逆の脚も動き出し、腰に周り掴まれた脚とで挟み込もうとしてくる!



「今の、声……!!」
炎を逃れた少女の呟き。
視線は出処の奥へと向かう。
そこでは微かな赤い光が、此方へと迫ってきていた。
127 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/05(日) 21:57:56.21 ID:ehGSmIuBo
>>126
「そっちからくっついてきてくれるなんて願ったり叶ったりですね……」

かわされた矢は後方の天井近くの壁を穿ち、根をはるようにがっちりと固定される。その矢の端からは細くも頑丈な糸がのび、その先は伊織のブレーサーと繋がっている。
煽るような笑顔でつかみ返すと伊織は巻き戻し機構を作動させる。

「これじゃエアバッグになりませんね」

引き寄せられる勢いを利用してアルビノにしっかり飛びつきがっちりホールド、そして顔を胸にうずめに行くもなかったらしく憎まれ口を叩く。二人はそのまま加速して一直線に壁の方へ!

「誰だ?」
128 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/05(日) 22:33:42.06 ID:tC2X1Obno
>>127
「がッ、は……ッ!!?」
壁に叩きつけられたアルビノは血を吐き出し苦悶の表情を浮かべる。
伊織の狙い通り。これで完全に行動を封じた……筈だった。
「……シッ!!!」
鈍色の風がアルビノの身体から舞い上がり、伊織を弾き飛ばす。

アルビノから離れていく伊織とすれ違い、突撃していく小さき影。
正しく彼女こそが助言の主、黒蛇を遠ざけた主であった。
「ご苦労。クズの割りには働いたな!」
赤い光は機械靴から発せられたジェットの炎。
何時も通りのラフな格好ではなく身体に張り付く蒼いノースリーブのボディスーツに見を包んだレラこそが正体であった。
「報酬分は楽させてやる」
伊織へと手を翳せば、ふわりとした浮翌遊感と共に吹き飛ぶ力が消滅し、ゆっくりと地面へと落とす。


「力無い、お前には……キエロッ!!」
「フン、寝ぼけた事を!」
赤く染まった純白の腕に紫色の電撃が走り、レラへ打ち込まれていく。
白く小さな手が電撃の道筋を捉えたと思えば、なんと電撃がねじ曲がり少女の小さな手の上で丸め込まれる。
「さぁ、解析と行こう!」
攻撃を無力化されたアルビノの頭にレラの手が及び掴み掛かる。
オーロラのような、淡い緑色の光が掴んだ手から発生すれば、苦しげな声がアルビノからあがる。
「フン、やはりといったところか……」
一通り『解析』が終わったのだろう、レラが手首を振っただけでアルビノの身体が釣られ、あろう事か投げ出されていく。
宙に浮いた身体にレラの蹴りがヒットすれば、再び壁に押し込まれ、逆の手に浮いていた電撃を投げつけた。
「お返しだッ!」
129 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/05(日) 22:58:58.07 ID:ehGSmIuBo
>>128
「終わりですよ…百舌鳥落と……ぐっ!」

壁からアンカーを外し、壁へ叩きつけられた衝撃でふらつくアルビノへさらにトドメの一撃を加えようとするも風に弾かれてしまう。

「チィッ!」

すかさずアルビノの回復の暇など与えんとばかりに空中で体を回転させて再びアンカーを打ち込もうとする。が、新手に任せることにした。

「美味しいところを譲ってあげるんです、あとでその胸、揉ませてもらいますよ」




「空中戦……あんなの俺たち出番ないな、リョウ。舞空術でも覚えないと……なんてな」
130 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/05(日) 23:47:45.26 ID:tC2X1Obno
>>129
「フン、何が見せ所か。
 偽物だと見抜けん貴様らが勝手に作り上げただけだろうが」
ジェットブーツでふわふわと鈴たちの方へ戻ってくるレラ。
「だが、今の解析で全てが読めた。
 奴の構造、思考パターン。操っている正体までもな」
常時ドヤ顔のレラだがここぞとばかりにドヤってみせる。
「まぁいい、僕にもう用は無い。
 だが、実験がてら次は貴様らに見せ場をやろう……構えろ」
生徒達(+彗華)の奥へと移動していき、振り返って偽物と断言したアルビノを眺める。
「綾、貴様が行け」
「……解った」
単眼。顕になっている瞳の奥までを穿かんとするレラの視線に、綾の首が縦に動く。
了解を得たレラが満足げに鼻を鳴らせば、次なる視線は鈴へ向く。
「霜月 鈴、貴様も構えておけ。
 ヤツの身体が浮かぶ。僕が連れて行くから貴様はそれに叩き込め」


「グ、ゥァ、ア……!!」
壁面に押しこまれていたアルビノが身体を起こし、透き通った声を歪ませて雄叫びを上げる。
力任せに腕を振り上げれば氷と電撃が地面を凍らせ砕きながら迫ってくる。
それを至極冷静に捉えていたレラはフン。と鼻を鳴らす。大凡予想通りと言った表情だった。
「走れ。
 13歩進んだ所で跳べば目の前に氷塊が飛んでくるから砕け」
レラの指示を受け入れて、静かに頷く綾。
走り出し、丁度カウントが13になった所で跳び上がれば寸前まで迫っていた電撃が足元をすくう。
宣言通り眼前に現れた氷塊を拳で砕き、アルビノの目の前に着地した綾にさらなるレラの指示が飛ぶ。
「ヤツの腕は右から来る」
一言。それだけを告げたレラは鈴に対し準備を勧めた。
鈴へと腕を翳せば、不思議な浮翌遊感が鈴を包み込むだろう。
手首を捻り、その手を掲げていけば次第に浮かび上がらせていく。
「見てろ」
電撃と氷塊の向こう。
切迫した綾とアルビノの影が絡み蠢き、最後に白い身体が打ち上がる。
上空からなら、レラの宣言通りに振ったアルビノの左腕を躱し蹴り上げる綾の姿が見えただろう。

「貴様に自由を与えてやる。奴を粉砕しろ」
それだけを耳に届ければ、鈴に翳していた手を振りアルビノへと打ち込んだ。
かなりの速度で接近していたが、すでに浮翌遊感は無く地上に立っているのと何も変わらない状態だ。
目の前に無防備な身体が見える、後は指示通り叩くのみだろう。
131 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/06(月) 00:42:10.43 ID:GIiIMCKPo
>>130
「やれやれ、まさかまたそんなのが出てくるなんて思わなかったぜ……よくできてるから全く気付かなかった。
しかしまあニセモノとはいえ何もできない相手を粉砕……やりづらいなあ……」

なんだかんだ言いながら綾に治癒された体の感覚、レラに持ち上げられた“足場”の感覚を確認し、構える。

「すぅ……ハアアアア……クッ」

独特の呼吸で気を練り上げれば蒼白い陽炎が全身を包む。
狙いをつけるように左手を目標へ向け、脇を締め引かれた右手には二本の竹串。



「ごめんな」



口からは優しい呟き。しかし右手から放たれるのは鈴の気によって形作られた青龍。その青龍はアルビノの偽者をひと飲みで滅する。
以前本物のアルビノと戦った時に不発に終わった最終奥義は竹串を牙として、芯とすることで安定して気を収束させられるようになり、完成に至っていた。
132 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/06(月) 01:20:03.16 ID:mMr/BubYo
>>131
「フン、この程度の相手に手間取りおって……程度が知れるな」
終わりを確認し腕を振り降ろせば、体躯に不釣り合いに育った胸がぷるんと揺れる。
蒼いタンクトップは身体にぴったりと張り付いて、尚かつ背中の殆どが空いた過激なデザイン。
意味もなくこんな服を着るレラでは無さそうだが……余りにも扇情的である。



「……」
手を握る。
一度掴みかけた感覚を逃さないようにしてのこと。
レラの指示、助言によって動いた結果、自分には無かったものが、見えた気がした。
133 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/06(月) 15:28:04.12 ID:GIiIMCKPo
>>132
「いやーおかげで助かりましたよ、偽者だと分かっていれば代わり身の火薬をもっと増やしておいてとっとと消し炭にしてたんですがねぇ、僕らみたいな凡才には気づけませんでした。よっ流石天才!」

ひざまづき、レラをヨイショしながら揺れる乳を下から支えるように揉む変態忍者。そういえば綾だけまだ揉んでないなとちらりと綾の方を見た。


「ふう……」

なんとかなったようで一安心とため息をつく鈴。手を握ったり開いたり、足を振ったり軽く跳んだりしてみる。ある程度の疲労感はあるものの、まだまだ動ける程度だ。

134 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/06(月) 15:52:05.34 ID:mMr/BubYo
>>133
「フン、凡人には見えてなかったか?
 まぁ、天才の僕ならば見切るだけでなくその他いろいろと入手させてもらったがな……触れるなッ!!」
ガードが硬い。
散々持ち上げられ良い気分になっていたが伊織の手が伸びれば弾かれる。
フン。と鼻を鳴らし見下した視線を向けていたが、
「レラちゃーん!!」
「のわっ!!?」
後ろから彗華が追突してきて前に押されたレラの胸が伊織の顔面に押し付けられた!



「お疲れ」
綾がそばから寄ってきて、鈴の肩を叩く。
偽物のアルビノは鈴の懇親の一撃によって黒い煙になって霧散していった。
地下研究所で戦った偽物の綾と同じ消え方。彼女達には何かしらの共通点があるのだろう。
135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) :2014/10/06(月) 16:55:16.74 ID:9n+oPU+n0
せんせー何度やっても保健室にいけない

Wikiもいけない
136 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/06(月) 17:15:32.41 ID:mMr/BubYo
>>135
んんむ……それは困りましたね……。
137 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) :2014/10/06(月) 18:24:03.54 ID:9n+oPU+n0
あ!なんとか高校のわからない部分教えてくれたらいける!

多分ググると出て来るとおもうの
138 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/06(月) 18:28:11.03 ID:mMr/BubYo
リンククリックじゃなくてコピーして変換とかでできませんかー?
対応ブラウザとかじゃないとアドレス先頭の『h』抜いてるからそれが引っ掛かることもあります!
139 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/06(月) 19:45:42.87 ID:GIiIMCKPo
避難所のタイトルみたいなのでググったけどヒットしなかったからurlコピーして頭にhつけて直打ちするしかないんじゃないかなあ
140 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/06(月) 21:35:33.49 ID:GIiIMCKPo
>>134
「デュフフコポォ!」

幸せそうに押しつぶされる伊織。後ろから彗華が飛びついてこうなるのを計算してレラの気を引いていた疑惑。


「ああ、お疲れさん。」

肩を叩いて呼ばれると振り返り、ハイタッチをしようと手を出す。
141 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/07(火) 00:18:39.32 ID:4ZFFoItso
>>140
「久し振りだよぉ、寂しかったよぉ!」
「ひゃあぁっ!? 背中を撫でるな馬鹿!」
フルオープンの背中に雪女の冷たい掌が触れる。
寒さに身体を震わせて、思わず伊織の頭にしがみつく。

暫くしてふと我に返ったレラが抱き締めていた頭を離し、叩く。
「さっさと退かんか馬鹿が」
理不尽。


無言でハイタッチを交わせば、微かに表情を明るくする。
「鈴……これからも、頼りにしてる」
何を思ったのか、そんな事を急に言い出し。
142 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/07(火) 01:38:24.87 ID:dYCL3hX1o
>>141
「おおう……」

押し付けられる感触を堪能しながらドサクサに紛れてレラの尻をさわさわもみもみ。

「ぶはあ!そう言われましても僕は下敷きですからねえ、動けないんですよ」

胸に顔をうずめっぱなしだったので地味に窒息しそうになっていた伊織。


「ああ、まかせとけっ!」

胸を叩くと向日葵のような笑顔を返す。
143 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/07(火) 06:46:38.41 ID:4ZFFoItso
>>142
「何処触ってるんだ馬鹿! 変態!」
びく。と身体を仰け反らせながらも叫ぶ。
歳相応に幼さと愛嬌のある紛れもない美少女なのだが……如何せん凶悪な敵意で歪んでいる。
「煩い、しね!」
顔面に何度もパンチを連打するが見るからに貧弱そうな血色の悪い身体。威力はほぼ皆無。


「……うん」
鈴ほどでは無いにしろ、明るい笑みを見せた。
「帰ろう」
144 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/07(火) 15:08:18.64 ID:dYCL3hX1o
>>143
「はて、僕はどこに触ってるんでしょうか?
天才ボインが視界を埋め尽くしてくれているおかげで見えないもので、凡才の僕には言葉で言って教えてくれないとわかりませんねえ……はっはっは」

触るのをやめないしパンチは全く効いていないようだ!



「そうだな」カシャッ


折角なので携帯で写真を撮ったようだ
145 : ◆RYO/n8uupE :2014/10/07(火) 15:46:39.26 ID:4ZFFoItso
>>144
「ぼ、僕の尻を揉むなと言ってるんだ!」
少女らしく細っこい腰から膨らんだラインは中々の物。
こっちも胸と同じく体躯にしては膨らみすぎだ。
「言っただろっ! さっさとやめろ!」
逃げようとしているが伊織と彗華に挟まれて逃げられない状態。
「はうぅ〜レラちゃ〜ん」
「お前もさっさと退かんか!?」


「っ……何?」
携帯のレンズ部分をじっと見つめて。
146 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/07(火) 21:46:31.89 ID:dYCL3hX1o
>>145
「いい写真がとれたぜ……あ、ちょっと待って」

綾の写真の写り具合に満足そうに微笑むと歩いていく鈴。



「ふふふじゃあこちらがお望み……ハッ」

更に手を進めようとしたところで頭上の気配に気づく伊織。

「お前な、いい加減にしとけよ?」

「は、はは……うわああああああああ!!!!」






147 : ◆RYO/n8uupE :2014/10/07(火) 21:50:35.77 ID:4ZFFoItso
>>146
「……」
鈴に言われるがままに脚を止め、その動向を窺う。
歩みの先の光景を眺め、鈴の糸を察すれば援助に向かう。

「彗華……? こっち」
「あっ、はい……」
「おわっ!?」
彗華を伊織から離す為に肩を引く。
抱きしめられたままのレラもくっついていった。
148 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/07(火) 22:03:50.71 ID:dYCL3hX1o
>>147
「よし、行こうか」

「あが……が……」

ボコボコになった伊織を足蹴に
149 : ◆RYO/n8uupE :2014/10/07(火) 22:13:42.51 ID:4ZFFoItso
>>148
「あの……」
「大丈夫」
ボロボロになった伊織を心配する表情の彗華だったが綾が引きとめる。結構冷たい。

「あっ、はい……わかりました」
「その前に僕を離せ」
腕の中で不満げな表情を浮かべるレラと、聞こえてない素振りの彗華。
150 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/07(火) 22:20:02.22 ID:dYCL3hX1o
>>149
「まったく……二人ともごめんな。えっと、スイカ……だっけ。なんか他にも変なコトされなかったか?」

伊織を放置して歩き始めた。
151 : ◆RYO/n8uupE :2014/10/07(火) 22:24:41.56 ID:4ZFFoItso
>>150
「フン……貴様が謝る必要は無い。
 次に会った時は直々に叩き潰すだけだ」
彗華の腕から飛び出ると宙に浮き、相変わらずの自信満々な表情で。

対するヘルメット少女は気弱な声で。
「え、と、あの……大丈夫、です。色々、助けてもらいましたし……」
152 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/07(火) 23:36:10.29 ID:dYCL3hX1o
>>151
「そう言ってもらえると助かるよ……あいつ汚い忍者だから気をつけてな。

そっか、ならいいんだけど……さっき出会った時にこんな仲良しだーみたいなこと言いながら変なコトされてたからさ、なんか大丈夫かなって」
153 : ◆RYO/n8uupE :2014/10/07(火) 23:43:27.70 ID:4ZFFoItso
>>152
「あ、はは……そうですね、気を付けます」
アレ以上の事はされていたが口にするのも憚られるので噤んでおく。
真っ赤になった顔を隠してくれる黒いヘルメットは丁度都合が良かった。


「道……」
「迷う心配はあるまい。僕の端末に全てデータを残してある」
レラの左手首に付けられた機械端末を数回タッチ。
ホログラムモニターが写しだされる。そこにはこの地下道の地図らしい入り組んだ線が出力されていた。
「まるで迷宮だな……誰が何の目的で作ったんだか」
一人、そんな事を呟きながら先を進んでいく。
154 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2014/10/07(火) 23:51:34.96 ID:CXD0iFB50
コピペも弾かれるよう
155 : ◆RYO/n8uupE :2014/10/07(火) 23:54:31.56 ID:4ZFFoItso
>>154
どういう感じのエラーメッセージが出るのか教えてもらえます?
私の環境(専ブラJane、ネットブラウザFF)だと直クリックでも行けますしネットブラウザからこのページ開いても行けましたので……。
156 : ◆RYO/n8uupE :2014/10/07(火) 23:57:37.81 ID:4ZFFoItso
あ、何となく解ったかも!
スマホのネットブラウザ(非専ブラ)からアクセスした場合、>>1のリンクは跳べますが、対応先のクッションサイトが「ttp」を認識できないみたいなので、そこのアドレスコピーして戦闘に「h」を付ける感じで……どうですか?
157 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/10(金) 20:07:53.55 ID:k+bDEyAdo
>>153
「まったく、誰に似たんだか……」

疲れた表情を左手で押さえた


「なんとなくついてきたけど大丈夫なんだろうな?」
158 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/10(金) 20:41:03.98 ID:OOt1bbmno
>>157
「任せろ、すぐに着く」
フン。と鼻を鳴らしながら腕を組み、浮翌遊して先導していく。
暫く進んだ所で、振り返る。
「そろそろ出口につくが……貴様らに忠告をしておこう」
159 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/11(土) 02:08:44.55 ID:FNc0SI1co
>>158
「なんだよ……なんかあるのか?」

160 : ◆RYO/n8uupE :2014/10/11(土) 02:19:15.03 ID:lTn8j3gRo
>>159
「あぁ、忠告だ。
 貴様等は思った以上に何も知らないみたいだからな」
振り返ると更に脚を組み、宙に身体を固定する。
「ゼオラ=アドヴァルド……は、僕の親友だが。ゼオラには、気を付けておけ」

「貴様等にも、大小なりとも抱えている秘密はあるだろう。
 それら全て、この学校の生徒全員分を含めて……さらに、僕の話していない事情を加えても良い」

「その量の秘密よりも、ゼオラの持つ秘密……闇は、深いぞ」

何時も通り、淡々と語るレラの表情には、微かな寂しさが見えた。
161 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/11(土) 02:37:38.02 ID:FNc0SI1co
>>160
「はははっ、生徒全員より秘密多いってどんだけ隠しごと多いんだよwwwwwwwwww
いつものことだけどやたらともったいぶるから何かと思ったら秘密が多いってwwwwwwwwwwくそっwwwwwwwwwwまさかここで笑わせに来るなんて思わなかったぜwwwwwwwwww」

そういうギャグだと思ったらしい。
162 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/11(土) 02:49:32.97 ID:lTn8j3gRo
>>161
「……」
むすっとした表情。
あからさまに不機嫌になってる。

「え、ええっと、あの……」
察した彗華が気を利かせて割り込もうとするが入れそうにない。

「フン。これで出口だ。
 僕はもう貴様等と一緒に居る理由は無いからな」
ふわふわと靴の力で浮いたまま校舎へと入っていくレラ。あの服装のままらしい。

「あ、えっと……それじゃ、学校の入り口のほうに案内してもらっても、いいですか……?」
元々の目的とかバイクとか。


//今日はもう寝るのです……おやすみなさい。
163 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/11(土) 15:11:38.00 ID:FNc0SI1co
>>162
「……えっと、なんだ。ごめんな」

あちゃーやっちまったと言った様子で苦笑いを浮かべながら謝る。しかしレラは怒っていってしまったようだ。



「あれだけのスピードで突っ込んできたんです。校舎にぶつかって爆発してるんじゃないですかね……?」
「ひあっ!」

いきなり現れる伊織。おどろいてかわいい声が出る鈴。
164 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/11(土) 17:21:54.52 ID:kBKut0yvO
>>163
「ふえぇ……」
バイク爆発を聞いて不安げな声を上げる。
そう言えば転がった後の話は知らない。


「バイク……そう言えば正門に」
ふと呟く綾。見かけたらしく、この様子なら無事そうだ。
因みに、伊織の企みについてだが、綾のおっぱいは学ランに詰め込まれていて外見からだと全くわからない。
彗華程ではないにしろ、圧倒的ボリュームを誇る筈だがこの辺りの技術は謎である。
165 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/11(土) 17:52:30.79 ID:FNc0SI1co
>>164
「つっこむ?爆発?」

「僕がはねられそうになったのは校内で正門から結構離れたところだった筈ですが……士道兄さん辺りが運んだんでしょうか?」

「校内ではねられそうになった!?バイクで!?学校の敷地内でそんなことするヤツなんているのかよ!?」

「まあ……いるみたいですね。とりあえず行ってみましょうか」
166 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/11(土) 18:18:53.62 ID:lTn8j3gRo
>>165
「あ、はは……。
 と、とにかくあるなら行きましょう!」
急ぐ様子を出して、しかし道がわからないのであたふたしている。
167 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/11(土) 19:35:16.98 ID:FNc0SI1co
>>166
「あ、ああ、そーだな」
「ふふふ」

とりあえず向かう
168 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/11(土) 19:46:18.74 ID:oHqWbb/CO
>>167
――――正門前


「んぁ……おなかすいちゃった」
「そう……」
「おねぇちゃんどこいったんだろ……バイクだけおいて」
「……」

転がったバイクの上に座る赤毛の少年と黒衣の少女。
少女の持つ黒い傘の下に二人並んで遠くを見、緩く流れる時間を楽しんでいた。
169 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/12(日) 22:15:31.06 ID:Tohpy31ro
>>168
「アレか?」

「どうなんでしょう。ここまで飛ばされてきた……ら無事じゃないでしょうし、誰かが運んで来たならこんなところに寝かしておかずに立てておくと思いますけど」
170 : ◆RYO/n8uupE :2014/10/12(日) 22:27:43.67 ID:ZtKv57Yto
>>169
「ん……」
「あ、綾せんぱいっ!」
同じタイミングでこちらの姿にも気付いた林檎が、駆けよってくる。
季節は肌寒さを覚える時期になっているが、彼だけは未だに夏服を着用している。
小さい身体でてとてとと走り寄り、腕を広げたと思えば綾の胸に飛び込んでいった。
勢いよく接触すれば「ごん」という音が響き、受け止めるが僅かによろめく綾。それでも抱き上げる。
「……っ、痛い」
「えへへ〜」
完全に甘えてきっている。

「り、林檎くん、そんなことしちゃダメだよ」
「あ〜。おねえちゃん、ぼくずっとまってたんだよ?」
頬をつつく姉と初めて気付く弟。綾以外見えて無かった。


「……」
一方黒衣の少女はといえば横になったバイクの上でまだぼーっとしている。
171 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/12(日) 23:08:27.21 ID:Tohpy31ro
>>170
「……きょうだいだったのか」
「そうみたいですよ」
「知ってたのか」
「ええ、さっき赤モップさんが……」
「出会ったのか……で、どうなったんだ?お前ら二人だけしかいなかったけど」
「さあ、赤モップさんは『妹はお前に任せたぞ伊織くん』って言ってどっか行っちゃいましたから、全裸で」
「全裸で!?」

綾に飛びつく林檎と彗華の様子を見ながら会話をする二人。
172 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2014/10/12(日) 23:21:11.70 ID:2gmZdbyz0
http://imgur.com/delete/KeuW6CbZ7o4Czhb
173 : ◆RYO/n8uupE :2014/10/12(日) 23:32:36.77 ID:ZtKv57Yto
>>171
「そうですな。無事に届けられたようでなによりですぞ」
スッ。と現れたと思うと綾の腕のなかから林檎を掬いあげる冬瓜。
着替えて来たらしく身に着けていたのは七分袖のシャツと、彼もまた涼しげな服装だった。
「あまり迷惑は掛けない事だ」
「はぅ、ごめんなさい」

「あっ、そうそう!」
何かを思い出したのかとてとてとバイクの方に走っていく彗華。
蓋の様になっていた座席を開き、中からお弁当箱を取り出すと帰ってくる。
「林檎くん。はいこれ、忘れもの!」

「ところで、綾。なにかあったのですかな。
 ……みなさんにも戦闘の跡が見られますが」
綾、鈴、伊織、彗華と順番に視線を向ける冬瓜。
林檎を地面に下ろし、頭を撫でながら尋ねていく。
174 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/13(月) 12:54:46.44 ID:kk8Gr6V4o
>>173
「ひゃあ!」
「くすくす、もう服着てるみたいですよ」
「そ、そうか。そうだよな……さすがにこんな公道でそんなカッコしないよなはははっ」

モップの方から全力で目をそらす鈴と面白そうな伊織。


(なんかあのお弁当箱、中身大変なコトになってそーだなあ……)
「そういえばお昼まだでしたね」

175 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/13(月) 13:07:06.01 ID:npp2XO/JO
>>174
「服を着るために別ルートから出てきたのですが、思いの外手間取りましてな」
苦笑いを浮かべる彼の頬は赤く腫れたような跡が残っている。


「ありがとー。
 あ、バイクのうえにおんなのこいなかった?」
思い出した少年と確かめる少女。
既にゼオラの姿は見えなくなってしまっていた。
「いなくなってる……」


「お昼……」
「綾の分は私が持ってますぞ。
 全く、師弟揃って忘れるとは……」
「ありがとう」
176 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/13(月) 15:37:23.90 ID:kk8Gr6V4o
>>175
「ターミネーターみたいにムリヤリ服うばったりしてないですよね?」

赤くなった頬を見ながらそんな冗談を言ってみる鈴。

(リョウにボロボロになってるの聞いたのに無視されてる……)
177 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/13(月) 16:57:02.09 ID:Nsnf4Wj+O
>>176
「あぁ、これは」
腫れた頬に押さえるように触れて原因思い出しながら口にする。
「予め私の服を持って別口で待っていたメイドにやられましてな……」
全裸だったから。


「まぁ、その汚れの原因は昼食を食べながらおいおいとしましょうか」
反応がなくてもめげない冬瓜。
178 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/13(月) 17:27:58.28 ID:kk8Gr6V4o
>>177
「なんでいきなり全裸になったりしたんですか……」

ジト目

「お昼……」
「そういや今日は学食か家庭科室使うつもりで作ってなかったな……」
179 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/13(月) 17:43:07.98 ID:QcVXNlpyo
>>178
「よくマンガとかであるじゃないですか。
 本気を出すと服が破けるアレと同じ。一方通行のジレンマなんですな」
やれやれ。と方をすくめるあたり本人は至極真面目に話しているようだ。

「まぁ、私の話はともかく昼食としましょう。
 作りに行かれますかな? メイドに頼めば準備することもできますぞ」
180 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/13(月) 20:33:00.65 ID:kk8Gr6V4o
>>179
「へー……」

そっと距離をとった。目が冷たい。


「(アルミちゃんが料理……ないな。)自分で作ろうかな」
181 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/13(月) 20:47:44.33 ID:QcVXNlpyo
>>180
「その不審者を見るような目、それもまたそそるんですな……」
逆効果みたいだ。


「そうですか。それなら調理場へ行かれますかな」
「そう、行こう」
「ぼくもいきます、綾せんぱいとごはん食べたいです!」

「あはは。じゃあ私はそろそろ帰ろうかな。  私も帰ってお昼にしないと。ちょっと長く居すぎちゃったかな……」
彗華17才。平日の昼から帰宅らしい。
182 : ◆DfkujouDJE [sage]:2014/10/15(水) 04:16:01.04 ID:1CmwyV2lo
「んー......すやすや......」

家庭科室の窓際、温かい日なたに、それはそれは眠りやすそうな椅子(揺れるようなやつ)を置いて寝ている

橡『......。』
その横で普通の椅子に座りながらうとうとと寝ている少年。
テーブルには彼が用意したずいぶんと豪華な食事が置かれているが、暖かい日差しにこっくりこっくりと寝そうな感じである
183 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/15(水) 08:00:29.76 ID:3wUTvK3yO
「……」
「彼らが気になるかい?」
「……別に」
「昼にもなるが……あの寝顔を無理に崩すのも可哀想だ」
方や家庭科室に並べられたテーブル。
視線を向けた黒衣の少女と、尋ねる純白。

「ゼオラ、キミの料理は素敵だ……毎度のことながれ感心する。
 だがね、料理だけなら幾度と無く味わってきた、僕はそれだけじゃ満足しないな。
 いいだろう? 偶に暇の時間くらい、キミの手で運ばせてもらっても」

相変わらず流麗な口を開いたと思えば、少女を口説くかの口調で。
184 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/15(水) 11:46:08.93 ID:R0Yb5bQHO
>>181
「……ふんっ!」

ゴミを見るような目でスネをキック。すごくいたい。しばらく立てないだろう。

「……行くか」


「一緒にどうです?至高の中華をご馳走しますよ。兄が。それにそのバイクじゃ押して帰るのも大変でしょう」

バイクの様子を見て彗華を誘う伊織。



〜家庭科室前〜
「あれっ、電気ついてるしいいにおいがするな……誰か使ってるのかな?」
185 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/15(水) 12:37:58.27 ID:3wUTvK3yO
>>184
「あだっ……!!」
すねを押さえ地面を転がる。暫くは回復しそうに無い。
「おにぃちゃん、だいじょ……」
「大丈夫、行こう」
心配する林檎を半ば強制的に引き留める綾。
綾の冬瓜に向ける瞳もまたゴミ見るような目をしていた。鈴が絡むと厳しい。


「えへへー」
とととっ。とバイクまで走っていき起こす。
「このバイク、普通ですけど普通じゃないから大丈夫なんですよ!」
訳のわからないことを言いながらぼんぼんと車体を叩く。頑丈さのアピールだろうか。
しかし、バイクを押して自転車置き場に寄せて並べると走って帰ってきた。
「んー……。でも、せっかくですしご馳走になっちゃいます」
ぺこ。と頭をさげると視線を下げたまま挨拶。


家庭科室に入れば、二組四人の姿が見える。
気持ち良さそうに眠る雪と、その横で微睡む橡。
それと、テーブルに向かい合って座る黒白の二人。
「あーん……」
「あーんっ。
 ……うん、やはりゼオラの料理は最高だ」
鈴達の鼻をくすぐる匂いの一つ、整って盛られたオムライスをゼオラから運んでもらい、笑みを浮かべながら噛みしめる。
そんな所で、新たな人影に気づいたらしく、振り返って視線を向ける。
「……っと、やぁ、キミたちも昼食かい?」
186 : ◆DfkujouDJE [sage]:2014/10/15(水) 13:34:39.26 ID:1CmwyV2lo
『......すや......はっ!?何や......つ......』
小動物のように周りの気配に気づいてから一気に起き身構えるが、知った顔やあーんが繰り広げられる光景に緊張を解いた

「んん......」
主も人の気配にそろそろ目を覚ましそうである
187 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/15(水) 15:41:02.83 ID:bYz0or7eo
>>185
>>186
「いつもあんなことやってるんですか……流石に危ないんで点検はさせてもらいますよ」

ものすごく苦い顔をする伊織。普段人にこういう顔をさせる側の伊織のこういう表情は珍しい。


「……なんだお前ら、料理対決でもやってたのか?」

九条テーブルと白黒テーブルを見比べて首をかしげる鈴。


「ふふ……」

伊織は雪の横で彼女の寝顔を見ながら微笑んでいた。
188 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/15(水) 15:55:52.41 ID:3wUTvK3yO
>>186>>187
「た、たぶん大丈夫ですよ。
 レラちゃんが強化してくれたバイクですし」
窘められてより小さくなる彗華だが、その口調には自信が込められていた。

「いや……そういうつもりは無いんだけどね。
 起こすのも可哀想だからそのままにしておいた訳さ。尤も、そろそろ目を覚ましそうだが」
会話を続けながらチラリと雪達の方を見やり、その愛らしい寝顔に微笑む。
鈴達が現れれば普段通りにクールな様相が見えるが、その直前でゼオラに食べさせてもらう場面はばっちり見えていたしその名残で口元にケチャップが付いている。


「は、はわわ……っ」
見知らぬ人、しかも四人が一斉に現れ、慌ててヘルメットを取り出す少女。
189 : ◆DfkujouDJE [sage]:2014/10/16(木) 00:37:48.75 ID:s/07rAMDo
>>187
『あっ、鈴さんもお食べになられますか?』
うとうとしていた時間はそう長くなく、まだ料理も温かい。

「......あれ......寝ちゃって......んー......?」
瞼を擦りながら寝返りを打ち伊織の身体を抱きしめようとするが

「......スンスン......スンスンスンスン............浮気はいいけど、嘘は駄目だからね?ちゃんと教えてね?」
伊織から他の女性の匂いを嗅ぎ分けたのだろうか。眠さも有り少しむくれている。
190 : ◆DfkujouDJE [sage]:2014/10/16(木) 00:40:12.03 ID:s/07rAMDo
>>188
先ほどまで眠っていた二人は目を覚ましつつある
191 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/16(木) 12:10:55.24 ID:D7+8BYQOO
>>188
「……しまらねーな」

ケチャップで情けない顔になっているのに格好をつけようとしている様がどうにもなさけなくて笑いがこらえられないようだ。

>>189
「そういう時はお食べにじゃなくてお召し上がりにのほうが正しいんじゃなかったか?カエデに怒られちまうぜ?っと、いいのか?お前らで食べるぶんじゃ……」


「ふふふ……僕の夢は美女の美女による僕のためのハーレムですからね……!」
192 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/16(木) 13:23:38.18 ID:MxA1HLNto
>>189>>190>>191
「僕はそういう性分なのさ。
 これは……そ、そういう愛嬌だと思ってくれ」
静かな雰囲気で返していると鈴の視線に気付き口元へ指が伸びる。
指先についたケチャップを見ると頬を赤らめながら答えた。
「まぁ、使うなら好きにしてくれても構わないと思うよ。ゼオラも済んだみたいだ」
オムライスの置かれたテーブルの向かい、ゼオラの正面にはなんと大きなステーキ。
今もナイフとフォークを器用に使い小さな口に大きな肉を運んでいる。


「鈴」
傍まで寄ってきた綾が袖を引く。
表情に一見変化は無いが、どことなく重大そうな雰囲気。
「僕のご飯が、ない」
冬瓜はまだ外で転がってる。


「ひ、ひえぇ……」
雪の言葉に視界の端で震えるヘルメット。
193 : ◆DfkujouDJE [sage]:2014/10/17(金) 04:32:52.18 ID:k27lMafxo
>>191
『あっ......申し訳ありません、にほんごを使うのがひさしぶりで......いや、こんな言い訳みたいなことを言ったらまたおねえちゃんにおこられる......。』
仕事モードも解けかかっているのか、少し子供っぽい喋り方になってきている
寝起きだからだろうか

「ちゃんと誰とどんなことをしたのか隠さずに教えてくれれば、私はそれでいいんだよ?」
満面の笑顔であるが、ある意味それが怖い

>>192
『......ふしんしゃかな......。』
ヘルメットを訝しむショタ
194 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/17(金) 09:37:31.51 ID:NwsatuixO
【校舎外周】


「フン……まぁ、この程度のパフォーマンスか」
四足の機械。
上から見ればX字を作るような形の機械、その交点に据えられた座席に居座る少女。
彼女の扱う靴と同じく、火を灯し中に浮かぶ機械の性能テストでもしていたのだろう。結果に満足そうな笑みを浮かべていた。
195 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2014/10/17(金) 09:48:18.74 ID:nTQQxlv20
やあ楽しそうにしてるじゃないかいいのかいそんなんで満足して(柔らかな表情からいきなり警戒を高めて欲しい表情に変わる

ここで僕を交えた模擬戦形式の試合はいかがかな?
組織の中でもぼくは別格と呼ばれてきた
ぼく自身は客観的に見てまだ至らない所はあるけど

弱いとは思っていない!(かなり感情を込めて問いかける)


さて模擬戦はどうかな?
なんなら先手か後手か決めてもいいよあくまで模擬戦だから勝ちにはこだわらない(柔らかな雰囲気に戻し意思を確認する)
196 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/17(金) 10:02:00.76 ID:NwsatuixO
>>195
「いきなり出てきたと思えば、僕に口を出すとはな」
鼻を鳴らし振り返る。
笑みは一変し凶悪なまでの敵意を示した物に変わる。

「勝手にボディガードを名乗るのは構わんが……その癖楯突かれると目障りだ」
男の狙い通りに表情が歪むが、少女はそれを見越してのことだろう。
態々挑発に乗る事を避けるまでの相手でもない。という余裕が透けて見える。

レラの背中側から微かに光る何かが飛びでるのが見えるだろう。
次の瞬間、男の背後に回っていたその何か―――小型の機械―――がレーザーを足元を狙う。
「望み通り躾けてやろう。
 名乗れもしない馬鹿も多少はマシになるかもな?」
197 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/17(金) 10:06:22.79 ID:ibBC2vJwO
>>192
「愛嬌、ねえ……」

やれやれといった様子で肩をすくめる。しかしそこにはいつもより優しいような印象と、どこか安堵した様子とが感じられるかもしれない。

「ど、どうした……?」

ただならぬ様子の綾に真剣な様子で向き合う。

「な、なんだそんなことか……俺にまかせとけ、なにが食べたい?ええと、スイカだっけ?お前は?」

ズッコケそうになりながら綾と彗華に注文を聞いた。


>>193
「どんなこと……ですか、ふふ……まずはこんなことを……」

ノリノリで五本の指先を触れるか触れないかくらいで雪の全身に這わせる。焦らすようなソフトタッチ。敏感な部分は避けるように……

「それから……こうげっ!」

後ろに回り込んで胸を揉みにいったところで気がついた鈴に後ろからかかと落としからそのまま床に踏みつけて叩きつけられる。粛清。

「まったく……油断もスキもないヤツだよ……」


198 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/17(金) 10:22:40.56 ID:NwsatuixO
>>193>>197
「な、何か可笑しかったかな……?」
鈴の反応に恥ずかしがる様子を見せる。
戸惑い自分の姿を確認するように視線を走らせる。
その光景の限りでは大人びた印象は与えない普通の少女に見える微笑ましい仕草だ。

「別に……なんでも」
「わ、私も希望は……」
揃って悩ませる回答をぶつける。
といっても、綾に限れば鈴が作った物なら何を出しても喜びそうだが。
「あ、その、嫌いな食べ物とか、アレルギーとかは無いから、大丈夫、です……」


「……」カタカタ
橡の視線が向いているのに気付くと、弟にしがみつき震える。
身体の全てを押し当てられている少年の顔がゆっくりと赤らんでいくのが解る。
199 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2014/10/17(金) 10:24:53.41 ID:nTQQxlv20
なっ!(やや反応を遅れたがベターな対応と反応で凌ぐと同時に攻撃されたポイントにゴム弾の銃を構える)

中々興味深い代物じゃないか面白い(敵意を隠さずに瞳に闘志が宿る)


ああこれは失礼ぼくの名前は翼ある銃ことヒルベルト
フルネームはぼくから名乗れないから翼ある銃で調べて欲しいな


でこれはレーザー撃てないように破壊したりしてもいいのかい?
200 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/17(金) 10:31:50.31 ID:NwsatuixO
>>199
「その割には、簡単に素性を明かすな。
 少しは出し惜しみしたらどうだ、僕の興味も長くは持たんぞ?」
クク。と邪悪さの見える笑い声を響かせると機械の座の上で手を伸ばす。
レラの指差した虚空。丁度振り返った男の背後にはまたも小型の機械。

「方法は問わん。
 破壊できるものなら砕いてみせろ。
 そう言った限りは……楽しませてくれるんだろうな」
銃を構えた先には既に機械の姿は無い。
背後の物と併せて二つ。男を嘲笑うかのように周囲を飛び回りレーザーを吐いていく。
立ち止まり、構える隙を見せたなら、その瞬間にも穴が開いてしまうだろう。
201 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2014/10/17(金) 10:46:15.73 ID:nTQQxlv20
僕からフルネームは名乗れないだけだからね

じゃあ遠慮なく!(攻撃に素早く反応して攻撃を飛ばしてきたポイントに銃弾を撃つ)

これねP50と言って防火扉すら貫通するんだ下手に攻撃ポイントと自信の姿を重ねたりすると


最悪一瞬で絶命するからそういうことはするなよ(柔らかな雰囲気が消えて敵意全開でレーザー攻撃を危うげながらも対応する)

さあ何発撃ち込めばそのレーザー兵器は破壊されるのかな!
202 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/17(金) 11:00:36.67 ID:NwsatuixO
>>201
「なんとでも言っていろ。
 説いたとは飽くまでも礼節の話だ。貴様の名に興味は無い」
P50の防火壁すら貫通する威力の前に、小型の機械では成すすべもなく撃ち抜かれれば粉々になる。
飛び散る破片の数は凄まじく、膨大なパーツが使われた精密機械なのだと解るだろう。

「フン……その程度はなければ話にならん。
 貴様如き凡人がこの天才である僕の心配など、不要だ」
レラの手に握られていたのは同系統の機械。
やはり自ら飛び立ち男の周囲へと着けば隙を見て光線を撃ち込んでくる。
「この程度なら幾らでも持てるからな?
 さぁ、そのまま踊るだけでは先に朽ちるのは貴様だぞ?」
男を煽る口調で笑みを零しながら機械の座から見物する。
確かに、飛び回る小型を相手取るだけではレラへのダメージは皆無。
しかし、レラへと意識を向けた途端レーザーマシンの無慈悲な一撃が迫り、留まらせようとしてくる。
203 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2014/10/17(金) 11:14:49.73 ID:nTQQxlv20
くう!
優秀な自動操縦兵器より強い!(必死に攻撃を避けて手元から麻痺銃を取り出しレラに撃つ)

銃のエキスパートと呼ばれたぼくを舐めるな!(なんとかレーザー弾幕をかいくぐりながら対抗する)
204 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/17(金) 11:21:40.96 ID:NwsatuixO
>>203
「撃ち込めるだけ評価しよう。
 だが、コース、弾速。全て読めているぞ?」
もう一つの銃を取り出したのを見てから、機械の座席に円周状に設置された鍵盤から伸びる操縦桿をいじる。
機械を移動させ難なく躱す少女は、またも悪い笑みを見せるとこちらも銃を取り出した。
どこのモデルでもない、シンプルに染まったデザインのそれを構え、二つの小型機械が作った男の隙に打ち込んでいく。
発射されるのはやはり光線。これもオリジナルのマシンだろう。
205 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2014/10/17(金) 11:31:44.47 ID:nTQQxlv20
ありがとう囮に引っかかってくれて(心底嬉しそうに報告し、サイレンサー付きの麻痺銃を囮の麻痺銃と時間差で撃ち跳弾でそちらに本命の麻痺銃の弾丸が向かう)

銃のエキスパートを舐めるなと言ったはずだ!
206 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2014/10/17(金) 11:33:24.66 ID:nTQQxlv20
とはいえこのままじゃジリ貧だな本命攻撃よ通れ!
(必死に攻撃を避けなんとか活路を乱そうとする)
207 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/17(金) 12:05:56.26 ID:NwsatuixO
>>205
素直に直線的な攻撃だけで当たるわけがない。
苦し紛れの攻撃だけにも感じない。
その裏にあるものを頭の中で完全に再現し、ニタリと笑んだ。
「言っただろう、看破済みだと!」
無音で放たれた弾丸と交錯する光の線。
レラが新たに射出した小型の機械が本命の一発を打ち砕いた!


が、次の瞬間レラの身体が大きくグラつく。
「うぉっ!?」
初めに放った囮の弾丸がX字の機械の脚を撃ち抜いたのだ。
破壊するまでには至らなかったが、その分脚を押しバランスを崩した。一大の隙が顕になる!
208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2014/10/17(金) 12:29:33.21 ID:nTQQxlv20
はいチェックメイト(銃口を見せたあと銃を撃たずにしまいだす)

じゃあ反省会だねえ
予算が許すなら防弾チョッキなどを装備して耐久を上げてほんのりブレ撃ちもできるように機能を追加させよう

ブレ撃ちもできると計算崩しやすいし君の知能なら有効に利用できるだろう?

ただの殺し屋なら今のままで行けるだろうけどねぶっちゃけ護衛役からしたら護衛面倒だからある程度はそっちで対策して欲しい
209 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/17(金) 13:00:43.41 ID:NwsatuixO
>>208
バランスを崩したまま動き、壁に衝突すれば小さな身体が転がっていく。
「うぁっ!」
そのまま地面に落ちて、腕を擦りむいてしまったらしく傷ができ血を滲ませていた。

近くに寄られると不機嫌そうに口を開き。
「フン、少し遊んでやっただけだ。
 今回は機械の調整不足。テストの一貫だ」
210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) :2014/10/17(金) 13:22:06.69 ID:nTQQxlv20
おやおや
救急セットあるけど使うかい?

貴様如きが天才の心配など無用だ!
と息を荒げ言ったのは誰だったかな
はて?
211 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/17(金) 13:41:47.54 ID:NwsatuixO
>>210
「フン、この程度……必要ない」
そうは言うが腕を抑える顔は苦痛に歪んでいる。
はっきりと強がりだと解ってしまうだろう。

「だから心配は要らん、さっさと去れ。
 貴様の実力も測れたしもう満足だろう」
視線を合わせようとせず剥れたまま、乱暴に吐き捨てる。
212 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2014/10/17(金) 13:50:58.17 ID:nTQQxlv20
あとで返してね
はい救急セット(鞄から出して下にティッシュを敷き救急セットを置く)

で君の模擬戦の最中の強気の姿勢はどこに行ったのかな?
天才さん♪
213 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/17(金) 13:55:59.99 ID:NwsatuixO
>>212
「フン、そんなものに頼る必要は無い」
鼻を鳴らし睨みつける。
意地になったのかポーチから取り出したナイフでTシャツの裾を切ると傷口に巻き付けた。
丈の短くなったシャツから少女らしく愛らしい細腰が覗く。

「チッ……僕が折れたと勘違いされても困るな。
 言ったろう? 貴様の実力を見せてもらうだけだとな」
214 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2014/10/17(金) 14:15:41.84 ID:nTQQxlv20
腰見えてるんだけど

じゃあなぜ天才と言ったのか
ってレラさんぼくあまり君にストレス与えないように言われてるんだよ

あまり挑発しなさんなついからかってしまう
君は可愛いから尚更
215 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/17(金) 14:26:21.52 ID:NwsatuixO
>>214
「破ったんだから当然だ。
 き……貴様が見なければいい話だ」
そうは言ったものの経験がなくそれとなく腕で腰を隠してしまう。

「フン、僕は紛う事ない天才だからだ。それくらいも解らないのか?
 今回はマシンが調整中だったからな、少し不備があっただけで貴様なんかに遅れを取る訳がない」
一を言えば十で帰ってくるレラの口。
今も噛み付こうとばかりに向かうが、傷付いた右の二の腕を押さえる余り胸が押し上げられヒルベルト好みの絶景を作り上げている。当然本人は気づかない。

「ぼ、僕を靡かせようとしても無駄だからな! 凡人に興味は無い!」
可愛いと言われれば意識せず取り乱してしまう。
声を荒げて否定するがその頬は赤く。
216 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2014/10/17(金) 14:52:57.98 ID:nTQQxlv20
ころしやに普段と違う光景を見せられて対応できるとでも?

スナイパーだっているから違和感を感じたらぼくは即座に反応する体質なんd、
いいこと考えたほら上着着なよあげるもらいたくないなら返してくれれば良い

不備?
あれだけ死角はないと言ったのは君だよ


あはは!
やだなあなにを言ってるんだい凡人じゃない結果今ぼく出したよ?
しかも狡い手を使わずに割と正当な勝ち方だったはずなんだけど
217 : ◆DfkujouDJE [sage]:2014/10/17(金) 14:56:53.35 ID:k27lMafxo
>>197
「うんうん、それを誰にしたのかもちゃーんと話してね?」
踏まれる伊織の横にしゃがみ、いつものように会話を続ける

>>198
『......?』
完全に仕事モードが抜けきったのか、何をしているんだろうと言うような視線である
218 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/17(金) 15:10:49.40 ID:vxyvPON5o
>>198
「なあに、おまえがオカシーのはいつものコトだろ?」

イタズラっぽく笑いながら冷蔵庫の方へ歩いていく。

「今日は昼ここで食べるつもりだったから朝練サボってマンゴープリンと杏仁豆腐作ってたんだよ、食べるだろ?どっちがいい?」

アルビノに尋ねながら冷蔵庫の中身を確認。

「じゃあレタスチャーハンとマーボーナスでも作るかな」


>>217
「くおお……」

かかとを食らった頭と床に叩きつけられた顔を押さえてもぞもぞしている。すごく痛そう。
219 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/17(金) 23:43:28.24 ID:ZRoTtrreo
>>216
「フン……」
素直に上着を受け取り袖を通す。
小さな身体には不釣り合いな丈だが身体を隠すには丁度よかった。

「馬鹿が。貴様を見るテストだと言った筈だ。
 そもそも僕と貴様、天才と凡人を比べる必要が無い。そもそもの造りが違うからな」
毅然として優位を主張していくレラの表情には曇りが無い。
床にぺたりと座り込み、患部を押さえたまま睨みつけるレラ。
「ほら、もういいだろ。テストも終わった、帰れ」
丸腰で戦闘力を持たないにも関わらず、その瞳は攻撃的な威圧感を持っていた。
220 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/18(土) 00:01:10.89 ID:EK+Ze6MYo
>>217
「いや、え、あの、その……」
鈴の言葉によればスイカと言うらしい少女。
橡が視線を投げ掛けるだけであたふたと視線を、身体を小刻みに揺らす。
その度に揺れる胸。とてつもないボリュームは正しくスイカと呼ぶに相応しかった。

「ごめんなさい!」
困った結果謝る。

>>218
「なんだいそれ」
フッ。と吐いた息は心底残念そうな物。
「逆に、キミは意味もなくああいう表情はしないからね。何かあったのかと思ったけど」
剥れた様子すら見せながら、向けられた問に対する言葉を悩んでいた様だが。
「ん……キミのお誘いは魅力的だけどね、僕は遠慮しとく」


「あっ」
ヘルメット越しに口元に当てようとした手がペチンと鳴る。
「で、できれば、冷たいものが……いいです、ごめんなさい」
綾さんは知ってるだろうし(実は覚えてないけど)、伊織くんには知られちゃったけど、この人はまだだったな。って。
221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) :2014/10/18(土) 23:58:18.78 ID:wBJpF2IV0
小ちゃい胸は特大なのに

凡人に模擬戦とはいえ負けた気分はどうかな
222 : ◆RYO/n8uupE :2014/10/19(日) 00:35:30.62 ID:Yc5WNlF/o
>>221
「ジロジロ見るな変態!」
座りこんだまま平手を向けて視界を遮る。

「たかが二つ、それも自動操縦を往なした程度で勝った気になられても困るな」
少女の背後から浮かび上がる六つの機械。
表情がニヤリと不敵な物に変化すれば、少女の背後で規則正しくフォーメーションを組んでいく。
「解ったか。さっきのは唯のテストだ」
223 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2014/10/19(日) 01:22:12.82 ID:vOp3m0Dt0
自意識過剰ジロジロとは見てない


あのさやる気なのはいいけど
本気だすと跳弾や極限状況の超反応で君を[ピーーー]ことになるからぼく本気出せないんだけど

天才の君なら当然強力な防具を装備してくれるよね
224 : ◆RYO/n8uupE :2014/10/19(日) 01:39:46.94 ID:Yc5WNlF/o
>>223
「クク……。
 僕も本気を出してないと言っているだろうに。
 [ピーーー]だの本気が出せないだのと、それこそ自意識過剰だな」
うんざりした様子で言い放つ少女は事も無げ。
極度の自信から放たれた言葉は幼子でも相手にするかの様な口調だった。

「必要になればな。
 少なくとも貴様程度では必要ないと言うだけだ」
225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2014/10/19(日) 01:43:26.98 ID:vOp3m0Dt0
やれやれ勝ち気なことで

そもそも君ねぼくは基本的には護衛なんだけどさっきだって破壊するのにこそ実銃を使ったけど
君に撃つときは麻痺銃使ってた
226 : ◆RYO/n8uupE :2014/10/19(日) 01:55:25.77 ID:Yc5WNlF/o
>>225
「だったら何だ。
 今のが実銃だったら死んでたとでも言うつもりか?
 模擬戦だと言いだしたのは貴様だろうが。僕もテストでなければ二本じゃすまんぞ」
翅を畳み小さな棒状になって少女の手のひらへ落ちて行く機械達。
そのサイズが併せ持った捉え難い速度と攻撃性。彼女の持つ科学力・技術力の異常さが窺えるだろう。

「さ、て……貴様と下らん話をしている内にテスト項目も大凡練り上げられた。
 僕が此処に居る用は無いからな……自分の小屋へ帰らせてもらおう」
すくりと立ち上がるとほんの僅かも糸を引かせず背を向ける。
ホバー四脚の壁との接触部分を軽く眺めた後、ポーチから器具を取り出した。
「外傷は無いな、処置をすれば帰るまでは持つか」
227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2014/10/19(日) 02:17:41.41 ID:vOp3m0Dt0
そもそもハンデや枷を付けて怪我しにくいような細工して欲しいんだけどね

小屋ってなんだろう依頼主に聞くか
228 : ◆RYO/n8uupE :2014/10/19(日) 02:29:46.02 ID:Yc5WNlF/o
>>227
「もう貴様に用はないだろう。
 勿論僕には無い。さっさと消えろ」
作業に集中し、視線は向けられていなかったが相変わらず敵意をむき出しにしたまま。
暫くすれば、処置が終わったらしく四足ホバーに乗り込み小屋へと移動して行く。

小屋はレラに与えられた作業スペースのようなもので、高校の敷地の端の方に設置されたものらしい。
ここの持つ独自の科学力を利用することを条件にレラを招き入れたそうだ。
229 : ◆DfkujouDJE [sage]:2014/10/19(日) 17:02:37.72 ID:+PVzhl2Co
>>218
「嘘はぜったいにダメだからね?」
鈴に踏まれる伊織を見るのに慣れてしまったのか、そのまま話し続ける
もしかして内に秘めたるSっ気なのだろうか

>>219
『えっ?あの......えっ......?』
突然謝られて困惑する少年



〜〜〜〜〜〜〜〜〜家庭科室ではないどこか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

???「どこかで喧嘩を売られたような気がします」
230 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/19(日) 17:39:02.42 ID:Jpf3Naj4o
>>220
「べつになにもないさ、なにもな……そっか、残念だな」

目をそらしながら答える。もっとも、さっきから一度も目は合わせていないのだが。


「うーん、じゃあ冷やしラーメンにするか。レモンとごま油で…………………………
そんなのかぶってちゃ食べられないだろ、ふざけてないでとれよ……戦闘中じゃないんだからさ?」

変なヤツだなといった様子で言った。

>>229
「ふう……嘘なんてつきませんよ。そこで謝ってるヘルメットの人です。仲良くしてあげてくださいね」

全く悪びれる様子もない!
231 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/19(日) 23:02:44.26 ID:Yc5WNlF/o
>>230
「詮索はしないが……悲しいな」
こちらは鈴を愛しそうに眺め、悲哀を紡げば儚げな瞳を見せる。
願いの叶わない、その表情は切に寂しそうに鈴を見ていた。
「……ん?」
その悲壮を止めたのは黒の少女。
白の袖に触れ、目を合わさせれば静かに引く。
「あぁ……解ったよ」
黒の少女を見て、緩く微笑みかけると隣に座り食事を再開させた。


「……あっ」
両手をヘルメットに添えての呟きは真に忘れていた様子。
おどおどを再開させて声が震え始める。
「えっと、じゃあ、ご飯ができたら……とります……」


>>230>>231
「ふぇっ!?」
伊織による突然の紹介にビクッと身体が跳ねる。
メット越しの視線が恐る恐る雪に伸び、カタカタとぎこち無く頭が下がっていく。
「よ、よろしく、おねがい、します……」
232 : ◆DfkujouDJE [sage]:2014/10/20(月) 05:31:33.59 ID:93tFnb1Yo
>>230
「うん、ちゃんと教えてくれて嬉しい!でも、これからは私に聞かれる前に自分から報告してね?」
浮気は報告さえすれば全面容認のようである
悪びれる様子のない伊織も伊織だが、それを笑顔で受け入れる雪も雪である。

>>231
「んー......スンスン......この匂い......」
『おじょうさま?いったいなにを......?』
橡の言葉は意に介さず、スイカに少し近寄り匂いを吸い込む雪

「......よろしくねっ!」
何かに納得したような顔をした後、笑顔で挨拶を返す
233 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/20(月) 11:29:49.14 ID:cOuuXmaHo
>>231
「っ、なんだよ……そんな顔するなよ……」

気まずそうに、しかし料理の手は進めていく。

「……お前も変なヤツだな……」

彗華をジト目で見ながらも手際がいいとかそんなレベルを超えた正確無比な早業で具材を刻み、タレを作りからめ、沸かしておいた湯に麺を放り込む。

>>232
「はい!素敵なハーレムを作り上げていきましょうね!オウ……」

両手で雪の手を握ろうとしたが、彗華のところへ行ってしまったようだ
234 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/20(月) 13:36:09.29 ID:qgms+y4Xo
>>232
「な、なんですか……?」
近寄られると身を強張らせる彗華。
スンスンする雪の狙いが解らないでいるも、色々やってしまった匂いを探られている気がしてカッと身体が熱くなる。

「あっ、えっと……はい。
 よろしくです……雪ちゃん」
伊織の行動を容認する雪の大きさを感じ取りつつ、ぎこちない言葉を返す。
雪の容姿を見て感嘆するがここが男子高なのに。とは頭が回らないようだった。

>>233
「悪いね……僕は、こういう人間みたいだ」
偶に見せたしおらしい表情、雰囲気は普段の空気から一変する。
年齢相応な、もしかしたらもっと低い、少女然としたか弱さを感じさせていた。

にゅっ。
鈴の視界に突如入り込む紫色。
卓越した手さばきを隣に並び眺めるゼオラ。
「……」
無言。

「あの……ごめんなさい」
視線を向けられる度に弱々しくなっていく彗華。
ヘルメットを押さえ込んで小さくなっていった。
235 : ◆DfkujouDJE [sage]:2014/10/21(火) 00:31:27.10 ID:n7ix8cEuo
>>233
「......最後に戻ってきてくれれば、ね。」
戻ってこなければ......というような言い方である

>>234
「ねえねえなんでヘルメット被ってるの?」
下から覗き込む雪。近い。
236 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/21(火) 09:42:16.80 ID:3I/w3YKAo
>>234
「やれやれ、もっとしっかり食べとけ、お腹すいてると暗くなってくるからな!」

有無を言わさずアルビノの前にも冷やしラーメンを置いた。もはや芸術的レベルにカットされた白髪ネギとごま油の香りが食欲をそそる!

「おう、ヒマなら運ぶの手伝ってくれ」
「リョウはネギ平気だっけ?」
「ほら、お前も暗くなってないで食べよう!」

茹で上がった麺を流水で洗い、氷水でさらに冷やしてから水を切り、冷たいスープの入った丼に入れ、更にタレを絡めた白髪ネギを盛りつけていく。

>>235
「ふふ、僕はあなたが望む限り、いつだってあなたの傍へ馳せ参じますよ……」
237 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/21(火) 10:21:35.53 ID:8H+nPf+bO
>>236
「……いいよ……」
なんとも力無い了承の言葉。
綺麗に盛りつけられたラーメンを一つだけ両手で掬うように取って運んでいく。一つだけ。
「重い……」


「僕はそういうつもりじゃ……あぁ、やはり……」
有無を言わせず目の前に置かれたラーメンに鈴を見つめ。
座ったまま静かな瞳で見上げていれば、ため息を吐いて首を振る。
「いいよ。やはりコレは受け取れない」


「ネギは、大丈夫」
「あ。ありがとうごさいます……」
二人別々の反応を見せると互いに受け取って。
綾は完成度の高いそれを一通り見つめれば、問題なく口に運ぶ。

>>235
が、もう一人の少女は至近距離から向けられる視線に戸惑っていた。
「えっと、それは……ですね……」
下を向いた視界の端から覗き込んでいる雪が見える。
それだけで声が震え、弱々しさを増長させていた。
「と、とりますから、ちょっとまって……」
鈴のラーメンが運ばれてきた為、取らないわけにもいけなくなって。
ゆっくりとヘルメットを外していけば、深い緑に黒のメッシュが入った肩までの髪が流れる。

「ああぁ……! あの、こっちみないでください……」
顕になった少女らしく愛らしい顔。視線は視界の端でだけ雪を捉え。
目を向けられるだけで自然と赤くなってくる顔を手で覆っていく。
238 : ◆DfkujouDJE [sage]:2014/10/21(火) 23:01:28.26 ID:n7ix8cEuo
>>236
「そう言ってくれると安心だよー」
にこにこしながら振り向く雪

>>237
「んー、可愛いのになんで隠して......?スンスン......」
ヘルメットを取った相手の顔を可愛いと表現したが、その直後再び匂いを嗅ぎ

「......いか?」
イカの匂いがする?いやいやそんなバカな
239 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/22(水) 01:43:56.89 ID:uH13kx9ro
>>237
「せっかく一生懸命作ったのに食べてくれないのか……悲しいな」

悲しいな返しである。

「とまあジョーダンはさておき少なめに盛ってあるしさっぱりしてるからさらっといけるはずだぜ?それともネギダメなのはお前の方だったか……」

しまったといった表情

「どうぞ召し上がれ……(か、かわいい……)なるほど、そんな顔で歩いてちゃ危ないもんな……男子高なんてのはイオリみたいなオオカミだらけだし……」

ヘルメットの意味を野郎よけだと思ったらしい

>>238
「ふふ……そういえば今日は楓さんは一緒じゃないんですか?」
240 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/22(水) 02:06:53.15 ID:D6j3vU05o
>>239
「今は、キミのものを受け取る気にはならないんだ。
 暫くすれば、その理由も話すしそうすればまた一度、キミに腕を奮って欲しい」
頑なに拒否を続け頑固なまでに食べようとはしない。
鈴の悲しげな表情に罪悪感はやはりあるのか、冷ややかなまでに澄んだ瞳は逸れていく。

>>239>>240
「ぇ、あ……いか……?
 ……! きっ、きのせいですよところでおいしそうですねこれいただきますね!」
二度も突く鋭い無自覚な呟きにパッと顔を赤く染めて。
ラーメンに手を付けるとずるずると啜って証拠隠滅を計る。
「あっ、これおいしいですよすごいですね!
 あーっ……その、おいしい、です……ほんとに、おいしい……です」
勢いで誤魔化そうとして味をアピールしようとするがほんとに美味しくて驚いて。
その味で冷静な思考を取り戻すとゆっくりと噛み締めながら食べ勧めていく。


「おねえちゃんはひとみしりなんですよ」
バイクの座席下でシェイクされてぐちゃぐちゃになったお弁当をつつきながらフォローに回るショタ。
綾の隣に座って時折隣の先輩をちらりと見やり、乙女のような顔で見つめていた。
「えぇっと、ごめんなさい……ちょっと、人と話すのは、苦手で……」
カク。と首を下げまた謝罪を口にするが、少しして持ち上がる。
「あれっ? ここ男子高、ですよね?」
不意に向いた視線は、弟と同じ綾の元。
241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2014/10/23(木) 20:29:10.02 ID:caU2RKadO
おや仲良いね

バナナぜんざいください
242 : ◆DfkujouDJE [sage]:2014/10/23(木) 20:33:59.81 ID:/LgM9VsXo
>>239
『おねえちゃんはいまおしごとでかいがいにいます』
雪の代わりに答える橡

>>240
「......?」
明らかに不審がっている

「うん、男子校だよ?」
なにがおかしいのかと言わんばかりの解答である
243 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/25(土) 13:45:38.62 ID:kB/O6/Mgo
>>240
「君のものをうけとる気にはなれないってキツいなあ!やれやれイオリ、食べていいぞ」

おどけたような口調で返すがちょっと無理してる感が綾あたりにはわかるかもしれない。

「おう、そうだろ?前にラーメン屋で食べておいしかったのを再現してやろうと思ってな!
色々がんばったかいがあっt……リンゴ、お前それ、えらいことになってるな…………」

喜んで食べている彗華の姿に気を良くしたようだ。

「ああ、そうだぜ。だから気をつけろよ」

既にサラシは巻き直してある。

>>242
「そうでしたか……マッサージをしてあげようと思ったんですが」

両手を後ろから胸を下から揉むようにワキワキさせる。
244 : ◆RYO/n8uupE :2014/10/25(土) 16:15:45.88 ID:/DTrovEbo
>>242
「ふ、ふふふ……気のせいですよ。もう大丈夫です」
両手でお椀に手を添えて、スープを少し口に運んで。
美味しさに自然と緩んだ口で、安堵の表情を浮かべた。

「あっ、雪ちゃんも食べますか? 美味しいですよ」
箸を上に乗せたお椀を差し出して。

>243
「飽く迄も今は、だ。
 それに、僕も悪いと思って無い訳じゃない……」
なにやら噛み合わせの悪そうな二人の様子を心配そうに眺める綾。

「はい、とっても美味しいです!」
「あはは……ぐちゃぐちゃなのはざんねんですが、おねえちゃんがとどけてくれたのでぼくはうれしいですよ」
二者趣のある笑顔を見せる。
少年は笑顔で小さなお弁当箱をつついていた。


「んー……? 男子高、ですよね?」
附に落ちない顔をしている彗華。
雪に視線を向けるが、自分と同じようなものなのかもしれないと考えて。
綾に向いた視線は訝しむ物で、林檎と交互に向けられている。
「……?」
245 : ◆DfkujouDJE [sage]:2014/10/27(月) 04:47:38.30 ID:IXZBqp7Co
>>243
「......あんまり嫌がる相手にはしちゃだめだよ?」
伊織の浮気は公認するが、同時に家族同然に思っている楓の悲しむ姿も見たくないのである

>>244
「んー......鈴さんの料理は美味しいですけど、橡くんが作ってくれたのもあるし......」
そんなことを言いながら、それだけで腹が膨れそうな程大量の錠剤を橡から受け取る
もともと小食な上にこんなに薬を飲んでいてはあまり量を食べることはできないであろう

「そうだ、橡くんの作った料理もみんなで分けませんか?」
九条側のテーブルには高級フレンチのコースでも注文したのかと言わんばかりの料理が並ぶ
従者の少年が作ったとは思えない程の料理である

「男子校、ですよ?」
246 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/10/27(月) 17:35:43.90 ID:D0QnNxnio
>>244
「……」

かなりいやーな空気が流れている。

「ズズズズズッ!ハムッハフハフハムッ!」

そんな中でも伊織はお構いなしで鈴のラーメンをすする!


「そっかそっか!それはよかった!スープはまだ冷凍してあるから持ってってくれていいぜ、リンゴもまた家で食べればいい」



>>245
「そうですね……もっと喜んでもらえるように腕を磨きます!」

違うそうじゃない


「ふむ……なるほど……うん、うん……さすがだなあ……」


目をキラキラさせながら橡の料理を楽しむ鈴
247 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/27(月) 18:22:52.68 ID:/uZ3taJDO
>>246
「何を言っても、僕は応じない。
 そのまま黙っているのが正解だよ」
とだけ口にすれば鈴から目を離していった。
綾も二人を眺めるだけで、アルビノが視線を逸らしたのを見ても二度瞬くのみ。


「わぁ、じゃあ貰っちゃいますね」
「ありがとうございます」
二人して席についたまま頭を下げる。
ピンと伸びた少年の赤い髪が揺れた。


>>247
「んー……ふれんち。ってやつでしょうか」
口元に手を当ててじーっと見つめる少女彗華。
注視した瞳の間に皺をつくり、頭に疑問符を浮かべる。
「食べたことないから、よくわからない、かな」

「……もぐもぐ」
気付けば黒衣の少女がフォークと取皿を準備して橡の料理を口に運んでいる。


雪から告げられる事実の再確認。
じーっと、みんなを順番に眺めて最後に綾の元へ。
確かめるように視線を強めて、確認の言葉を口にする。
「綾さん。
 綾さんって……女の子ですよね」
248 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2014/10/27(月) 18:32:11.39 ID:cVktReJk0
()

(あれ?ぼく無視されてるのかな)
249 : ◆DfkujouDJE [sage]:2014/10/29(水) 23:00:23.39 ID:5mdD/v41o
>>246
「一応言っておくけど楓ちゃん少しも喜んでないよ?」
ジト目である

『きょうしゅくです』

>>247
「食べてみればわかりますよー。」

「......?」
質問の真意を掴みかねているといった様子
250 :霜月 ◆f7JK9RIN.g :2014/10/30(木) 00:23:03.79 ID:Y1uUj152o
>>247
「はあ……いちいちイヤミ言わないと気がすまないのかよ……」

怒りや悲しみというより呆れた様子で独りごつようにつぶやく。

「おう、冷凍室の右手前のジップロックがスープで麺は冷蔵室の左下に入ってるからな。麺は雪平鍋くらいの〜」

軽くおいしく作るコツなんかを教えた。

>>248
(誰だろう、あやしいヤツがいる……)

>>249
「うぐっ!?そんなハズは……」

何故かショックを受けている。


「前にホテルで食べたコースに近いな……単純にうまい!っていうんじゃなくてこう、味が複雑で……なるほど、こんな味がするのか!って食を楽しむような……うん。
もう全部出てるから待たなくていいからいいな、へへっ」

上品にナイフとフォークを使い、食を楽しむ鈴。
251 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/10/30(木) 02:14:48.07 ID:AUI9H3QSo
>>248
「……」
無言の瞳を向ける綾。
視線は一つのみで、髪に隠れた左半分からは何も感じることが出来ない。

>>249
「そ、そうですよね……あっ、ありがと」
横から差し出されたお皿とフォーク。
黒衣の少女からそれを受け取ると頭を下げて。
「じゃあ、ちょっだけ、貰いますね」

>>250
「そうだね……今はそうとでも言っておかねば僕の気が持ちそうに無いのさ」
すっ、と席を立てば鈴の横を通り家庭科室を後にしようとする。
背中合わせになった途端、思い出したように立ち止まり口を開く。
「そこの冷蔵庫の中にケーキがあっただろう、良ければ食べてくれ」
とだけ告げて去っていった。

「はぁ、なるほど……」
説明を真面目に聞いては居るが帰る言葉は何処か空虚。
というのも、料理の心得が無いらしく半分も分かってなさそうだった。



「ん……」
「えっと、小さいころに会ったときは、黒い着物を着てたかわいい女の子……でしたよね?」
「んー……」
疑問に対し曖昧な返事。
彗華の疑問ももっともだが、綾は彗華の事も含めその記憶を思い出せないでいた。
静かな二人の間に割り込む、小さな少年の声。
「えっ? 綾せんぱいはおんなのこ……? なんで?」
林檎にも綾との記憶は無いのだろう、頭には疑問符。
まさか自分の姉が知りあいだとすら、思ってなかった様子で。
252 : ◆DfkujouDJE [sage]:2014/10/31(金) 08:18:08.39 ID:JMmaPvc6o
>>250
「相手の同意が得られない浮気は許さないからね?」
雪の中にも一定の基準はあるようである

『このりょうりはペラペーラ』
事細かに説明している。本当にこいつ子供か。


>>251
「どうぞ〜」
一方雪は大量の薬を飲み始めている
253 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2014/10/31(金) 23:40:35.31 ID:TUyjIiNr0
>>250
教師の顔くらい覚えて欲しいんだけどなあ
怪しい者だけどよろしくね

>>251
感情込めずにこちらを見るとは驚き
なにか訓練を受けているのかい?
254 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/11/01(土) 00:54:21.38 ID:icVkBgqFo
>>251
「……なんか聞いてほしい話があったら聞いてやるからな。
 それから、俺がお前のよこすもの食べるときはお前が俺の出すもの食べるときだ」

最後はそう悪くない雰囲気で別れたようだ。


「大丈夫か……?何もムズカシーことは言ってないぞ?」

しょうがくせいでもわかる!かんたんならーめん!レベルで話したつもりだった。実際スープを温めておいて麺をゆでるだけである。


>>252
「同意が得られない浮気……そんなモノあるんでしょうか?」


真剣に考えている。


「たいしたもんだな」


>>253
「……なんか火薬くさいな……工事の人かな?」
「……へえ」
255 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2014/11/01(土) 01:05:03.94 ID:jIRIuyN60
火薬?ああちょっとね
というわけでバナナぜんざいください!
256 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/11/01(土) 10:28:07.20 ID:UUts9oqio
>>252
「薬って……そんなに飲んでも大丈夫なんですか?」
かえって危ないんじゃ。と心配そうに目を配る。

「では、いただきます」
フォークを使って取皿に移し、
一口食べれば、ぱっと少女の顔が明るくなる。
「ふふ、美味しいですね、これ」

>>253
「別に」
顕になっている右目から向けられる視線の色は皆無。
しかし、全てを隠しているというよりは端から何もないといったような趣き。

>>254
「……」
「……」
無言の視線が二人に向けられていた。二人分。
静かに佇む綾と、チョコケーキを頬張るゼオラ。

「な、なんとなくわかったのであとはおかあさんに聞いてみようと思います……」
ところどころとったメモを見つつ、返ってくるのは不安げな声。
というのも彗華、料理に手を付けたことは一切無い。
257 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2014/11/01(土) 14:49:56.86 ID:jIRIuyN60
えーと君別にから会話盛り上がれないよ!
258 : ◆DfkujouDJE [sage]:2014/11/03(月) 02:51:25.66 ID:khqb2QB8o
>>254
「......。」
ジト目で見てる。めっちゃ見てる。無言の圧力である。

>>256
「ちゃんとお医者様の指導のもとですからー」
食前、食中、食後に分けて3つの山があるが一山だけでヤバそうな量である

「でしょう?橡くんの料理はとても美味しいんですよ」
『おほめにあずかりきょうしゅくです』
259 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/11/03(月) 10:30:31.24 ID:5uDvE6Xzo
>>255
「そんなもんないぞ……」


>>256
「……なんだ?」

視線に気付き、話しかけた。

「……大丈夫か……?」
「台所爆発とかしそうですね……」

心配そうな鈴とバイク暴走させたことを思い出しながら苦笑いの伊織


>>258
「♪」

気付いているのかいないのか、暖簾に腕押し糠に釘といった様子でへらへらしている。
260 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/11/03(月) 13:54:57.68 ID:9kbIfI22O
>>257
「そう」
伏見がちになった瞳は表情の変化なくとも微かな後ろめたさを感じさせた。
「こういうのは、苦手」

>>258
「そ、そうなんですかぁ」
だからと言って不安は拭えないが医者を引き合いに出されては口籠るしかなく。
心配そうな視線を控えめに向けつつも、むりやり納得させたのか頷く。

「この子が作ったんですか」
くる。と視線こそ僅かに逸れていたが橡の方を向き。
「まだちっちゃいのにすごい、ですね」
と、穏やかな笑みを作って讃えた。
そのゆるさや物腰の柔らかさは何処か雪にも似た雰囲気。
体躯に比例しない胸の大きさも同じで、ノーブラなのも災いしてかなり自由に跳ね回っている。

>>259
「別に……」
鈴に対しても、口を閉ざし目を背ける。
今まで鈴には見せたことがない反応だった。
「……」
一方の少女はケーキを頬いっぱいに詰め込ませて顎を上下させている。
小さな身体から感じる視線は綾の物と同じく空虚だが、彼女の物とは違い真意は感じ取れない。
綾の物を感じ取れた鈴にとって、ただ金のガラス玉にも思える少女の瞳、視線は久々の感覚を与えるだろう。

「お、おかーさんに作ってもらうので大丈夫です、たぶん……」
なんとも不安げな返事。
誰にだってこなせる程度のスキルしか利用しないのなら、問題はなさそうだが……なぜだか少女が不安を煽る。
261 : ◆DfkujouDJE [sage]:2014/11/07(金) 09:58:20.76 ID:PLFzmPWZo
>>259
「......はぁ......。」
まったく、といった具合で諦めたようである

>>260
『ちっちゃ......?......ち い さ く な い で す』
なにかがプツッと切れたように、目から光が失われた感じである
橡は小さいとか言われるとキレるみたいな設定があったのである
決して相手の胸が小さくないと言っている訳ではない。決して。
262 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/11/07(金) 11:10:06.16 ID:n3c0W1Z7o
>>260
「……?」

二人の反応に首をかしげながらも橡の料理を食べるのを再開した。


「重症だな……」

「今度一緒に何か作りましょうか……そしてそのまま……ふふふ……いだっ!何するんですか!具体的には何も言ってませんよ!」

「なんかそういうことやるつもりなんだろ!変態!」

「そういうことってどういうことですか〜?ん〜?」

「い、いえるか!そんなことっ!///」

「そんなことってどんなことなんですかねえ?」

「……よし、いっかい死ぬか」

「あっすみません調子乗り過ぎましたごめんなさい」

「まったく……」

また変なことを言い出した伊織の足を踏み、やめさせようとする鈴とえろいことでからかう伊織のくだらない争いはすぐに終わった。


>>261
「ふふ……アンニュイな顔も綺麗ですよ。でも僕はあのすべてを包み込む女神のような……あの柔らかな笑顔の方が好きだな」

イケメンスマイルでキザったらしいことを言った。
263 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2014/11/07(金) 11:21:13.23 ID:3/Jilw2T0
>>259
じゃあごま団子
>>260
ああなるほどそういうタイプか
264 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/11/07(金) 13:26:32.43 ID:DXFMeJTEO
>>261
「ひゃあぁっ!?
 ご、ごめんなさい!」
自分の半分程度の年齢の少年に凄まれて涙目で謝る。
咄嗟にヘルメットをかぶり、屈んで震えてしまう。
「ううぅ……」

>>262
「……」
「……」
二人は視線を向けたまま口を開かず。
けれども、少女の金と綾の黒い瞳は、絶えず鈴に目を向けていた。

「ふぁあ……お二人とも、仲がいいんですね」
にっこり。
そんな事を口にして柔らかい視線を向けている。

>>263
「そう」
相変わらず言葉は短く。
腰まで伸びた髪をさらりと掻き上げ、口にした。
265 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(SSL) :2014/11/08(土) 06:38:45.21 ID:XkuD9Wbp0
266 : ◆DfkujouDJE [sage]:2014/11/10(月) 04:56:16.16 ID:kx+4Vz4bo
>>262
「......ごまかされないからね?」
ごまかせなかった

>>264
『......いえ、わかってくださればいいんですよ』
一瞬で歳相応なあどけない笑顔に戻るショタ。
むしろその落差が怖い。
267 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/11/10(月) 11:28:00.77 ID:qGdWAKWwo
>>263
「ほら、これでいいのか?」

ごま油の香りが食欲をそそる中華風のぜんざいのようなものを出してきた。なんだかんだ言いながら作ってくれていたようだ。
バナナもスライスされてごま油で揚げられたものが入っている。なんか注文したのとは違う気もするが美味しそうではある。

「ああ、ゴマ団子もあるぞ」

すぐにゴマ団子も追加で揚げて出してきた。


>>264
「そっちの方がいいんじゃないか?こっちは色々ひどい目にあわされっぱなしだぜ?」

やれやれと言った仕草をとった


>>266
「そんなつもりじゃないですよ!?僕の本心ですよ!!!だいいち何をごまかすというんですか……」
268 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/11/10(月) 12:10:08.18 ID:hEr4G3XkO
>>266
「は、はい……わかりました」
ヘルメット越しの視線は橡の輪郭をなぞり、言葉と同じで怒ってないのをなんとなくを理解すると安堵して口を開く。
目線を同じまで合わせれば、不安げに手を伸ばし。
「ご、ごめんね……?」
また逆鱗に触れないかとびくびくしながら声を掛けた。

>>267
「え、へへ……まぁ、私もすこしは……」
何もされなかった訳ではなく、頬を僅かにそめながら喋る。
ただ、ヘルメット越しなのでもじもじした態度くらいしか伝わらないが。
269 : ◆DfkujouDJE [sage]:2014/11/13(木) 20:47:32.11 ID:8EUtngjMo
>>267
「............今後楓ちゃんの嫌がることをしたら、もう知らないんだからね」
非情の通告である

>>268
『いえ、わかってくださればそれでいいんです。わかってくだされば』
どうやらいつも通りに戻ったようである
270 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2014/11/14(金) 15:15:45.35 ID:ygiI1E5oo
>>268
「私も少しは……?」

そっちこそきょうだい仲良さそうだなと言っただけなのによくわからない反応に首をかしげる。


>>269
「はうあ!?」
271 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2014/11/14(金) 21:11:19.72 ID:LSai3Jdwo
>>269
「そ、そうだよね……ちっちゃくないよね。ごめんね」
橡の姿を見渡して、柔らかい笑い声と一緒にそう告げる。

「だって、林檎くんのほうがちっちゃかっしね?」
「ふえぇっ!? ひ、ひどいよぉ……」
くる。と振替ってお弁当を食べていた少年に向く。

>>270
「……へ? あぁ、えっと、林檎くんとはなかよしですよ」
どうやら曲解したあげく、何かよくない事を考えていたようである。

呼ばれて近寄ってきた少年の腕を取り、身を寄せる。
年の差一つの男女にも関わらず、二人の背丈は同じくらいだ。
「お、おねえちゃん……」
否応無しに押し付けられている胸に意識が向いてしまい顔を真っ赤にして俯く。
272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2014/11/20(木) 13:24:12.83 ID:dd1UvKbe0
>>267
これ美味しいね食感がまたいい
ありがたくいただきます(のんびりもぐもぐと食べる)
273 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(広島県) :2014/12/22(月) 00:06:13.03 ID:xRRrL/lfo
274 : ◆RYO/n8uupE :2015/01/13(火) 02:43:11.12 ID:/XYe0poio

「フフ、僕から……逃れられると思うなッ!」
橙色の軌跡が掛ける。
声の向かう先、視線の先には機械の馬とそれを繰る主が居た。
それを追う少女、レラの履いたマシンブーツの炎の煌めき。橙色の奇跡はその光に他ならない。

両者の距離はレラが後方5mと行ったところをキープしたまま並走する。
レラの言葉、表情には余裕が垣間見える通り、わざと距離を詰めていないといった様子。
口端に残る悪意、敵意を征さんと、無機質さをむき出しにした機械の馬が嘶けば、電撃が走る。
馬どころか生物らしさの存在しない、双頭の顔面に整然と並んだそれぞれ12のライト。朱と藍と同じ色の電撃が二本、レラへと伸びる。

けれども、その憎き口は直のこと厭らしく歪み二色の光を受け入れる。
「なかなかどうして……より興味が生まれると言う物だ」
筈がなく。少女との間に光の壁が立ちはだかればそれにより逸らされ散っていく光。
壁を生みだしたのは少女のベルトに取り付けられていた小型の機械。
三つが少女の前方で規則正しいポジションにつき、各々を頂点とした二等辺三角形のシールドを生みだしたのだった。

「十分計れた。もう十分だろう」
この言葉は自分への言葉だった。
機械の馬の目の前にも同じシールドが張られ、馬は機械音を上げながら身体を跳ねさせ急停止する。
その衝撃で主を振り落とした。それを見計らっていたかのように新たなる『頂点』が光線を生みだし従者を檻に閉じ込めた。

「前々から調べたいと思っていたのだ……まぁ、丁度いい機会だったよ」

捕えた。
これほど無いまでに満足げな笑みを浮かべるレラの視線は、振り落ちた主へと向かう。
その瞳は清々しい程に痛く、敵意に満ち溢れた物。むしろ感情的であった。
「貴様は……」
275 : ◆G8KSVj5k4HCf [sage]:2015/01/22(木) 00:11:44.51 ID:MGPg8i2yo
てす
276 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/01/22(木) 00:12:02.01 ID:MGPg8i2yo
やっぱダメか
277 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/01/29(木) 14:23:08.85 ID:FlqJ1wdho
>>274
「うわさ以上にとんでもない学校みたいですね……鈴姉ぇも無理してないといいのですが」

フェンスの向こう側でひとりごつ少女。
278 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/01/29(木) 14:44:29.07 ID:zvlrT/vOO
>>277
捕らえられた異型の馬を檻の至近距離から眺め満足げに息を吐き。
振り返りながら地面に降りて、腕を組むとそのまま帰ると思われた。

「何だお前は。別に見世物じゃないぞ」

校門前は開けた空間になっていて、フェンス越しの視界でも他には誰もいないことが解るだろう。
視線こそ向けないものの、腕を組んだまま一向に動く素振りを見せないレラ。少女の返事を待っているのだろうか。
279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/01/29(木) 15:00:34.51 ID:yrMjJ1XwO
>>278
「そうは言われても……こう派手に暴れられたらつい見ちゃいますよ」

学校指定と見えるカバンの他に楽器かビリヤードのキューのケースのようなものを肩に担いだセーラー服の少女はその凛とした瞳をレラの方へ向けた
280 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/01/29(木) 15:48:39.31 ID:zvlrT/vOO
>>279
異型の馬に視線を戻すレラ。
檻の中では息巻く馬が電撃を飛ばし抵抗するも、光線によって形どられた檻が微かに発光するだけで壊れる気配はない。

「そうは言うがな、暴れたのは僕じゃない。むしろ僕も困っていたところだ」

281 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/01/29(木) 16:55:22.72 ID:yrMjJ1XwO
>>280
「……νガンダムみたいですねそれ」
282 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/01/29(木) 17:25:16.44 ID:zvlrT/vOO
>>281
「フフ、そうとも言えるな」
口元を緩く歪ませるレラ、与えた感触は悪くはないようで。
けれども発した言葉は受け入れつつも何処か含みのある物。

「……で、見世物では無いと行った筈だが、帰らないのか?」
背後の校舎に一瞬だけ振り向いて。
戻ってきた表情は眉をひそめ心底重い溜息を伴っていた。
283 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/01/29(木) 21:27:47.97 ID:FlqJ1wdho
>>282
「……まだ帰る予定はありませんね」
284 :レラ ◆RYO/n8uupE :2015/01/29(木) 21:46:21.98 ID:/GX1KpX2o
>>283
「お前の予定など知った物か。
 何かは理解できんがさっさと消えろ」
また溜め息を吐くと首を横に振り手で払う仕草を見せる。

「僕はお前と構う様な、無駄な時間は御免だぞ」
285 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/01/29(木) 23:03:39.97 ID:FlqJ1wdho
>>284
「……そっちから話しかけてきたんでしょうが……さっきから失礼ですよ……?」

笑顔だがどう見てもイラッとしている
286 :レラ ◆RYO/n8uupE :2015/01/29(木) 23:29:54.07 ID:/GX1KpX2o
>>285
「どうだかな。先に見ていたのはお前だ」
少女の反応に、始めから不機嫌そうだった雰囲気は尚更強まる。

「厄介ごとに巻き込まれるのは面倒だからな……ほれ」
パーカーのポケットを漁って出てきた拳がフェンスへと伸ばされていく。
フェンスの穴が近付くにつれ開かれた、拳の中の500円硬貨を指先で摘むとフェンス越しに差し出してくる。
「これで菓子でも買って帰れ」

大凡2桁に差し掛かったばかりだろう年齢にしか見えないのだが……当然のように敷地の中に居るのが異様な光景だろう。
287 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/01/30(金) 00:03:03.75 ID:Bgcd/89ho
>>286
「そんな屁理屈が通用するなら大きな音出して見るように仕向けたのはそっちでしょう……」

ダメだこいつといった目になった。

「……」

笑顔でゆっくりと手を伸ばし……

「とりゃあ!」

そして素早くレラの手をつかんで引っ張りながら、500円玉をレラの手に握らせた上から両手でぐっと握る!
手は無理矢理500円玉握らされて痛いし肩がフェンスに引っ掛かった状態で引っ張られてるので腕も痛い!
288 :レラ ◆RYO/n8uupE :2015/01/30(金) 00:51:18.88 ID:0wi63BWjo
>>287
「ぬおぉっ!?
 いいだだだだっ!! 一体何のつもりだやめろっ! やーめーろーっ!!」
言い争いはしていたが笑顔に警戒心が緩んだのか思った以上に抵抗なくぐるりと腕をまわされてしまう。
突然の痛みに我を忘れたのか力の限り叫びまくる! 腕を引いたりと抵抗している様だがとてつもなく非力で少女相手ですらビクともしない。
289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/01/30(金) 09:56:30.60 ID:Bgcd/89ho
>>288
「何のつもりなんでしょうね!その胸に持ってかれて栄養足りてない頭でよく考えてみたらどうですか!」

思っていたのの半分も抵抗がなかったのでしっかり関節も極めて逃げられないようにしながら言った。
290 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/01/30(金) 10:24:50.66 ID:qoWtGon3O
>>289
「わかってたまるか!
 胸は関係ないだろ……っ、とにかく離せッ! はやくしろ!!」
レラとしては精一杯の抵抗だったのたが全く効いてない。
耐えきれなくなってきたのか瞳に涙を浮かべ訴えていく。
291 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/01/30(金) 11:34:58.44 ID:Bgcd/89ho
>>290
「粗暴な言葉でギャンギャン言われてもよくわかりませんね……まずは言葉づかいからあらためた方がいいと思いますよ」

完全に腕はロックされて動かない。しかし抵抗さえしなければ痛くはない状態にしてある。

292 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/01/30(金) 13:01:41.10 ID:qoWtGon3O
>>291
「貴様は言動どちらもが野蛮だがな!」
捲し立てる口調は相変わらず強気なまま。
けれども行動は抑え気味になっているようで、次第に動きが落ち着いていき終いには。
「ぐすっ……」
泣いた。涙を人差し指で拭う。
293 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/01/30(金) 13:09:55.82 ID:Bgcd/89ho
>>292
「何か?」

笑顔で一瞬だけ腕に力を込める。いたい。

「はあ……さて、そろそろなんでおしおきされているのか理解できましたか?」

レラの涙にため息をつきながら尋ねる。相変わらず腕はしっかりとロックされていて外せそうにない。
294 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/01/30(金) 13:39:28.20 ID:qoWtGon3O
>>293
「おしおき!? 僕に、貴様がか!」
わざとらしく疑ってみせ、少女を煽る。
どうされようとレラのこの性分はブレないようだ。
「その理由も解らんがこれがおしおきだとも解らなかったなぁ。
 余りにも思考が短絡的すぎて、やはり僕には理解できないなぁ」
295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/01/30(金) 14:15:02.75 ID:r58PYkAwO
>>294
「本当にバカなんですね……あの変態忍者を思い出します」

呆れと諦め混じりの台詞とともにじわじわと腕に力を込めていく。

「どうしてこうなったのか……そのかわいそうな頭でしっかり考えて、ちゃんと反省できるまで……やめませんからね。腕が折れても知りませんよ?」

その目は真剣そのものであった。

296 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/01/30(金) 19:25:28.68 ID:qoWtGon3O
>>295
「お、おい?」
強まる力に不安感を覚えたのか口調が段々と弱まっていく。
痛みが感じ取れるようになってくるとまた叫びだす。
「わ、わかった! よくわからんが謝るからその手を離せ!」
297 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/01/30(金) 19:40:35.00 ID:Bgcd/89ho
>>296
「まだわからないんですか……その失礼な態度をなんとかするべきだと言っているんです!いい加減わかりましたか!反省しますか!悔い改めますか!」

そろそろ必死でギブアップする程度に関節が極ってきた
298 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/01/30(金) 19:51:35.55 ID:qoWtGon3O
>>297
「解ったって言ってるだろさっさと離せ! ほんとに痛いんだぞ!」
半泣きになりながら喚く。
299 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/01/30(金) 20:10:44.31 ID:Bgcd/89ho
>>298
「本当にわかってないんですか!それとも折られたいんですか!」

相変わらず尊大な口調を改めないレラに半分困ったような顔で関節を極め続ける
300 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/01/30(金) 20:20:38.28 ID:ww+BrDOGO
>>299
「折られたいわけ無いだろ!? 貴様こそいい加減にしろよ!」
レラの不満も溜まってきたらしく口調がふたたび攻撃的になる。
下から見上げる目線は中々に鋭く、体躯に似合わぬ威圧感を伴わせていた。
「とにかく、その手を離せと言ってるのが解らないのか馬鹿め!」
301 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/01/30(金) 20:36:06.69 ID:Bgcd/89ho
>>300
「どうすれば離してもらえるのかちょっとは考えなさい!どれだけ馬鹿なんですか!」

こちらも一歩も譲らない。このままでは腕が折れてしまうのも時間の問題かと思われた。少女はレラの方を見ていて気づかない。しかしレラの目には前から歩いてくる伊織の姿が見えた。
302 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/01/30(金) 20:52:55.41 ID:0wi63BWjo
>>301
「凡人の癖に馬鹿馬鹿と!
 こんな真似しておいてただで済むと思うなよ!」
険しく捲し立てて吼える。
強い剣幕で迫っていたが背後から迫る者に目を向ける。
「ん……?」
303 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/01/30(金) 21:56:59.51 ID:Bgcd/89ho
>>302
「ふう……仕方ありませんね……ここまでするつもりはありませんでしたが……己の愚かさを恨んでください。
いきますよ、しっかり歯を食いしばって……」
「ほう、今日はピンクのチェックですか、可愛らしいですね」
「えっえっ?なっ?!………っ変態!変態っ!」

覚悟を決め、ついに折ってしまおうとしたところでやってきた伊織が少女のスカートとセーラー服をめくり下着を確認。
一瞬混乱状態になるも、少女はすぐに気を取り直し肩に担いでいた楽器のケースのようなもので伊織に殴りかかった!レラの手はすでに自由だ!
304 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/01/30(金) 22:45:23.43 ID:0wi63BWjo
>>303
「お、おい待て馬鹿な真似は……んぉわっ!?」
少女の宣言にレラの顔が引きつる。
キュッと目を瞑り覚悟を決めた瞬間、少女の手が離れてしまう。
最後まで腕を強く引いて続けていた抵抗の反動ですっ転んでしまう。

「くそぉ、一体何だと言うんだ……」
極められた腕をさすりながら身体を起こし、フェンス越しに視線を向ける。
305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/01/31(土) 01:23:22.62 ID:54CXrbvio
>>304
「はっはっはっ昔は一緒にお風呂に入った仲じゃないですか」
「うるさい![ピーーー]!」

逃げる伊織に追う時雨。そのまま門を通ってレラの方へ走ってきた
306 :レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/01/31(土) 01:29:12.15 ID:lOPDaTnKo
>>305
「うぉっ!? なんでこっちに来るんだ?
 ……っていうか部外者は勝手に入るんじゃない!」
口では言うが受け止められるわけでもないので進路から退きつつ。
とばっちりを食らわないようにと二人の動向を見つめている。
307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/01(日) 07:47:33.32 ID:1ozCPGFIo
 
308 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/01(日) 09:59:11.89 ID:IqZasOl/o
>>306
「くらえっ!」
「おっとあぶない」

伊織を追う時雨の楽器ケースのようなものから釘のようなもの……棒手裏剣が発射される!
それを避けた結果まっすぐレラの方へと走ってくる伊織!かわされた棒手裏剣はレラが直前までいた辺りを射抜いていった。
309 :てんさい [sage]:2015/02/01(日) 10:24:14.28 ID:mVz34KuiO
>>308
「だからこっちに来るなって言ってるだろー!?」
装備を持たない生の肉体は戦闘能力ほぼ皆無の少女でしかないレラは逃げ惑うのみ。
310 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/02/01(日) 22:52:14.05 ID:IqZasOl/o
>>309
「まてー!」
「あんなことやこんなことさせてくれるなら待つんですけどね」
「させるか!」

忍者的な二人が走ってきたら戦闘能力皆無な少女に追いつくのなどあっという間のことだ。
二人と一人の距離はまたたく間に縮まりゼロになる。レラに追いついた伊織はその瞬間に彼女の肩に手を乗せ倒立前転でもするようにして彼女の前へ。ついでにブラの肩紐を外していった。

「えっ!?」

伊織を追う事に頭が一杯で視界が狭まっていた時雨の目の前に突然現れたレラの背中。それは時雨には走る速度の差もあり自分めがけて飛んできたように感じられただろう。

「わぶっ!」

顔面からそのままレラの背中に衝突!
311 :レラ ◆RYO/n8uupE :2015/02/01(日) 23:16:22.60 ID:0YaUdh3Vo
>>310
運動性能・歩幅・その他もろもろで二人に大きく劣っているレラ。
瞬く間に差が縮まっていき、直ぐに伊織の手が伸びてくる。
ポン。と肩を押されバランスが崩れる。序に外される肩ひも。
「何するん……貴様ッ!?」
自由になった胸の違和感に気付いた瞬間、さらに背後からもう一人。

「わぷっ!」
ずしゃあ。と前のめりに倒れ少女の下敷きになってしまう。
312 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/02/01(日) 23:25:36.90 ID:IqZasOl/o
>>311
「むふふなかなか良いものをお持ちで」

倒れた先は地面ではなく伊織!満足そうにレラの胸に顔をうずめながら揉みしだく伊織!後ろからきた時雨にぶつかられて倒れるのを計算して伊織は先に地面に寝転んでいたのだ!(ただしその後のことは考えていない)

「いひゃい……」

後ろでは時雨が鼻を押さえてぺたんと地面に座っている。
313 :レラ ◆RYO/n8uupE :2015/02/01(日) 23:47:28.70 ID:0YaUdh3Vo
>>312
地面に落ちたのとは違う感覚に戸惑うが、下から伸びてきた手に竦み上がる。
「ひゃっ!? 何処触ってるんだ貴様!」
可愛らしい叫び声を上げたのもつかの間、すぐに怒号に切り替わる。
「おい、後ろの貴様もさっさと僕を助けろ!」
振り向くと鼻を抑える少女に向かって。
314 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [木の上 sage]:2015/02/01(日) 23:56:19.23 ID:wcaQoOoSO
(誰か盛ってんな……)
315 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/02/02(月) 01:09:43.44 ID:KpfBlHMno
>>313
「おっぱいです!」

歯を輝かせながらさわやかな笑顔で答えた。

「ひょんにゃたいどでいうことを聞いてもらえるとでも思っているんですか……?」

鼻を押さえながらも立ち上がる。ちょっと涙目でまだ痛そう
316 :レラ ◆RYO/n8uupE :2015/02/02(月) 01:17:53.91 ID:DOx20gHXo
>>315
「そ、そんな所で喋るなくすぐったい!」
ザ・理不尽。
真下に入りこまれているため手が出せずに喚きながらもがいている。
中々どうして大きく実った胸は柔かく伊織の顔を包みこんでいる。

「えぇい、貴様に損はさせん、とにかく助けろ!」
317 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/02/02(月) 01:28:20.92 ID:KpfBlHMno
>>316
「……」

静かに胸を揉んだり先端をいじり始めた。

「それに助けるも何も……あなたが上なんですから立つなりそのままマウントで殴り続けるなりすれば済む話じゃないですか」

318 :レラ ◆RYO/n8uupE :2015/02/02(月) 01:42:52.49 ID:DOx20gHXo
>>317
「く、ぁあっ!? 何やってるんだ貴様!」
一瞬出た変な声に顔を真っ赤にして。
「それが出来ないから言ってるんだそれも解らないのか――――おふっ!?」
少女を睨んでいたレラけれどもその言葉は半ばにして遮られる。

一歩引いた所から見ていた少女からなら把握できただろう。
漆黒の閃光の様な物がレラを伊織の上から弾きだした。
その正体はレラと同年代に見える紫色の長髪を揺らす黒衣の少女だった。
「……何?」
投げ出されて地面に転がるレラの傍らに立つ少女は助け出したつもりだったのだろうが、
実際には手にしていた漆黒の棒で突き出されているためダメージはかなり大きいようだ。
「ほっぐう……」
横腹を押さえて蹲っているレラ。
319 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/02/02(月) 11:36:15.15 ID:KpfBlHMno
>>318
「乳首攻めですね。おっと」

伊織は黒衣の少女がレラをふっ飛ばす直前に手を上げろ!と言われた時のように手を上げて被害を受けないようにしたのち、レラが居なくなったので起き上がる。

「確かに褒められた人ではありませんでしたが何も殺さなくても……」

乱入者の方へ意識を集中させる時雨。

勝手に[ピーーー]な

320 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/02(月) 14:59:12.60 ID:cLV4yB8iO
>>319
「馬鹿か、死ぬわけ、ないだろ……!」
威勢の割には息も絶え絶えといった様子である。

黒衣、シックなゴスロリドレスに見を包んだ少女ゼオラは手にしていた棒を手先で器用に操り、先端を伊織に向ける。
「何、してるの」
ガラス玉のように無機質な金の瞳。
発せられた声は抑揚が皆無。
行動は糸に吊られただけのように意思は見せずに、気配すら存在しない人形のような少女だった。
321 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/02(月) 16:35:54.44 ID:KpfBlHMno
>>320
「そうですか……ではこれ以上苦しまずに済むように今トドメを……」

地面に置いたケースを足でこんこんと叩けば飛び出す一対の小太刀。器用に空中でキャッチして構えた。


「下着チェックと胸揉みと乳首攻めですね」

確かめるように手を動かす。視線は自分の手からゼオラの全身へ。
322 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/02(月) 17:40:41.19 ID:DOx20gHXo
>>321
「待て待て……貴様は僕になんの恨みがあるんだ」
呻き声を上げながらゆっくりと立ち上がる。
片方はゼオラに突かれた横腹を、もう片方はこぼれた胸を抑えている。

「ふーん……」
無機質な視線が微かに細まる。
元より眠たげな、ぱっちり元気といった感じでは無かったが、それが訝しげな物に。
323 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/02(月) 17:46:26.61 ID:KpfBlHMno
>>322
「!なんて格好してるんですか!!!」

取り出した小太刀を早速片付けながらレラの方へ駆け寄る時雨。背中で庇いながらセーラー服の上に着ていたカーディガンを着せてあげた。


「ゼオラさんもひとつどうです?」

指をうねうねと動かしながらさわやかな笑顔で尋ねた
324 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/02(月) 17:55:22.44 ID:DOx20gHXo
>>323
「僕だってやりたくてやってる訳じゃない」
フン。と鼻を鳴らしながらもカーディガンを受け取って。
シャツの上から肩紐を引っ張ってもぞもぞと整えた。

「別に……」
年のせいかもしれないがレラと対象的に恐ろしい寸胴。
出たとこ、揉むとこなんか無く、華奢すぎる身体付きも相まってもはや棒。
325 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/02(月) 22:19:32.59 ID:KpfBlHMno
>>324
「それだけですか?」

お前何か言い忘れてんぞという顔である。


「そうですか……では早速!」

ゼオラの方へ走り始めた。何のために聞いたんだお前は
326 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/02(月) 22:39:34.49 ID:DOx20gHXo
>>325
「ん? あぁ……」
少女と顔を見合わせ、何かを察したらしく。
ポケットを弄ると手のひらを差し出した。
「ほら」
500円硬貨。


「何……?」
トトン、トトン、と素早くバックステップを繰り返し距離を離していく。
レラとは違い身のこなしが素早く運動性能は高そうだ。
327 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/02/02(月) 23:30:09.06 ID:KpfBlHMno
>>326
「………………」

笑顔。しかしそれは鈍感な人間でも気づくほどに怒りに満ち溢れた笑顔であった。

「あなたに……学習能力は……ないんですか……?」

返答次第ではまたなにかお仕置きに入りそうな雰囲気である。


「無いのなら育てればいい!それに大きな胸も小さな胸も等しく尊いものです!」

スピードを上げバックステップに合わせて跳ぶ。
328 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE :2015/02/03(火) 00:05:46.27 ID:mrJmgoyFo
>>327
「は? 何を言うんだ貴様は?
 僕は天才だぞ? 学習能力を比べられても困る」
渾身のドヤ顔。
その一方で500円硬貨を少女の制服の胸ポケットに滑り込ませた。
ただ、何となく感じ取っている部分はあるのかさり気無く距離を離れ去っていこうとする。


「うるさい……」
全てが無で会った少女が微かに、けれども確実に怒りを露わにした瞬間。
思いの外ゼオラにはこの話題はNGだったりする。
けれども、伊織が飛びかかった瞬間に見上げる少女と交錯した瞳は無、そのもの。
「その指、いらないね?」
身を縮込ませていた少女が両手を解放する。
先程までそこに存在しなかった筈のナイフが合わせて8、指の隙間から放たれた。
329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/02/03(火) 00:48:41.29 ID:wM0MpE5Yo
>>328
「やっぱり腕、折られたいみたいですね……」

距離を取ろうとしたはずなのに離れない。そして気付けば腕を掴まれている!



「おやおや……」

離された距離を数回の跳躍で縮め、そろそろ追いつくかと思われた頃、相手がこちらに向けて飛んできた。
どうやら揉まれようと心変わりしたわけでもなさそうだななどと相手の様子から察する。それどころかかなりお怒りのようだ。

「なんのっ!」

空中。放たれたナイフをかわすのは地上のようにはいかない。しかし伊織は身体を捻って3本をかわし、右手で抜いた得物で更に2本を叩き落とす。

「っ!」

残る3本が胸に当たる。無理矢理かわそうと身体をひねっていたこともあり、うまく着地出来ず地面を勢い良く転がる。
330 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE :2015/02/03(火) 01:34:24.03 ID:mrJmgoyFo
>>329
「おい? どういうつもりだ?」
去ろうとしたところを掴まれた腕が付いて来なくて首を傾げる。
その先の少女の表情に戸惑いを露わにし……さらにその先の光景が目に入ったのか険しい表情を見せる。
「ちょっと離せ」


正に影を縫う様に。
異様な速度で接近するゼオラ。狙いは言わずもがな追撃だろう。
地面を転がる伊織に対しすやい脚捌きで着地のウェイトを軽減し、迫る。
伊織の回転が収まる瞬間、眼前まで迫る少女の姿が見えるだろう。
手には黄金色の曲剣、されど瞳は空虚のままで、無慈悲に追撃を落とそうとしていた――――

「――――ゼオラッ!」

その刹那、淡い緑色の閃光によってゼオラの手にしていた曲剣が弾かれた。
ゼオラはバックステップし、伊織の視界から急速に消えていく。
打ち抜いたのはレラ。機械馬を拘束しているのと同じビットを新たに取り出し、光線を打たせ遠くの手元を打ち抜いていた。
331 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/03(火) 02:43:09.01 ID:J+SJ8S3H0

球磨(はて…山隠りから帰って来たものの、大事な制服を紛失したのは失態でした)

それが門をくぐり、とてとて歩くだけで悲鳴がちらほらと聞こえる。
血塗れの狂人?トンデモ変質者?…いいや、理由は明確だ。

球磨(毛皮なら沢山ストックしてるのですが…困りました)

熊だ…熊(の毛皮をスッポリと着た人間)が、山から下山して歩き回っているのだ。
332 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/03(火) 09:57:20.48 ID:5syizCJvO
>>331
「はて、キミは誰かな。
 よもやクマ……ではあるまいし」
背中から声が掛かる。
振り向けば、全身純白に見を包んだ麗人が迎え入れる。
しかしながら、和親な顔はしておらず、真紅の双眸は懐疑的だ。

「何やら異変を聞きつけてね。
 ……悪いが奇妙な真似はやめていただきたい。と僕は思うんだ」
333 :阿部ノ球磨 [sage]:2015/02/03(火) 20:24:36.29 ID:rhEJzbfi0
>>332

「よもやも何も…球磨は球磨ですよ?」

こんな綺麗な人に心当たりはないのですが…と名前を当てられ、球磨は小首を傾げる。

「久々に学校に戻りましたが、察するに変な輩が近くに居るのですね。許せないのです!」

シュッシュッとシャドーボクシングをマネながら闘志を燃やす球磨だが、残念ながら自らが”その不審者”であるのに気付いてはいない様だ。
334 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [木の上]:2015/02/03(火) 22:20:56.75 ID:ZTSuoqISO
…………ねむ
335 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/03(火) 22:21:18.53 ID:mrJmgoyFo
>>333
「ハハハ……困ったなぁ」
返答に苦笑を浮かべる。
産まれながらの野生児か、自分のことをクマだと思い込んでいるらしい。
その癖、人間の言葉には一切の支障が見当たらなくて……この反応に至る。
「キミはクマじゃないだろう」
まるでルビーか果実かのように、赤く色付いた唇に指を充てる。

「学校に、戻った……?」
目の前の野生児がいう久々とはそこそこに長かったのだろう、少なくとも見覚えが無かった。
「まぁ、その変人如何にしても、その毛皮は脱いだらどうかな……」
336 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/02/03(火) 22:24:22.06 ID:wM0MpE5Yo
>>330
「いい加減に……」

視線が自分の後ろにあることに気づきふり返る。意識をそちらへ持っていかれたことで拘束が少しゆるくなる。彼女はまだまだ甘い。


「そこっ!」

空を切る伊織の腕。それぱブレーサーを仕込んだ片腕でゼオラの攻撃を防御しながら同時に彼女のスカートをめくるべく一閃した腕であった。

「……やってくれましたねレラさん……どこで気付いていたんですか……?」

してやられたといった表情で懐からナイフの刺さった週刊少年漫画雑誌めいたエロ本を取り出す。
どうやら最初からやられたふりをしていかがわしいことをするつもりだったらしい。
337 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/03(火) 22:35:39.90 ID:wM0MpE5Yo
>>333
>>335
「その猟師みたいな人、お前の知り合いか……?」

凛とした表情の少年?が驚いた様子で尋ねた。
338 :阿部ノ球磨 [sage]:2015/02/03(火) 22:54:30.17 ID:rhEJzbfi0
>>335

「だから、私は本当に球磨なんですってばー!!」
理解してもらえず地団駄を踏むが、靴底からポキュポキュと気が抜ける音が響き滑稽さを引き立てる。

「はい! 修行として一年は山に居ましたよー。 で…山の縄張りも制覇し、暇なので帰って来たといった所です」

ムフーと胸を張る球磨だが、イマイチ迫力に欠けるの性格からなのだろう。

「脱ぐ?……く、球磨の身包みを剥ぐつもりなのですか・・」

相手は知る由もない事なのだが、制服を紛失しキグルミ毛皮の下はスッポンポンな球磨はワンテンポずれながらも思わず身構える。
339 :阿部ノ球磨 [sage]:2015/02/03(火) 23:05:40.29 ID:rhEJzbfi0

>>337

「はて?…球磨はあの方について知らないですが、あの方は球磨の名前を知ってるみたいなんですよー」

クマ違い…いや、勘違いなのだが当人は不思議そうに小首を傾げている。

「それと球磨はマタギさんじゃなくて、けんぽー使いです!」

ブンブンと振る拳は元気が有り余っているのを如実に表している。
340 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/03(火) 23:11:38.17 ID:wM0MpE5Yo
>>339
「ちがうのか……あいつヘンなヤツだしヘンなヤツ仲間かと……」

さらっと失礼なことを言った。

「へえ、山で拳法修行か!かっこいいな!そのクマはどうしたんだ?」
341 : ◆RYO/n8uupE :2015/02/03(火) 23:32:04.46 ID:mrJmgoyFo
>>337
「いやいや、まさか……。
 僕の知り合いが変だとばかり言うのはやめてくれ」
こっちでもさり気無くディスられる球磨。

「キミも聞いているだろう、この騒ぎ。
 どうも校内にクマが出たとかでないのか……で、コレさ」
クマに視線を向け。
「僕はその声を聞いて駆けつけたというだけさ。職務を全うしているのさ」

>>338
「フム、このケースは珍しいな……。
 自分はクマの自覚がありながら人間としても保てている……」
腕を組んで俯くと何やらぶつぶつと唱え始めた。
やはり解ってもらえてないらしく、研究対象か何かとして見られているらしい。
「となると、その皮は母親か何かかい?」
相変わらず冷たさを持った瞳は毛皮へと。

「そうだね。脱いで貰わないと困る。
 色々と、明らかにしなければいけない事もあるだろうしね……フフ」
職務を全うしに来た。と言っていた筈だが既に半分が興味に乗っ取られていた。
熊の毛皮。それに包まれた球磨の瞳に紅玉のような真紅の双眸が突きささる。
342 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/03(火) 23:44:57.17 ID:wM0MpE5Yo
>>341
「おもにお前がヘンだって言ったつもりだったんだけどな。えっ、クマが出たのか!」
343 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE :2015/02/03(火) 23:56:42.20 ID:mrJmgoyFo
>>336
「フン、貴様に近付けておいて良いことなど何一つ無い」
光線を放ったビットが手元に返ってくると同時に、その手を握る手があった。
いつの間にか。一瞬の間にレラの横へと現れたゼオラの物だ。
「ゼオラに手は出させないぞ?」
レラの僅か後方から伊織を眺めるゼオラの視線は無機質な物の……棘がある様にも感じられた。

「それとだな」
手中の本を険しく見つめ。
「あまりそういう物を見せびらかすな。最悪没収だぞ」
344 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/04(水) 00:30:32.62 ID:JRv5ddbIo
>>343
「……宇宙人ごっこですか?」

左右から手をつかまれているレラを見てなんかそう思った。

「おっと、そうですね……」

ナイフを抜いてエロ本を確認。

「これはひどいな……」

困った顔をしながら懐にエロ本を戻し三人の方へ歩いてくる
345 : ◆RYO/n8uupE :2015/02/04(水) 00:32:09.78 ID:xehHUzl6o
>>342
「あぁ、クマさ。
 実態はこういう訳だったんだけどもね」
熊の被りものをした球磨を眺め。
346 : ◆RYO/n8uupE :2015/02/04(水) 00:59:17.42 ID:xehHUzl6o
>>344
「貴様が離しさえすれば何も問題は無いんだがな」
ぶんぶん。と少女と繋がる腕を振って離すように求める。

「……」
ナイフを抜いたと思った瞬間、伊織の手元を擦りぬけていく刃。
漆黒の霧の様に霧散して、消えて無くなってしまう。
347 :阿部ノ球磨 [sage]:2015/02/04(水) 12:34:11.30 ID:C98imP1U0
>>340

「変な人?……今の所は至極まともな方に見えるのですが・」

紳士的に話しかけられた球磨からみると、真面目な麗人というイメージのようだ。

「ふふん、一番信じられるのは我が身だと思ってますからね。あぁ、コレは山で死闘の末に手に入れた戦利品です!可愛いですよね〜」

そう言いながら、ポムポムとフードの様になっているクマの頭を撫でてみる。
無論、手入れや仕立ててはあるのだが…少しばかり不気味なファッションではあろう。

>>341

「珍しいって…球磨が人間なのは普通な事ですよ・・ それに母さんは北国で存命ですからーっ!」

自らの名前を語ったり、クマが母親ではないと言えば終わる話なのだが…興奮気味な球磨はそれに気付かずにギャーギャーと騒ぎ立てている。

「あわわわ…困るのは球磨の方ですよ・・ 無理矢理にでも脱がす気なら武力をこーしするです!!」

ワタワタと慌てて拳を構える球磨であるが。真っ赤な瞳にあてられたのか背を見せて逃げ出しはしない様だ。


348 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/04(水) 12:44:39.18 ID:JRv5ddbIo
>>346
「あなたが反省してくれれば本当に問題なんてなかったんですけどね」

ジト目で見ながら腕をぶんぶんされている。まだ離すつもりは無いらしい。


「……これ、本当に刺さってたら身体に悪そうですね……」

苦笑いで消えゆくナイフを見つめた。
349 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/04(水) 12:50:54.70 ID:JRv5ddbIo
>>345
「あー、伝言ゲーム失敗したのかよく見ないでパニックになっちゃったのか……」

なるほどといった様子


>>347
「……そっか、ならいいんだけど」

二人を交互に見ながら何か言いたげな表情。


「まあとりあえずそのかぶってる頭どけて自分の頭出しといたほうがいいんじゃないかな……ってえっ死闘の末ってそいつ素手でたおしたのか!?」
350 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/04(水) 14:05:13.68 ID:aZlUqxQ+O
>>347
「ホッキョクグマか?
 何れにしろ、キミの母親熊が生きていてよかったよ。しかし……」
母親をホッキョクグマと決めつけている。
尚更興味を持ったようで顔を寄せ真紅を近づけてくる。
透き通るような白い肌、髪こそが雪か氷かのように見えた。

「熊仕込みの憲法も面白いかな……?」
鉄拳か何かか。

>>349
「……あぁ、そうそう。
 このクマ君だがね、どうやら元々ここの生徒だったらしいんだが……知らないかい?
 キミも解る通りだと思うんだけど、僕はまだ日が浅くてね……その辺りはキミのほうが明るいだろう?」
351 :阿部ノ球磨 [sage]:2015/02/04(水) 14:33:31.03 ID:C98imP1U0
>>349

「えと、何かおかしな点でもありましたか?」
明らかに球磨の姿が可笑しいのだが、此方も二人をキョロキョロと見てみる。

「あっ、はい…武闘家なら一度はクマ殺しと呼ばれたいものですからねー」

フードを外しながら、しれっと言ったがクマ殺しの球磨では縁起の悪すぎる通り名であろう。
それにクマ殺しはどちらかと言えば、拳法ではなく柔道である。

「んふふー、次は虎と戦ってみたいものです!」

本人にとっては何でもいいようだが。

>>350

「そんなに遠くないです!蝦夷の山村です! …ううー、さっぱり話が通じてないですね」

意思疎通に失敗し、ガックシと項垂れていた球磨は接近するルビーの様な瞳に気付けず…

「って…くままま!?」

間抜けな驚嘆の声をあげて固まる姿は、熊というよりウサギに近いものを感じさせる。
得意の拳法を使おうにも近過ぎて最大限に活かせる距離もなく、恐怖の野生熊からテディベア級に成り下がっていた。
352 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/04(水) 17:09:38.96 ID:xehHUzl6o
>>348
「……む。離せと言ったのがわからないのか?
 流石にこれくらい理解できん訳ではあるまい」
自由にならない腕に不満げな顔を見せて。
「貴様も意外と卑しい奴だな……だが、もう強請っても飴玉しか出らんぞ」
ゼオラの手を振り払い、ポケットを弄るとを飴玉を取り出す。


「……」
相変わらず視線を細めたままの少女。
瞳に色がなく意思が感じられないだけに不気味だ。
その冷たさや取っ付きにくい感じは初期の綾を思わせるだろうか。
353 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/04(水) 17:33:58.54 ID:xehHUzl6o
>>351
球磨の驚きに身を引くと口元に手を当てて緩く笑む。
「クス……驚かせてしまったかな、すまない。
 しかし、毛皮の下はなかなか可愛い顔をしてるじゃないか」
長身故の高い位置から、真紅の手が降りてきて球磨の頭をポンとなでる。
革製らしいグローブに包まれたちょっと硬い感覚が球磨の頭に収まった。
354 :阿部ノ球磨 [sage]:2015/02/04(水) 18:55:19.15 ID:C98imP1U0
>>353

「可愛いだなんて、お世辞がお上手です…あうう」

普段から言われ慣れてないのか、球磨は気恥ずかしそうな顔をしながらモジモジしていた。

「んっ……撫でるのは結構ですが、子供扱いはしないで下さいね!」

はふぅ…と息を漏らす様は子供染みてはいるが大人振りたいお年頃の様だ。

355 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/04(水) 22:50:19.82 ID:JRv5ddbIo
>>350
「ネコならいたけど……クマはしらないなあ」

>>351
「いや、すごいなっ!」

目をキラキラさせて聞いてる
356 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/04(水) 22:52:29.78 ID:JRv5ddbIo
>>352
「はあ……どうしても痛い目を見たいみたいですね!」

腕の関節を極めながら足を引っ掛けて倒して肩を外すつもりだ!
357 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/04(水) 23:56:16.53 ID:xehHUzl6o
>>354
「お世辞じゃないさ。キミこそ謙遜は止めたほうがいい」
頭の上で落ち着いていた筈の手はスルスルと降りていく。
真紅の左手が球磨の右頬に添えられると視線を合わせ、微笑んだ。

「フフ、キミの気持ちも解る。僕だって同じだ。
 だけれども、こう撫でたくもなる僕の気持ちも、解ってほしいな……」
さぞ愛しそうな瞳。柔らかく歪められた口元。
その全てが球磨ただ一人に向けられていた。

>>355
「僕に言わせれば猫を知っているというだけでも十分な気もするけどね……」
感嘆と呆れの入り交じる溜息。

気付けば球磨とアルビノとの雰囲気はなんだか危うい感じに。
専ら、儚げなイケメンスマイルを注ぐアルビノに原因があるようだが……。
358 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/05(木) 00:07:49.39 ID:7VndYGnmo
>>356
「何故そうなる!? あたっ!」
難なく倒され関節を極められると次第に強くなる痛みに顔が引きつる。
「お前容赦ないな!? あぅ、いたたたたたた!!」
「……」
痛がるレラの隣に座り、小さな手を握るゼオラ。助けない。
359 :阿部ノ球磨 [sage]:2015/02/05(木) 04:09:53.86 ID:At4f1bWN0
>>355

「危険な相手程…こう、闘志が燃え上がるのですよ!」

グッ…と拳を握り、熱く語る様は正に体育会系だ。

>>357

「謙遜ではなく事実を……ひゃう!?」

撫でられて心地良さげな顔、撫で終わったのを惜しむ顔…そして、プシューと煙を上げて茹で蛸のように赤くなった顔。ころころと顔を変える球磨は俯き気味にぶつぶつと呟いた。

(お、落ち着くのです…球磨の人生観から見るにこの方は博愛的な方。この行為にそういう気持ちは入っていな…そういうって、私は何言ってるんですかぁー!?」

感情の容量がオーバーしていて、脳内会議がだだ漏れな事に球磨は未だに気づかない様子だ。    
360 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/05(木) 09:34:14.40 ID:CAVpc884o
>>357
>>359
「で、お前ら何やってんだよ……」

早速変な雰囲気になってる二人をジト目で見ている
361 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/05(木) 12:43:24.08 ID:CAVpc884o
>>358
「そのふざけた態度を改めないからこうなるんです……私を雇いたいなら五千円くらいは用意することですね!」

「(安い……それでいいんですか……?いや待てよ)買った!」

そんな値段でいいのかと静まり返った静寂。数秒後に伊織が破った。

「いかがわしいことはしません!それにあなたに雇われるつもりはありません!」

「ぐはあ!」

変態忍者の野望は断たれた。


362 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/05(木) 13:52:40.04 ID:9xO8jcIuO
>>359
「博愛主義者。なんて物言いはやめて欲しいな……。
 僕は誰にも、こんな風に声を掛けたりはしないさ」
球磨を宥めるように、ヒートアップした頭を冷ますように。もう一度、球磨の頬に手を当てる。

「フフ、人前は久し振りで慣れないかい?
 でも構わないさ。キミのそのままの姿を見せてくれ……」

>>360
「何か問題でもあるのかい?」
球磨の元を離れ、鈴に向けられた視線は至極普通な物。
小さく首を傾げて向けられた反応の後に小さく「ん?」と唸る。
363 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/05(木) 15:10:13.35 ID:9xO8jcIuO
>>361
「ゼオラ!」
レラがその名を呼んでから僅か一秒。
少女の袖を引く小さな白い手があった。
「……はい」
見上げるゼオラの視線は相変わらずの空虚。
その手には高額紙幣が挟まれ、差し出されていた。
364 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/05(木) 16:06:22.74 ID:CAVpc884o
>>363
「……そういうことじゃなかった!そのお金でどうにでもなるという考えを改めないとダメなんです!
っ……頭がこんがらがってきてわけわかんないこと言ってましたよ……」


苦虫を噛み潰したような顔で腕に力を込める。もはや肩が外れるのも秒読み段階だ
365 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/05(木) 16:41:52.25 ID:9xO8jcIuO
>>364
「フフ、だから貴様は大馬鹿者だと言っているんだ」
肩に負担が掛かり破壊される直前。
痛みに引きつった顔を見せながらも開いた口は余裕が見えた。
「そもそもだ。
 お前は改善しろという願望を口にするだけでその具体例を何一つ上げようとしないではないか。
 それでは理解しようにもできんな。ましてや、僕は貴様の言う事など理解する気は無いが」
ドヤ顔。

「……」サスサス……
その一方で黒衣の少女は指先を細かく動かし紙幣を擦っていた。
そのマジックめいた指先を見てみれば、なんと紙幣が二枚、三枚と増えていくではないか!
366 :阿部ノ球磨 [sage]:2015/02/05(木) 19:26:01.79 ID:At4f1bWN0
>>360

「な、な、何でもありませんですよ!?」

冷静さを多少取り戻した球磨は、バババッと腕を横に振った。

「あの…あちらの方は何時もこんな調子なのでしょうか?」

ちらちらと微笑む麗人を見ながら、球磨は怖ず怖ずと尋ねかける。

>>362

「はっ!! 露骨に顔に出ていましたか…すまないのです」

実際は口に出ていたのだが、球磨は失礼をはたらいたと思い しょんぼりとした表情を見せた。

「ありのままの……く、球磨は…球磨は……むつかしー賭け引きは苦手ですからして」

先程の失言を気にしているのか、触れられても平静を保とうと必死な様子だ。
367 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/05(木) 21:22:22.93 ID:CAVpc884o
>>362
>>366
「はあ……ああ、そうだよ。かわいい系のヤツを見るとあいつはいつもあんなんだ」
368 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/05(木) 21:27:45.18 ID:CAVpc884o
>>365
「……えい」

腕に力を込める。間抜けな音とともにレラの肩はあっさりとはずれる。
はずすだけなら折るのと違って戻せば済む話だとでも言わんばかりにやりやがった!

「己の行いを悔いて……!?」

レラになにか言いかけてゼオラのマジックに目を奪われた。

369 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/05(木) 22:19:52.67 ID:7VndYGnmo
>>366
「フフ、僕は気にしないよ。
 僕の方こそ悪かったかな、慌てさせてしまって。
 だけど、気にしなくていいさ。無理はせずに、落ち着いて、」
無理をしようとする球磨に微笑んで見せ、謝罪を入れてから手を引いていく。

「その上で、笑っていてくれれば」
約束だ。と言わんばかりに手のひらを差し出し。

>>367
「誰にでも、みたいな言い様はやめてくれ……」
球磨から離れた手を、潔白を証明するようにひらひらと振って。
370 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/05(木) 22:29:57.73 ID:7VndYGnmo
>>368
「いっだ……っ!!!!!!?」
外れた肩を押さえて暴れまわるレラ。
声が出せない程の痛みにただただ暴れる。

「……」
目を合わせたままの視線は一切揺らぎもせず。
手元は相変わらず動き続け紙幣を増やしていく。
更に増えて7枚になると指先で扇のように広げばさばさ。
371 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/06(金) 03:05:51.51 ID:OFOuvP1O0
>>367

「えと、球磨は可愛くなんてないです…フリフリのお洋服とかもってないですし」
あうあうと否定しながら、恥じらいや照れているのか身を縮み込ませる。

>>369

「球磨も幾分か落ち着いては来ま…した」
そう言いながらも、グギギ…とぎこちない笑顔を見せている。

「善処はしてみますが、期待しないで下さいね?」
差し出された手に対して、球磨はやんわりとお手をするみたいにポフンと乗っけ返した。  
372 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/06(金) 08:24:59.11 ID:3+r/PSToo
>>370
「あまりもがくと筋痛めたりしますよ」

後ろからレラの胸を抱きかかえるようにして耳元でささやく伊織。

「今僕がハメてあげますからね」カチャカチャ

ベルトを外すような音が聞こえる。


「おおー」パチパチ

ゼオラのマジックに手を叩いている。
373 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/06(金) 09:05:48.80 ID:+Nnngco1O
>>371
「それは良かった。
 フフ、僕の悪い癖だ。気をつけるよ」
合わせられた手に満足げに頷くと、視線は球磨の顔を離れていく。

「で、本題に戻りたいと思うが……その毛皮はどうにかならないのかね」
身体へと向けられた視線は気ぐるみのような熊を訝しげに眺め。
374 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/06(金) 09:15:38.79 ID:rlSigXlDO
>>372
「ひぅッ……この期に、及んでっ貴様……!
 ばっ、バカか!? 何をしようとしているんだ?」
いきなり現れた伊織に小さく声を上げるレラ。
また胸へと手が及んでいるのに気づくと怒りを顕にする。
続いて聞こえてきた怪しげな音に不穏な想像をしたらしく慌てた叫び声を上げた。


ゴスロリドレスのポケットに乱雑に紙幣を捩じ込んてしまう。
目があって、膠着と静寂。二度ほど瞬いてから小さい口が小さく開かれた。
「……おわり」
375 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/06(金) 10:37:21.63 ID:3+r/PSToo
>>371
「かわいさってのは持ってる服で決まるもんなのか?それに男ならそんな服持ってないだろ普通……つうかなんで嬉しそうなんだお前男だろそれでいいのか」

ここは男子校。女子などいない筈なのだ
376 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/06(金) 10:40:23.63 ID:3+r/PSToo
>>374
「とりあえずこれでも噛んでてください、痛いですからね」

レラの口にタオルを突っ込む。

「じゃあ、いきますよ?」


「他にはないんですか?」

めっちゃ期待してる目
377 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/06(金) 13:38:50.62 ID:rlSigXlDO
>>376
「や、やめろっ! あとでゼオラにむぐっ!?」
口で抵抗を見せていたがタオルを噛まされ封じられる。
もごもごと何かを訴え続けているがもはや通じず。
まだ健在な片腕で伊織の顎を押してでも抵抗をしているがやはり非力で障害にはなり得ない。

この状況になってしまえば後はどうするも自由だろう。

「んー……」
無を感じさせる瞳が僅か横にそれ考える風。
そのまま数秒静止した後に、ゼオラの頭上にあるシルクハットに手が伸びる。
被り物ではない、赤いリボンで装飾された小さな小さな黒いシルクハット。
少女の拳大くらいのそれの中に手を突っ込むと、更に小さなハムスターが出てきた。
378 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/06(金) 13:51:49.09 ID:3+r/PSToo
>>377
「まるで注射を嫌がる幼児ですね……ふっ!」

抵抗されながらも外れた肩をはめ直した。

「今日一日はあまり激しく使わない事ですね」

湿布的な液体を塗りつけ擦り込みながら微笑む。
カチャカチャという音は学ランに隠れていたところにつけていた道具入れをいじっていた音だったらしい。


「……」

何が起こるのかと目を皿のようにして見ている
379 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/06(金) 14:19:01.43 ID:rlSigXlDO
>>378
「ッーーーーーー!!!」
あまりの痛みに叫ぼうとしても言葉にならないようで。
目をキュッと閉じて肩を抑えたまま痛みに打ち震えていた。
「い、た、うぐ、うぅ……」
今すぐにでも泣きそうな瞳で伊織を睨む。
外見に見合った表情で、それだけならば可愛げも相応なのだが……。


「ん……」
シルクハットの中にハムスターを戻すと、軽く振る。
その微かな時間を経て再び手を入れて、中にあるものをつまみ上げる。
「……」
引き上げられたのはなんとターキーの一部分。
シルクハットに入る小さなサイズの香ばしい鶏肉だ。
「おいしい……」
380 :阿部ノ球磨 [sage]:2015/02/06(金) 15:19:11.79 ID:OFOuvP1O0
>>373

「どうにかですか…しかし、これを脱いだらお巡りさんに捕まりかねませんし、困りました」

制服を新調しようかとゴソゴソ財布を漁るも、41円しか無いようで球磨はうーんと唸りを上げる。

>>375

「そ、それは師匠にドレスとかを着せられたことがあったもので…っ!! 無論、男らしくカッコいい方がいいに決まってるじゃないですか」

思い出したような表情を一瞬したものの、球磨はとっこー服とやらがイケてると思います!…等と話を逸らす。
381 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/06(金) 15:49:13.27 ID:71kw4hZUO
>>379
「なんで睨むんですか……」

治してあげたのにとでも言いたげに恨めしそうな目で見ている。左手で肩甲骨のあたりをさすりながらどさくさに紛れてさっきから右手は右胸をそっとつかんでいる。

「!!……それ、大丈夫なんですか?衛生的に……」

驚いたあと、はっと気づいた様子で尋ねた。
382 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/06(金) 15:51:03.84 ID:71kw4hZUO
>>380
「どんな師匠だよ……トッコー服ってお前もアレなシュミだな……」

ちょっと引いてる
383 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/06(金) 16:27:07.88 ID:OFOuvP1O0
>>382

「師匠は……とても恐い人です、変態だし」

球磨はどこか遠い目で空を仰いで呟いた。

「むー、とっこー服や胴着は強そうに見えて良いではないですか! 他にも…」

頬を膨らませて抗議するが、その後に鎧がー、鎖帷子がー…等と宣っている辺り、自分も弟子として変人なのは確定的だ。
384 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/06(金) 19:10:39.96 ID:3+r/PSToo
>>383
「そうだな変態だな……っ、道衣をトッコー服なんかと一緒にするなよ!」

苦笑いから突然ちょっとムキになった
385 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/06(金) 23:14:58.42 ID:rlSigXlDO
>>380
「毛皮の下は何かまずい事でもあるのかい?
 確認の為にも……取り敢えず見せてみてくれないか」
少し思案した後に両手を伸ばし軽く脱がしに掛かる。
口調には変化なく依然落ち着いたまま。よもや毛皮の下が全裸だとは思いもしていないようだ。

386 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/06(金) 23:21:12.46 ID:rlSigXlDO
>>381
「その手だ!」
咥えさせられていたタオルを吐き出すと胸に触れている手を両手で掴む。
けれどもパワーの差は歴然。どうやら力を込めているようだがビクともしない。
「えぇい、手を離せ! 揉むんじゃない!」


「……大丈夫」
はむはむ。とアルミホイルの巻かれた取っ手を持ってターキーを頬張りだす。
逆の手でシルクハットを振ると白いハムスターがゼオラの膝の上に転がり落ちた。
387 :阿部ノ球磨 [sage]:2015/02/07(土) 02:01:21.34 ID:/26ankvl0
>>384

「相手の技を真似る我が流派にとってコスプレは至高である…とか理由はあるらしいんですけど、はぁ」
深い溜め息を吐く球磨からは、並々ならぬ気苦労が察せられるだろう。

「男らしさでは通ずる物があると思ったのですが?……そう言えば、貴方もカッコいい服装ですね!」
ズイッと近づいて行き、相手の服を眺める。

>>385

「やっ!?…何にもないですよ! 色んな意味で何にもないですから!!」
持ち前の脚力を使って後ろに跳び退いた球磨は、動揺しているのか怪しさ溢れる言葉を連ねていた。

(もし、見られたら…社会的にも師匠の命令的にも抹殺されてしまいますっ!!)
388 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/07(土) 12:46:46.40 ID:E7Kt1uyTo
>>386
「これは胸が大きいと肩がこるらしいですから一回外されてダメージを負った肩の負担をやわらげるためにですね……ほら、そんな無理に力入れたりしたらまた痛みますよ」

揉むなと言われてから揉み始めた!


「おっと!」

膝に落ちたハムスターが下まで落ちないように受け止めようと転がる進路上に両手を差し出した。
389 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/07(土) 12:53:46.27 ID:+lB2U7cyO
>>387
「何も無い……ならば尚更、その毛皮は脱いでもらわなければ困る訳だが」
訝しむ視線を強めクマを眺める。
「僕も仕事だ。あまり野放しには出来ないのさ」
390 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/07(土) 12:58:25.02 ID:E7Kt1uyTo
>>387
「どっかで聞いたような理由だな……」

どこだったかなあと口に人差し指を当てて考えてみるが思い出せないようだ。

「ただの学ランだぞ?まあ、一応、校則違反にならない程度に動きやすくは作ったけど……」
391 :阿部ノ球磨 [sage]:2015/02/07(土) 13:54:36.91 ID:kaDAwbec0
>>389

「手荒な真似をしたくは無いですから、本当に来ないで下さいっ!」

今度こそしっかりとした型を構える辺り、近づけばタダでは済まないであろう。

>>390

「少なくとも思い出すべき言葉ではないのですよ」

そう言いながら、あはは…と苦笑いを浮かべ

「かいぞー制服とやらにも球磨はロマンを感じるのです!」

半ば楽しそうにまじまじと相手の服を見つめる。
392 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/07(土) 14:05:29.05 ID:E7Kt1uyTo
>>391
「改造ではないんだけどな……いや……気づくたびに手直しとかしてるから改造っちゃ改造なのか……?」

なんか勝手に悩みだした
393 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/07(土) 14:27:13.06 ID:+lB2U7cyO
>>388
「ひあっ!? 揉むなっていってるだろ!」
乗せられていただけの手が動き始めると一層声を荒らげて。
相変わらず威勢はいいが伊織の腕に収まっている間対した抵抗ができないのは確かだ。


転がり落ちたハムスターは少女の掌に収まっていく。
真っ白い毛並みのハムスターは赤いくりんとした瞳を投げかけていた。
「……」
ゼオラの腕が伸びてきて、黒いフリルのついた袖から除く白く細い指先がハムスターの頭を撫でる。
懐いているのか、頭を差し出していくと掌に腰を落とし心地良さそうに撫でられている。
394 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/07(土) 14:31:50.31 ID:+lB2U7cyO
>>391
「クスッ、キミも強情だ」
口元に手を添えて不敵な笑みを浮かべる。
紅い瞳は構える球磨を見定めるかのようにじっと向けられていた。

「それも、面白いかもしれないね……?」
対してこちらは構えなどは一切見せないが、球磨に注がれていた瞳が鋭さを見せた。
395 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/07(土) 21:56:31.37 ID:E7Kt1uyTo
>>393
「おやおや、そんな声を出して……いやよいやよも好きのうち、ですか。
 ふふ……こんなところで喜ぶなんて随分と物好きですね」

背後から抱きつくように左腕をお腹のあたりに回して密着し、耳元でささやく。胸をもむ右手は止めない。



「わあ……」

後ろでなんか大変なことになっているが、ハムスターに夢中で全然気づいていない。
396 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/07(土) 23:07:18.72 ID:b6AFOcPco
>>395
「びっくりしただけだ!
  ふーざーけーるーなー!!」
わあわあと喚き立てるがやはり抜け出すには構わない。
「ゼオラ、助けてくれっ!」
手を上げてふりふり。
少し離れたところのゼオラに助けを求める。


手の上が心地よいのかハムスターは本格的に身体を倒しやすらぎ始めた。
小さな体躯を震わせて深呼吸をして、紅い瞳にゆっくりと瞼がかかりはじめていた。
「……」
ちょうどその時、少女の袖を引くゼオラ。
目が合えば背後の伊織とレラの方にゆっくりと視線を移していく。
397 :阿部ノ球磨 [sage]:2015/02/07(土) 23:16:59.15 ID:bvxduMN80
>>392

「幾度も壊れては強化してゆく……熱い展開ですね!」

漫画で書いてある通りです!…と球磨が勝手に白熱しだした。

>>394

「少しも面白くなんかないです!! うーん、諦めてはくれませんか……なら、いささか乱暴ですが少し眠ってもらいますよ!」

ダッと前へ踏み込み、相手の首筋に目掛けて手刀が放たれる。
気絶目当てなのは優しさ半分、武術家としての誇り半分といった所だろう…相手が只の素人と油断している時点で武術家として甘々ではあるのだが。

398 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/08(日) 00:13:48.21 ID:jU2QgY60o
>>396
「……やっぱり口で言っても無駄なもの同士気が合うんでしょうか」

二人の姿は時雨には仲良くじゃれあってるように見えたらしい。少し気にはなったがちらりと見た後手の上に視線を戻した。
乗られてしまったうえに眠りそうになっている以上、放り出すわけにはいかないのだ。
399 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/08(日) 00:16:10.02 ID:jU2QgY60o
>>397
「いやー、べつにそんなパワースーツ的なものでもないんだけど……」

何か仕込めるようにしとくのもいいかもしれないななどと考えてみたり



「ん?やるのかお前ら」
400 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/08(日) 00:29:23.77 ID:RoyZEc+to
>>397

球磨の一挙手一投足を真紅の双眸が見つめていた。
避ける気配は見られない、依然として瞳のみが力を携えたまま。
球磨の手が首へと伸びて突き刺さる、その直前。

微かな笑い声と共に差し出された一本の脚。
真紅の瞳に帳が掛かる。けれどもその口は緩く歪んだままで。
二人の体格差、リーチの差を活かしただけのこと。
球磨の動向を遮る脚のただ一本。それだけで攻撃は届かないだろう。
401 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/08(日) 00:36:06.68 ID:RoyZEc+to
>>398

シルクハットが無くなった分軽くなった首がコクコクと傾く。
少女に同調を見せたのかゼオラの視線もまた掌へと戻っていく。

「聞こえてるだろお前ら! おい!」
興味が遠退いていくのに気付いたのか焦りを見せて。
わんわんと声を張るが一度離れた視線を戻すのは難しいだろう。
402 :阿部ノ球磨 [sage]:2015/02/08(日) 01:07:49.43 ID:rJuCp06h0
>>399

「ち、違うのですか!? では、背中に竹刀を入れたり、ポケットに鉄性のヨーヨーも入れてはいないのですね…」

何だか時代錯誤のイメージを球磨は抱いていたようで、これまた残念そうな表情を浮かべていた。

「球磨としては穏便に済ませたかったのですが…ねっ!!」

既にそう言いながらも、球磨は麗人に向けて手刀を放っていた。

>>400

(なっ……素人さんが反応できる動きじゃなかった筈ですよ!!)

まず、首を狙うためとはいえ逃げ場の無い宙へ跳んでの攻撃。
次に、軽業で相手の足を土台に跳ぶにも油断から反応が遅い事。
最後に、相手の力量を測らずに戦いを挑んだ浅はかさ。

全てに置いて球磨はミスを侵していた。

「きゃうっ……ッ、あいたたた」

差し出された相手の足に自ら突っ込み、吹っ飛んで転がる様はなかなかに滑稽であろう。
そして、尻餅を着いた状態で頭をさすっている辺り…まだ、自らの慢心を理解していない様だ。
403 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/08(日) 02:00:43.26 ID:RoyZEc+to
>>402

「未だだ」
転がる球磨に急速に伸びてくる真紅の手。
静寂を携えた落ち着き払った瞳はなく、滾る炎の輝きを見せる瞳。
そこにあるのは麗人の雰囲気ではなく、獲物を前にした狩人のそれ。

浅はかさを理解させる前に狩り取ってしまう。
そんな危害すら感じられる攻撃的な手が球磨の頭を掴んで地面に押し倒した。
404 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/08(日) 03:24:00.69 ID:rJuCp06h0
>>403

「ほえっ?……な、なかなかやりますですね。 こうなれば、球磨も本気を出さなくてはならないですかねー…なんてです」

追撃を見事に喰らい、強引に寝かしつけられるも軽口は叩ける様だ。
しかし、半ばマウントを取られた球磨はジタバタと身じろぎをするのみで劣勢には変わり無い。
405 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/08(日) 09:39:39.91 ID:RoyZEc+to
>>404
「僕の目論見は解る筈だけどね」
球磨との温度差は見事な程で、区長は驚くほどに冷淡で。
静と動とが完全に切り替わった視線、雰囲気、身のこなし。
「手を出そうだなんて考えないでくれよ。僕にだって考えはある」
残虐さすら感じさせる冷徹な台詞。
床に倒れた球磨への脅しとも取れる言葉は冷たく、鋭く。
白い手で頭を押し付けたまま、球磨の首元へと伸びる真紅の手が秘められた毛皮の中を明らかにしようと……。
406 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/09(月) 09:33:53.91 ID:2+lfDdVgo
>>401
「騒がしいですね……ちょっと静かにしてください、寝てる子がいるんです」

騒音扱いである。足でケースを二人の方へ向け、肘で叩く。二人に白い棒状のものが発射された。

「あいたっ!」

発射されたものの一本は伊織の頭に当たり、粉々になる。どうやらチョークのようだ
407 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/09(月) 09:35:24.59 ID:2+lfDdVgo
>>402
「昭和か!」

再放送とかCS放送でちょろっと見たことがあったらしい。


「油断するなよ、よそみしてるとやられるぞ?」
408 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/09(月) 09:50:01.60 ID:K4xYiMKCO
>>406
「はうっ!」
同じくレラの額にもチョークがヒット。
伊織の手を押さえつけていた手が額へと動いていく。
「くそぅ……どこまでも憎たらしい奴だ」
やはり自分の事は棚に上げて。


「……」
ふと、ゼオラは隣の何も無い地面をぽんぽん。と叩く。
すると、どこからか灰色の毛並みの猫が現れて少女の前に並ぶように座った。
尾先が黒く、耳の先が白い灰色の猫は、頭に伸びたゼオラの手を気持ち良さそうに受け入れていた。
409 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/09(月) 11:33:04.00 ID:2+lfDdVgo
>>408
「反撃してやりますか、こっちも」

さわやかな、しかしどこか黒い頬笑みを浮かべる伊織。相変わらず胸から手は離れていない。


「わあ……はっ」

猫の出現にさっきよりもさらに顔がゆるむ。しかしハムスターがやられてはいけないと手を上にあげた
410 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/09(月) 11:59:41.75 ID:K4xYiMKCO
>>409
「何をする気かは知らんがそろそろ僕を離せ!」
額を押さえたまま涙目で見上げて睨む。


「大丈夫……仲はいい」
撫でられた猫は目を瞑ると大きく口を開き欠伸をする。
すると今度は頭ごと上半身を下げて羽を伸ばし始めた。
411 :阿部ノ球磨 [sage]:2015/02/09(月) 23:45:05.75 ID:CZmNDyqi0
>>405

「出来れば…や、優しくして下さい……」

急にしおらしくなった球磨は抵抗をピタりと止める。
流石に観念したといった所だろうか…

(あと少しで、もがけば指を噛みつける距離に達します!…焦らずに機を待つのです)

手は出さないが歯を出すつもりの様だ…。
しかし、何処ぞの球磨とは違い、冷静な彼にこの原始的な作戦が通じるのだろうか?

ともかく、このまま脱がそうとすれば…球磨は瞬発的に顔を動かしガブりと牙を突き立てるだろう。

>>406

「いやー、師匠と夕方に見るのが日課でして…つい。 あ、でーぶいでーにキッチリ焼いてあるので、興味がお有りならお貸ししますよ!」

前のめりに話す辺り、好きな話題なのであろうが今の球磨は暑苦しい事この上ない。

「ご忠告有り難う御座います。 しかし、既に決着は着いているのですよ!」

これが勝利していた時の台詞ならば格好が良かったのだが…頭を地面に押さえつけられて言っている時点で台無しである。
412 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/10(火) 02:07:27.77 ID:2u9aDeW6o
>>411
「フフ……」
けれども瞳の真紅は赤々と燃えたぎっていて。
しおらしくなった球磨を見つめるそれは食前の品定めにも似た鋭さで。
心の奥底を見透かしているのかと不安を覚えさせる、球磨のを一度は揺らがす程の、強い瞳。
「本当に、手を出しても、いいのかい……?」
瞳とは対照的に、小さく響いてくる音は落ち着き払った物で。
413 :阿部ノ球磨 [sage]:2015/02/10(火) 02:41:56.63 ID:Y9nUM2/80
>>412

「そりゃあ、勿論なのですよ…球磨は敗者らしく服を搾取されるのみです。さぁさぁ、バッと!」

嘘も方便と言わんばかりに相手を誘導する球磨であるが、内心はバレてないかドキドキだ。
加えて、他のドキドキも少しはあるのか、相手の瞳の紅さが色移りした様に球磨の頬も紅潮していた。
414 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/10(火) 10:11:33.43 ID:i4Rruna1O
>>413
「何を狙ってるのかは解らないが……。
 僕としても、確認するわけにはいかないからね」
クスリと笑って瞬けば、瞳の滾りはすぐに消え去り。
諦めめいた吐息が球磨の頬、髪を撫でていく。
そっと伸びてきた真紅の手が球磨の首元に触れ、肌を撫でながら着ぐるみに指を掛けようと……、
415 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/10(火) 11:46:04.75 ID:J7OV2vPOo
>>410
「何かして欲しかったんですか?」

伊織は胸を触ってはいるが、冷静になってみると特に拘束はされていなかった。


「へぇ……すごいですね。ハムスターが猫にやられたって話よく聞くので」

416 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/10(火) 11:47:13.29 ID:J7OV2vPOo
>>411
「いわんこっちゃねぇ!やられるのはやいな!」

強烈なツッコミが入る。
417 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/10(火) 14:08:18.78 ID:i4Rruna1O
>>415
「そんな訳無いだろ! ……フンッ!」
声を掛けられて拘束がない事に気付いたらしく伊織に腹パンしてから飛び退いた。


「ずっと、一緒……だから」
眠たげな目を猫とハムスターそれぞれに向けながら語るゼオラ。
灰猫は前足を少女の手へと伸ばし、なんども招くような動作をしている。
418 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/10(火) 15:00:21.68 ID:J7OV2vPOo
>>417
「まったく、素直じゃないですねぇ……」

避ける素振りも見せずにくらった腹パンは全く効いていないようだ。


「招き猫!よく仕込んでますね……」

かわいいなあこんちくしょうみたいな顔になってる。
思わず手に力が入り、手の中のハムスターが危険な状態に!

419 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/10(火) 17:14:21.27 ID:i4Rruna1O
>>418
「煩いな! だまってろこの変態忍者が!」
さらにもう一度パンチ。
しかし、やはりというか細みの貧弱ボディからのダメージはない。

「……」
灰猫が少女の手へと身を乗り出してくる。
どうやら、手の中のハムスターが気になって仕方ながないらしい。
420 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/10(火) 23:10:12.10 ID:J7OV2vPOo
>>419
「腹パン合戦したいんですか?」

勝手な解釈を始めた



「えへへ……はっ!」

猫が動いたので自分に握りつぶされそうになっているハムスターが視界に入り、慌てて手の力を抜いた。

「ご、ごめんね……?」
421 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/10(火) 23:49:00.72 ID:2u9aDeW6o
>>420
「んな訳無いだろ!
 ちょっとは考えたらわかるだろこれだから能無しは……」
イライラが収まらないレラ。
それどころかフラストレーション溜まりまくりだ。
「殴り合いたいならいつも通り兄とでもやったらどうだ。
 あの正義バカも手に負えん。今も出てこないかヒヤヒヤしたぞ……」
折の中の馬に視線をチラリと向けて溜息を吐いた。


少女の拳にしがみつくと甘噛みをする灰猫。
どうやら予測の通りハムスターを案じていたらしく掌が開かれるとその中のハムスターと目を合わせていた。
422 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/11(水) 00:02:39.15 ID:z7A5+Epso
>>421
「煮干し食べます?」

カリカリしているレラを見て笑いながら尋ねる。


「本当に仲良しなんですね……」

嬉しそうに見てる
423 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/11(水) 00:20:30.39 ID:wVtcZdjQo
>>422
「チッ……」
帰ってくるのは至極不機嫌そうな舌打ちのみ。
少女から貰ったカーディガンを脱ぎながら伊織に崩された衣服を整えている。


「そう」
それだけを口にしたゼオラは掌からハムスターを拾い上げ、シルクハットに収めると被ってしまう。
灰猫の顎を撫でながら小さく欠伸を見せると、目地理の涙を拭った。
「この時間は……ねむい……」
424 :阿部ノ球磨 [sage]:2015/02/12(木) 10:42:19.42 ID:KaXqVx/P0
>>414

「………頂きです!」

球磨は即座に下を向き、僅かに届きそうな相手の手へと噛み付こうとした。

(これで隙を突いて逃げられれば…)

もし、この原始的な技が成功すれば、押さえ込みが緩むまで鰐の様に離さないであろう。

>>416

「先手必勝としかけたまでは良かったのですが…くまま」

ぼやきながら球磨は、むぐぐ…と歯咬みをしていた。

425 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/12(木) 13:27:53.19 ID:dhNy/2W6o
>>423
「そこです」

舌打ちで開いた口の隙間に煮干を突っ込みニコニコしている。


「……ミント食べます?」

少し考えポケットから取り出したのはピンク色のほとんどミント感のないほぼただのラムネレベルのものであった。
426 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/12(木) 13:29:17.17 ID:dhNy/2W6o
>>424
「よくそんなんでクマに勝てたもんだな……」

先程の憧れめいていた視線は既に覚めた疑いの眼へ
427 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/12(木) 14:24:32.42 ID:oqGhcQSvO
>>424

突如身体を起こし反撃に移る球磨。
その隆盛に真紅の瞳が一瞬の揺らぎを見せる。
その一瞬が仇となり球磨の牙は真紅の手に喰らいつき捉えることに成功した。

が、次の瞬間、強い衝撃。
押さえられていた頭に急な力が加わり、無理矢理引き剥がされてしまった。
球磨から距離を取ったアルビノは再び冷静さを取り戻した瞳で見つめる。
「成程、キミの狙いは……。
 少し、野性的な側面が強いようだね、やはり」
グローブ越しだった為にダメージはそれ程でもないようだったが、表情は微かに苦く。
「その辺りも、僕が確りと躾てやらなければならないのか、な……」
噛み痕を見つめながら、静かに呟く。
428 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/12(木) 14:28:58.13 ID:oqGhcQSvO
>>425
「……ぺっ」
無言のまま吐き出すと強く鋭い視線を送る。
蔑んだ瞳はまさに突き刺さるかのよう。


「いらない。
 眠いのが……普通、だから……」
うつらうつら。
瞬きの感覚が長くなり、初めから穏やかだった口調はより間延びしてくる。
429 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/12(木) 23:39:55.27 ID:dhNy/2W6o
>>428
「あーあ、食べ物粗末にしちゃいけないんですよー?バチあたりますよー?煮干しに祟られますよー?」



「……」

反応に困りながらも嬉しそうな顔で猫をなでる
430 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE :2015/02/13(金) 01:16:14.06 ID:wBMFxTEWo
>>429
「そんなに怖けりゃ貴様が拾って食え」
横暴。
さぞどうでも良さそうに吐き捨てる。


「そういう、こと」
ハムスターを入れたシルクハットを頭上に乗せると被り直し。
特に宣言無く立ち上がると音もなく静かに校舎の中へと消えて行った。
残った灰猫は静かに撫でられている。それを許す限り、かなり大人しく感じられる部類だ。
431 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/13(金) 12:21:14.49 ID:9q1PjGtCo
>>430
「おかしなことを。ひどい目に合うのはレラさんなのに……まあいいでしょう。レラさんがひどい目にあって涙目とかむしろそそりますからね」

くっくっくと愉快そうに笑いながらレラを舐め回すように見た。


「ロシアンブルーですか?このこ」
432 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/13(金) 14:13:14.60 ID:6xfS54J9O
>>431
「ククッ、祟りだとかなんだとか。
 子ども騙しに付き合ってなんかられんな。
 第一、科学者がそんな非科学的な事を信じると思うか?」
小馬鹿にした態度、笑みで伊織を見つめ返す。
周りを気にするたまではないのか、伊織の視線をものともしない。


ゼオラは猫を置いて帰っていった。
撫でられている猫は宛先のない問い掛けを気にしたのか少女の方を見つめていたが。

こくり。
にゃあ。と言う声と共に首が縦に振られたような……?
433 :阿部ノ球磨 [sage]:2015/02/13(金) 17:45:13.02 ID:6fejS+HV0
>>426

「野生の熊はカウンターとかしませんのです…じゅ、純粋なパワーとスピード比べなら絶対に負けないのですよ!」

必死に言い訳をするが、先ほどの戦いを見てしまうとやはり嘘臭さは抜けないだろう。
加えて、頭が回らないことも露見している始末だ。


>>427

「くっ、浅かったですね……ぺっぺっです」

口に残るグローブの味に少しばかり顔をしかめるも、徐々に燃えてきたのかニヤりと球磨は笑う。

「鬼の師匠にしごかれ…基、躾られた球磨を躾るですか。それは中々に面白い冗談ですね!」

先程の様に突っ込んできたりはせず、球磨は構えたまま微動だにしない。
どうやら、手加減する余裕はないと今更ながら認識したらしい。

434 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/13(金) 21:50:25.67 ID:9q1PjGtCo
>>432
「いやあ、うちもいろいろ科学的なことには手を出してるんですけどやっぱりそれだけじゃあ説明のつかないことなんかもありましてね……」

あやしい笑みを浮かべる。



「……行ってしまいました……ん」

ぽかんとそのまま行ってしまったゼオラを見送りにゃあという声の聞こえた方へ視線を移す。

「ロシアンブルーなのかにゃ?」

周りに聞こえないように小声で猫に話しかけた
435 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/13(金) 21:51:34.65 ID:9q1PjGtCo
>>433
「クマと……力くらべ……?金太郎さんかよ!?」
436 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/13(金) 22:56:02.22 ID:6xfS54J9O
>>433
「さて……。
 僕にはキミのその言葉が冗談にしか聞こえないんだがね」
躾られたとかどうとか。
鈴との会話から、彼の師匠もまた奇特な人間なんだろうな、等と察しつつ。

「さて、掛かってくるのかい?
 意味の無い行動は辞めたいのだけれど」
即ち、此方から手を出すつもりは無いというサイン。
振る舞いにもそれが反映されているらしく、構えらしきものは見えない。
ただ、真紅の瞳はまた燃えるように視線を強め、球磨の細かな動作まで注視していた。
437 :ゼオラ&レラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/13(金) 23:08:15.09 ID:6xfS54J9O
>>434
「貴様等なんかと比べられても困る。
 なんであれ煮干に恐れる理由が無いだろ?」
相変わらずの天才っぷり。
胸を張り満足げに笑う姿は、言葉通り微塵も心配はないようだ。


再びにゃぁ、という返事。
しかし、今度は声だけの反応のみで、サインのようなものは見受けられなかった。
頭の天辺と尾先が独特な色合いの猫は、その毛並みで種別を見極めるのは困難だろう。
438 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/17(火) 16:25:33.42 ID:UYjPsWDso
 
439 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/02/19(木) 07:33:29.28 ID:HzmSKvQ9o
 
440 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/19(木) 09:01:09.00 ID:Ka9usAPvo
>>437
「最近この辺りではもったいないオバケが出るって噂なんですよ」

どこか馬鹿にしたような笑顔の伊織。
レラの背後の溝の蓋がガタガタと音を立てる。


「……ロシアンブルーは全身灰でしたね」

脇の下に手を入れて抱き上げ、両耳の後ろをかりかりとかいてやる
441 :レラ&猫? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/19(木) 09:58:08.84 ID:xnh77EWOO
>>440
ガタガタと音がすると驚いて飛び退く。
音の出処を見つめながら口にした言葉は微かに震えを見せていた。
「お、おい……僕を脅かしても無駄だぞ。
 また訳の解らない忍術とか言う奴を使ったんだろ?」
ビビりまくり。ちょろい。


耳の裏を掛かれると目を閉じて気持ち良さそうに受け入れていたが、
にゃあ! と大きく鳴くと暴れて少女の手元を飛び出してしまう。
水気を切るときのように身体を激しく震わせると欠伸なのか大きく口を開いて。
「うっかり猫になりきってしまうところだったわ……」
喋った。
442 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/19(木) 15:21:19.84 ID:+CPL3T44O
>>441
「はて、忍術がどうかしたんですか?」

首を傾げる伊織。本当に気づいていないのか、それとも迫真の演技なのか。


「きゃっ!?ご、ごめんね……」

急に鳴いて飛んでいったのでびっくり。なにか嫌がることでもしてしまったのかと心配そうな表情でじっくりと観察。

「…………えっ?……えっ?」

もともと大きめな瞳を更に大きく見開いて猫を見る。今明らかに日本語喋った
443 :レラ&猫? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/19(木) 15:31:28.94 ID:xnh77EWOO
>>442
「ど、どうしたもないだろ! アレだアレ!」
震えた蓋を指差しながら迫っていく。
気迫だけはかなりの物で力強く問い詰めていく。


「何よ」
喋った。
周囲に誰かの姿はなく、そんな気配も感じられない。
猫の方も、如何にも私が喋りましたと言わんばかりの態度、視線を少女に向けていた。
「ネコが喋ると可笑しいのかしら?」
444 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/19(木) 16:52:08.72 ID:+CPL3T44O
>>443
「溝がどうかしたんですか?」

伊織が視線を向ける。すでに蓋は静まり返り、意識を集中させるも気のせいだったのかなと思うほどに風と水が流れる音がかすかに聞こえるだけである。


「!?」

また喋った。そんなバカな、そんなはずがないとキョロキョロと周りを見回すが少し離れたところに口で言っても無駄コンビが居るだけで他に誰もいない。
目の前に猫がいるだけ。

「?????」

猫にスピーカーでもついているのかと抱き上げて調べる。特についてない。

「!!!」

気のせいかと思ったところで猫が喋った。間違いない。耳だけでなく猫から腕に伝わってくる声の振動。声の主は間違いなく猫だった。
445 :レラ&猫? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/19(木) 22:09:42.77 ID:Ruhz03Hoo
>>444
「いや、今動いただろ?
 も、もしかして動いてないのか……?」
伊織と溝とを何度も視線を往復させて。
じっと凝視していたがふと気付いたのか身体を大きく震わせる。
「動いただろ!? 動いたって言え!!」



「下ろしなさいよ」
やはり喋った。間違いではない。
抱えた手から伝わる身体の震え、口の動きが間違いをあり得ないものにしていた。
「何に驚くのかはわからないけど、下ろして」
446 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/19(木) 22:43:25.10 ID:+CPL3T44O
>>445
「オッホww動いてますねwwwwww」

レラが溝と伊織に首を振るのに合わせて揺れ動く胸をガン見しながら嬉しそうに答えた。


「…………」

しばらく固まっていたが、そっと猫をおろした。
447 :レラ&猫? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/19(木) 23:04:00.20 ID:Ruhz03Hoo
>>446
「そうだよな、動いてたよな……ん?」
溝の方を注視しながら伊織の言葉に安心した様子でウンウンと頷いていたが、
戻ってきた視線が伊織の視線を追うとそれに気付き両手で胸を隠した。
「チッ……!」
伊織の足を踏みつける。
マシンブーツの重みがあるのでそこその痛い。


「もしかして、貴女も『猫は喋っちゃダメですよ〜』とか言うのかしら?」
誰の真似か声色を変えつつ巧みに喋る猫。
その声は幼子の物らしく透き通る愛らしいものだ。
少女に抱えられ手の触れていた部分を前脚で起用に撫でて綺麗な灰の毛並みを取り戻すと、
「そんな事言われても知らないわ。私は猫じゃないもの」
などと。
448 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/20(金) 00:54:44.36 ID:uUr3W019o
>>447
軽くて硬そうな音がする。涼しい顔の伊織。

「はっはっはっ、ね…兄さんに背後からむ…ちょっかい出しに行ってはさんざん踏まれましたからね……カーボン仕込んであるんですよ」

残念でしたねと笑う伊織。その一方でやはり溝の方から音が聞こえた気がした。


「あなたも……」

よそでも言われたのだろうか。別に喋っちゃダメだなんて言うつもりはないが、猫は人語を話すものではない。霜月家にいたもっふるとかいう猫も猫らしく鳴くことしかしていなかった。
人語を解し、人語を用いるのはそう

「ねこまた!」

449 :レラ&猫? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/20(金) 02:07:09.67 ID:nwFZgZbgo
>>448
「相変わらず忌々しい奴……ひっ」
非科学は信じないとは一体何だったのか。
溝の音に攻撃的な姿勢は崩れあまつさえ伊織に身を寄せてくる。
裾を引っ張りながら溝を指さし。
「なぁ……ほんとに何もないのか?」


「残念、はずれよ」
余程見当違いらしく可笑しそうに笑う。
「そうね、でも特別に答えを教えてあげてもいいわ。
 知りたいなら……少し、目を閉じてもらえるかしら?」
その提案に乗り目を閉じ少しすれば、額に手が乗せられ「開けてもいいわ」と続く。
450 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/20(金) 10:55:15.17 ID:eMzmPcheO
>>449
「確かめてみましょうか」

レラの指差した溝へと歩いていくと、ペンライトで隙間から中をチェック。さらにコンクリートの蓋に手をかけよいしょと掛け声をかけながら持ち上げてどかせる。

「結構泥が溜まってますねえ。でも特に何もいないみたいですよ」


「…………」

すこし考えたのち、瞳を閉じることにした。
451 :レラ&猫? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/20(金) 17:24:08.15 ID:i0lwLKfFO
>>450
「おい、大丈夫なのか……?」
恐る恐るといった様子で伊織の後を付いていく。
溝の中を覗き、何もないのを確認すればパッと顔が明るくなる。
「フフン、まぁ、何も無いなら構わんのだがな」
理由のないドヤ顔。


目を閉じる少女。
視界が黒に染まる最中、猫は小さく欠伸をしていた。
「さ、もういいわ。開けてみて」
10秒程度の間の後に、声と共に額に軽く手が触れる。
目を開いた先に立って居たのはゼオラ……に良く似た少女だった。
身長や顔立ちは瓜二つ、猫の声が耳に馴染んだのはゼオラと同じものだったからと気づく筈だ。
ただ、彼女の姿は赤かった。
真っ赤なドレスを身に纏った赤毛の少女。
452 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/20(金) 18:16:06.37 ID:2WLU52WsO
>>451
「まったく、なにもないじゃないですか。なんだかんだ言って可愛いですね、ふふ……」

振り返り、手についた土を払いながら微笑む伊織。その背後では溝から噴き出した泥が3mほどの人のような形となり、威嚇するように両腕を振り上げた!!


「!!!これも手品だったんですか!すごい仕掛けですね!」

ゼオラだと思っているようだ。
453 :レラ&ゼオラ? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/20(金) 23:30:05.01 ID:i0lwLKfFO
>>452
「べ、別に怖がってた訳じゃ……おい、後ろッ!」
伊織の微笑みを掠める銃弾。
腰のラックから小型の機械が飛び出し背後の泥人形を捉えていた。
レラの戦士としての質を感じさせる反射的な行動だった。


「手品じゃないわ。
 アナタ、何か勘違いしてないかしら?」
ぺちん。と二度目に捉えた額は微かな力を持って向けられた。
幾ら顔形が似ているとは言え、少女の変貌は手品で済ませない程の物があった。
黒衣のゼオラには存在しなかった気配や雰囲気。赤いドレスの少女はそれを全面に押し出していた。
胸元に大きくハートの描かれたドレスに、真紅に輝く巨大な宝石のあしらわれた王冠。
そして、首から下げられた大きな大きな懐中時計は絶えずカチカチと音を鳴らしていた。
「まぁ、似ているのは仕方ないものね。
 あの子が『影』で私は『鏡』。……どちらも同じ形を移すものだもの」
454 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/20(金) 23:53:06.26 ID:uUr3W019o
>>453
「何を……ッ!?」

銃弾をかわしながら振り返る伊織を泥の太い腕が掴む。そのまままるで気配を感じなかったと驚いた様子の伊織を遠くの方まで投げ飛ばしてしまった!

レラの放った銃弾は確かに泥人形を捉えたが、まるで効果が無いようだ。



「あいたっ、そういえばキャラが少し違いますね……なるほど双子ですか」

影とか鏡というのは双子の姉とか妹というのの邪気眼的言い回しで、そういう言い回しが好きなキャラの人なんだろうと勝手に理解したらしい。
455 :レラ&ゼオラ? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/21(土) 00:42:19.89 ID:t9Eazlbso
>>454
「おい、無事か!?」
声を掛け気に掛けるが手を出すことは出来ない。
マシンブーツを使い背後に飛び退くと同時にラックからさらに5つの機械を周囲に待機させる。
「ダメージがあるとは思えなかったが……」
他に手持ちは無く。
苦い顔をしながら泥人形を見る。


「双子……それも面白い答えね?
 そうね、とにかく、私はゼオラとは別の存在」
ニヤリと笑うと挨拶のつもりかスカートの裾を摘みながら例をした。
ゼオラもだが、この赤の少女はそれ以上に特異な姿をしていた。
真っ赤なドレスに赤い王冠。ハートの模様に大きな時計。
浮かべた笑みの赤い瞳は思惑のような、深いものを感じさせる。
まるで物語から飛び出してきたか、物語そのものかのような少女だった。
456 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/21(土) 01:16:03.17 ID:ZrAyHvr0O
>>455
遥か彼方まで投げられてしまった伊織。一体どこまで飛ばされてしまったのか……

『オオ……オオオオオ……』

目のような赤い発光体で飛んで行った伊織を見た後、地響きのようなうめき声のようなものをあげながらゆっくりとレラの方へと近づいてくる泥人形。


「……衣装といいその芝居がかった仕草、しゃべり方……やっぱりマジシャンですよね?」

一度は否定されたが様子を見ていると再びそういう結論に至ったらしい。

457 :レラ&ゼオラ? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/21(土) 10:24:52.12 ID:11fIZlQvO
>>456
「……」
何処まで飛ばされたのか、ダメージは問題ないのか。
いくつかの疑問が頭を過るが、それを確認する術は無い。
目の前の泥人形も、この速度のままならば捕まることは無いにしろこちらからの攻撃が届かない以上脅威には変わりない。


「だから違うわよ!
 あと、これは私の普段の服なの。『私』に相応しい、ね」
頭上の王冠、真紅の服を見せ付けるように胸を張り。
458 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/21(土) 20:20:15.75 ID:9DeGU3H8o
>>457
「ウウウ……」

足が無いのか、ほふく前進のような動きでレラの方へとまっすぐに進んでくる。移動方法故に早くはない、しかし、その移動方法の割にはかなりのスピードである。
もしかすると速い動きができるのかもしれない




「普段の服……えっ?えっ?」

聞き間違いかと思ったようで聞き返した
459 :レラ&ゼオラ? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/21(土) 23:25:52.92 ID:11fIZlQvO
>>458
「チッ、どんな動きで攻めてくる……?」
じっと土塊を見つめるレラ。
並行して後退し距離を離す。既にかなりの間があるがそれでも後退を止めない。
というのも、レラは身体能力が極端に低い分、相手の動向を推測するスタイルを取る。
データの無く、かつ想定のつかない相手には後手に回らざるを得ない。その為の間だ。


「何もおかしな事はないわ。だって私は女王様だもの」
頭上で輝く、真紅の宝玉を見せつけながら少女をのぞき込んでいく。
その姿は誇らしげで、微塵も自身の姿を疑問には思っていないと言うのが解るだろう。
460 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/22(日) 10:12:23.77 ID:73GNXDexo
>>459
ふたたび両腕を振り上げるとその腕を地面に叩きつけ咆哮。怒り、恨み、憎しみ、悲しみなどをそのまま音にしたような、そんな音であった。




「……ひゃっ!?」

この人何言ってるんだろうという顔て呆気に取られていたところで泥人形の立てた物音に驚いた。
461 :レラ&ゼオラ? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/22(日) 13:14:23.53 ID:xCcBGS2sO
>>460
「フン……その程度で、僕が靡くと思うなよ?」
叫びを耳にし、深く思い込む表情を浮かべる。
声の感じ、込められたもの。少なくとも意思はあるのかも知れない。


その一方で、
「あら……あら、なんだか面白そうじゃない?」
同じく叫びを聞き取った赤の少女は視線を向けると泥人形に声を上げ。
次に視線をずらし、その奥の姿を見つけると今度は楽しげな反応を見せる。
意気揚々と泥人形に向かっていくが、その手には何も無い。
462 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/22(日) 15:20:59.40 ID:73GNXDexo
>>461
「うわあ!?何ですかあのオバケ!伊織が悪いことしすぎてあんなになっちゃったんですか!?」

泥人形以外の二人を交互に見ながら尋ねる。とりあえず武器ケースを拾う
463 :レラ&ゼオラ? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/22(日) 18:26:24.39 ID:xCcBGS2sO
>>462
「あれ、何かしらね?」
相変わらず楽しそうな口調はそのままで、歩調には軽く跳ねる動作すら。
けれども、彼女の目線、向かう先は泥人形以外のもう一つへと。
「ごきげんよう。こんなとこで会うなんて珍しいわね」
声を掛けられたレラは目を合わせ、一瞬驚いた表情を浮かべるが、問いかけに顔を曇らせ。
「こっちのセリフだ」
とだけ。
「あら、つれないのね。
 それより、私もその面白そうな遊び、混ぜて貰えないかしら?」
「フン、好きにしろ」
友好的では無いレラの言葉に対し、語る少女はさぞ楽しげで。
464 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/24(火) 16:59:41.20 ID:QtI1BGa8o
>>463
『オオオ……』

接近してくる二人には目もくれず、レラへの接近を続ける。相変わらず泥人形は目の前のレラ以外には興味がないようだ。伊織も目の前にいて邪魔だったから避けた……その様な雰囲気があった。
レラが新しく現れた人物に意識を割いた瞬間、泥人形は玉を投げるように右腕を大きく振りかぶる。
その右腕が振り下ろされることで何らかの攻撃……何かを投げてきたり腕が伸びたりするのだろう。そう考えてその手に意識が移る頃、泥人形は思いもよらない攻撃に出る。
右腕とは関係ない身体のいたるところから無数の腕が矢のように飛び出しレラに掴みかかったのだ!
465 :レラ&ゼオラ? ◆RYO/n8uupE :2015/02/24(火) 18:19:55.78 ID:Sf5clFn/o
>>464
「動いてきたか、だが、この軌道なら……」
相変わらず軽快の目を強めていたレラ。
それは外から投げかけられる声に対応しているときも同様で。
泥人形の動きの兆候を読み取ると、その動きだしから動きのパターンを理解する。
思いの外人間に近い動き。そう結論付けた瞬間には既に動き始めていて。マシンブーツの炎を巧みに操り、身体を回転させながら回避行動をとる。
まるでスケートリンクの上で踊るかのような滑らかな動き、だが、
「何ッ……うわっ!?」
丁度背を向けたレラに泥の手が掴みかかる。
不定形故の不意打ちに瞬く間に身体を取られていく。

「フフン、私がいくわ!」
一方で、さらに遠い所から近寄ろうとする少女は泥人形の攻撃の兆候になおさら目を輝かせて。
手を水平に振れば、その動きに沿って紅い軌跡が残り。さらに次の瞬間にはその軌跡は一本の刀として握られていて。
「こんなのはどうかしら?」
滑り込むようにレラと泥人形、両者の間へと飛び込んでいく。
真紅の刃を払い、2点を繋ぐ泥の手をまずは一本、切り払い。
466 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [木の上]:2015/02/24(火) 19:30:04.62 ID:kKgfkNOSO
………騒がしいな
467 : ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/02/26(木) 01:34:27.31 ID:0XdV7xa/o
>>465
「なっ、えええええ!?」

泥人形から無数に伸びた手は一本また一本とレラの全身をつかんでいく。
その様子に驚きを隠せない時雨。

紅の一閃。砂の塊でも切るような感触で彼女の振るう刃はあっさりと泥人形の腕を通過した。
切られた腕からは新たな手が形作られ何事も無かったかのようにレラの方へ伸び、落とされた手は泥の塊となって本体へと戻り吸収される。
やがてレラの頭を残して全身を包み込んだ無数の腕は、レラを掴む巨大な一本の手腕へと形を変えた!

『セ…………イ……ノチ……アヤ……レ』

腕に合わせて本体も大きくなった泥人形はレラを顔の前に持ってくるとどこか悲しげな様子で何かを囁く。伊織の言うとおりもったいないオバケで煮干に謝れとでも言うのだろうか?
腕を一本切られたにも関わらず、相変わらずレラ以外の存在には目もくれないようだ。

468 :レラ&ゼオラ? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/02/26(木) 10:57:12.48 ID:LZ19Iy30O
>>467
「あら、斬ったのだけど効果がないみたいよ?」
「笑ってる暇があったらさっさと動け!」
斬った感想を相変わらずの様子で述べる赤の少女に捲し立てるレラ。
そうこうしている内に取り込まれてしまい、顔以外が埋もれてしまう。
顔らしき位置に近付けられる。泥人形は何かを喋っているようだがレラには内容までを理解できないようだ。
「奇妙な物だな……これも奴の忍術とやらの一端か……?」
等と返って冷静に分析を始める。
声は聞こえているようだが、理解するつもりが無いらしく。
469 : ◆f7JK9RIN.g :2015/03/09(月) 00:25:33.23 ID:ORgyLy5po
>>468
「これならっ!」

ビリヤードのキューか楽器のケースのようなものをくるりと回せばガシャガシャと音を立てながら銃口と排気口のようなものを覗かせて変形。
そのまま排気口から白い煙を吐き出しながら撃ち出された小さい缶コーヒー大の弾はレラを掴む丸太のような腕の根本に命中。半分ほどめり込んだところで爆発して腕と本体を切り離す!
泥人形本体を倒し、レラを飲み込んだ腕ごと10メートルほどふっ飛ばした!


「……えっと、だ、大丈夫ですか……?」

撃った本人が一番驚いた様子でしばらく呆然とした後、レラに安否を尋ねる。
470 :レラ&ゼオラ? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/03/09(月) 00:46:37.42 ID:pYsVQ2xNo
>>469
本体と腕が分たれると宙に投げ出されるレラの身体。
幸い、切り離された途端、腕がただの砂に戻りレラから落ちていったことで拘束が解けた。
するとマシンブーツを起動して颯爽と身を翻すと、空を飛んだまま帰ってくる。
「チッ……何だったんだコイツは、一体」
忌々しそうな視線を砂の塊に向けながら口を開いていたが、少女の方へと向き直り。
「フン、まぁ、助かった。ありがとう、な」
とだけ。

その一方で納得が行かないのが赤の少女。
爆発の衝撃に巻き込まれたのか砂まみれになって帰ってきた。
ぶりぶりといかにもお怒りのご様子。ドレスを払う手つきも荒い。
471 : ◆f7JK9RIN.g :2015/03/09(月) 09:48:00.13 ID:hNcx5cHEO
>>470
「良かった……でもまだ油断はできま……あわわ……」

横目でレラの様子を確認しつつ、煙の中でもぞもぞと動く泥人形の方に意識を集中させる時雨。しかしドロドロで怒った様子の赤いのに気付き、うろたえる。

(クリーニング代、いくらいるんだろう……)
472 :レラ&ゼオラ? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/03/09(月) 11:12:56.48 ID:pYsVQ2xNo
>>471
「それもそうだな……」
その場でターンして視線の方向を同じにするレラ。
それと同時にポーチから飛び出した小さな機械も泥人形の方を向きレラの警戒を表していた。


「……なによ!」
目が合うと怒鳴り散らす。
どうやら少女が悪いと思っているようだ。
機嫌の悪そうな顔をして泥だらけのドレスを見つめていたが、ふと両手を上げて頭上で手を叩いたと思えば。
「着替えるわ! 準備をおし!」
と言うなりそこらの物陰から突然赤い燕尾姿の少年達が飛び出してきた。
赤い少女とそう変わらないだろう年齢の彼らは彼女が赤の女王なら、宛ら赤の兵士と言ったところだろう。
脚立に登った少年達が赤い布を持ち上げると2メートルの筒型の即興の着替えスペースが作られた。
「ふふん。上出来ね」
彼らの働きっぷりに満足したのか小さくうなづきながらそんな事を口にすると歩いていく。
入り口で待ち構えていた一人に王冠を預けると仕切りをくぐって消えていく。

中からは軽快な鼻歌と衣擦れが聞こえて、それが一旦止んだと思えば上から泥だらけのドレスが放り出されてきた。
それを見計らったように、ドレスが回収され、上からたらいで水を落としていく。
今度はタオルを手にした二人が中へ入っていくと、入れ替わりで同じデザインの新品ドレスが運ばれていった。
「よし、終わったわ!」
中から少女のご機嫌そうな声が響けば、布を持ち上げていた少年達の手が離れ、赤の少女がドヤ顔で登場。
レラ達の元へと歩み寄ってくる途中で泥の落とされた王冠を被り、着替えは完了した。
473 : ◆f7JK9RIN.g :2015/03/09(月) 12:43:51.66 ID:hhnQnvkqO
>>472
「ぴゃっ!?」

怒鳴り散らされてびっくりしたせいで変な声が出た。圧倒されてそのまままごまごしている。どう考えても危険な状況であり赤い集団も時雨もそんなことしてる場合ではないはずなのだが


『オオオオオオオ!』

ほぼ元通り、禍々しさを増した形状になった泥人形。相変わらずその目標はレラのみのようで、自分の腕を斬りつけてきた赤いのの集団も爆発で腕をちぎってきたJCも眼中にないらしい。人間が無理矢理四つ足で歩くのを素早くしたような気味の悪い動きでレラの方へと進む!
474 :レラ&ゼオラ? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/03/09(月) 15:54:25.23 ID:PrXn57nbo
>>473
「〜♪」
上機嫌そのものといった様子。
怒っていたことなんか忘れてしまったらしく、鼻歌を鳴らす。
赤い布やドレスを持って撤退していく多くの兵士達だったが、三人が彼女の側に残っている。
見れば、赤い燕尾の彼らの手には着替えや道具ではなく弓が握られていて。
赤い少女が勢い良く振り返ると伸ばした手には既に赤い刀が握られ。
「さあ、放つのよ!」
その合図が響けば三人同時に矢を構え、同じタイミングで放つ。


「飽くまでも狙いは僕だけのようだな……フン、だがもう捕まらん」
接近したのを確認するとレラは高く浮かび上がる。
「奴の動きも……見極めれば問題ない」
475 : ◆f7JK9RIN.g :2015/03/10(火) 22:43:54.58 ID:epYiUfMho
>>474
「……(怒ってないみたいで良かったです)」

ほっと胸をなでおろす時雨。

放たれた矢はすべて命中。そのまま泥人形の中へと飲み込まれ……そしてレラのマシンブーツへと射出された!
476 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/03/11(水) 00:48:48.01 ID:DvVvbJ9Io
>>475
赤の従者が放った矢が呑み込まれ、高空のレラに跳ね返ってくる。
その挙動を見つめていたからこそ、回避が間に合ったがTシャツの裾を切り裂かれてしまう。
「フン、面白いじゃないか……だが、気に入らんな」
泥人形を見定めるように見つめるレラは腰のポーチを探る。
取り出したのは先ほど綾を追い詰めた小型の機械。
手を放すと落ちていくと思いきや、4枚の羽根を展開しレラの視線の先に飛んでいった。
視線の先には捕えられた異形の馬があった。双頭の機械馬はレーザーの檻に囲まれて抵抗を止めていたが檻の隙間を縫って入り込んだ小型機械が接触すると反応を見せた。

――――キイイィィ……!!

只管高い金切声が耳に刺さる金属音によく似た叫びを振りまいた。
それを見越したかのようにレーザーの檻が消え去り飛び出した馬は泥人形のほうへと電撃を放った!
「機械馬の指揮系統のハッキングを掛けた。
 電撃は吸収しても貴様の身体を蝕むだけだぞ? 放てまい」
帰還した檻を作り出していた小型の機械を周囲に纏いながら見つめるレラは得意げな表情で見物していた。
477 : ◆f7JK9RIN.g :2015/03/12(木) 22:40:50.98 ID:2omkhpkNo
>>476
「オオオ……」

電撃は直撃。そのまま地面へと抜ける。泥人形は特に防御姿勢も取らず、まるでゲームで良くある設定のように地属性だから電気とか効きませんしとでもいった様子で特に意に介する様子もなくレラの方へと向かってくる!


「な、なんでそのオバケにそんな狙われてるんですか!私なんか爆破しても無視されてるのに……」
478 :レラ&ゼオラ? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/03/13(金) 02:45:59.13 ID:AR56aU+Io
>>477
「チッ、想定はしていたが何も無しか」
舌打ちをし不快そうに顔を歪めるその一方で出で立ちは余裕を残している。
現在レラは校舎の二階程度の高さまで浮かび上がっており、ダメージの心配が少なさからの余裕だろう。

「フン、知るか。
 奴が煮干しの呪いだかなんだと言ってたが、現実にそんなものなら僕が謝る義理なんか無い」
吐き捨てるように口にする。
479 : ◆f7JK9RIN.g :2015/03/16(月) 14:43:30.90 ID:UUOfSO75o
>>478
「ニヴォシの……呪い……?何かの邪神かなんかですか?」

「煮干しですよ、煮干し。呪いではなく祟りだと思いますが。僕らが生きるための糧に命を捧げてくれた食物……
モノを食べるときはね、なんというか、感謝をもって食べなきゃいけないんですよ。食物を粗末にする者のもとへと現れるという祟りなんですあれは……なんですかその目は」

何か勘違いをした時雨に戻ってきた伊織が説明。奇妙なものを見るような目で伊織を見る時雨。

「……食べ物のたたりとか食物に感謝とかあなたの口からそんな道徳的な言葉が出てくるなんて……何か変なものを拾い食いでもしたんですか」

「失礼な!僕は食べ物は粗末にしませんよ!!」


言い合いをしている二人には目もくれず泥人形はレラの方へと進む。少しずつ良くなっていく泥人形の動きにレラは気付くだろうか
480 :レラ&ゼオラ? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/03/16(月) 15:04:00.21 ID:ed3L5FdCO
>>479
「そんな下らんもので怒られても困るだけだがな」
二人の会話を見下ろしながら、さぞ詰まらなさそうに吐き捨てるレラ。
血色が悪く青白い肌は食にいい加減そうだし、性格ネジ曲がってたりで道徳的な方も期待できそうにない。
「そもそも、それで何で泥人形が出てくるんだ。
 意味と形が伴ってないのに、説得をしようというのも理解できん」
攻撃が届かないと思って余裕すら見える少女。
しかし、その一方で泥人形に向く視線は鋭く、些細な変化すら見逃さないようにしているようだ。


「こうなったらあれを取り出すしかないわね!」
泥人形にスルーされまくりの赤の少女は気に入らないのか息巻いて。
意を決したように声を張り上げれば赤の従者が箱を持ってくる。
赤く塗られた木製の箱とそれを一心不乱に掻き回す少女は無邪気な少女とおもちゃ箱と言った雰囲気だが、
「あれ? あれはどこにいったのかしらー!?」
がちゃがちゃ、と[たぬき]よろしく中身をぶちまけていきながら目当ての物を探していく。
481 : ◆f7JK9RIN.g :2015/03/20(金) 13:17:53.85 ID:OTNZ+Zipo
>>480
「とりあえず謝ってみるのはどうでしょう。心をこめて」

相変わらず何を考えているのかわからない笑顔。本心なのか冗談なのかよくわらない。

「んー、例の地下研究所とかいうとこで作られたクリーチャーとかいう説はないんですか?あそこはろくなことしないって聞きましたよ?」

「うちの生徒でもないのによく知っていますね……しかしそうだとすると何故レラさんばかりを執拗に狙うのでしょうか」

とりあえず動ける状態でスタンバイはしているものののんきに話している。


『オオオオオ……』

一方、四足で歩いていた泥人形は立ち上がり、二足歩行を始めた。同時に片腕がを持った腕のように変化し始める。
482 :レラ&ゼオラ? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/03/21(土) 03:11:55.47 ID:Xly41PzTo
>>481
「気のない謝罪ほど馬鹿にした物も無いと思うがな」
フン。と鼻を鳴らしながらの返事は見下しながらの物で。

「ろくな事をしないだけなら構わないんだがな……」
手持ち無沙汰な表情で不機嫌さを顕にして呟き。
泥人形の動向を目で追っては居るが、距離があるからか余裕が伺える。
「何をしようというのか……。
 どうせ不定形の癖に、腕を変える理由があるのか……?」


分析と言葉を交える二人の足元には白い龍やらフランケンシュタインのぬいぐるみが転がってくる。
わずか離れた所で木箱を掻き回してきた赤い王冠の少女だったが……ついに目当ての物を見つけたようで、顔を明るくさせた。
「これよ! これさえあれば何だってできるわ!」
どうやら彼女の抱える赤い本が探し物らしく、既に木箱の中身には目もくれず、片付けは従者任せ。
483 : ◆f7JK9RIN.g :2015/03/21(土) 17:48:25.17 ID:+wrPB2iYo
>>482
「だからちゃんと心をこめてと……」

『コンナ……ハドウ……ラ……』

猫女の斬撃によく似たモーションで腕をふるう泥人形。
まだ狙いは甘いらしく、攻撃はレラの側を空振り、細かい砂が霧雨のように撒き散らされる。
勢い余って倒れる泥人形。
484 :レラ&ゼオラ? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/03/21(土) 18:25:17.17 ID:98IMnU/fO
>>483
「無駄な話だ。
 口を開く暇があったら少しは手を貸してみろ」
二人も理解は出来ているだろうが、レラが心を込める。というのは難しいだろう。
本人もそれを自覚済みらしく、つまらなそうに言葉を返す。

「ふむ……人の体を成そうとしているのか?」
成長を遂げている様子に感じられ、訝しむ。
砂を手で防ぎながらも、頬に張り付いた分を落としながら観察を続ける。
485 : ◆f7JK9RIN.g :2015/03/25(水) 00:37:55.65 ID:fNNKg/Kjo
>>484
「仕方ありませんね、ふふ……この貸しは高く付きますよ?」

どこからか取り出した刀で起き上がりかけの泥人形の腕や脚を斬りつける。

「そのままもうしばらく寝ててください」

キメ顔でそう言い放ちながら納刀する伊織。鍔鳴りの音に合わせ、泥人形は支えの手足を切断されまたしても地面に崩れ落ち……なかった。
まるで何事もなかったかのように泥人形は立ち上がり、レラの方へと向き直ると目のような発光体を赤く光らせる。

「なっ?!」
「そこの赤い方もその泥人形の腕にさっきの泥人形のような動きで切りかかっていましたが、切ったそばからくっついて切れなかったんです。爆発ダメージなら少しは効果がありそうでしたが……
なにをはしゃいでるんですか?」

伊織がキメていたところをうっかりつかまれそうになっていた一方で、時雨は赤いのが何か赤い本を持って喜んでるのに気づく。
486 :レラ&ゼオラ? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/03/25(水) 09:59:39.75 ID:X+RQMdCzO
>>485
「フン……全く使い物にならないではないか」
斬撃の効果が薄いとわかると小馬鹿にした首を振り。
しかし、泥人形の新たな動向には素早く反応し小型機械を2つ構えさせ。
「ほら、そこかッ!?」
指示する間も無く、即座に発射された光線は赤く光った瞳を狙い撃つ。

本を拾い上げた所に声を掛けられる。
時雨に対してニヤリと如何にも悪そうな笑みを見せつけると二人の方に歩み寄ってきた。
「これの中身が、知りたいかしら?」
487 : ◆f7JK9RIN.g :2015/03/25(水) 15:41:28.33 ID:xA/9kO/iO
>>486
「そういうことはもっと早く……」

レラの放った光線は泥人形の左手を焦がす。それを見た伊織は恨みがましい声を出すのをやめた。

「なるほど、そういうことですか。定番過ぎる程に定番ですね」

今まで攻撃しかしてこなかった泥人形が初めて見せた防衛行動。

「弱点はそこですね!」

同時に理解した時雨も動く。赤いのは無視された形になってしまった。

「てやあああああ!」

ケースを肩にかけ、走り出しながら泥人形の顔面を狙いクナイを連続投擲、当然のように腕によって防御されるがそれは狙い通り、次の攻撃をかわされないようにする為の布石だ。

「はあっ!」

続いてケースを構え炸裂弾を放ち、小太刀を取り出しながら投げ捨てると少女は翔んだ!そのまま爆発で腕を吹き飛ばされ無防備になった発光体めがけ逆手の両手持ちで小太刀を振り上げる!

「がはっ!」

次の瞬間、時雨の身体がくの字どころかつの字ぐらいに折れ曲がる。あと一歩のところで彼女の切っ先は届かず、泥人形の新しい腕が少女の腹を殴り飛ばしていた。

「時雨っ!」

少女の小太刀はその手を離れ、重力に従い地面へと落ちる。殴り飛ばされた少女はレラの方へと吹き飛ぶ!
488 :レラ&ゼオラ? ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/03/25(水) 16:25:58.29 ID:X+RQMdCzO
>>487
「全く、何をやっている……。
 まぁ、いい、僕に任せてみろ」
反撃に合いレラの方へ飛来する時雨。
それに対しても別段慌てる様子は無く、ただ大きく息を吸い込んで。
「はぁッ!!」
掌を接近する小さな身体に向けると気の入った声を出す。
すると、少女の身体がレラの目の前で止まってしまう。
「フン、貴様はそこで構えておけ」
黄色い瞳を比喩でなく煌めかせるレラはそう言い付けると時雨に向けた手をゆっくりと降ろしていく。
その手の動きに習うように、重力を無視してふわりと高度を落としていく時雨。


「聞いておきながら無視するなんてなんなのかしら!?」
無視された赤い少女は頬を膨らませご機嫌ナナメ。
ぷい。と顔を背け赤い本を抱き抱えていたが、
「アリス、さっさと奴の目が弱点だ! 狙え!」
「目? 弱点??
 ……わ、わかってるわよそんなこと! 私に任せなさい!」
レラの喝が響きそれに背を押されるように本を開き、中のページを指差す。
「行きなさい、《騎馬の強襲》!!」
少女が一節を読み上げたその瞬間、その背後から駆け抜ける一筋の赤。
大きな刃を二つ手にしたシルエットが巨人の目の前まで駆け寄ると飛び上がり、大太刀を振り下ろす!
489 : ◆f7JK9RIN.g :2015/03/26(木) 14:40:18.29 ID:lwLXCYiuo
>>488
「……」

レラの呼びかけに時雨からの返事はない。目は髪で隠れており、口の端からは血が垂れている。気を失っているようでぐったりとしたまま動かない。

「まったく、無茶をしましたね……」

下で伊織が用意した簡易のベッドのようなものの上にふわりと横たえられたが動きはなかった。

一方の泥人形は新たなる攻撃を受けていた。飛び上がり、目を狙い得物を振り下ろすという先程と同じような突撃、しかも先程とは異なりクナイでガードさせたり爆発でガードをこじ開けたりといった小細工もないシンプルな攻撃である。
迎え討つ泥人形は右腕を大木のように太くしてその一撃を受けとめた。
大太刀はその腕の中央辺りまで達するも、そこまでの切断面はこれまで通りあっという間にくっついてしまい、今までより悪いことにはそこで固められてしまったようにピクリとも動かない。

「……てください!」

伊織が注意を促していたようだが、既に右腕でのガードと同時に引き絞られていた泥人形の左腕は大太刀の使い手目掛けて放たれていた!
490 :レラ&アリス ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/03/26(木) 15:37:01.60 ID:8HvwuguiO
>>489
「フン、油断だな……」
不定形故の反撃に奢られるのはこれで二度目になる。
まだ意識があれば口うるさく言っていたのだろうが幸いにも気を失っていた時雨はレラの不思議な力によって優しく運ばれた。
「そこで眠っていろ。近づけはさせんさ」

果敢に切り込んだ赤の剣士は完全に攻め手を阻まれてしまう。
伊織の警戒虚しく、既に腕を避ける余裕は無い。
だのに赤の少女の表情は変わらず勝ち気なままで、
「心配無用よ。だって彼女は……」
そうやって伊織に向かって口を開くと同時に拳が剣士へと命中。
吹き飛ぶか、それだけで済めばいいか。そう思われたがなんと赤い煙になって消えてしまった。
「私の『夢の欠片』だもの」

「アリス、左から回り込んで切りつけろ!」
「まっかせなさい! 次は……そうね、《屍皇の威光》!!」
夢の欠片。少女の言葉に合わせて傍に出現した、少女にそっくりな『赤い影』。
輪郭だけが目に見える、真っ赤に塗りつぶされたシルエット。それが正体だった。
「切り伏せるわ!」
アリスと呼ばれた少女が駆け出すと同時にシルエットの手には弓と矢が握られる。
赤い影でできた瘴気を纏った矢を放てば、アリスの動きを補佐するかのように腕を狙っていく。
そして赤の刀を再びその手に宿した少女が、レラの指示通りに走り込んで飛び掛かった!
491 : ◆f7JK9RIN.g :2015/04/17(金) 21:10:13.49 ID:ItgRiMkXo
>>490
「ひゅう、かっこいいじゃないですか……」

あっさりと泥人形の攻撃をやりすごした様子を見て安堵の笑みを浮かべる。


怒り怨み哀しみ嫉み……あらゆる負の感情を詰め込んだような咆哮。泥人形はその感情を更に増幅させたような叫びを上げる。


「やりましたね!流石じゃないですか!」

砂煙ではっきりとは見えないものの、少女の一撃を受けた泥人形は砂煙をあげながら地へと還りゆく姿を見て伊織が賞賛の台詞を送る。

少女の感覚では気のせいで流してしまえるレベルで少しだけ手ごたえが薄かったような気がするかもしれない。
492 :レラ&アリス ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/04/19(日) 16:48:30.78 ID:bRMHXIM9o
>>491
「フフン、どうよ!」
着地して赤い刀を振り上げると余裕の笑みを浮かべる少女。
その傍らで、赤い影はゆっくりと消えていく。

「まぁ、私に掛かればこんなものね!
 絶望、憤怒、恐怖。いい声だけど……『ちょっと物足りなかったわね』」
両手を腰に当て胸を張るアリス。ドヤ顔。
そんな少女を囃す伊織と益々調子に乗るアリスを尻目に、砂煙を見つめるレラ。

「……確かに、な」
かすかな頷きと共に残るのは『物足りなさ』。
ある種の違和感を感じつつもゆっくりと高度を下ろしていき、足が付けば時雨のそばに歩み寄っていく。
493 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/04/23(木) 00:01:16.77 ID:bCAurG5po
>>492
「決まってましたよ!ですが……もう少し警戒しておいたほうが良さそうな気はしますね、なんとなく」

微笑みながらちらりとアリスの方を見て答えるが、すぐに視線は砂煙の中心へと戻す。
手にはクナイと手裏剣がいつでも使えるように握られていた。


「ぐっ……ゲホッ、う……」

もう気がついたらしく、左手で胸の下あたりを押さえながら無理をして起き上がろうとする時雨。
咳をすれば血が口から垂れる。

「っ……!!」

歩いてきたレラと目が合った、その次の瞬間。時雨はその瞳、その全身から手負いの獣めいた殺気を放ちながら真っすぐにレラに向けて跳躍。
一度目の跳躍で距離を詰めながら地面に刺さっていた小太刀を回収。そして更に鋭く踏み込むとレラの顔の高さで鋭い突きを繰り出した!

494 :レラ&アリス ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/04/23(木) 00:26:30.28 ID:g1IDQjT6o
>>493
「フフン、倒せばオッケーなのよ!」
はっはっは! とドヤ顔のまま大声をあげて笑い飛ばす。
そろそろお解りだと思うが、根本的に頭は弱い部類。
上機嫌になりすぎていて武器の仕込まれた手には気づいていない。

「チッ……!」
またもや、予想外の行動。
レラの基本は『読み』である以上、それが通じなければ酷く脆い。
突然、時雨が飛びかかってきた行動に身体は反応できずにいた。
「どういう、つもりだ……!!」
飽くまでも、身体は。
刺さると思われたその刹那、ナイフごと時雨の動きが完全に停止する。
レラの身体から蒼いオーラが立ち込めて、それが時雨へと渡っていた。
サイコキネシス。脳を最大限活用することで発揮できる『常人を超えた域』にある力だ。

しかしながら、この力にも弱点は存在する。
レラですら力を自覚したのは最近で、まだ扱いには不慣れであった。
その上、脳のリソースを大幅に使ってしまう以上、切り札的な存在であった。
先ほど、弾かれた時雨を受け止めるのに使った分と合わせて、力のすべてを使い切ってしまった。

レラが気だるそうな動きで進路から逸れると、蒼いオーラが発散され、刃が頬を掠めていく。
「その瞳、殺気……乗り移ったか?」
495 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/04/23(木) 16:16:41.23 ID:bCAurG5po
>>494
「何をやって……っ!後ろっ!」

レラの頬をかすめた刃の先には赤い光。アリスの攻撃で隻眼になった泥人形の瞳があった。
地面に降り立ったレラを泥人形が狙っていたのに気づいた時雨の放った一撃はその残された瞳をかすめるに留まる。

「浅い……!」

予想外の妨害に狙いやタイミングをずらされ、またもや仕留め切れない。そのことに対する焦り、悔しさ、そして痛みや疲弊が時雨の顔をゆがませる。

「くうっ……!腹筋っ!」

残った目を傷つけられ暴れる泥人形の攻撃をレラの肩をつかんで右に動かしてかわさせる。
そしてそのまま腹筋に力を入れるように指示を出すとレラの腹を踏み台に泥人形の目の失われた側……泥人形の死角へと飛び込むと、そこから地面を蹴って踏み込む。

「やああああああ!」

泥人形が時雨の方に振り返った瞬間、横薙ぎに振り抜かれた小太刀が残る瞳を断ち切った!
496 :レラ&アリス ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/04/23(木) 17:49:40.06 ID:LZkaBOKyO
>>495
「何ッ、うおぉっ!?」
傍を駆け抜けた時雨にまるでひったくりの荷物のように引っ張られ。
クルリと回った瞬間、腹部に強い衝撃を受け無抵抗のまま吹き飛ばされていった。


「ぐぅ……もう動けんぞ」
泥人形が土塊へと戻っていったその遠く。
蹴り飛ばされたレラは地面に転がってピクリともしなかった。
うつ伏せのまま地面に倒れ伏し、ぐったりと身体を伸ばしている。
「くそぅ、なんで僕がこんな目に合わねばならんのだ……」
497 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/04/25(土) 17:56:07.05 ID:PdHbJW24o
>>496
「あぎっ!……くあ……」

泥人形へと一撃を叩き込んだ勢いのまま地面へ。既に満身創痍の彼女に着地の余裕は無く、受け身すらろくに取れずにレラの方へと地面を転がった。

「くうぅ……」

なんとか動く顔だけ動かして斬った泥人形を確認する。その視線の先には砂の山、そして砕けた赤い水晶玉のようなものが転がっていた。
今度こそ倒しきったようだ。

「ふう、まったく無茶をしますね……まるで姉さんだ」
498 :レラ&アリス ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/04/26(日) 13:50:31.17 ID:7Cjk0Zp5o
>>497
「くぅ、話が違うじゃないか……この野蛮人めが〜」
地面に寝そべったまま文句を吐き続けるレラ。
そこに普段の覇気はなく、ただただ無気力な状態だ。

「あっ!」
何やら声を上げるアリス。
テトテトと砂山にかけていく目は輝き、喜びが見えるさまは見た目通り子どものよう。
砂をかき分け、目であった赤い水晶玉を手に取るとじっと眺める。
「はぁ、キレイね〜……」
感嘆の息を吐き、太陽に翳して。
499 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/04/26(日) 16:14:27.11 ID:+CWjP4g2O
>>498
「話ってなんですか……ボロボロの身体を引きずって助けてくれようとしているのを邪魔したうえにそれですか……」

とりあえず言い返しているがこちらもまったく覇気が無い。

太陽にかざされた赤く透き通る半球。拾い上げられた直後は淀んでいたが、少女が言うようにすぐに美しい輝きを見せた。

「まったく、何だったんでしょうね……」
500 :レラ&アリス ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/04/26(日) 17:38:22.34 ID:7Cjk0Zp5o
>>499
「聞いてないぞ、こんな……〜〜〜ッ」
時雨の声は聞こえていないらしく、独り言を口にしている。
動き出す気配もなく、光のない目で地面を見つめているだけだ。

赤い玉を抱えたまま伊織の方へ戻ってくる。
「これ、私のものね!」
見せびらかすように突きつける。
頭上の宝玉にも似た輝きを放つ玉が気に入ったのだろう。
501 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/04/26(日) 23:40:30.80 ID:E5YDARvGo
「ふう……」

安心して気を失ったらしい。


「……綺麗に切れてますね……真っ二つだ。こんなガラス玉があの化け物の核だとは……にわかに信じがたいですね、どうぞ」

太陽に透かして見たりしてから返した
502 :アリス=ジャバウォッキー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/04/27(月) 00:09:38.82 ID:Jm7TMYKCo
>>501
「あっ……もぉ〜っ」
少しでも触れさせるつもりはなかったのだろう、取り上げられるとむくれてしまう。
返ってくるともう一度太陽にすかした後、回収に来た従者に手渡した。
その奥でも砂山をかき分ける数人の従者が、残る欠片も集めていた。

視線を動かした少女が声を上げる。
「あら、あっちは二人ともお休みみたいね……って、レラは起きてるのね」
視界の先の二人を見つめ、そんなことを口にする。
ちょうど、無気力状態のレラが寝返りを打ち、仰向けになる。
「……むっ」
赤の少女の声と視線が厳しくなった気がした。
503 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/04/28(火) 14:31:43.61 ID:4/6rDrxvO
>>502
「おっと失礼」

しくじったなという笑顔で返したあと、二人の方を見る。

「……寝てるというより……時雨は保健の先生になんとかしてもらわないと危なそうですね……
あ、士道兄さん、担架持って校門近くのグラウンドまで来てくれませんかね、時雨が怪我しちゃいまして。ええ、急ぎで……「大丈夫やったか!?」早かったですね……」

携帯を取り出して士道に連絡。喋っている間に担架を脇に抱えた士道がすごいスピードで走ってきた。

504 :アリス=ジャバウォッキー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/04/28(火) 15:13:28.12 ID:hbDg2D2zO
>>503
「あら、なかなか準備がはやいのね」
すぐさま駆けつけた士道、その動きを眺めていたが視線をそらし。
「あっちは大丈夫だとおもうけど」
レラの方へと歩いていった。

相変わらず無気力そのままに寝っ転がっているレラ。
気迫などは一切消え去ってしまっていて、ぼろ絹のようになっていた。
「ごきげんよう、大丈夫かしら? ちょっと触るわね」
「触るな」
「だって、今のあなたとっても心ぱ「触るな」
「私、これでもあなたを気にして「触るな」


「……グスッ」
涙目で伊織の元へ帰ってくる。
505 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/03(日) 14:47:38.89 ID:RmQQI8JdO
>>504
「基本的に自分で担いで運ぶ奴から担架もってこい言われたら急がんとな……
っ!なんやこれグズグズやないか……何やったんやお前ら……」

「妖怪退治……なんですかね……」

「何やそれ……」

時雨の容態を見て驚きながらも彼女を適切に担架にのせる士道。伊織は自信なさげに答えながら、助けを求めるようにアリスの方を見たが彼女は既にレラの方へと去ってしまっており居ない。

「ふふ、大丈夫ですよ。レラさんもいろいろあって少し不安定になっているだけです」

戻ってきたアリスの腰にさりげなく手を回し、爽やかに歯を輝かせて微笑みながら自然なボディタッチをしながら慰める。
506 :アリス=ジャバウォッキー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/03(日) 20:46:08.73 ID:iRpToPbvo
>>505
「そうよね、そうよね!」
ドレスの袖で涙を拭いながら見上げるアリス。
「性格は悪いしかわいげもないわ。
 どうしてゼオラはあの子ばかり……」
と怒り口調で。
伊織の回した手には別段何とも思ってない風だが、彼女は見た目中学生にも届かないような子どもである。それでもいいのか。

少しして落ち着いたのか周囲の状況を把握したアリスは担架を指さす。
すると彼女の兵である赤い燕尾の少年達が士道の逆側へ周る。運ぶ手伝いをするようだ。
507 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/08(金) 21:08:29.59 ID:Z5etF2Peo
>>506
「おい伊織、喋ってやんと運ぶん手伝……おう、スマンな。アメちゃんあげるで」

呼び出しておいて女の子と喋ってる伊織を呼ぼうとしたところで赤い少年たちが来てくれたのでキャンセル。飴を配って少年たちと行くことにしたようだ。

「そういう事を言っちゃうところが
いけないんじゃないですかね」

笑顔でしれっと言った
508 :アリス=ジャバウォッキー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/08(金) 21:53:50.66 ID:dc5AJKMcO
>>507
飴を貰った少年達は嬉しそうにニコニコして、受け取ると皆一様にお辞儀をする。
彼らの違いと言えば、燕尾の背に刻まれた数字のみで、揃って金髪碧眼の華奢な美少年だ。
アリスと同程度の幼さだったが、持ち上げるには苦は無いらしく、柔和な表情は崩れなかった。


伊織の毒吐きに衝撃を受けたのか驚いた顔で見上げたまま口をパクパクさせて。
「そ、そんなこと……ないわよ。
 私はかわいいし、可愛げだってあるわ」
狼狽えた口調のまま自己を保つために言い聞かせ。
509 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/19(火) 13:20:16.27 ID:s/SpGT9Qo
>>508
「おや、意外ですね。ふふ……そんな可愛らしい反応を返されるとは予想外でした」

爽やかに微笑みながら頭をなでた
510 :アリス=ジャバウォッキー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/19(火) 18:58:37.71 ID:s3sfRgyiO
>>509
「な、何よそんなこと言って!
 私は可愛いに決まってるじゃない!」
小さな頭は紅い核石の王冠が鎮座していてごつごつ。
唯一撫でられそうなところと言えば、白い広めのおでこだったが……伊織の言葉でパッと赤くなる。
どうにも恥ずかしがって俯いてしまう。
511 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/20(水) 16:13:24.81 ID:GbUHcq8zO
>>510
「そうですね……ではその可愛らしいお顔をもっと良く見せて……ん?」

なでた手で前髪をかきあげ、覗き込むように顔を近づければ上からガラスの砕け散る音、そして降ってくる人体模型!

「なんとおっ!?ふぎゃっ!」

咄嗟にブレーサーを仕込んだ腕で捌く!しかし続いて飛び降りてきた鈴は人体模型の死角で見えず、思いっきり顔を踏みつけられる伊織。

「ぐはっ」

哀れな忍者はよろよろと後ろに数歩歩いたのち、パタリと倒れた。

「……どうやらやっつけたみたいだな」

静かに着地すると、地面に叩きつけられバラバラになった人体模型を見て溜息をつく鈴。特に踏みつけた伊織を気遣う様子はない。
人体模型の傍らには見覚えのある赤い玉が転がっていた。
512 :アリス=ジャバウォッキー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/20(水) 18:33:59.00 ID:JfZoRNDJO
>>511
「はわぁっ!?
 な、何をするの、私は赤の女王なのよ……きゃっ!」
小さな身体をより小さくして、震えるような声で反論する。
しかし手が伸びても怯えるかのように萎縮してしまい、歳相応に幼気な表情が現れて……、
突如、空が割れたかと錯覚するかの光景に、手で頭を覆い身を屈めた。
結果として伊織に助けられた形になるが、当の本人の興味はそっちのけで。

「あら、あなた……おかしいわね、あなたで遊んだ覚えはないのだけれど?」
赤い王を拾い上げ、当然のようにポケットに収めると振り返る。
鈴を見つめる表情は訝しげで、まじまじと見つめると不思議そうに呟いて。
513 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/20(水) 19:07:32.39 ID:ndNqF04go
>>512
「ああ、ゴメンな。大丈夫だったか?ちょっとばかしオバケ退治には定評があってさ……
……あなたで遊ぶ?」

久々に人体模型が暴れだしたからなんとかしてくれと頼まれ倒しに行ったら逃げられたので追っていたらしい。
514 :アリス=ジャバウォッキー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/20(水) 19:50:11.62 ID:gW8t7WMSo
>>513
「そう。
 何年前かは知らないけれど、あなたさっき担架で運ばれていったわ。記憶にない?」
人体模型が動いていた。ということにはあまり興味も示さずにいたが、俯いたとたんに模型と目が合うと小さい悲鳴が上がる。
どうやら鈴と時雨を同一人物と勘違いしているらしく、未来の時雨だと思っているようだ。
ちょうど、傍から赤い燕尾の少年が針が剥き出しになった大きな懐中時計を持ってきた。
アリスの小さな顔程もありそうな盤に指を伸ばすと、針をくるくると逆回転させていく。
「あら、やっぱりおかしいわね……見当たらないわ」
515 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/20(水) 20:41:27.48 ID:ndNqF04go
>>514
「タンカで?俺が?何年か前?さっき?
……やっぱり頭でも打ったんじゃ……?俺はそいつ退治してたしこのとおり元気だぜ?」

指差した人体模型を見て少女が悲鳴をあげたのを見て少し笑った。
人体模型は片目がない。少女が先程拾った赤い玉がはまっていたのだろう。
516 :アリス=ジャバウォッキー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/20(水) 22:33:26.32 ID:gW8t7WMSo
>>515
「皮剥処刑人形だなんて……」
人体模型を物騒な物と勘違いしてるらしい。

それと、今遡って確認したら時計は初めから首に掛けてた。
針を回していたと思えば手を離す。どうやら諦めたようだ。
「まぁなんだっていいのだけれど。
 そうね……あなたに記憶はない? 今のあなたからすれば少し前に、この時計で時間をいじらせてもらったのだけど」
どうやら首から下がる大きな時計は大層特別なアイテムらしい。
初対面だというのに挨拶もそっちのけで何やら不思議なことを口にする少女。そんな記憶はあっただろうか。
517 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/21(木) 09:43:18.84 ID:kws3GM8Oo
>>516
「カワハギショケーニンギョー……いやいや、ちがうよ!?発想がブッソーだな!?」

目をぱちぱちしながら身体を大きく使って驚きを表現している。本人は無意識にやっているのだろう。

「んー…………ああ、ゼオラか!今日はなんだか雰囲気違うしよくしゃべるから気づかなかったぜ!」

アリスをよーく見てそう言った。
518 :アリス=ジャバウォッキー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/21(木) 12:57:29.59 ID:d0AnE7XiO
>>517
「じゃなかったらなんなのよこれ!」
飛び出して地面に転がっていた内蔵の模型を投げつける。
「こんな怖いもの……そうね、持って帰ろうかしら」
何やら良くないことを思い出したらしく、指示を飛ばすとさっそく従者隊が回収を始める。

「私の話を無視しないでちょうだい!」
似てる。似てるが違う。
服の色から雰囲気まで、似てるところ以外は真逆の少女は腹を立てたのかツンと顔を背けてしまう。
519 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/21(木) 13:43:44.61 ID:kws3GM8Oo
>>518
「授業で使うんだよ……って持って帰んのかよ!?ダメだろ!」

壊すのはいいのかよとツッコまれそうなところではあるが一応さっきまではいらんことしてたから仕方ないのだ。

「してないだろ!ええい!ワケわかんないことばっかいってんのはどっちだ!」

とりあえず言い返した。

520 :アリス=ジャバウォッキー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/21(木) 19:28:14.83 ID:/0iWWBFfo
>>519
「ど、どんな授業やってるのよ!」
まだ皮剥処刑人形だとおもっているらしく鈴に対して怯えて震えるアリス。
「どうせ壊れて使えないんだから持って帰ってオモチャにするわ。面白い処刑ごっこができそうね?」
瞬く間に片付いていく処刑人形……もとい人体模型。
2から10までを背番号にした従者が一列に並ぶとバケツリレーの容量でパーツを物陰に運んでいく。

「いい? せっかくだから教えてあげるわ。
 『影』のゼオラで私は『鏡』のアリス。
 私達は姿形は同じだけれど、どちらも本物じゃ、ないのよ」
ドヤァ。
521 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/21(木) 21:28:52.41 ID:kws3GM8Oo
>>520
「どんなって……お前なんだと思ってるんだ……?処刑って……ホントブッソーなヤツ……」

半分独り言のような調子で返しながら少年たちの様子を眺める。

「……そうか、よしわかった。じゃあ俺も教えてやるぜ。あいつが『影』のイオリで俺は『蒼炎』のリン」

「僕たちは姿形こそ似てはいますが、決して一つにはならない存在……」

邪気眼ごっこかなんかだと思ったらしく、手足に蒼い炎のような気をまとい、ババババッと突き蹴りを決めてポーズを取る鈴といつの間にか起き上がり直立の姿勢で腕組みの状態から片腕を上げてその手で顔を隠す厨二ポーズを決める伊織。
522 :アリス=ジャバウォッキー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/21(木) 22:26:04.80 ID:/0iWWBFfo
>>521
「だ、だって皮剥処刑人形を授業に使うって……ぎゃっ!!」
まだ誤解が解けていなかったのだ。
アリスには鈴の方が物騒に見えていたのだ……そして、突然の伊織。
二人の処刑受講者に恐れている少女は悲鳴を上げて屈みこんだ。
「なんでもするから皮剥だけは勘弁してちょうだい……!」
523 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/22(金) 00:05:48.54 ID:l2iX3qJ2o
>>522
「なんか変わったコだな」

「まあ、逆に変わってない子の方が珍しいですけどねここじゃ」

どうも話を聞いてくれそうな雰囲気ではなかったので落ち着くまでとりあえず二人で話す。

「でもそういや実際授業じゃ使ったことないよな人体模型とか骨格標本って……なんの授業用だ?保体?生物?」

「さあ……調べたらなんかどこもあるだけで使ってないみたいですね」

鈴と話しながらスマートフォンのような端末を弄っていた伊織は顔を上げながら答えた。

「それでお前と真っ赤なプリンセスとゆかいな仲間たちはこんなとこで何やってたんだ?」

「あ、レラちゃんもいますよ」

「あ、ホントだ。アイツなんであんなとこで寝てるんだ……?」

524 :アリス=ジャバウォッキー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/22(金) 00:27:05.79 ID:P+phnbXPo
>>523
実は、実は。
この空間には綾もいる。端からフェードアウトして消えてたけどなんやかんや倒れて気絶してたということにしておく。
怯える少女と疎らに倒れるおっぱい要因。どう見ても異様な光景。

暫く震えていたが手を出してこないので不安がりチラリと目を向けたところ、普通に話をしているのでホッと胸をなで下ろす。
「そうね。ゼオラを探しに来たのだけど、どこにいるかはご存じない?
 あの子、いつも私との決闘を無視するのよ? 今日はメールも送ったのに!」
ぶりぶりと怒りを口にする少女。
まるで童話のような姿に語り口だが、使う手段はメールらしい。

「……」
レラは相変わらず転がったまま。
声に反応して寝返りを打ち、二人と目を合わせるが、それからのアクションは何もない。
疲労が溜まり切った表情をしていて、余りにも無気力だ。
525 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/22(金) 23:20:45.69 ID:l2iX3qJ2o
>>524
「決闘とかやっぱブッソーじゃないか……」

「そういえばいつの間にか居ませんね……レラちゃんと話していた頃に居なくなったんでしょうか?」

526 :アリス=ジャバウォッキー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/23(土) 03:49:17.82 ID:B1rt7cDSo
>>525
「だって私は赤であの子は黒だもの。戦いあうのは当然じゃない?
 だのにあの子ったら逃げてばかりで、私と遊……戦うのがそんなに嫌なのかしら!」
腰に両手をあててお怒りの様子。
それを察したのか物陰から部下の少年が飛び出してきて、アリスの口元にチョコを持っていく。


一方、その背後。
気だるそうにしていたレラはベッタリと地面にくっついていたのだが。
『レラ! こんなところで何やってるんですか!』
校門から現れた長身の女性がレラの姿を見かけるなり駆け寄っていった。
地面に落ちているレラを拾い上げるとくるりと方向転換して帰っていく。
『仕事放りだしていったい何やってたんです?』
レラ、回収。
527 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/23(土) 14:18:12.65 ID:gKuzNWKdO
>>526
「赤の相手は白か青で黒の相手は白ってイメージだなあ」

「そうですね」

道場やらボクシングやらを思い浮かべる二人。

「……保護者だ……」
528 :アリス=ジャバウォッキー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/23(土) 14:49:42.56 ID:B1rt7cDSo
>>527
「そんなことないわ」
右方から差し出されたチョコを口に含み噛み砕く。
すると今度は左からグラスに入った林檎ジュースが渡されてそれも飲み干す。
「私はハートのクィーンですもの。赤の女王。
 ここまで言えば、相手は黒だってわかってくれるかしら?」
差し出されたお菓子とジュースでご機嫌を取り戻したアリス。
背後でアリスの指示を待っている少年達はよくよく見れば2から10番までの9人しかいない。
「ただ、私とこの子達で赤の軍勢を名乗るには足りないのよね……。
 キングとジャックが居ないもの。ゼオラはなんだか準備してたみたいなのだけれど……」


回収されていくレラに覇気はなく、為すがままと行った雰囲気。
女性は何処か急ぎ足で、実際に急いでいるのか鈴たちの方に目を通すことなく去っていった。
529 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/23(土) 21:35:15.87 ID:7xYN+oAto
>>528
「おー、なるほど、不思議の国のアリスみたいだな」

「アリスなのに赤の女王とは……」

「?」

530 :アリス=ジャバウォッキー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/23(土) 22:17:40.00 ID:B1rt7cDSo
>>529
「しかもあんなイケメンばっかり……、
 ……そういえば、あなた達も似てるわね」
不満はまだまだあるようだが、二人の顔を見つめてふと気づく。
「時計をいじった記憶は無いもの。
 もしかして、三人兄妹だったりするのから?」
残る一人は時雨のことを言っているのだろう。

「……ぐぅ」
後ろの方で伸びていた綾が意識を取り戻す。
かなり長い間倒れていたため周囲の状況が様変わりしていて、あたりを見回している。
「……?」
531 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/25(月) 09:11:41.39 ID:FZabnySfo
>>530
「イケメンばっかり?
……ああ、そうだけど……(士道鈴伊織で)なんで知ってるんだ?」

背後で起き上がる綾には二人とも気づいていないようだ
532 :アリス=ジャバウォッキー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/25(月) 11:25:33.13 ID:ArvS3fYhO
>>531
「そうよ!
 なんか頭良さそうなニヒルなのともう一人は……ちょっと不気味だけどイケメンなの!
 あんなの二人も抱えてて、正直羨ましわ……私にはこんなちんちくりんしか居ないし」
背後の兵士たちを遠い目で眺める。
基本的に彼らは喋れないのか寡黙だが、表情は豊かで、今はアリスの言葉に驚愕している。

「そんなに驚くことかしら?
 さっき、担架で運ばれていったわよ?」
話が可笑しく噛み合ってることには気付かずに。


「……」
馬が無い。
泥人形との戦闘時にハッキングしたレラがそのまま帰るように仕向けていたのだ。
「鈴ー……」
程なく、姿を見つけ歩んでくるのだが、その表情は暗さを見せている。
533 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/25(月) 14:33:04.54 ID:FZabnySfo
>>532
「おいおいひどいなみんなショック受けてるじゃないか……っ、た、タンカで運ばれてったあ!?へ?きゃああああ!?」

小さなへいたいさんの扱いを見かねて止めようとしたところであの本当は凄く強いはずの士道(本当は時雨)が担架で運ばれていったと聞いて狼狽、さらに後ろからの声に振り向けばボロボロで幽霊じみた姿の綾がいてびっくりである。

「おおう!?」

一方、全部わかっていた伊織は顔を背けて笑いをこらえていたが、綾の姿を見て同時にびっくり
534 :アリス=ジャバウォッキー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/25(月) 19:37:03.11 ID:ArvS3fYhO
>>533
悲しんだのか兵士が歩み寄ってくる。
既に泣き目になっていてアリスに物言わぬ視線を投げ続け。
「なによ」
見かねた少女の手がぽん、と少年の額に触れると小さな光が発する。
すると、喋れるようになったらしく少女に泣きついて。
『わーん、アリスさまー!
 ぼくたちをすてないでくださいー!』
「わかってる、わかってるわよ!
 捨てはしないから安心をし!」
泣きじゃくる少年を引き剥がすと他の兵士のところに投げ返し。
「別に、あなた達の事は嫌ってないわよ。
 そ、その……逆に、真面目に働いてくれるのは感謝、してるから……」
少年達を励まそうとしたのだが、アリスの顔が真っ赤になって。
『アリスさまー!』
突然の感謝に感極まった少年達が仕える女王の元に殺到し当の女王は埋もれてしまう。



「……」
綾はレラとの校内チェイスでかなりの傷を負っており。
レーザーで学ランごと掠めたような傷が腕や脚のかしこに存在する。
前髪に隠れ半分のみ見える顔も頭部からの流血で赤く染まっている。
本来なら意識を取り戻すこともままならないレベルなのだが、綾の生命力のおかげだろう。
535 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/25(月) 20:17:59.23 ID:ed/02JTRO
>>534
「うあ……あ……」
「アイエエエ……」

真っ昼間だとか日頃お前散々生命力溢れる気功アタックで強制成仏させてきただろといいたいところだが、いきなり背後に現れた幽霊(綾なのだが)に思考が吹っ飛ばされてしまい、動けなくなっている鈴。当然赤軍団のやりとりなど目に入っていない。
日頃鬱陶しい伊織も流石に驚いた様子のまま固まっている。
536 :綾&アリス ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/25(月) 20:41:11.95 ID:FLYFJXkEo
>>535
「僕、僕だよ……」
気付かれていないことにも気付かずに。
存在を証明する言葉がまた恐怖を招き、一歩一歩重い足取りで近づいていく。
「逃げないで、怖がらないで……っ」
程々に近づけばがばっ。と腕を伸ばして抱きつこうと迫ってきて。
537 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/26(火) 16:01:27.03 ID:bClC1CcvO
>>536
「っ……!」

綾が飛びつきに来た瞬間、反射的に気功発動、カウンター気味に右手の突きが飛び出した。

「リョウ!?あうっ!」

綾が飛び出した勢いと気功発動で生じた風が綾の前髪をめくる。ギリギリで突きの軌道をそらし、綾の顔を殴り飛ばすのを避けたところで綾に押し倒された。

「いたた……おどかすなよ……」
538 :綾&アリス ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/26(火) 19:26:32.20 ID:H2bVnveXo
>>537
「ぎゃん」
情けない声を立てながら鈴とともに雪崩れて倒れる。
胸元に落とした顔はじっとしたまま、鼻だけがすんすんと動く。
「いい匂いがする……」

『な、何をやってるのかしら、ゾンビーかしら……』
鈴たちの異様な気配に気づいた少年少女達。
雰囲気を察した途端、赤の少年達はアリスの背中に周り盾にして縮こまる。
『ちょ、ちょっとやめなさい……!
 あなた達兵士でしょ? 私を守りなさいよ……!』
イヤイヤと首を振る兵士達と震えるアリス。
539 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/27(水) 10:27:58.15 ID:oWzW+K6qo
>>538
「ひあっ!?ちょっ、なにやってっ!ばか!やめろ!」

顔真っ赤にしながら綾を引き剥がそうとする
540 :綾&アリス ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/27(水) 10:54:25.74 ID:DBPRwmJDO
>>539
特に抵抗なく引き剥がされる。
「ちょっと、元気になった気がする……」
なぜなら、満足したかららしく。
541 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/27(水) 12:54:23.79 ID:oWzW+K6qo
>>540
「こっちはなんかどっとつかれたぞ……」

立ち上がり、砂を払いながらジト目で綾を見る鈴。顔の赤さはまだ引ききっていない。
伊織は鈴が綾の名を呼んだ瞬間から鈴やら赤の軍団の様子を面白そうに見ている。
542 :綾&アリス ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/27(水) 16:40:39.52 ID:DBPRwmJDO
>>541
「そっか……じゃあ、寝る?」
微かに首を横に傾けて。
校舎外周にある、士道や時雨の居るだろう保健室を指しながら。
「一緒に」


『あ、あわわ……あれ?』
何やら和やかな雰囲気を醸し始める鈴とゾンビー(だと思っている綾)
スタスタと歩み寄ると下から顔を覗き込む。
『あら、あなた!』
思い当たりがあるらしく、口元に手を当てて。
「……?」
一方の綾は一切解らないと言った様子で。
543 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/28(木) 15:22:16.43 ID:SrBUaDToO
>>542
「なに言って……ってそうだった!早くいかないと!」

また馬鹿な事をというテンションで返す途中で綾の指差す方を見て保健室へ行こうとしていたことを思い出し駆け出す。
幽霊騒ぎで完全に頭からふっ飛ばされていたのだ。
544 :綾&アリス ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/28(木) 18:26:15.71 ID:ef+i1uZOO
>>543
「……?」
『どうしたのかしら固まって。
 まぁ、その気持ちもわからなくないわ……だって、あなたは……ってちょっと!?』
綾にドヤ顔を決めようとしていたが鈴が走り出して慌てて追いかける。
545 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/29(金) 14:43:02.02 ID:azaFTeeeO
>>544
速い。恐るべき速さで駆け抜けてゆく鈴。行き先がわかっていなければきっとあっという間にはぐれていただろう。次の角を曲がれば保健室である。
546 :綾&アリス ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/29(金) 18:42:14.90 ID:wkTSk1dbO
>>545
鈴が到着してから少し、保健室の扉を開く少女。
『どうしてそんな置いていくのよ!』
現れるなり響かせた声は怒りというよりは驚きで。
置いていかれるとは思ってなかったようだが、特別連れて行く理由は無かったりもする。
『本気をださなきゃおいてかれてたわよ……あら、鱗が』
余程急いだのか大きく息を吐く少女の髪には何故か煌めく鱗が付いていて。
それをパリ、と剥がすと照明に翳して眺める。
『そうそう、あなた達、ご苦労様』
士道と共に担架を運んでいた少年達へと声をかける。
あれからも時雨の看護に励み士道の声には従順に働いていた彼らは、よく見れば他の少年達とは違う姿をしている。
慌てて走ってきたのだろう、たったいま遅れて仕える女王に追いついてくたくたなのは燕尾の衣装。
しかしながら、士道についていった兵士は同じ金髪碧眼の少年であるが、まるで海賊のような大きな鍔付き帽子とコートだった。
燕尾の少年達がハートの兵士だと言うのなら、コートの背に描かれたダイヤのマークから立ち位置を察することができるだろう。
547 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/30(土) 13:31:01.69 ID:nXfNFjqro
>>546
「大きい声を出すんじゃない!ケガ人が寝てる……あっ」

「なんでや、俺は静かやったやろ……」

ドアを開けていきなり叫んできたアリスに怒鳴り返す鈴。やってしまったという顔をした時にはすでに遅かった。
大きな声を出したアリスと鈴、そして男どももみんなまとめてルーンの刻まれた包帯が保健室の外へとぽいぽいと放り出す。重傷の時雨を残し、元気な残りのメンバーを排出し終えると、ドアは締まり鍵がかかってしまったようだ。

「いたた……あっおい赤いの、兄さん元気じゃないか。兄弟がやられたって……」

「あー、なるほどな。担ぎ込まれとるんは時雨ちゃんや。なんやよーわからんけど伊織に担架持ってこい言われてな。そうそう、おんぶとかやとまずいみたいなこと言うとったわ。
それで行ったら時雨ちゃんボロッボロになっとってビックリしたわ……」

548 :アリス=ジャバウォッキー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/30(土) 17:23:39.55 ID:tmpmK0K2o
>>547
喋ることのできない少年も含めてぽいぽいと投げ出されていく。
少年達は何故かはじめに投げ出されたアリスのところへと纏められ、山積みが出来上がってしった。
下の方ではもがもがと何かを叫んでいるようだがよく聞こえない。

さらに遅れてやってきた綾。
急ぐ気なんかは全くなかったらしく、ゆっくりと歩いてやってきた。
「何、これ?」
赤い集団の山積みを見つめ。頂点の少年を摘み上げながら。
549 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/31(日) 00:51:40.89 ID:OMj6VXnJo
>>548
「保健室でそこの赤いプリンセスが大声出すからついこっちも大声で注意しちゃってさ、それで見てのとおり叩きだされちゃったってワケさ……」

同じく最初の方に投げ出されたので赤軍団にほとんど埋もれて動けなくなっている。アリスとは違い、頭と腕は出ているので話はできるようだ。
550 :綾&アリス ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/31(日) 01:03:41.33 ID:5iCYEvaWo
>>549
「そこの、プリンセス」
見当たらない。
元のサイズも作用したのか完全に埋もれ姿を隠してしまっている。
が、辛うじて声は聞こえる。窮屈な中でも騒いでる辺りまだ元気そうだ。
鈴が口で示したあたりから大凡察しがついたのか少年達を持ち上げて優しく下ろすを繰り返し山を崩していく。
この兵士達、完全に気を失っていて完全に障害物になっていて役に立ちそうにない。

程なく、最奥で埋もれていたアリスを摘み上げる綾。
『ご苦労。さ、下ろしてちょうだい』
「……」
下ろしはしたが、膝を曲げ目線を合わせじっと見つめる綾。
よくよく見れば、ゼオラを経由して似た顔をしている。
551 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/31(日) 14:06:30.48 ID:J4Vz93dPO
>>550
「ふう……やっぱダメか。保健の先生なら大丈夫だと思うけどシグレがボロッボロっていうのは心配だなあ……」

開放されて保健室の戸を触るがビクともしないので諦める。

「……お前は大丈夫なのか?」

戻ってきたところでボロボロの綾を見て尋ねた
552 :綾&アリス ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/31(日) 15:18:25.00 ID:sfPhtd3pO
>>551
「……」
アリスと顔を合わせるのをやめ、鈴の方を向く。
そうして小さく頷けば扉へと歩んでいき取っ手に手を掛けた。
結構メタメタにやられたらしく、外見はかなり悲惨な事になっている。
顔は殆どが血の赤と闇色の髪に覆われて白い肌は見えず、学ランも所々が裂けてその下にも傷が広がっている。
が、

「……」ガタガタッ
開かないらしい。
大丈夫だと判断された。
553 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/31(日) 16:22:36.51 ID:J4Vz93dPO
>>552
「実はもうけっこう治ってるとか……?」

血みどろになっているようだけれど吸血鬼パワーでもうだいたい自己再生したりしてるのかなと綾の傷の様子を近くで見に行く
554 :綾&アリス ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/31(日) 16:33:12.81 ID:sfPhtd3pO
>>553
近くで寄ってみると、顔に掛かる血は固まっていたり、既に出血が止まっていることがわかる。
外傷こそ酷いが、その傷が影響を及ぼすことは無いだろうレベルまで回復していた。
一応の処置は必要だろうが……それすら要らないと判断されたらしい。

「……何かな?」
直接は目を合わせずに俯いて。
鈴から近づいてきた事が嬉しいのか、血塗れの下の肌は真っ赤になっていることだろう。
555 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/31(日) 20:12:56.48 ID:J4Vz93dPO
>>554
「……なるほど。よし、シャワーかおふろでちょっときれいになってこようか。そんなカッコじゃみんなびっくりするぜ……」

ある程度のチェックを済ませると正面から両肩をぽんと叩いた。
556 :綾&アリス ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/31(日) 21:08:00.19 ID:5iCYEvaWo
>>555
「……よし」
鈴の手を掴む。
固まってはいるが、血に濡れた手だ。
「じゃあ、行こうか」
引っ張ってシャワー室の方へと歩いていく。
557 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/05/31(日) 21:28:51.21 ID:J4Vz93dPO
>>556
「ああ、他のヤツ入ってこないようにみはっといてやるよ……ちょっ、そんなひっぱるなって」

558 :綾&アリス ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/05/31(日) 22:22:20.05 ID:5iCYEvaWo
>>557
「ありがとう」
脱衣所にやってくると、早速学ランを脱ぎ捨てる。
いつの間にか育ち始めた胸は今では大変な物量に。
不意に目を合わせるとじっとみつめて……そして前かがみに。
「触る?」
黒い下着に包まれた谷間を見せつけ。しかし顔は血みどろ。
559 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/01(月) 15:27:39.03 ID:bUaSNdLbo
>>558
「おう、どーいたしまして。」

手を離されたので脱衣カゴやロッカーをチェックして他に人がいないのを確認すると掃除中の立て札を取り出す。まだ綾が入りに行かないので気になったところで目があった

「……ていっ。ばか言ってないでとっとと流してこい」

つかつかと歩いていって頭にチョップした
560 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/01(月) 16:59:19.66 ID:hsxlxstOO
>>559
額を叩かれると観念したように振り向いてまた脱ぎだす。
全て脱ぐとシャワー室へと向かっていくが、そのさり際に一言。
「昔は一緒に入ったのに……」
覚えてないだろ。
561 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/01(月) 18:07:59.20 ID:bUaSNdLbo
>>560
「あのなー、だれか来たら困るだろ……」

別に一緒に入るのが嫌だとかいう訳ではなさそう
562 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/01(月) 18:56:46.46 ID:jztAtDVNO
>>561
丁度、シャワー室から流水の音が聞こえ始めた辺りで激しくノックされる扉。
「鈴さん、私、私ですぞ!」
ムックだ。

「綾の着替えを届けに来たんですな、開けて欲しいんですぞ!」
何やら切羽詰まった声だ。妙に急いでる雰囲気。
563 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/01(月) 19:28:38.94 ID:bUaSNdLbo
>>562
「やれやれ……世話のやけわあ!?」

いきなり戸を激しく叩かれてびっくりする。

「なんで……」

戸を開けて綾の脱いだ服を持っていく。なんで知ってるんだとか色々謎が多く、それだけが口からこぼれた。
564 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/01(月) 21:04:44.15 ID:veqS96uDo
>>563
『これが綾の衣服ですな……』
鞄に半ば雑に押し込める。
ちょっと欲望が見えた気がしたけど直ぐに消える。

『では、これが新しい学ランですぞ!』
そしてもう一つの鞄を押し付ける。
なんだけ今日の彼は焦ってる。っというかどう見ても急いでる。
565 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/01(月) 22:53:36.71 ID:bUaSNdLbo
>>564
「……今変なこと考えただろ」

腕をつかむ鈴。ムックに浴びせられるのは冷たさは得意な筈の雪男ですら背筋が凍るような冷たい冷たい視線
566 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/01(月) 23:55:54.67 ID:veqS96uDo
>>565
『いや、それは……か、考えたんですな』
つい、といった様子で否定の言葉が先に出るが、冷たい瞳に見つめられると素直に白状して。
主従とか綾の父親である瑞伐に対する恩とかはあるけど健全な22歳。いろいろと正直者。
『と、とにかくこれには手を出しません、約束しますぞ!』
だがしかし、最終的には瑞伐への忠誠が勝り踏みとどまるようで。
567 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/02(火) 00:52:18.69 ID:5bo+c6b3o
>>566
「ふふふ……その綾さんの服や下着、どうするつもりだったんですかねえ……」

「イオリ!?」

伊織の声。

「いやあちょっと砂まみれになったものでちょっとひとっ風呂浴びようかと思いましてね!」

鈴の背後の通風口から飛び出した伊織は浴場へ向かう!
568 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/02(火) 01:12:09.21 ID:lXWCWyuSo
>>567
『どうって、帰って洗うだけなんですな。
 瑞伐様に託された大切な綾ですからな……(興味はあるけど)手は出しませんぞ』
欲望が垣間見える。
寸でで踏みとどまってはいるが既にアウトゾーンに居るのは間違いない。
深い息を吐きながら飽くまでも冷静な口調で運び、
『そして……お前にも出させはしないないッ!!』
次の瞬間、飛び上がったと思えば右腕を突き出す!
瞬く間に冬瓜の右腕は赤い毛と鋭利な爪をこさえた野獣のそれに代わり。
あの時と同じく、再び差し向けられて通風孔へ突き刺さったがほんの僅かな距離届かない。
しかし、真の狙いはそれではなかった。
出力を上げた冷気の力は浴場の湿気を支配して通風孔……いや、浴場一体を凍り付かせる。このまま通風孔内に閉じ込めるつもりだ!


「ッ!? つめたっ!!?」
弊害。
569 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/02(火) 08:16:05.25 ID:5bo+c6b3o
>>568
「遅いっ!ぬおっ?」

すでに飛び出していたためエアダクト内に閉じ込めることは叶わなかった。しかし、脱衣場から大浴場への引き戸は冷気によって水分が凍てついて動かず、伊織の移動を阻む。
もと来た道と目的の行き先は氷で塞がれ、入り口には鈴。既に伊織は詰んでいた。

「は、ははは……やだなあ、ちょっとした冗談じゃないですかあ……ねぇ……?」
570 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/02(火) 12:24:44.16 ID:y0HfMbJLO
>>569
後から落ち着いた様子で伊織の元へやってくる冬瓜。
右腕は既に元に戻っていたが、変化した部分の生地は弾け飛んでいた。
『さて、許すわけにはいきませんなぁ?』
(自分の事を棚に上げて)怒りを湛えて居るのを隠すことなく睨んできて。
最早逃げ場のないネズミをどうすべきか、思案を重ねていた……丁度その時、
伊織の背後、浴場へと続く凍りついた扉が揺れる。
内側からの強い衝撃。それが綾によるものだと気付いた瞬間、二撃目でドアは粉砕された。
「鈴! 全部こおっ……え、ぁ」
当たり前だが全裸である。
伊織と冬瓜の姿に混乱、硬直し。
『綾!』
咄嗟にバスタオルを手にし広げる冬瓜。被せようと飛びかかった。
「……ッ、ハァッ!」
が、近付く冬瓜反射的にハイキックが炸裂。撃退。
「……あっ」
571 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/02(火) 13:39:40.32 ID:5bo+c6b3o
>>570
「!」

野郎二人の向こうのガラスに映る人影、野郎二人よりも素早く察した鈴は既に駆け出していた。

「はあっ!てえいっ!」

「ぐえっ!ぎっ!」

先に気付いて引き戸の方へ振り返りかけた伊織に飛び蹴り。壁に当たって跳ね返ってきたところに更に逆突きを一撃。確実に倒したことを確認しながらもう一匹の害虫に目をやる。

「こんのっ……」

あろうことかルパンダイブなどを決めようとしている(ように鈴には見えた)ケダモノを視界に捉え、落ちてくるのに合わせ片足を少し上げて舞うように一回転。そうして勢いと遠心力を乗せた回し蹴りを叩き込む!

「ヘンターイっ!」

哀れなモップは両側から挟まれるように二人からの蹴りを貰うことになってしまった。

「あっ……」
572 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/02(火) 15:13:47.91 ID:y0HfMbJLO
>>571
圧倒的なパワーを有する綾と遠心力を駆使した鈴の挟撃を受けた赤モップ。
言うまでもなく高負荷を受けて叫びを上げる間もなく意識を奪われていった。
その後凍った浴場の床を滑り壁に激突。にぶい音を響かせた。

『ドタドタと、キミたちは一体何をやって……おぉ、寒い』
ふらりと現れたアルビノ。
開いたままの脱衣所から顔を覗かせると、頬を撫でる冷気に驚いて。
左手の真紅のグローブから炎を発生させると改めて踏み出してきた。
全裸の綾と倒れた男二人、立ち尽くす鈴と凍った脱衣場を眺めて呆れ返った表情を見せ。
『一体何をやっているんだ……』
573 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/02(火) 15:22:16.33 ID:5bo+c6b3o
>>572
「いらんことするケダモノをやっつけただけさ……ほい」

白いのに返事をしながら綾にモップが落としたバスタオルと着替えを渡す。

「つうか表に掃除中の立て札置いといたはずなんだけどなんで入ってきたんだお前」
574 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/02(火) 15:33:27.00 ID:y0HfMbJLO
>>573
「……ん」
凍った浴場から出てくるとすっかり冷めた身体を拭く。
『そりゃあ、開いてたからね。
 それに、何か面倒事になれば止めに来るのが普通だろう。教師として』
立て札は無視したが、冬瓜が開けっ放しにしていたらしい。
綾の着替えをじっと眺めながら真面目な顔で答えた。
575 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/02(火) 15:40:03.15 ID:5bo+c6b3o
>>574
「………………またニセモノか?」

576 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/02(火) 16:02:48.70 ID:y0HfMbJLO
>>575
『心外だね』
176cm。
成人男性よりも高い身体を曲げて、目線を合わせると抗議して。
『取り敢えず今は真面目に職務中だよ。
 現に今、異常の調査に来たところさ』
綾はと言えば新しく渡された鞄の中に入っていた衣服に着替え、学ランも身に着ける。完成。
『そうだ、その偽物の件だがね、ようやく見当が付きそうだよ』
フフ。と怪しく意味深な、自身たっぷりな笑みを見せた。
577 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/02(火) 21:10:43.76 ID:5bo+c6b3o
>>576
「お前がマジメにシゴトだなんてらしくないからなあ……おっ、なにかわかったのか」
578 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/02(火) 21:35:25.62 ID:lXWCWyuSo
>>577
『……疑う割には食い付くね』
全身全霊の皮肉。
不満そうな顔はそのままに鈴から顔を離していく。
『あとはキミ達にどう伝えるかなって事だけさ。
 だがしかし、あっちに悟られると悪いからね……お楽しみさ』
曖昧な言葉で濁す、いつも通りの立ち回り。
わざとらしく周囲を気遣って無理矢理話題を変える。
『さて、それよりもここをなんとかしよう……彼らは保健室に運んでおくか』
579 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/03(水) 11:50:36.56 ID:lAR2x5QEo
>>578
「ふふん、日頃のおこないが悪いからうたがわれるんだよ」

少し得意げに笑う。

「まったく、もったいぶって言わないなら最初からちらつかせるなってんだ」

しかしその笑顔はすぐにムスッとした表情に変わった。

「なんとか……うわーお……」

思っていたより凍っていてびっくり。ころころと表情が変わる。
580 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/03(水) 12:49:44.39 ID:ri8yOYm/O
>>579
『日頃の行い、なんてのは人ひとりがそう安々と決めつけられるものでは無いよ』
やんわりと諭すその顔は軽い笑み。
『フフ、悪いね。
 でも僕の予想だと時間は掛からない。すぐにでも動き出すと思うな』
表情の変貌を楽しげに見つめる。
一方のこちらは涼し気なスタンスは微塵も揺らがず。
『僕が言いたいのは、それだけに気をつけておいてくれってことさ』
肩をぽん、と叩くとこちらも浴場へと向かう。
浴場全てを凍り付かせる彼の殺意の程を見て、やっと苦笑いにシフトさせた。
『さて、これは溶かせそうにないね……。
 一先ずはこれを運んで……処理は後で考えよう』
581 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/03(水) 15:04:03.38 ID:lAR2x5QEo
>>580
「手前のかけ湯に水風呂は全滅だな……まーでもとりあえずふきだしてる温泉かかるようにでもしとけばとけるだろ、こういうのは兄さんに任せとけば大丈夫さ。
それとも……叩き起こして自分でやらせるか?」

ちょっと意地悪な顔でモップの方をそれとなく示しながら冗談ぽく言った

582 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/03(水) 18:30:59.77 ID:ri8yOYm/O
>>581
『だったらそれはキミに頼むよ……同居人と轍を生むのはゴメンさ』
とは言うものの、単に面倒くさそうで。
何気なく振り返ると脱衣場すら後にしようとする。

『おやアリス、キミはなんでこんなところに……あぁ、解ったよ』
丁度、担架を神輿代わりにして少年たちの上で寛ぐ少女に出くわして。
その姿をじっくりと見つめたあと、フフ、と口に出して笑う。
『ゼオラならさっきまで一緒に居たんだけどね、もう帰ると言っていたよ』
583 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/03(水) 18:54:15.49 ID:lAR2x5QEo
>>582
「……とはいったものの、逆に起こしてやらないと余計ひどいコトになるよな……」

白いのが行ってしまい、残されたのは鈴と綾、そして意識のない伊織とモップ。
運ぶとなると綾がモップの足を持って引きずるなど、リアルモップにしかねない。やはり起こしてやるべきだ。鈴はそう判断した。
584 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/03(水) 19:27:43.68 ID:D+Ksax3Vo
>>583
なんですって! 廊下から驚愕の声が木霊する。
神輿代わりの担架から飛び降りると今来た道を駆け戻っていく赤の少女。
残されたアルビノは困ったように溜息を吐くと、少女とは逆方向に消えていった。

「……運ぼう」
哀れ。なんと既にモップは掴まれ浴場の端から入り口までを顔面クリーニングしていた。
しかもその勢いは休まず脱衣場を跨ぎ、伊織を逆の手で掴もうとしている!
「二人持つよ。平気だから」
鈴への気遣いが男二人の怪我になる。
585 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/03(水) 21:08:45.45 ID:lAR2x5QEo
>>584
「なんかさわがしいな……はっ」

考えたり外の音に気を取られたりしているうちに既に心配していた事が現実のものとなっていた。ダブル人間モップ体制!

「わー!いやいやいやいやまてまてまてまて!いったんおろそう!?」

一旦おろすように指示、しかし一人ずつおんぶで運ぶには変態忍者と綾の脱いだ服に興奮していたモップだ、途中で気がついた場合、何か変態行為を働くに決まっている。胸を触ってくるに違いない。

「うーん……」

いくつか考えてみるも、やはり変態行為を防ぎつつ親切に運ぶ方法は思い浮かばない。日頃の行いのいい二人ならばこんな事を悩む必要もなかったのに。
586 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/03(水) 23:20:22.32 ID:D+Ksax3Vo
>>585
「わかった」
下ろした。
脚を掴んでいた手をパッと離し、ビターン! って感じ。

『あ、あのー……』
微かに開いたドアから届く消え入りそうな声。
黒いライダースーツとフルフェイスのヘルメットに身を包んだ人物が中を覗いていた。
『おにいちゃん、探しにきたんです、けど……』
聞き覚えのあるこえ、弱弱しい雰囲気。彗華だ。
587 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/03(水) 23:46:22.38 ID:lAR2x5QEo
>>586
「わー!もうちょいそっとあつかってやれよぉ!?」

鈴は新しい人物の登場には気付いていないようだ。

「うう……」

比較的ダメージの少ない伊織は今のビターンで人知れず気がついたようだ
588 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/03(水) 23:50:34.74 ID:D+Ksax3Vo
>>587
「んー……」
鈴の言葉の意味がいまいち解りかねているようだが頷き。
とりあえず裏返して仰向けにしてる。

『あ、ぁぅ……』
細すぎた声は誰にも聞こえておらず、むなしく空振り。
隙間から中を眺めたまま、困り果てている。
589 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/04(木) 11:33:21.26 ID:hJrCa5u0o
>>588
「けっこーいいケリダブルで入ったからなあ……あんまり頭に衝撃あたえないほうがいいって聞いたぜ。また兄さんにタンカ持ってきてもらおう」

とりあえずモップの様子を見る鈴。

「……」

二人がモップに気を取られている隙にそーっとその場を離れようとする伊織。二人の方を見ながら彗華の方へやってくる。彗華には気付いていないようだ。
590 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/04(木) 12:18:19.13 ID:2HkbZ56oO
>>589
「うん……」
多分綾とか比じゃない重症。
眺めたまま立ち尽くしてぼーっとしている。

『おにーちゃーん……』
ドアの微かな隙間から兄の姿を眺め心配そうにしていたが、
こちらに来る伊織に気づくとすす、とドアを開けて邪魔にならないように立ち退く。
そして、伊織から見てドアの影に隠れやり過ごそうとしている。
591 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/04(木) 13:03:59.95 ID:hJrCa5u0o
>>590
「これアゴの骨いっちゃってんじゃないか……?とにかくヤバそうだ……イオリは……いないな!ってことは大丈夫か、まったく……あ、兄さん?」

伊織の様子を見ようとしながら電話をかける鈴。士道のまたかいな!という声が聞こえた。

「大丈夫そうですね……ん?」

脱衣所を離れる前に最後にドアの陰に隠れて三人の様子を確かめておこうとした伊織。背中から彗華の方へと寄ってきた。
592 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/04(木) 15:30:03.82 ID:2HkbZ56oO
>>591
「あ……」
気がついたら居なくなってる伊織。
いつも頑丈だから大丈夫だろ。とか思ってる。

彗華はと言えば小さくなってまだやり過ごそうとしていた。
気づかれていることに気づいてないらしく。
593 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/04(木) 16:23:20.59 ID:hJrCa5u0o
>>592
「まったく、これでこりてくれればいいんだけど……」

虫の息のモップと伊織が出ていったであろう入り口を見てため息をつく。


「おっとお!?おろろろろっ?」

小さくなっていた彗華につまずいて転ぶ。そこで地獄車っぽく転がりながらうまいことやってラッキースケべっぽく押し倒して胸に顔をうずめながら胸を揉んでいる!

「うーん……この幸せな感触は一体……」

すべてラッキースケベに見せかけた必然である!
594 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/04(木) 18:57:05.75 ID:2HkbZ56oO
>>593
何を思ったのかしゃがみ込むとモップの頬をぺちぺち。起きる気配は無い。
何度か試していたが一向に反応は帰ってこず、すると気合の入った息を吐く綾。
「心臓マッサージか……」

『わっ、きゃあぁっ!?』
背中から上に乗られぐるぐると。
気がついたら胸に埋まる伊織。
『あぁっ! 伊織さん、ちょっと……ひぁっ!?』
声を掛けようとしたが胸を揉まれ、驚愕の声でキャンセルされる。
595 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/04(木) 21:40:00.43 ID:hJrCa5u0o
>>594
「まてまてまてまてって!お前の心臓マッサージとかトドメになっちゃうから!それに動かしたらよくな……あっはい、兄さん?え?リブローかけた?
なんか保健の先生が遠距離回復魔法かけてくれるからあとは起きるの待てばいいってさ」

綾を止めたところで鳴る鈴の携帯。間もなくモップは優しい光に包まれ、ヤバいことになっていた顔面は元の形に戻る。

「すごいな……あとは起きるの待つだけか……ん?」

外からかすかに聞こえる女性の悲鳴。

「せっかく治ったんだから起こそうとしてボコボコにするなよ?」

綾にそう言い残し、外へと駆け出す鈴。


「ふふ……お久しぶりですね、せっかくですからもっと良い所に行きましょうか」

彗華をお姫様抱っこで持ち上げ、そのまま何処かへ連れて行こうする伊織。
596 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/04(木) 22:08:33.35 ID:Ua5F4v1Lo
>>595
「僕をなんだと……」
むっとして反論しようとするが既に走り出した鈴。
綾は悲鳴には気づかなかったらしく、残りモップを介抱することにしたようだ。

『えっ、あっ、はい』
瞬く間に身体を拾われ、走り出す伊織。
訳も解らぬまま連れ去られて、勢いに流されて首を縦に振る。
597 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/04(木) 22:44:21.32 ID:hJrCa5u0o
>>596
「ちょっと待て」

「はうあ!?」

伊織が走り始めたところで鈴が肩をつかみ止める。

「今この辺で女の子の悲鳴が聞こえたんだけど……知らないか?スイカ」

「きのせ……」

「お前には聞いてない」
598 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/04(木) 23:02:08.97 ID:Ua5F4v1Lo
>>597
『きゃっ!?』
伊織と一緒に大きく引っ張られる彗華。
腕の中に納まったままぼーっとして。
『ちょ、ちょっとびっくりして叫んじゃいました……』
今更だが、ライダースーツは胸元がバッチリと開いたもの。
どうやら胸がキツすぎて閉まらなくなっているらしく。
599 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/05(金) 00:55:53.43 ID:SdM/IKYjo
>>598
「そっか、別にコイツにヘンなコトされたとかそういうのじゃないのか。ならいいんだけど……」
600 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/05(金) 01:02:57.90 ID:WjiMtCueo
>>599
『いや、はい、あの……大丈夫、です……』
実際には何もなかったわけではないのだが。
男の子だと思ってる鈴に「胸を揉まれた」などと彗華が言えるわけもなく。
消え入りそうな声でだんだんと目線も下がっていって終いには沈黙。
601 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/05(金) 10:11:18.20 ID:SdM/IKYjo
>>600
「本当に何もなかったのか?いや、お前らけっこー仲良さそうだもんな。うたがって悪かった、ゴメンな……」

「まったく、いくら僕が年頃の男子高校生だからってすぐに疑いの目を向けるのはやめて欲しいですね。まあ、僕にも落ち度が無いとは言えませんが……では僕らはこれで(あ、危なかった……)」

落ち込む鈴を置いて去っていく伊織。

「うう……そうだな……ちょっと人をうたがいすぎだな……マジメに仕事してるコーハクもニセモノじゃないかってうたがったりしたし……
はあ、ヤなヤツだな、あたし……」

誰もいなくなった廊下で消えそうな声で呟いた。
602 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/05(金) 11:28:11.43 ID:goyYBTO9O
>>601
こっそりと現れて肩をポンと叩く綾。
「……」グッ
無表情のまま繰り出したガッツポーズ。
励ましているつもりらしい。


『あっ……』
去っていく伊織。
一緒に何処かに行っていることに気付く。遅い。
603 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/05(金) 13:35:08.34 ID:XA+Wo+qTo
>>602
「きゃうっ!?い、いつの間に……おどかすなよ!
……ふう……モップはほっといていいのか?」

誰もいないはずだったので驚いて飛び上がる。ひと呼吸おいて当然の質問。



「しかし狼だらけの男子校にこんなエッチな格好で一人で来るなんて誘ってますね本当に……正直我慢できませんよ……理性が吹っ飛びそうです」

どんどん人気のない方へと連れて行く伊織。あぶない。
604 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/05(金) 15:49:11.72 ID:goyYBTO9O
>>603
「起きたら、歩いていった。
 林檎の様子を見に行く、とか……」
冬瓜、彗華、林檎の三人兄弟である。
林檎は綾と二人だけの剣道部に所属する部員で、綾のことを随分と慕っていた。
「それより」
真面目な顔をして見つめ合う。
「僕は、気にしない。鈴は……そのままで、いい」


『あーっ、えっと、こ、これは……は、はいらなくなっちゃって』
恥ずかしそうに身体を寄せて、胸元の裾を引っ張って無理矢理閉じてしまう。
『も、もともと、来る予定もなくて……』
605 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/05(金) 16:04:17.31 ID:SdM/IKYjo
>>604
「……すごいな保健の先生……さすがに起きるまでは結構かかるだろうと思ったのに……
ん?ああ………………ありがとな」

照れくさそうに少し顔を赤くしながらそっぽを向いて小さな声で礼を言った。



「ふふ……もっとよく見せてください。彗華、君は……とても、綺麗だ」

ヘルメット越しに耳元で甘く囁くと、胸の下で止まっているチャックをくわえて更に下まで下げる。そうこうしているうちに使われていない階までやってきた
606 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/05(金) 17:52:15.92 ID:goyYBTO9O
>>605
「鈴……」
微かにはにかむ綾。
その変化は、やはり鈴を含む極一部の人間にしか解らないものなのだろうが、解る人間にとっては確実な変化だった。
「僕は……強くなりたい。
 鈴を、大切な人を……守りたいんだ」


『きゃ、ぁっ……そんな、ダメです……。
 そ、そんなこと言うの……やめてください……』
きっと耳まで真っ赤になっているだろう。
臍まで見えてしまっている身体を手と開いたスーツで頑張って隠してる。
607 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/05(金) 20:10:02.93 ID:SdM/IKYjo
>>606
「ははっ、なんだよそれー。恋人みたいじゃないか。
でもまあ、そーだな。お互い背中を預けられるようにがんばろーぜ!」

綾の方にそっと拳をつきだした。



「それはできない相談ですね……こんなにも美しい君に綺麗と言っちゃいけないなんて……僕には我慢できない」

物置きと化した教室が並ぶうちの一室。すでに改造済みの引き戸は伊織たちに反応して静かに開き、二人を飲み込む。間もなく引き戸は自動的に締まり、静かな部屋にガチャガチャとロックのかかる音がかすかに響いた。

608 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/05(金) 20:27:41.47 ID:WjiMtCueo
>>607
「任せて。
 鈴の背中は、僕だけの物だから……」
出された拳に呼応して合わせる。
普段、意志を見せることは少ないが、時折見せるそれは確りと熱い。
特に、絆を守ることには顕著で、宣言したからには固く守ってくれるだろう。


『はぅ……こんな、とこまで……』
秘密の部屋に導かれた彗華。
伊織の腕の中から降ろされると、開けていたジッパーからスーツが開いていく。
上半身が露わになると、肩紐が無いタイプの薄青い色のブラと白い肌が視界に晒される。
『きゃっ!
 あの……こ、ここは……どこ、でしょう?』
背を向けて急いで着直しながら、口調は震えてきて。
609 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/05(金) 21:59:10.37 ID:SdM/IKYjo
>>608
「おう、任せたっ!……ん?」

だけのものというのがよく聞こえなかったようだ



「おっと、ああ……やっぱり綺麗だ。まるで……そう、誰も踏み入れたことのない新雪の雪原のようです……」

着なおそうとする手をそっと押さえて止めながら、彗華の後ろ姿の美しさに溜息をこぼす。

「ふふ……そんなことはどうでもいいじゃないですか……彗華、君がいる……それだけで僕の世界は救われるんだ」

後ろから包み込むように彗華を抱きしめ耳元でキザなセリフを囁くとヘルメットに手をかけた
610 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/05(金) 22:19:18.22 ID:WjiMtCueo
>>609
「誰よりも傍で……鈴のこと、守らせてほしい」
(少なくとも今は)変な意図はなく純粋な言葉らしい。
さらに一歩、踏み込むと跪き、手をとってその甲にキスをする。
「騎士として、盾として、キミを守ろう」
普段無表情でアホなことをやってはいるが、
クールスイッチが入った時はアルビノと同じくらいキザなんじゃないか疑惑。


『は、はひっ!?』
接近に気が付かなかったのか手を取られると変な声が上がる。
押し上げていたジッパーは手という抑えが無くなると胸のカップの1/3程度の所まで自然と下がってしまう。
『あ、あの……あとで、かえして、くださいね……』
ヘルメットが外れると黒メッシュの緑髪が冷気と一緒にふわっと広がり。
きゅっ。と目を閉じると懇願の言葉を。
611 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/06(土) 14:57:41.94 ID:MWivpDftO
>>610
「………………あ、あのなあ!」

赤くなりながらキョロキョロ。しゃがみこんで綾に近づいて小声で続ける

「(そりゃあ……あたしだって王子様とかナイトに守られるお姫様には憧れるよ……?)でもな。
さっきも言ったけど俺たちは対等な関係で、俺はお前に背中を預けあう以上のコトをさせるつもりはないんだからな?大事な友達のお前を盾になんかするもんか。
…………なんか恥ずかしくなってきたぞ……ああくそお!ちょっと立て!」

綾の手を引きながら立つことで全身の力を使って引っ張って綾を立たせると今度は鈴がひざまずく。

「この拳にかけて……お前は俺が守る」

胸に手を当ててそう言った。前髪で隠れて見えないが、顔は真っ赤に染まっている。



「いい香りだ……」

ヘルメットからこぼれる髪とともに広がる香りが伊織の鼻をくすぐる。ヘルメットを横の机の上に置くと、更に密着して抱きつき、彗華の香りを独り占めするように息を吸い込むと首筋に舌を這わせた。
612 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/06(土) 17:26:27.68 ID:dp9hwNeWo
>>611
「わかった……それでいい」
意志は固く、頷きは深く。
「鈴の拳と僕の剣は対等だ。
 親友で、守り合う関係で……それがいい」
今度はこちらが、立ち上がるように示す。
「僕は……鈴や、ライナー君ほど、多くの物を知らない。
 昔のことを忘れてしまったから、皆が見えている物が、僕には見えない。
 だから、僕は……鈴達と同じ物を見続けたい。同じ物が見たいんだ……」



『い、伊織さん……ひゃ、ぁんっ』
抱きつかれると小柄な彗華は伊織の胸にすっぽりと収まってしまい。
恥ずかしさからか俯くと、項が露出して、そこを舐めあげられると身体が震えて上ずった声が響く。
『あっ、あの、伊織さん。
 えっと……あの、やっぱり、なんでも、ないです……』
振り絞った声は疑問を口にしようとしたようだが、自ら首を振り、払ってしまう。
613 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/06(土) 20:15:06.25 ID:8EaxV3c9o
>>612
「まったく、俺の入った言葉にウソはないけどさ、そんな深刻になるなよ……そういう世界じゃないんだからさ」

なんか照れくさそうにそっぽ向いてる。



「ふふ……美味しいですよ、彗華。とてもエッチな味がします……その僕を狂わせる声ももっと……聞かせて欲しい」


彗華の反応に乗じてライダースーツの中へと両手を滑り込ませる。左手は右胸、右手は陰部へ。視覚、嗅覚、味覚、聴覚、触覚……五感のすべてを使って彗華を味わい尽くそうとする。
614 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/06(土) 20:55:14.80 ID:dp9hwNeWo
>>613
「確かに、そうだ」
もう一度、鈴の言葉に対して頷きを見せる。
けれども、今度は 反論の言葉が続く。
「僕たちの『世界』は安全だ……だけれども、驚異が無いわけじゃない。
 その、驚異から、僕は守りたいものを……守りたいんだ」


『ふぁ……ぁんっ!
 こ、こんな、ところ……見つかっ……ひぅ!』
身体を包まれると萎縮してさらに強張る。
しかし抵抗らしいものは無く、手は阻まれることなくスーツへと滑り込んでいく。
右手が潜り込んですぐに指先に滑る感覚が伝う。それは紛れもなく汗なんかではなく……。
615 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/06(土) 21:22:45.76 ID:8EaxV3c9o
>>614
「そう未来を悲観するなって。ほら、俺はここにいる。お前に何も言わずにどこにもいなくなったりしないさ」

綾を安心させようと抱きついて背中をぽんぽん。



「大丈夫、こんなところまで来る奴なんてそうそう居ませんよ」

カーテンも鍵も閉まっている。更に九条家のリフォームと伊織の改造で防音なんかも行き届いていたりする。

「ふふ……もうこんなになってるじゃないですか……」

それぞれの手の先の固く尖った突起を指先で弄ぶ。右手では突起を弄りつつ、更に水音が良く聞こえるように掻き回した。
616 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/06(土) 21:43:44.90 ID:dp9hwNeWo
>>615
「……っ」
抱き付かれると、綾の目が一度、大きく瞬く。
静かに鈴を受け入れて、離れて行っても拒みはせずに。
「忘れていた……そうだね、僕達は一緒だ。何処までも」


『本当、ですか……?』
疑問と同時に、強張りが薄れたような気がする。
両の手がそれぞれで尖りを捉えるとピクリ、と身体が震え。
『あっ、ぁぁ……それっ、ダメ……!』
既にじっとりと湿っていたそこを?き回すと熱い息を漏らしながら伊織の方へと身体を投げ出してしまう。
頬は赤らみ、瞳は潤み。天を仰いで大きな呼吸を繰り返す。
617 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/06(土) 22:03:30.73 ID:8EaxV3c9o
>>616
「もう安心したか?いざという時に備えるのは大事だけどさ、それでしんどくなってちゃ本末転倒だぜ?まったく、日頃ぼーっとしてるくせに心配性になってんじゃねーよ」

いつもの向日葵のような笑顔。そして口に人差し指を当てて少し考える。

「うーん、お腹すいてないか?病気だったりお腹すいてたり偏食してると頭がおかしくなって死ぬことが稀に良くあるらしいぞ?」




「ええ、本当ですよ。もっとも彗華、君が望むのなら窓から上半身を出して……なんてこともしたっていいんですけどね」

耳元で少し意地悪く囁き、甘噛み。

「おっと、ふふ……とてもいやらしいですよ、彗華……とても綺麗だ……」

絶えず耳元で甘く囁き続けながら指の動きを速く、激しくしていく。
618 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/06(土) 22:26:42.05 ID:dp9hwNeWo
>>617
「もう大丈夫。ありがとう」
鈴の笑顔につられてか、微かに表情が明るく。
瞳も緩やかに穏やかな雰囲気を感じ取ったが、向けられた言葉に目を閉じて。
「んー……少し、空いてるかも」


『そ、そんなことっ……考えて、ないです……』
提案の瞬間、彗華の緊張が強まるのを感じる。
?き回す指に対する圧が強まり、耳への刺激に悶えて。
『伊織さん、私っ、いやらしい、なんてっ……。
 あっ、ふあぁっ……ぁぁっ……んんっ―――――!!』
指の動きが激しくなると、一層気持ちよさそうな声を届け。
ついには絶叫と同時に身体をピンと張り、限界を迎えてしまう。
身体は抱えられた腕に預けるようにして、力なく凭れる。
619 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/06(土) 22:47:08.17 ID:8EaxV3c9o
>>618
「よし、いい顔だ!じゃあなんか作って食べるか。家庭科室行こうぜ」

明るくなった綾の表情を見て嬉しそうに声を弾ませた。



「いつでも逃げようと思えば逃げ出せたのにしなかった。
僕に胸をもまれたと鈴に言ってやめさせる事だって出来たはずなのにしなかった。
ということはまたこうなる事を期待していたんでしょう?今だってこんなにしてるじゃないですか……彗華はとてもいやらしくて素敵だ……」

股の間から右手を引き抜き、ビショビショになった手を糸を引かせたりして彗華に見せつける。

「ふふふ……あまりに素敵なせいで僕もこんなになってしまいましたよ」

そう言うと、伊織は絶頂で脱力して密着した彗華の背中に当たっている分身に力を入れてピクピクと主張させる。
620 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/06(土) 23:08:47.48 ID:dp9hwNeWo
>>619
「行こう」
静かに頷くと横に並んで歩き出す。


引き抜かれた手。
汚したのは紛れもなく自分で。
『はい……、その、ごめんなさい……』
見せつけられると思わず顔を背け逃げていく。
『ぁ……』
見えずとも感じさせられるものに彗華が小さく声を上げ。
乱れたライダースーツから弾けた胸の上に手を当てて。
621 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/06(土) 23:24:57.78 ID:8EaxV3c9o
>>620
「なにか食べたいのある?そういや最近あんまり作ってなかったなあ……」

家庭科室までの道中、何を作ろうかと思案。



「今度は、いいですよね……?そろそろ僕も我慢できなくなりそうです」

保健室の予備であろうベッドの上に彗華を横たえ、肩の横に両手をついて真っ直ぐに彗華の目を見る伊織の股間はズボンの上からでもはっきり分かるくらいに主張していた。
622 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/06(土) 23:45:44.41 ID:dp9hwNeWo
>>621
「別に……」
驚くほど食に無頓着な綾。
毎回聞いても具体例どころか指針すら帰ってくることはない。


『はい……』
見つめられていると解ると萎縮して、胸の前に手を持ってきてしまう。
静かに、ゆっくりと頷く。既に伊織を受け入れる準備はできていた。
『処女は、リョウ君に、あげました、から……』
623 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/07(日) 00:06:21.95 ID:0yHBF2B5o
>>622
「……そうだな、お前に聞いた俺が悪かった」

少し困った顔で溜め息をつく鈴。いつもそうなのについ聞いてしまう。ついつい何か食べたいものが返ってくることを期待してしまう。
そうこうしているうちに到着。歩きながら用意していた鍵で扉を開く。
素行が良かったり胃袋を掴んだりで鈴は家庭科室のスペアキーを持つことを許されているのだ。




「それでは遠慮なく……」

素早く衣服を脱ぎ去り、彗華のライダースーツに手をかけるとゆっくりと脱がせてゆく。
624 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/07(日) 00:21:43.59 ID:rI6pLBGSo
>>623
「……」
どことなくばつの悪そうな顔。

家庭科室に踏み込んですぐ、その異変に気付くだろう。
確実に鍵は掛かっていた。けれども、部屋の中から物音がするのだ!
暗い部屋の中で、冷蔵庫の扉が開き灯っている。
物陰で姿は見えないが、冷蔵庫を漁っているのは確かだ。


ライダースーツに手をかけていく伊織の手をぼーっと見つめる。
程なく露わになった、ブラとお揃いの薄青い色のショーツは彗華のそれで濡れて張り付いていて。
滴は太腿にまで垂れて広がり、期待の度合いを示していた。
『……』
脱がす手が及ばなくなると、ぼぅっと漂っていた視線は伊織の股間をふと見てしまい。
意識していたのか、釘づけになり、湿った吐息を吐き出して。
625 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/07(日) 11:54:42.28 ID:0yHBF2B5o
>>624
「!?」

散々家庭科室は利用しているので解錠施錠の鍵の回転方向はわかっている。手応えも間違いなかった。
部屋に鍵をかけて電気もつけずに冷蔵庫を開けて何かしている。明らかに怪しい。

「……誰だっ!」

それらしき影から目を逸らさず、入ってすぐのところにある明かりののスイッチを押しながら叫んだ。


「ああ……美味しそうですね……」

ライダースーツを脱がせ終わり、あらわになった彗華の肢体に伊織は感嘆の溜息をこぼす。
彗華の視線を釘付けにしている伊織の分身は既に見るからにとても固そうでグロテスクな様相で、いまにも襲いかかってきそ甕に来るかのように思われた。しかし伊織は左の大腿に口づけをすると、広がった雫を舌で辿り、雫の湧き出す方へと遡っていく。
626 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/07(日) 13:44:26.36 ID:rI6pLBGSo
>>625
明かりが点き、鈴の声が響くまで気が付かなかったのだろう。
抱えた食材と開いた冷蔵庫をそのままに、物陰から飛び出してもう一つの出入り口へと黒い影が飛び出していく!

が、その直後躓いて転けた!
『うぅ……』
魚肉ソーセージを頬張ったまま床で痛がっているのはゼオラだ。
抱えていた瓶牛乳を下敷きにしてしまい、腹筋に直撃させたダメージが大きい。



「ひゃっ、んん……」
伊織の舌を静かに受け入れる彗華。
ベッドに身体を倒し、舌遣いの一つ一つに気持ち良さそうに吐息を吐き出す。
快感を与える度に、源泉からは絶えることなく蜜が供給されていき、既にショーツは意味をなさないほどに濡れて透けていた。
627 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/07(日) 14:44:48.25 ID:SIjxo1sqO
>>626
「電気もつけずになにやってんだよお前……そんな野性味あふれるワイルドはらぺこガールだったか?」

料理得意だったはずだよなあと首を傾げながら冷蔵庫のドアを閉じてから近づいていく。


「彗華のお汁……とても美味しいですよ」

伊織の舌はとめどなく溢れ出す愛液の供給口へと到達する。左手で薄布をずらし、あらわになった泉にキスをするように口をつけると羞恥心を煽るように大きな音をたてながら蜜をすすった。
628 :綾&ゼオラ/彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/07(日) 15:09:57.46 ID:rI6pLBGSo
>>627
『……ちょっと……おなかすいた……』
お腹を擦りながら立ち上がる。
会話の途中も、絶えず魚肉ソーセージを頬張って。
『これ飲んだら……帰る』
手元から小さな針を取り出すと瓶牛乳の蓋を器用に開けて。


「そ、そんなこと……言わないで、ください……」
下着に手が掛かると、彗華の緊張が伝わってくる。
最も秘密にしなければならない部分を除かれる羞恥に、既に彗華は張り詰めそうになっていて。
呼吸は熱く、大きな物になってきて、小さな身体がピク、ピクと震える。
「ひゃ、っ……」
ついに触れると、微かに吐息を漏らす。
伊織の舌遣い、大きな音と共に彗華の快感も募っていく。
「ふあっ、あっ……伊織、さん……っ!」
不安げに胸に置かれていた手が動き、伊織の頭に乗せられる。
除けられるのかと思いきや、そのまま優しく手が動いて撫でていく。
伊織への褒美に撫でているのか、自身のスポットへと導いているのか、愛しげな手付きさえあった。
629 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/07(日) 16:25:16.75 ID:SIjxo1sqO
>>628
「それなら何か作るぞ?何がいい?俺たちも何か食べようと思ってきたんだ」

紺色のエプロンをつけながら聞いた。


>>628
「ここがいいんですか?」

彗華の手の動きに従い下着を押さえる手の指、舌、歯をフルに使って愛撫を続ける。同時にあいていた右手を左胸へと伸ばした。
630 :綾&ゼオラ/彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/07(日) 17:56:33.37 ID:rI6pLBGSo
>>629
『ん……じゃあ』
牛乳を飲みながら席につく。
待つ気になったようだ。
『おにくが……食べたい……』



「っ……!
 はい、そこがっ……ぁ、んっ!」
送られてくる刺激全てに吐息を漏らし、腰を浮かせる。
伊織の頭に乗せられていた手は強くスポットへと押し付けられて。
大きく実った胸は伊織の掌だけでは包みきれず、鷲掴みにしてもなお余りあるもの。
631 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/07(日) 18:35:35.77 ID:SIjxo1sqO
>>630
「肉かー、肉多めのチンジャオロースでいいかな?」

冷蔵庫をチェックしながら聞いた。


「彗華の正直なところ、僕は好きですよ……ご褒美です」

彗華の反応を見つつ、ひときわ強い刺激を与えた。
632 :綾&ゼオラ/彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/07(日) 18:54:55.08 ID:rI6pLBGSo
>>631
『うん……』
コクコク、と頷くゼオラ。
その隣には綾が座る。相変わらずの無表情が並んだ。


「はい……あっ、あぁっ!」
与えられたご褒美に歓喜の悲鳴を上げる。
止めどなく溢れてくる愛液は肉付きの良いお尻までもをべったりと濡らし、予備のシーツも汚す。
「伊織、さん……また、私……っ」
身体の振れが大きくなり、また限界へと上り詰めようとしている彗華。
悲鳴は歓喜の色を孕みつつも、切羽詰まったものになってきて。
633 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/07(日) 20:17:38.45 ID:SIjxo1sqO
>>632
「よし、じゃあ決まりだ」

冷蔵庫から具材を取り出し、野菜を軽く水洗いして並べると包丁をくるくると回しながら取り出す。完全に無駄な動きで危なくすらあるのだが、このかっこいい動作によって鈴のテンションが上がるので全く無駄というわけではないのだ。

「ふう……よし。てりゃあああああ!」

既に灰汁抜きを済ませて水につけてあった筍、ピーマン、そして肉を恐るべき速さと正確さで細切りにしていく。

「はああああっ!」

熱しておいた中華鍋にごま油をなじませ、具材を投入。香ばしい香りが広がる。豪快に鍋を振れば炎と具材が踊った。順番にオイスターソースなどの調味料を足しながら仕上げていく。

「よし、できたぜ」




「ふふ……えっちいなあ……遠慮はいりませんよ……っ!」

とめどなく溢れる愛液を愛おしそうに、嬉しそうに愛撫しながらすすっていた伊織。すすりきれなかった分でベッドの染みはどんどん広がっていく。再び絶頂を迎えそうな彗華の声を聞き、突起を強く吸った。
634 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/07(日) 21:47:56.94 ID:rI6pLBGSo
>>633
「おお……」
『んん……どうも……』
鈴の一挙手一投足に感嘆の声を上げ、小さく拍手すらして見せる綾。
一方のゼオラは懐からマイ箸を取り出して食べる準備しかしていない。



「ふあっ、私……もう……ッ〜〜〜〜!!」
張りつめた瞬間に指に吸い付いて、声を押し[ピーーー]。
駆け巡る快楽に頭はからっぽになり、隠すことすら忘れて余韻に浸り。
苛烈な責めに根を上げた身体はビク、ビクと痙攣をするたびに蜜がトロリと溢れてくる。
635 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/07(日) 22:12:13.29 ID:SIjxo1sqO
>>634
「さ、食べるか」

ミニチャーハンとチンジャオロースを並べて席についた。



「はあ……はあ……最高ですよ、彗華……」

ぐったりと体を痙攣させる彗華の様子に興奮が最高潮に達した伊織は彗華のショーツを引き下ろし、片足から外す。そして彗華に覆いかぶさる体勢で開きっぱなしになった彗華の唇を奪い、舌を絡めながら互いの性器を擦り合わせ、分身に彗華の蜜を絡めていく。
636 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/07(日) 22:39:37.77 ID:rI6pLBGSo
>>635
人数分の小皿とスプーンを用意するゼオラ。
早速チンジャオロースを取り分けると、手にした箸で食べようとする。
『……』
が、箸の使い方が下手。


ついに下半身を覆っていた布が取り払われる。
『ぁ……』とだけ声を上げたが、幸福感に包まれふわふわとした頭では整理ができずに。
唇を受け入れると、素直に求めてくる。
「ん……伊織さんっ」
舌を絡め、下半身に触れるものを感じると身体が熱くなるのを感じる。
否定の言葉は、もう出なかった。
637 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/07(日) 22:55:34.44 ID:SIjxo1sqO
>>636
「……」

小さい子どもを見るようなかわいいなあといった表情で見ている



「じゃあ、いきますよ……彗華」

口を離し、彗華の顔を愛おしそうに見つめながら、あてがった伊織自身をゆっくりと彗華の膣内へと突き入れる。
638 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/07(日) 23:19:12.51 ID:rI6pLBGSo
>>637
「……はい」
見かねた綾が、自身の箸で掴んだお肉を差し出す。
が、ゼオラはそれを受け取ろうとせず、顔を背けてしまう。

ゼオラ=アドヴァルド。ライナーの双子の妹である。双子の。


「はぁ、はぁ……はい」
潤んだ瞳を強く閉じて、呼吸を整えた後、頷いた。
伊織を一切拒むことなく、ほぐれた身体は素直に受け入れていく……。
「はぅ、ん……入って、きまし、た……」
送られてくる快感に口が自然と開き。
多くの快感に支配されていることを、隠すつもりも、最早なかった。
雪女のハーフという身体を駆使して、ただ相手に最上の奉仕をすることだけを考えていて。
639 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/08(月) 00:08:03.01 ID:a0r+9PgcO
>>638
「はっ、食べにくかったらチャーハンのレンゲで食べたらどうだ?お皿もおわんに変えればすくいやすいだろうし
フォークとかもあるぞ?」

ぼーっと眺めていたが綾が食べさせてあげようとしているのを見てこれではいけないと動いた。



「くっ……これは……」

意思を持って搾り尽くそうとするかのように絡みついてくる彗華の膣内。半分ほど挿れただけなのに気を抜けば精を解き放ちそうになるほどの快感がもたらされる。
大量に分泌された愛液と奥へ奥へと導くような膣内の動きのおかげでそれほどの抵抗もなく入って行く。ゆっくりと根本まで挿入し終えると、先端が奥に当たる感覚があった。
640 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/08(月) 00:44:37.14 ID:BqRQLCewo
>>639
『……そうする』
お椀を受け取ると、皿の物を移し替えて。
レンゲを手に取り、掬って食べる。
小さい口は当然一口分も小さく、顎の動きもかわいらしく。
『おいしい』
とだけ、変化しない顔振りで。



「伊織さんっ……熱い、です……っ!」
雪女の身体は冷たく、鉄心のごとく滾った伊織との温度差は激しく。
震えた声、潤んだ瞳は、嫌悪、苦痛ではなく、快楽に蕩ける故の物。
小さな彗華の身体の最奥、硬い感覚に触れると少女の身体が小さく跳ねる。
「ふあ、そこっ……頭が、しびれる、みたいに……っ」
641 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/08(月) 11:50:51.93 ID:a0r+9PgcO
>>640
「おう、それはよかった」

ゼオラの様子を見て細切りでレンゲでもすくいやすいチンジャオロースにしたのは正解だったなと思いながら自分も箸をすすめる。

「あ、そういえばお前に似た不思議の国のアリスの赤の女王みたいなカッコしたヤツがお前探してたぞ。ケットーだとかなんとか」




「全部、入りましたよ……はあ……っ良すぎてうっかりイッてしまいそうですよ……」

彗華の両足を抱え上げ、少しお尻が浮くようにして結合部を見えやすいようにする。

「ふふ……じゃあもっと痺れさせてあげましょう」

奥まで突き入れたまま、のの字を描くように腰を回して先端で奥を擦るように膣内をかき混ぜる。
642 :綾&ゼオラ/彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/08(月) 15:26:08.77 ID:6JR8XS+MO
>>641
それからは何も言わず、見せず、黙々と食事を続けていたが、
アリスの話になると手を止めて、鈴の方をじっとみて聞いていた。
鈴の話が終わればまた下を向く。反応はないと思われたが、次のレンゲを口に運ぶ直前に、
『……いつものこと』
とだけ口にした。



「ひぁっ!? こ、この格好、恥ずかしいです……」
抱えられ腰を浮かせられれば、自然と目に入ってきてしまい。
赤く熱った顔を両手で覆い隠してしまう。
雪女の、冷たさと熱さ両方が存在する身体は深く絡みついてくる。
「あっ、ふぅ、ぁっ……!
 伊織さん、それっ、気持ち、いいです……っ!」
伊織の腰の動きに合わせて、熱い息を吐き出す。
胸を振るわすのも厭わずに、快楽に悶ていた。
643 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/08(月) 17:42:24.13 ID:a0r+9PgcO
>>642
「あー、うん。たしかにそんな感じだったな」

ああ、忘れていたといった様子で冷蔵庫に行くと氷入りの冷たいお茶を持ってきた。

「お湯で淹れてから冷やしたんだけどなんか高いウーロン茶みたいでおいしかったぜこれ」





「次は……っ……まったく、くわえこんで離したくないみたいですね……本当にエッチな躯だ……今度はこうです!」

今度は抜けるギリギリまでゆっくりと腰を引く。動けばそれに呼応するように絡みつき逃さず引き戻そうとするような彗華の膣内の動きがもたらす大きな快感に言葉が途切れる。
少し止まって彗華にキスをすると、杭を打ち込むように一気に根本まで突き挿し彗華の最奥に打ちつける。
644 :綾&ゼオラ/彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/08(月) 19:36:52.10 ID:BqRQLCewo
>>643
『……めんどくさい』
ぶっちゃけた。
真顔で食事を取りながら毒を吐く。
本人が耳にしたら即死レベルの猛毒を。

「『……ありがとう』」
完全に被った。
ちょっと間の空いたタイミング、低めの声のトーン、全て。
そしてコップに注がれたお茶を一回眺めてから口に運ぶ動作までもが同じ。



「伊織さんの、が……動くたびに、気持ち、いい……から」
恥ずかしさを堪えて、自ら肉欲を露わにしてきた彗華。
腰が引き、一旦動きが止まったことで、彗華に余裕ができたと思いきや、深いキスで休む間もなく。
それと同時に最奥を強く突かれると歓喜に震えた身体は大きく撓り、膣はきゅう。と締まる。
「ひぅっ!!
 それ、ダメですっ……私、こわれちゃい、ます……!」
絶え間なく責め続けられた彗華の顔は蕩け、より男を誘う顔に。
唇が再び繋がり、自由になった手は伊織の背中へと伸ばされた。
645 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/08(月) 20:03:29.39 ID:a0r+9PgcO
>>644
「だろうなあ」

そっちもなんとなく予想通りだった。

「お前らなかよしだな」

自分もお茶を飲みながら。



「まったく……嬉しいことを!言って……くれますねっ!」

ゆっくりと引いて一気に奥までを少しずつ速くしていく。キスに呼吸に会話にと口もなかなかに忙しい。


「ふふふ……じゃあ、壊してしまいましょうか……」

彗華の表情にゾクゾクとこみ上げる感情。貪るようなキスをすると、伊織の腰使いは暴力的ものに変わる。
速く、激しく、リズミカルに3回に1回最奥を叩くように深く腰を打ちつけていく。
646 :綾&ゼオラ/彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/08(月) 20:58:22.23 ID:BqRQLCewo
>>645
「『……別に』」
小さく呟かれた否定の言葉すら重なって。
お互いが見合わせて、数秒固まり……何もなく戻るのも同じだった。


「いっ、伊織、さんっ……!
 」
647 :綾&ゼオラ/彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/08(月) 21:32:47.37 ID:BqRQLCewo
//途中送信……っ。

>>645
「『……別に』」
小さく呟かれた否定の言葉すら重なって。
お互いが見合わせて、数秒固まり……何もなく戻るのも同じだった。


「いっ、伊織、さんっ……!
 ふぁっ……あぁっ! わ、たし……ほんとに、おかしくっ、ぅぁあんっ!?」
伊織の暴力的な振る舞いに、対した静止の言葉は激しいピストンでかき消される。
腰を打ち付けるたびに水音が響き、相変わらず深く絡みついてくる雪女の膣は固く締め上げて。
「こんなのっ、ん、ぁっ……ダメ……ぁはぁっ!
 気持ちよくてっ、気持ち、良くてっ……ああぁぁっ!」
度を越した恥ずかしがり屋の彗華は、既にそこに存在せず、投げ出した手はシーツを掴み全てを曝け出す。
GかFかの爆乳は激しい揺れで上下して、身に着けていたブラが外れると現れる屹立した桜色のしこり。
無意識の内に、伊織に合わせて、彗華の腰も動き始めてきた。
きゅう。きゅう。と愛しく、厭らしく求めてくる膣は至上の快楽を与えてきて。
「あっ、あっ……すご、すごいのっ! イくっ、イくっ!!」
彗華の身体が、膣内が、小刻みに震え始めて。
意識が朦朧としてきた中で脚が伊織の腰をガッチリと捉えてきて。
逃れられなくなれば最奥に自らグリグリと無理矢理押し当ててきた。
648 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/08(月) 22:05:16.35 ID:a0r+9PgcO
>>647
「ははっ、やっぱなかよしじゃないか」

楽しそうな鈴。そろそろ食べ終わりそうなのに気づいた。

「ああ、そうだ。デザートにアイスクリーム作ってあるの食べる?」



「彗華……可愛いですよ……っ!」

名前を呼び返し、口づけをすると腰の動きをさらに速く、

「ほらっ……ほらっ……!ダメに……なってしまえっ!」

あらわになった胸も荒々しく揉みしだきながら、獣のように滅茶苦茶に腰を振りまくる。

「くっ……そろそろ……くあっ!?」

どんどんと快感を増す彗華の膣内に限界が近付き、そろそろ引き抜こうとしていたところでのホールドからの先端への刺激。しっかりと繋がったまま、一番奥で大量の精が吐き出された。
649 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/08(月) 23:04:09.00 ID:BqRQLCewo
>>648
鈴の言葉で再び顔を見合わせて。
本人たちにそういった意識は無いのかそのまま見合っていた。
『食べる……』
先に顔を離したのはゼオラ。
興味がアイスに逸れたようだった。


舌を吸われ、唾液を交換し、胸を揉まれる度に性感が高まり。
大声で喘ぎ、腰を振るあられもない姿を見せながら、3度目の絶頂を迎えた。
「ふわ、あっ、ぁ……あぁ〜〜〜〜〜ッ!!」
今まで以上により強く締め付け、伊織を逃さず最奥で精を受け入れた。
迸りを感じ取るとそこだけが他の生き物のように吸い付いて、搾り取ろうと何度も収縮する。
「はぅ、うぅ……ふあぁ……っ」
大きく胸を上下させ呼吸する彗華。
じっとりと汗ばんだ身体は少女では済まない独特の色香を醸し。
多幸感からか恍惚の表情を浮かべベッドに横たわっていた。
650 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/09(火) 00:24:19.76 ID:YSeCkDkKO
>>649
「リョウはいらないのか?」

運びやすいように食器を重ねながら聞く。
なにか考えている表情は盛り付けについてでも考えているのだろう。


「うっ……はあ……はあ……くっ……ふう……」

すべての体重はかからないよう、両肘はベッドにつきながら彗華に身体を委ねた。大きく脈打つようにどぷどぷと幾度にも渡り大量の精液が吐き出され、頭が真っ白になるほどの大きな快感を伊織にもたらす。
伊織の分身が動きを止めてなお、彗華の膣内は貪欲に動き、快感を与えながら精を最後の一滴まで搾りとろうとする。
大量に分泌された彗華の愛液と、大量に吐き出された伊織の精液の混じり合ったものがとろとろと、結合部から溢れ出していた。

「とても……良かったですよ……こんなに大量に出たのは初めてです……でも良かったんですか……?」

呼吸が整い始めた頃に口づけをしてから、膣内に射精してしまったことについて尋ねた。
651 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/09(火) 01:13:40.06 ID:8iqrWJMgo
>>650
「僕も、欲しい」
逸らされた後もゼオラを見つめていたが、二人のやり取りに続いて頷く。
『……』
ゼオラは席を立つと興味ありげに鈴の傍へ寄っていく。


二人の肌が重なる。
微かに熱を帯びた雪女の吐息が伊織の頬を撫でた。
絶頂の余韻かぼーっとしており、口づけには甘い声で答えてくる。
「ふふ……大丈夫。
 雪女は、子どもをつくらないこともできるんだよ?」
収縮が弱まり、繋がったままの伊織を優しく包み込む。
それは秘所だけでなく、腕、脚が再び伊織の背へと回った。
「ただ……からだが、熱く……」
浮かべた笑みは淫靡に蕩ける。雪女らしい恐るべき精力。
652 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/09(火) 22:11:23.33 ID:s2tNXhGuo
>>651
「オーケー、よし、喫茶店風でいこう」

食器棚を見て決めた。道具を使って丸くすくったアイスクリームをよそい、さくらんぼとウエハースをつけて完成。昭和の喫茶店ぽいアイスクリームができあがった。




「へえ……便利なものですねえ……」

感心している。
653 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/09(火) 22:21:36.11 ID:8iqrWJMgo
>>652
『ふーん……』
無関心に聞こえるが、これでも感心していて。
アイスとスプーンをワンセット取ると自らのテーブルへ運んでいく。


「ねぇ……?」
伊織の身体を抱き寄せてきて、緩やかに腰を振ると繋がったままの物を煽る。
身体を抱き寄せると今度は彗華から舌を絡める。
瞳は熱に浮かされていて、表情は普段の幼さからは想像できないような誘惑が込められていて。
「伊織くんのエッチなの、もっと欲しいの……」
654 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/09(火) 22:50:52.11 ID:s2tNXhGuo
>>653
「自分で作ってもけっこーうまくできるもんだな」

ウエハースにアイスをのせてウエハースごとさくり。うんうんと頷く。



「おや、雰囲気が変わりましたね……ふふ……」

大量の精を放ったにもかかわらず、伊織の分身は彗華の膣内でまだ硬さを残していた。彗華の挑発的な動きですぐにまた元の硬さと大きさを取り戻してゆく。

「いいですよ、始めましょうか」

彗華の腰に腕を回し、抱き寄せながら起き上がる。向かい合わせで座った状態で繋がった体勢。起き上がる勢いと自身の体重で伊織に串刺しにされたような快感が彗華を襲う。

655 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/09(火) 23:13:42.58 ID:8iqrWJMgo
>>654
『……』
見様見真似で同じように進めていくゼオラ。
相変わらず表情の変化はなく、アイスと鈴を交互に見つめる。
綾は眉を顰め、難しそうな顔をしていたが。
「おいしい」
と口にして。


膣内を押し広げてくる感覚にピクリと反応して。
自重で自然と最奥に触れてくる伊織に快感を覚え膣が蠢く。
「はぅっん、ぁ……! 伊織くんの、素敵……」
絶頂の余韻が残る敏感な体早くも根を上げそうになって。
胸を、身体を押し付けるようにしな垂れかかると白い背中、ふっくらとしたお尻が伊織の目にさらされる。
熱く火照った、けれども冷たい吐息が伊織の脈動に合わせて胸板に吐きつけられる。
656 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/10(水) 00:56:22.50 ID:slqi99M2o
>>655
「いい素材使ったけどウエハースのチープな味にもあうなあ……なんかホントはアイスで舌が冷えて舌の機能が下がるのを戻すために付いてるらしいぜこれ」

真似をするゼオラを見てかじったウエハースをゆらゆらと振った。


「ありがとうございます。ふふ……彗華の背中も素敵ですよ……」

ホックを外し、既にほとんどその役目を果たしていなかったブラも取り去る。

「そしてこっちもいい……実にいい」

背中からお尻までを両手で撫でるように触るとお尻を乱暴に鷲掴みにして持ち上げて落とし、ボーリングのように何度も膣内を貫く。
657 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/10(水) 01:57:15.52 ID:q/BNazjUo
>>656
理解したらしく、鈴に向かって二度瞬くゼオラ。
ぼーっとした雰囲気、決して機敏でない動作は、綾よりも意志が希薄で。
綾は指先でつまもうとすると崩れるウエハースに苦戦していた。
以前より力のコントロールはできるようになり、生活に支障はなくなったのだが、繊細なものを扱うのはまだ苦手なようだ。


ぷつ。と小さい音。
ブラが払われればついに彗華を隠すものは無くなってしまう。
ついに、一糸纏わぬ姿になったことで彗華の興奮が増したのか膣の滑りが良くなって。
鮮明に感じられるようになった快楽に流されまいと、胸を押し付けるほどしがみ付く。
「んっ、……はぁっ、はひっ……!」
胸同様に肉付きの良いお尻を捏ね回される感覚に脳髄がしびれる。
奥まで押し込まれて腰同士がぶつかり合う度に水音が響き飛沫が散って。
犬のように舌を突き出して、腰の上下に合わせて吐息を吐き出す。
658 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/10(水) 12:06:55.19 ID:slqi99M2o
>>657
「ほい、ホットコーヒーみっつお待ちどーさん。なるほど、この暑いのになんでホットら頼むんかいなと思たらアイス食うとったんか。しかも喫茶店風やないか、ええな!ほなまあ俺はこれで。時雨ももう気ぃついたみたいやで」

「ありがとうにーさん」

いきなり現れてトントントンと手際よくホットコーヒーを並べて去っていく士道。そういえば作業中に鈴が電話してたような気もしなくはない。最後に置いたシュガーポットの蓋を開ければ中には角砂糖が見えた。

「……やっぱ五百円玉曲げとかできたりするのかな……?」

ウエハースを粉末に変える綾を見ていて気になったことが思わず口に出ていたらしい。



「ふふ……またエッチな汁が溢れてきましたね……ちゃんとつかまっててくださいよ?」

突き出された彗華の舌に自分の舌をくるくるとからめると彗華のお尻の辺りで両手を組む。繋がったまま立ち上がり、脚を使ってリズミカルに彗華を跳ね上げては串刺しにする。

「はははっ、それっ!それっ!」
659 :綾&ゼオラ/彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/10(水) 14:02:36.57 ID:esqS+KRkO
>>658
『……』
目の前に差し出されたホットコーヒー。
その水面と向かい合い、黒く映る自分と見つめ合う。
ふー。と息を吐き波を立たせてから、カップにゆっくりと口をつけていく。
「折れる」
折れる。
間違いなくやったことのある口振り。



「ふあ、あっ、あんっ!」
楽しそうな伊織に対して、責められっぱなしの彗華。
舌を絡ませながらくぐもった悲鳴をあげて、快感を受け入れていく。
跳ね上げられて、深々と挿入されるピストンに屈し、奥深くが触れる度に喘ぎを漏らす。
660 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/10(水) 14:52:21.91 ID:+5zMH0+9O
>>659
「折れる……まっぷたつに割れちゃうのだぜ!?」

驚きでいつもの男っぽい口調にし忘れてあわててだぜをつけたが余計変になった。



「おっと」

勢い余って抜け落ちる分身。二人のものが混じり合い泡立った白濁がどろりと垂れる。

「そういえば初めて出会った時もこうして繋がろうとしましたね……あの時はうまくいきませんでしたが」

彗華の左足を床におろし、壁に左手をつかせると右脚を肩にかつぐ。そして深い口づけをかわしながら右手を肉棒に添え、再び彗華の膣内へと埋めさせていく。
661 :綾&ゼオラ/彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/10(水) 17:37:01.25 ID:esqS+KRkO
>>660
百聞は一見に如かず。と言わんばかりに取り出した硬貨。
綾の小銭の具合で価値は五分の一にまで落ちてしまったが、それでも硬いことに変わりないはずだ。
指に挟んだ硬貨を立てて、鈴に見せつけるように持つ。
「……、ふっ」
指先に力を込めていき、更に強めたような息を吐く。
パキン。という音と共に綺麗に折れた。



「はふ、ぅ……んっ」
一旦、膣内から出ていくと、艶めいた呼吸を繰り返し回復をはかる彗華。
栓の代わりにもなっていた伊織が離れると、出されたままだった精液と愛液が零れ落ち、床を汚す。
壁に押し付けられると、自然と首は上を向く。
快楽に揉まれ今にも溶けそうな表情で口を重ね。
脚を持ち上げられると伊織に嬲られた秘処は夥しく濡れ、充血した姿がよく見える。
それでも同時に、まだ求めてきて、物欲しそうに伊織を誘ってきていた。
662 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/10(水) 18:18:16.92 ID:slqi99M2o
>>661
「ふわあ……」

驚いた口が塞がらない。視線はゆっくりと綾の顔と綾の指先、ゼオラの顔を行ったり来たりしている。


「ふふ……いい顔だ……ほら、そこの鏡を見てください。彗華のいやらしい顔も僕をいやらしく咥えこむあそこもよく見えますよ?」

左手で右胸を揉みしだき、右手では固く充血した恥部の突起を擦りながら自分に向いていた彗華の視線を誘導する。横向きに壁に押し当てられた彗華の正面にあった姿見は彼女のあられもない姿を映し出していた。
663 :綾&ゼオラ/彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/10(水) 19:35:43.76 ID:q/BNazjUo
>>662
綺麗に半分に割れてしまった硬貨。
どうするかも考え付かず、テーブルに置くと鈴に差し出してきた。
「……」
流石のゼオラもびっくりしたのか、視線は硬貨に釘付け。



「ひあっ……ぁあんっ!」
乳首と陰核。硬く主張する突起は興奮を示していて。
コリコリと弄れば甘く、強い刺激が走り、抗うことなく受け入れていた。
が、誘導された視線、その先の鏡……映っていた自分の姿に絶句する。
胸を揺らし、脚を開き男を咥え込み快楽に支配され悦びを見せる淫靡な身体。
同じように蕩けた顔を浮かべより深く男を求める……その淫らな姿は間違いなく自分で。
「ぁ……ぁッ……」
自分ですら知り得なかった表情を伊織に引き出されそれを悦んでいる事実。
現に咥え込んだ物が動く度に雪崩込んでくる快楽が愛しくなってしまっていて。
「わ、わたし……こんな、いやらしい顔……見られて……ッ!」
固まる彗華。
しかし、愛液の分泌、膣のうねりは激しさを増す。見られていることに興奮してしまっていて。
繋がっている相手、淫らな自分を見ている相手を、意識してしまった瞬間、目があってしまう。
「あ、あぁ……ダメ、です……私の顔、私の身体……みないで、ください……っ」
既に呂律の回らない口で懇願して。
しかし身体は、本心は、きゅん。と熱く昂りを感じてしまいまた締め上げて。
664 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/10(水) 20:10:13.60 ID:slqi99M2o
>>663
「……」

折れてしまった百円玉の片方を手に取りしげしげと見つめるとゼオラと顔を見合わせた。


「うっ……く、ふふ……おやおや、やっぱりこういうのが好きなんですね。よだれを垂らしながらキュンキュンと嬉しそうに締め付けてきましたよ」

伊織のねっとりとした腰の動きに合わせて胸が揺れ、肉棒が前後するたびに蜜壺から掻き出す愛液が量を増していくのが見える。

「ふふ……いやらしい彗華も、彗華のいやらしい身体も……とっても可愛いですよ」

手の動きはそのままに、腰を突き入れては回し、ギリギリまで引くを繰り返す。
665 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/10(水) 21:57:04.15 ID:q/BNazjUo
>>664
『……』
すす……、ともう片方を手元に寄せるとじっと眺める。
半月状の硬化。その断面に指を這わせ……鈴と目を合わせた。
「……ふっ」
やり切ったようなドヤ顔。



「ふあぁっ! そんなっ、わたし、ぃッ!!」
熱い視線で見つめられてるのを意識するとトクン、と胸が鳴るのに気付く。
厭らしく男を求めて媚びる姿……見られて恥ずかしいものを見つめられて熱くなる。
恥ずかしがりやで、見られることは嫌なのに。伊織の言う通りに昂ってしまっている。
心と身体のギャップに気付かないまま、戸惑い続け、イヤイヤと叫び続けた。
その手で視界を覆ってしまえば楽なのに、目を逸らしてしまえば、楽なのに。
既に身体が視線を快楽と受け取ってしまっていて、避けることができなくなって。
パチュ、パチュ。と淫肉に腰が打ち付けられてゴリゴリと硬い肉棒で抉られれば余りの熱に溶けそうになる。
気持ちよくて、溶けそうで、泣きそうな顔で伊織を見つめる。
「いやらしいこで、ごめんなさいっ……だから、もっとっ……!」
666 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/10(水) 22:28:19.17 ID:slqi99M2o
>>665
「……ふにぎっ!」

財布から一円玉を取り出し右手の人差し指と親指で挟み、左手の親指と人差し指も重ねて力を込める。ビクともしない。

「……いたい……パワーとか以前にいたいだろこれ……」

机の上に一円玉を落とすと右手を軽く振ったり指を見たり痛そうにしている。



「くっ……いいですよ彗華……とても艶っぽくて……綺麗だ……」

彗華が乱れれば乱れるほどに具合が良くなっていく。既に一度吐き出した後だというのにそろそろ次の白濁を吐き出したくなってきている。
自分も慣れていなければきっと挿れただけで達してしまっていただろう。それほどまでに具合が良い。

「ふふ……いいですよ……次は、どこに、欲しい、ですか?」

胸と恥部を愛撫していた手で担いだ足を抱きしめるようにして腰を振りやすくすると、ぶつけるように激しく動き始めた。
667 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/10(水) 23:09:40.64 ID:q/BNazjUo
>>666
「一円は……すぐ曲がる」
そういう問題じゃない。
『むぅ……』
ゼオラもトライ。見るからに無理。
初期の綾みたく、パワーには一切期待できなさそう。
少しして投げ出すと指に付いた跡を眺めていた。



「伊織くん、伊織くん……っ」
身体は視線を求めて訴える。
気持ち良すぎて、蕩けすぎて、泣きそうな顔になっていて。
壁と伊織に挟まれて、快感の逃げ場がなくなり身体にすべて吸収される。
膣が時折痙攣してきゅ。と締まる。彗華の限界も近いようだ。
「な、膣内に、出して、ください……!」
その限界の瞬間に至上の快楽を求めて。
668 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/10(水) 23:33:40.16 ID:slqi99M2o
>>667
「ペンチでも使わないと難しいってこんなの……」

机の角に一円玉の中心を当て、体重をかけて親指で両端を押す。細かいキズが増えただけで特に曲がった様子はない。
気功が使えると言っても基本的には空手やって鍛えてるJKに過ぎないのだ。


「はあっ……はあ……彗華……彗華っ……!」

お互いの名前を呼び合いながら懸命に腰を振る。頭がチカチカしてくる。

「膣内っ……ですね……!くっ……そろそろ……いきますよ……!」

そう言って歯を食いしばるとラストスパートをかける。既に床は二人の汗、唾液、愛液と精液で水たまりが出来ていた。

669 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/11(木) 00:07:12.96 ID:NemLCm6/o
>>668
「普通は、曲がらない、から」
今更過ぎるフォロー。しかも微妙にずれてる。



「ぁっ、あぁっ! ……ぁんっ!」
段々と余裕がなくなってきて、口数が少なくなり出てくるのは喘ぎ声だけに。
快楽に極まりつつあるのか、意識が朦朧として来て。
口端から涎をが零れ顎に伝が、構わず絶頂へ向買っていくことだけに集中する。
「ん、ぁっ……わ、たしも……イき、ます……っ!」
670 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/11(木) 00:29:32.29 ID:hhKUNkJKo
>>669
「だよなあ……すごいなホント」

綾がへし折った百円玉を当ててカチカチと鳴らす。



「彗……華ぁっ……!つはっ……ああ……っく……」

名前を呼びながら思い切り彗華を抱き寄せ、奥の奥めがけて最後のひと突き。ビクビクと身体をふるわせながらどくどくと彗華の胎内へと自分でも驚くほどの大量の精液を流し込む。あまりの快感に目の前が白み、呻くような声が漏れた。
身体の力が抜け、彗華を抱き締めたまま、彼女の後ろ、自分の左隣のベッドへと倒れ込んだ。
671 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/11(木) 00:42:08.08 ID:NemLCm6/o
>>670
「任せて」
何をなのか解らないが胸を張っている。


「ぁぅ、伊織く、んっ……ふわ、ああぁぁぁぁッ!!」
最後の一突きと同時に最奥に注ぎ込まれる精液。
雪女の身体にはそれが灼熱かに感じられて、
しかしそれが心地よく、一際の嬌声を上げながら果てた。

伊織に抱きしめられたまま、ベッドに倒れ込む。
二度にわたる激しい行為に、彗華の体力は残っておらずぐったりとして呼吸を繰り返すだけで。
672 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/11(木) 01:21:09.66 ID:hhKUNkJKo
>>671
「おう、力まかせの仕事があったときはたのむな」

しっかり会話が成立しているあたりさすがである。


「はあ……はあ……すごく……良かったですよ……うっ」

彗華の髪を撫でながら少し身体を動かす。まだかろうじて繋がっていた分身が抜け落ちる。達したばかりで敏感になっていたそれが伝える快楽に思わず声が漏れた。
673 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/11(木) 02:13:19.87 ID:NemLCm6/o
>>672
無言で大きくうなづく。
このあたりの深い連携はゼオラには解らないようで、頭上に?を浮かべていた。



激しく交わっていたときとは違い、視線を向けると逃げようとするし、合わせようともしなくなる。
「わたしも、です……」
熱に浮かされた顔で微笑んでいたが、疲労が溜まったのか瞼が落ちていく。
伊織に身を寄せたまま、ゆっくりと眠りについていった……。
674 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/11(木) 09:41:16.28 ID:hhKUNkJKo
>>673
「しっかしコーハクのニセモノとかオバケ騒動とか気をつけないとなあ。そういえばリョウもあそこにいたんだよな」

溶けてきたアイスをひとすくい、コーヒーに入れて混ぜ、色が安定したところで口をつける。



「…………」

ぐったりとした彗華ととろりと逆流してきた自身の欲望の塊が目に入り、またしても下半身の一部が反応しているのに自分でも驚きを覚える。
既に二回、どちらも今までにない大量の膣内射精。全部吐き出しきって内臓まで持っていかれるのではないかと錯覚するほどの射精感があったというのに。

(彗華……君はいったい……)

しかし全身には倦怠感と満足感。右手を伸ばしてタオルケットを取ってかけると彗華の寝顔を眺めた。
675 :綾&ゼオラ/彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/11(木) 11:01:36.37 ID:hTwcbvwEO
>>674
『偽物……おばけ?』
意外にも興味を示したのはゼオラ。
アイスを掬いながら、鈴の言葉に耳を傾ける。


「……んん……すぅ」
安らかな寝顔。
先程まで貪りあって淫らに歪んでいたとは思えない、無垢で幼気な寝顔。
676 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/11(木) 13:59:11.60 ID:hhKUNkJKo
>>675
「まずはニセモノだけど、さっき脱衣所でコーハクが前に倒したコーハクのニセモノについてなんかわかったみたいなこと言ってたんだよ。
で、オバケはアレだ。なんか最近人体模型とか骨格標本とか跳び箱とかいろんなのが襲いかかってくるらしい。実際やっつけたのは骨格標本と人体模型くらいだけど。スライムに襲われたヤツもいるらしいな。
それでオバケの話に共通するのが赤い目を光らせながら襲ってくるってとこだ」

うわさ話やら依頼やら実際倒したことについて語る。



(そういえば妖怪のハーフとか前に言ってましたね……あまり気にしてませんでしたが……もしかしてエッチな妖怪だったりするんでしょうか。サキュバスとか……
……違いますね。そういえばモップさんの妹と言ってました。もしかして彗華もあんなゴリラモードに変身しちゃったりするんでしょうか。まあ、どうでもいいことですね)
「おやすみ、彗華」

枕元のスイッチで明かりを落とすと彗華のの額にキスをして伊織も寝ることにした
677 :綾&ゼオラ/彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/11(木) 15:42:55.53 ID:hTwcbvwEO
>>676
『ふーん……?』
微かに首を傾げ不思議そうな仕草をするが、イントネーションは納得した風で。
おばけの話になると、思い当たる節があるのか、ゴスロリドレスのポケットを探る。
『……これ?』
こと。と置かれたのはまさしくその赤い目。
正確には泥人形や人体模型の目となっていた核で。
それらのものとは違い、真球に近い赤い玉。
678 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/11(木) 15:49:55.91 ID:hhKUNkJKo
>>677
「そういえばそんな感じの目してたな……ってことはもしかしてそれがなんか悪さしてるのか!
そういえばアリスのヤツ、人体模型のそれ持ってったけど大丈夫かな?服がオバケになったりしないのかな
っと、机がオバケになっちゃたまんないぞ」

素早く拾い上げると日光に透かしてみたりしてみる
679 :綾&ゼオラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/11(木) 17:54:34.52 ID:hTwcbvwEO
>>678
泥人形の瞳や人体模型の核となっていたものは時雨や鈴の攻撃で欠けたり割れたりしていた。
しかし、ゼオラの取り出したものは真球。
傷一つないそれは光に翳すと、妖しげな輝きを見せて。
ほんの微かにであるが、肌を刺すような邪悪な気が流れ出しているのが鈴ならば感じ取れるだろう。

しかし、
『……終わり』
その性質を深く感じ取ろうとした途端、跳び上がって手を伸ばしたゼオラに奪取されてしまう。
ポケットに直すと元の席に戻っていく。
680 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/11(木) 20:33:16.83 ID:hhKUNkJKo
>>679
「なんかヤな感じがするな……あっ」

禍々しい気を敏感に感じ取る。しかし行動に移す前に取り上げられてしまった。

「大丈夫なのか?」
681 :柊宇都 綾&ゼオラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/11(木) 22:23:35.99 ID:NemLCm6/o
>>680
『大丈夫……?』
言葉の意味が解りかねるのか、聞き返す少女。
空になったアイスのカップを手に取ると自分の分を洗い始めた。
682 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/11(木) 22:34:55.90 ID:hhKUNkJKo
>>681
「なんかイヤーな気を感じたからなあ。そんなの持ってて大丈夫なのかなって」
683 :柊宇都 綾&ゼオラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/11(木) 23:00:42.82 ID:NemLCm6/o
>>682
『ん……』
目を閉じて、2秒ほど。
パチリと開くと相変わらずの人形然とした無感情そうな顔で。
『大丈夫……多分』
684 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/12(金) 01:07:26.61 ID:mgne8o2Wo
>>683
「ならいいんだけど……それはどこで?」
685 :柊宇都 綾&ゼオラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/12(金) 02:06:53.13 ID:ZQzqMP+Eo
>>684
『……お昼……戦った。
 時計、みたいなの……ライナーくんに、聞いて』
カップを濯ぎながら、口だけで返事する。
『……保健室で、寝てる……けど』
686 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/12(金) 09:07:40.80 ID:mgne8o2Wo
>>685
「あいつもやられたのか…………シグレもいるしお見舞いにでもいくか」

お皿を洗おうと立ち上がる。
687 :綾&ゼオラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/12(金) 09:30:52.89 ID:ETDYtY+UO
>>686
『そう……じゃあ、帰る』
鈴が口にした頃には既に自分の分は洗い終わっていて。
手を振って水を切るとポケットから取り出したハンカチで手を拭いた。
「むむ……」
綾も食べ終えて、鈴の元にカップを持ってくる。
688 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/12(金) 11:15:10.95 ID:mgne8o2Wo
>>687
「ありゃ、お前は行かないのか。あのシスコンヤンキーなら大喜びするのに」

手際よく食器と調理道具を洗っていく。

「ほい、じゃあこれで洗ったやつふいてってくれ」

カップを受け取りふきんを渡した。ちょうど綾の前のかごにはすすぎ終わった食器が立てられている。
689 :綾&ゼオラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/12(金) 12:14:12.96 ID:ETDYtY+UO
>>688
『シスコン……? こわいね……。
 別に……いい。さっきまで……一緒に寝てた、から』
実は時雨が運ばれていた時も隣のベッドで寝ていたらしく。
今日は比較的眠そうにないのはそういう理由があるのだった。
『おいしかった……じゃあね』
そう言うと小さく手を振り、家庭科室を後にした。

「うん……?」
代わりに受け取ったふきんでお皿を拭いていく。
慣れない行動に少しだけ眉が顰められる。
硬貨を真っ二つにする程の腕力の扱いに困っているようだ。
690 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/12(金) 13:15:05.77 ID:mgne8o2Wo
>>689
「そっか、じゃあいいか……
おう、おそまつさま。またな」

軽くスポンジを持った手を上げて見送った。皿洗いはちょっとしかなかったのですぐに終わった。

「どうした?なにイライラしてるんだ?」

普通にお箸が使えていた綾が皿洗いで力加減に困っているとは気づいていないようだ。

691 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/12(金) 14:04:06.43 ID:ETDYtY+UO
>>690
「……少し」
実は綾もマイ箸持参。
大剣と同じ素材の滅茶苦茶頑丈な奴。
持って運ぶだけなら簡単だが洗うのにはまだ慣れてないようだ。要は慣れの問題。
692 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/12(金) 14:19:17.28 ID:bi99LCciO
>>691
「よし、いくか」

綾が悪戦苦闘している間にてきぱきと残りを拭いていく。最後の一つを拭き終えるのは二人とも同時だった。

693 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/12(金) 14:24:47.10 ID:ETDYtY+UO
>>692
「行こう」
通学カバンを持つと、鈴の隣に並んで。
家庭科室から出る間際、チラリとゼオラの座っていた席を振り返った。
694 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/12(金) 14:31:43.97 ID:bi99LCciO
>>693
「ん?どうした?」

戸に鍵をさした状態で入り口で待つ。ゼオラの席を見る綾が気になった。
695 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/12(金) 14:45:26.75 ID:ETDYtY+UO
>>694
「……別に」
小さく首を横に振ると小走りで部屋を出て鈴に並んだ。
696 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/12(金) 15:28:35.66 ID:bi99LCciO
>>695
「そっか」

特に気にする様子もなく綾が出たところで戸締まりを済ませて保健室へと向かう。

「もう鍵はかかってないみたいだな」

綾が力を込めても開かなかった戸は少し力を入れただけでカラカラと軽い音をたてながらスムーズに開いた。
697 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/12(金) 18:39:45.39 ID:ETDYtY+UO
>>696
「あの子は、大丈夫?」
ふと思い出した様子で口にする。恐らく時雨のことだろう。
士道が意識を取り戻したとは言っていたが……。
698 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/12(金) 19:00:53.58 ID:mgne8o2Wo
>>697
「あっ!わざわざ私のお見舞いに来てくれたんですね!」

「おう、大丈夫か?わざわざってこともないけどな。さっきは追い出されちゃったけど元気そうだな」

カーテンを開ければ嬉しそうな時雨の姿。表情には少し疲労の色が見えたがそれなりに元気そうだ。
699 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/12(金) 19:42:53.45 ID:ZQzqMP+Eo
>>698
ずっと正門付近には居た(倒れてた)が顔を合わせるのは初めてである。
「……」
じっと時雨を見つめる綾。慣れないと怖い。
700 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/12(金) 19:59:19.57 ID:mgne8o2Wo
>>699
「……どちら様ですか」

キッと意志の強そうな目で見つめ返す。

「おいおいお前らなんでにらみあってんだよ……」
701 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/12(金) 20:04:50.74 ID:ZQzqMP+Eo
>>700
「……」
睨まれた。
ほんの一瞬までは楽しそうだったのに。
「……?」
その意味が解りかねて首をかしげるが、視線は相変わらずで。
702 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/12(金) 20:16:34.88 ID:mgne8o2Wo
>>701
「私は鈴のいとこの霜月時雨です。あなたは、どちら様ですか」

無言を人に名前を聞くときはまず先に自分から名乗れという意味ととらえたらしく名乗って再び尋ねる。こちらも視線はそのままである。

「あのなあ……」
703 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/12(金) 20:19:52.18 ID:ZQzqMP+Eo
>>720
「柊宇都綾」
礼儀の意志を感じ取ったらしく、応える。
霜月家と従妹なら柊宇都の名を耳にしたことがあるのかもしれない。
さらに言えば、幼いころに顔を合わせていた可能性もある。
しかしながら、それに気づく可能性があるのは時雨のみだ。
704 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/12(金) 21:45:06.68 ID:mgne8o2Wo
>>703
「なんでそんなケンカ腰なんだよ……リョウはお前のこと心配してくれてたんだぞ?
リョウもそんなコワイ顔して見つめたらシグレが警戒しちゃうだろ」

「っ……すみませんでした、ありがとうございます」

二人の間に立って二人の頭をつかんでガシガシやりながら注意する鈴。素直に謝って礼を言う時雨。

綾も時雨も鈴に縁の深い人物であり、会ったこともあるかもしれないが時雨には特にそんな様子もなかった。
705 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/12(金) 22:11:58.48 ID:ZQzqMP+Eo
>>704
「・……ごめん」
そういう意識がなかったのか、目を隠すように手を当てる。
時雨の視線の怖さの理由にも気づくと頭を下げて謝罪する。
706 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/12(金) 22:56:12.99 ID:mgne8o2Wo
>>705
「お互い様ですよ。もう気にしないようにしましょう。
ええと、柊宇都さんは鈴ね……鈴兄ぃとはどのようなご関係なんですか?」

微笑みながら右手を差し出す。鈴と同じ仲直りの握手だ。
707 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/12(金) 23:14:17.90 ID:ZQzqMP+Eo
>>706
「?」
関係。ここで出てくるには珍しい言葉。
少々思案する風(時雨から表情は伺えない)を見せた後に口を開く。
「昔からの、大切な人だよ」
708 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/12(金) 23:19:56.38 ID:mgne8o2Wo
>>707
「大切な人っ!?」

大きな声が出る。握っていた手に力が入る。さっきから結構騒がしいのでライナーくんには迷惑なはずだ。

「なにびっくりしてるんだ?ただの仲の良い友達だよ」

「そ、そうですよね」
709 :柊宇都 綾 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/12(金) 23:30:31.61 ID:ZQzqMP+Eo
>>708
「?」
綾にとっては普通なことなのに。
時雨の意図がさっきから理解できないらしく、また首が傾く。

『元気になったと思えばよく喋る娘だな』
仕切りのカーテンが開き、出てくる青年。
上着を身に着けておらず、中欧系特有の白い肌には保険の先生お得意のルーン包帯が巻かれていた。
胴体、腕、肩、すべてに及んでいて、頭にも片目を覆うようにぐるぐる巻き。
巻き方、その量を見ればかなりの重傷だと解るだろうが、辛そうな雰囲気を見せないのは治療の手によるものだろう。
『お前はもう大丈夫なのか?
 ……悪い、俺はラインハルト=アドヴァルドだ』
自分のことはさておいて、少女に声をかける青年。
今までのやり取りは聞こえていたのだろう、思い出してから名を名乗った。
710 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/12(金) 23:57:06.42 ID:mgne8o2Wo
>>709
「っ、すみません……隣に人がいたとは知らず失礼しました」

ヤンキーや不良を恐れる時雨ではなかったが、実際自分が悪いので素直に謝る。

「えっ、あっ、はい。霜月 時雨です。そう……ですね……肋骨とか確実に何本もやられたと思ったんですが……
ちょっとだけ違和感があるくらいですね」

不思議そうにぺたぺたと膨らみかけの胸の下あたりを触ったり上半身を左右に倒すように動かしてみる。着ていたセーラー服は浴衣に着替えさせられており、襟から除く部分からはルーン包帯が見える。巨人を倒した後に転がった時のかすり傷は既に完治していた。

「くすくす、随分派手にやられたなあ」

あまり辛そうでないのをいいことにミイラ状態のライナーを見てちょっと面白そうにしている

711 :柊宇都 綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/13(土) 00:19:56.95 ID:n6W5h/0to
>>710
『謝る必要はねえよ。
 むしろ、それくらい元気な方が見ていて気分が良い』
笑い飛ばす青年。
また外見で損をしているらしいが、内面は数倍マイルド。
鈴の度重なる注意のお蔭か、アクセサリー類は殆どなく、今は首から羽を模したアクセサリーが掛けられてるのみ。まぁ、常識の範囲内と言えるだろう。
『ふん……やっぱ、流石だな』
現在進行形で治療中のルーン包帯。
カーテン越しに感じていた運ばれてきたときの凄惨そうな雰囲気と今の回復具合を見て頷く。
尤も、それは青年自身で体感していることもあり、再確認に過ぎないが。


『あぁ、やられたよ、派手にな。
 生徒用昇降口にデカいアンティークの時計あっただろ? アレが急に動き出してさ。
 ゼオラを守りながら戦ってたんだけど、いつの間にか歯車かなんか飛ばしてきたのか背中からバッサリだ。正直死ぬかと思った』
昼間の出来事を語りながら背を見せる。
ルーン包帯の上からでも血が滲む、背中いっぱいの大きな傷。
『まぁ、後ろにゼオラが居る訳だからな、何があっても倒れるわけには行かなかったんだが……もう立てることに驚きだ。
 最終的には念のため跡形もなく粉々に砕いてやったが……結局アレはなんなんだ? 動く時計について、お前たちは知らないのか?』
712 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/13(土) 09:32:04.49 ID:+D9pjDxSo
>>711
「はっ、はい……ありがとうございます?」

難癖でもつけられるものかと思っていたらしく、心配されたり笑い飛ばされたり、そして鈴に笑われているのを見てちょっと不思議そう。

「そうですね……どんな仕組みなんでしょうか……もうダメなんじゃないかと思ったものですが……」

腕の包帯を見ながら首を傾げている。


「刃物飛ばしてくるのか……トンファーでも用意しといたほうがよさそうだな……まあ、死ななくてよかったな!」

バシバシと背中を叩く。悪気はない。

「ああ、なんか赤く光る目みたいなのなかったか?あれが本体みたいだぜ。こないだからのオバケ騒動、俺も人体模型と骨格標本ふっ飛ばしたんだけどな。あとシグレがやられたのもそうなんだろ?」

「はい、四人がかりでなんとかやっつけましたが赤い目が2つの砂の巨人は強敵でした……」
713 :綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/13(土) 16:51:58.16 ID:n6W5h/0to
>>712
『ん、なんだ?』
時雨の雰囲気を感じ取ったのか尋ねる。
初登場時の悪さとか校則違反レベルの過剰装飾だとか。
そんなもののせいで悪評ばかりが立っていたがそれらが無ければ彼自信は普通の青年にしか見えない。
悪人面という訳でもなく、むしろ優しげな雰囲気すら見えるくらいだ。
『この技術は謎だな。
 ただ、便利だし、怪我が治るからと言って無茶はするなよ……っだ、いってぇ!!』
時雨に世話を焼くような視線と物言いだったが、鈴に背中を叩かれてそれが一瞬にして歪む。
『死ぬ! むしろそれで死ぬからやめろ!』
ルーン包帯の力をもってしても傷は塞がってなく。
出血と悪影響を抑えるだけにしかなっていないのだそうで、触れられれば痛みは凄まじく。
反射的に鈴の手を払いのけると振り返って訴える瞳には涙が浮かんでいて。

『赤く光る目……そう言えば、時計盤の中心にそんな物があったな。
 確かに、そこをぶっ壊したら止まったな……あれが本体かコアってことか』
思い出しつつ口にする青年。
「……?」
その語りを聞いていた綾が、不意に首を傾けた。
714 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/13(土) 18:27:26.24 ID:6LU3hfTaO
>>713
「あっ、ごめん、ははは……なんだろう、兄さんが肋骨グズグズだって言ってたからシグレは実際ボロボロになってたのがほとんど治ってるのにお前はそれほどでもないんだな。
ははーん、保健の先生に嫌われるようなことでもしたな?」

それとも男には厳しいんだろうかという言葉を飲み込む。


「アリスさんが片方の目を壊せば動きがおかしくなって、私が残りを壊すと完全に沈黙しましたね。
あと身体を狙っても全く気にしていない様子だったのが目を狙ったときだけ防御姿勢をとっていたのであれが弱点と見て間違いなさそうです」

「俺は普通にいつもオバケ倒すときみたいに気をこめて殴ったら目が飛び出して割れて動かなくなったから、普通のオバケみたいに気功は効くみたいだぜ。ん?どうしたリョウ」
715 :綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/13(土) 18:43:42.73 ID:n6W5h/0to
>>714
『あぁ、それに関してはな。
 他に誰もいなかったのもあってか、先生に直接巻いてもらった……勿論、姿は見られないようにされた。
 その時に教えて貰ったんだが、』
716 :綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/13(土) 18:55:16.64 ID:n6W5h/0to
//おおん……途中送信してしまいました……。

>>714
『あぁ、それに関してはな。
 保険の先生に直接巻いてもらったんだが話を聞いた。勿論、姿は見られないようにされたな。
 どうも傷に闇の魔翌力が含まれてるらしくルーン包帯の力でも悪化を抑えるのが精一杯だそうだ。俺が立ててるのは直接的な治療のお陰なんだとさ……これ、一生物かもな』
面倒そうだ。と続けて苦笑いを浮かべる。

「その話、本当?」
『あぁ、間違いないが……気になることでもあるのか?』
「ううん、いや、別に……」
ライナーと綾、じっと目を合わせていて。
綾の方から逸らすと小さく首を横に振った。
717 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/13(土) 20:37:45.77 ID:+D9pjDxSo
>>716
「姿を見せるどころかろくにしゃべってくれなくてせいぜい書き置き残すくらいの先生としゃべっただなんてホント一生ものの体験かもな……
なるほど、毒つきの攻撃みたいなもんか……切り傷には注意しないとな。……ヘタしたらお前もあのオバケみたいになっておそってきてたかもしれないな……保健の先生がその道のスペシャリストでよかった」

「そんなに出てこないんですかここの先生……」
718 :柊宇都 綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/13(土) 21:21:13.23 ID:n6W5h/0to
>>717
『急に金縛りみたいに身体が動かなくなって、そしたら今度は眠気みたいなのが襲ってきて。
 先生の声がしたと思ったら……気づいたらベッドに寝かされてた。
 そういえば「闇を中和してるから絶対に外すな」って書いてあったな……』
学ランのズボンのポケットからメモ書きを取り出す。
処置を終えた後の説明として残されたものだろう。
719 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/13(土) 22:16:14.61 ID:+D9pjDxSo
>>718
「なんだ、いつものパターンか。俺も一回だけ声を聞いたかな?ってくらいだからな……もしかしたら気のせいだったのかも……」

「もはやツチノコめいてますね……」

室内を見回す時雨。掃除は行き届いており、さっきまでいたけれどちょうど出ていったとか透明人間の保険の先生がいるとか、なんだかそんな感覚を覚える。

「次元魔法で広くして入れなくしてある天井裏にいて俺たちを見守ってくれてるらしいってうわさだ」

「普通なら学校の七不思議のような眉唾ものの噂話ですが、これだけのものを見せられると信憑性が出てきますね……」

天井裏に思いを馳せる時雨であった。

「……はずれないように気をつけろよ?」
720 :柊宇都 綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/13(土) 22:54:00.82 ID:n6W5h/0to
>>719
『治療中、意識は保っててな。
 何かの会話をした記憶があるんだが……どうも思い出せん』
首を振る。
無理に記憶を思い出そうとすると頭に響くのか、溜息を吐く。

『自分から外そうとしなければ大丈夫だろう。
 風呂とか日常の邪魔にはならないらしいから問題ないだろう。
 しかし、なんだ。ルーンの力で抑えてるからか耐えられんほどじゃないが、常に痛くてな』
721 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/14(日) 00:40:23.88 ID:dh1RrQHXo
>>720
「催眠術でなんか聞き出されたのかな……?
お風呂なんて入って大丈夫なのか?いや、まあ、治るか……」

さっき叩いた時のライナーの反応から普通なら風呂なんて入れるような状態ではないと判断するも、時雨の様子を見て言いよどんだ

「ふむ、大丈夫か?なんかしてほしいことがあったら言えよ?」

痛いというので背中をさすってやり、熱がないか見るのにおでこを当てる。
722 :柊宇都 綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/14(日) 01:21:09.02 ID:Y88Mb9gzo
>>721
『それはこえーな……。
 ってか俺はそんな聞き出されるようなことはしてないぞ?
 あぁ、そうか。管理的に大丈夫って意味だと辛いな、流石にそこまでカバーしてくれんか……今既に痛いし』
背中を気にするように振り返って。流石に自分で触る勇気は無い。

『痛い程度で生活に支障は無いだろうし大丈夫だ。だがまぁ、何かあれば頼らせてもらう。
 あとな、痛いっつってんだからやめろって……っと、熱は関係ないと思うぞ?』
背に手を回し、顔を近づける。鈴から抱き寄せるような構図。
「……」
羨望の眼差しが横から刺さってくる。
723 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/14(日) 09:02:17.63 ID:dh1RrQHXo
>>722
「大丈夫そうだな。ま、保健の先生が処置してるんだから心配する必要もなかったな」

離れると安心したようにニッと笑う鈴。その背後からはライナーにざくざくと突き刺さる羨望の眼差しがふたつ。
724 :綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/14(日) 11:26:53.55 ID:Y88Mb9gzo
>>723
『あぁ、ありがとな……?』
目の前の暖かな笑みに礼で応える青年。
直後、背後から突き刺さるような、殺意にも近い雰囲気に気づく。
『ん……?』
視界には少女二人。
やたらと眺められている気はするが傷が物珍しいだけなのだろうとスルーして。
更にその奥、窓の向こうへと意識を向けていった。
725 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/14(日) 12:25:22.41 ID:dh1RrQHXo
>>724
「なんで疑問型だよ……ん?なんかいるのか?」


不服そうにジト目で見るとライナーの視線を追う。特に何もない。窓の手前の二人が怖い顔をしている。

「おい、お前何やったんだ?あいつらコワイ顔してお前の方見てるぞ」

顔を近づけて小声で聞く鈴。二人からのライナーへの視線がさらに厳しくなった気がする。
726 :綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/14(日) 14:31:16.69 ID:Y88Mb9gzo
>>725
『いや、特に心当たりは……』
顔が再び至近距離まで近づく。
鈴の指摘で出処に気づき、二人をじっと眺め……ふと、気がついたように。
『ちょっと試させてもらうぞ』
そう言うなり鈴の肩を掴むとすす……と離していく。視線が弱くなる。
今度は寄せていき、さっきよりも少しだけ近付ける。視線が強くなる。
『なるほどな』
原因を理解したライナー君であったが、同時にさらに試したくなることも出てきたらしく、悪い笑みを浮かべ。
『だったら……これはどうだ!?』
挑発的に二人に声をかけると、鈴をより密着させ、更には手を回し抱きしめた!!
727 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/14(日) 14:57:36.04 ID:cLyYJnCkO
>>726
「……なんだよ……?」

一人まったくわけの分からない鈴はわけのわからないまま離されたり近づけられたりしてますますわけのわからなさそうな表情。

「なっ!?ああっ!!ウッ」
「へっ?」

挑発的な言動と行動に驚きあまって肋骨を痛そうに押さえながら痛みで涙のにじんだ目で睨むという期待通りの動きをする時雨。
突然のライナーの行為は鈴にとって予想外のことで、あっさりベッドに引き込まれ抱きしめられてしまう。一瞬何をされたのかわからず間の抜けた声が口からこぼれた。

「っ、なにやって!ドコ触ってんだ!」

しかしそれも一瞬のこと、次の瞬間にはライナーの口めがけ頭突きをしながらベッドについていた手のバネで素早く起き上がり、更に頬に無慈悲な突きを叩き込んだ。
728 :柊宇都 綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/14(日) 15:17:41.58 ID:Y88Mb9gzo
>>727
『やっぱりな……お前、結構身体柔らかほごぉっ!!?』
時雨と綾の反応を見て革新を持つライナー君。
より上の反応を見るために引き込んだ後さわさわもみもみしていた。
が、それゆえに鈴の反撃には気づかず二打ともクリーンヒット。傷が増えた。

『悪い、悪かった……説明するから落ち着いてくれ』
上に乗られて逃げることもできず、両腕で顔をガードする上半身ミイラ。
729 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/14(日) 15:28:27.30 ID:cLyYJnCkO
>>728
「はーっ、はーっ……」

ぶん殴ったとこでとっとと離れ肩を抱くようにしながら肩で息をする鈴。攻撃が決まった瞬間後ろで外人4コマやそこにシビれる憧れるゥ!みたいな状態になってた時雨たちの姿はライナーには見えていただろうか。

「あやまらねーぞ!お前がヘンなコトしてきたのが悪いんだからな!ヘンタイ!ケダモノ!」

そう言いながらも鼻や口から血を流すライナーに悪いことしたなあという顔は真っ赤だ。
730 :柊宇都 綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/14(日) 15:38:10.16 ID:Y88Mb9gzo
>>729
「……」
素早く寄ってきて鈴にタオル(私物)を差し出す。
鈴に対しては要領がいいし余念がない。

『待て待て。
 俺もお前も男だ、ケダモノがあるか』
変態が『ある』ことは青年自身も承知の上除外した。
『いや、変態が有り得るならケダモノもか……?』
妙なところで思考が突っかかり考え始めた。
変態とかケダモノとかさっきからJCの教育上よくない。
731 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/14(日) 16:00:04.69 ID:cLyYJnCkO
>>730
「ん?なんだ?わっ?!」

渡されたタオルの意味がよくわかっていない鈴。時雨に手を引かれ、時雨のベッドに腰かける形に。

「けがらわしいケダモノの返り血がついてますよ」

鈴の手に乗っていた綾のタオルを使って顔にはねたライナーの血を拭いてあげる時雨。キラキラしている。
732 :柊宇都 綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/14(日) 16:31:15.06 ID:Y88Mb9gzo
>>731
『ってて……確かに俺が悪いが容赦がなさすぎるぜ』
首を抑えながら時雨のベッドの方へやってくる。
綾はライナーの鼻血をタオル(私物のがなくなったから保健室の)でふき取ってあげてる。

二人の光景を見て、やっぱりな、と言わんとせん顔で。
『つまりは、そういうことだよ』
733 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/14(日) 18:29:01.04 ID:cLyYJnCkO
>>732
「空手を使い手の俺に前からだろうが後ろからだろうが不用意に抱きつくいてくる馬鹿には確実な死が待っていたってこった。俺が慈悲深くて良かったな下手したら病院で栄養素を摂るハメになってたぞ」

久々のブロント語である。

「どういうことだよ?俺と時雨が仲いいみたいにお前とリョウが仲良しってことか?」
734 :柊宇都 綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/14(日) 19:06:24.72 ID:Y88Mb9gzo
>>733
『まぁ、悪気はないんだ、許してくれ……』
何度かこういう目にはあっているのでそれは重々承知である。
今まで我流に腕を振るってきたが武道を始めるのもいいんじゃないかと考える青年だった。

ライナーの鼻血を拭き終えると時雨と一緒に鈴を挟む形でベッドに腰掛ける。
自然と鈴の太腿に手を添えてくる綾。
『お前は愛されてるなーってことだ。
 まぁ、俺もお前のことは好きだから、気持ちは解るぜ?』
男同士の友情的な意味なので別になんてことなくサラッと。
735 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/14(日) 20:40:48.47 ID:dh1RrQHXo
>>734
「さっきの手の動きには悪気しか感じませんでしたけどね」

時雨の目が冷たい。とてもとても、冷たい。

「こらっ、お前も変なトコさわるな……は?」

綾の手をパチンと叩き、ライナーの言葉に固まる。
736 :柊宇都 綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/14(日) 21:04:59.11 ID:Y88Mb9gzo
>>735
『そりゃお前に対しての悪意はあるさ』
ニッと悪い笑みを見せる青年。
元々がそういう人種なので雰囲気はある。

『んな驚くことねえだろ、俺のこと嫌いか……?』
送信側と受信側のズレに気づかずにしょげる。仕方ないが。
737 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/14(日) 21:45:16.02 ID:dh1RrQHXo
>>736
「あなたという人は……」

睨む。でもかわいい。

「中学生の女の子いじめて喜んでるようなヘンタイはさすがにキライだわー」

ごまかした!
738 :柊宇都 綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/14(日) 22:26:33.13 ID:Y88Mb9gzo
>>737
『あ、あのなぁ……。
 確かに悪意はあったが別にいじめてねえって』
時雨と鈴のコンビネーションにたじたじ。
『まぁその……悪かったよ』
ばつの悪そうに謝罪の言葉を口にする。
739 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/14(日) 23:47:53.04 ID:dh1RrQHXo
>>738
「いえ、私も少し言い過ぎました。お互い様ということにしておきましょう」

優しげに微笑む。基本的にいい子。

「二人とも元気そうだし仲も良くなったみたいだしよかったけど……
二人だけにしとくのは心配だな。時雨も毒牙にかかりかねない……」

抱きしめられたりさわさわもみもみされたのを地味に根に持ってるようだ
740 :柊宇都 綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/15(月) 00:38:36.03 ID:U5LzBmWJo
>>739
『あ、あぁ……ありがとな』
ラインハルト=アドヴァルド17歳。
こんな純粋な子に出会うのは初めてだった、故の衝撃。

『お、おい!? 俺をなんだと思ってるんだ!?』
基本的には常識人ポジの筈なのにそういう役割も担ってる悲しい性。おいしい。
741 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/15(月) 07:57:00.41 ID:to1H4B88o
>>740
「どうかしましたか?」

衝撃を受けるライナーをどこか具合でも悪くなったのだろうかと心配している。

「……金ピカのケダモノ?」

腕を組んだ状態から片手を上げて口に人差し指を当て、首を傾げ少し考えた結果なんかひどいことを言った。
742 :綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/15(月) 09:26:28.84 ID:bOmH0W5oO
>>741
『いや、なんでも……やっぱ頭痛くなってきたわ……』
余りにも優しすぎる少女。
ここに置いておくだけで罪悪感に苛まれてくる。

『酷いな!?
 ってか俺もうそんな光ってないだろ!』
地毛の頭髪はしかたないとして。
胸元には黒く鈍く輝く翼を模したペンダント。
743 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/15(月) 10:12:39.14 ID:to1H4B88o
>>742
「だっ、大丈夫ですか?あなたも重傷なんですから無理をしてはダメです!」

「っ、大丈夫か?やっぱり大ケガしてるトコに俺が攻撃なんてしたから……」

心配そうに顔を近づける時雨と鈴。美少女二人に言い寄られているようで悪い気はしない。
744 :綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/15(月) 11:42:22.93 ID:bOmH0W5oO
>>743
『そ、そうだな』
だが半分は男(だと思ってる)。嬉しさも半減。
詰め寄られて二人、何かに気づいたような顔を浮かべる。
『……似てるな。
 そうやって見ると、やっぱりお前もかわいい顔してるんだな』
またそんなことを言う。
745 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/15(月) 13:44:03.49 ID:to1H4B88o
>>744
「いとこですからね」
「かっ、かわっ……お前この間合いであんまり変なコト言うなよ……またぶん殴りそうになったぞ……」

嬉しそうな時雨とぷるぷるしてる鈴。よく見ると殴りそうになった右手を左手で押さえていた





746 :綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/15(月) 16:19:32.55 ID:bOmH0W5oO
>>745
『抑えられてるなら何よりだ。
 実際そのほうが可愛げが増していいぞ』
手を出しかねてる鈴を目の前に調子にのって上機嫌に笑いながら更に顔を寄せた。
747 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/15(月) 16:34:05.36 ID:to1H4B88o
>>746
「……ドMなのかお前は!そうだよな!そうでもなけりゃこんな穴あけまくらねーよな!」

耳をつかんで顔の近くから引き離すと右へ左へと引っ張り回す。今回はちょっと慣れてきたので頭突きせずに済んだ。

「やっぱり変態なんですね……」

時雨が冷たい目で見てる
748 :綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/15(月) 18:22:03.81 ID:bOmH0W5oO
>>747
『ふっ……そうはいかない!』
耳に伸びる手をいち早く察知し、跳ね除ける!
さらにカウンターとして手を伸ばし頭ぽんぽん!
『何度やられたと思ってるんだ……手を出すタイミングも掴めてきたぞ?
 すぐ手が出るのは問題だな。可愛げがあるならその通りに、すこしはしおらしくしたらどうだ』
軽快に笑いながら頭から手を離して行くと笑い掛ける。
749 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/15(月) 19:04:51.51 ID:to1H4B88o
>>748
「うあっ!?」

それが想定外の動きであろうと警戒さえしていればかなり対応することができる鈴だ。しかし不用意に手を伸ばしていたあっさりライナーのしたいようにされてしまう。

「オヤクソクの攻撃、しかもケガ人だからって加減したやつを回避なんて反則だろ……汚いなさすが金ピカきたない」

呆れと怒りの入り混じった表情
750 :綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/15(月) 19:50:50.53 ID:U5LzBmWJo
>>749
『労る気があるんなら加減じゃなくて手を出すなって事だな。
 お前に増やされた怪我だからな。これ以上包帯が増えるのはゴメンだ』
悪びれる様子もなくサラリと言い放つ。

『詫びに飴でもやるよ』
ポケットから取り出した飴を無理やり握らせる。
751 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/15(月) 20:13:23.55 ID:to1H4B88o
>>750
「はあ、なんで殴られるハメになったのかよく思い出せよ、別に俺から殴りにいったワケじゃないだろ……
殴られるようなコトはやめていたわられるよーな立ち回りを心がけろってこった。まったく、やれやれだぜ」

見舞いに来て背中さすってあげたりしたらいきなりセクハラされるなどと鈴からすればかなり散々なのだが相手からすれば男同士のつもりで仕方ないのだろう。

「いらん」

握らせ返す
752 :綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/15(月) 20:37:21.95 ID:U5LzBmWJo
>>751
『だからって殴ることはねえだろ……頭突きもか』
思い出すだけで痛む鼻を抑えながら。
『お前の拳は強過ぎる。
 しおらしくは言い過ぎだが、手が出るまでワンクッションくらいはあった方がいいと思うぜ……』

『そうか、じゃあ』
帰ってきた飴はライナー君を経由してそのまま綾へ。
「ありがとう」
こころなしか嬉しそう。
753 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/15(月) 20:55:00.14 ID:to1H4B88o
>>752
「それは……まったくもってそうだな……ごめんな……いやいきなりなんかされるととっさに体が勝手に……」

一生懸命に鍛錬を繰り返し、身体の髄まで空手が浸透した結果、無意識に反射的に身体が動いてしまう。
確かに鼻や口が切れて血が出るほどの攻撃はやり過ぎだ。歯が折れなかったのは運が良かっただけだ。
強すぎるからワンクッション置けという意見には同意しかできなかった。

「うん、できるだけ気をつけるぜ」

シュンとしてしおらしくなった
754 :綾&ライナー ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/15(月) 21:56:27.91 ID:U5LzBmWJo
>>753
『ま、危険すぎる場所だ。
 何も手が出ないよりかはいいと思うがな』
そう言うと今度は二つ、飴玉を取り出して握らせる。
再び帰ってくる前に、ベッドに戻っていくとカーテンを閉める。
『悪いな、少し眠気が来ちまった。俺はもう休ませてもらうぜ』
755 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/15(月) 22:38:38.45 ID:to1H4B88o
>>754
「大阪のおばちゃんかよ……」

などと言いつつも今度は受け取る。

「ああ、騒がしくして悪かったな。じゃあそろそろ行くか。
シグレ、大丈夫だとは思うけどなんかされそうになったら先生に助けを求めるんだぞ」
756 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/15(月) 22:57:48.89 ID:U5LzBmWJo
>>755
「鈴」
そうして保健室を去っていく鈴と綾。
少し歩いたところで急に足を止め、少しだけ先に出た鈴を呼ぶ。
その顔つきはいつも通りの鋭い目に見えるが……真剣な面持ち。


『ふあ、寝てた……みたい』
あれからどれくらい時間がたったのだろうか。
目を覚ました少女は周囲を見渡した。
『からだ、どろどろ……何も、着てない……はわわあああっ』
色々と頭が澄まされていく内に、いろんなことを思い出してきて。
757 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/15(月) 23:11:07.83 ID:to1H4B88o
>>756
「……?どうした?」

立ち止まって振り返る。



隣では伊織がすやすやと眠っていた。寝顔だけ見ていると綺麗なものでとてもあの脳みそ下半身のケダモノには見えない。
758 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/15(月) 23:25:05.45 ID:U5LzBmWJo
>>757
「ライナー君の話、聞いた?」
語りかけるその口調、やはり普段より鋭くて。
綾は何かしらの疑問点を持っている。それもほぼ確信に近い何かを得ているようだ。
「僕は……理解できなかった」


『伊織くんは……ねてるね』
寝顔をじっと見つめる。
鈴と似ているだけあって綺麗な顔立ち。
すっと身体を寄せていき、間近で眺める。
『くすっ、かわいい』
759 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2015/06/15(月) 23:40:44.00 ID:to1H4B88o
>>758
「うーん、闇の魔力がふくまれた攻撃がどうこうってやつか?」

とりあえずどの話かはっきりさせようとする。



「……」

近づく気配で起きて襲いかかってくるといったような事もやりそうな伊織であるが、特に起きる様子はない。
この部屋のセキュリティと彗華の事は信頼しているという事だろうか。
760 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/15(月) 23:52:31.44 ID:U5LzBmWJo
>>759
「……そうかもね」
曖昧なようで、けれども綾の意志ははっきりしていた。
少し呼吸を整えてから、口を開く。
「わからない? あの、ゼオラって言う子……怪しいと思う」



『ぐっすり寝てるみたい……』
伊織の呼吸を耳で聞き、目で見て。
ゆっくりと身体を離して行く。
辺りを見回して……こんな部屋に何かがあるわけでもなく、再び視線は一周して伊織へと。
『……』
顔で止まらずに、自然と掛けられた毛布の方へと向き、一人顔を赤くする少女。
761 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2015/06/16(火) 00:18:57.77 ID:c21DkNt9o
>>760
「確かに前になんかいかにも闇属性ですって感じの技使ってたけど……
ん?そういやヘンだな。あんなのできて戦うだけの力あるのにあいつだけに戦わせるなんて。
まあでもどうせまた妹にいいとこ見せようとして『下がってろ、俺がやる。お前に手出しはさせねえ!』とか言ってカッコつけちゃったんじゃないか?
その結果が飛んできた歯車から妹をかばって重傷ってワケだけど……いや、まてよ」

やっと思い違いに気づいた。勘違いしてたのをそんなスーパー記憶力で訂正できるやつなんていねーよとツッコんではいけないすみません完全に勘違いしてました。

「歯車かなんかってのはあいつの想像で、
ゼオラを守りながら戦ったとは言ってたけどかばってケガしたとは言ってなくて、
後ろにはゼオラがいた。
そのゼオラはダークパワーっぽいのを使い手ときた。なるほど確かに怪しさが有頂天だな」



タオルケットをめくればそこには三度硬さを取り戻しつつある立派な伊織がおはようございますしていた。
762 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/16(火) 00:40:45.44 ID:400MI0Oyo
>>761
「ライナー君、言ってたよね」
鈴の出した仮説は、仮説にしか過ぎないもので。
けれども、綾の確信と一致するらしく小さく頷いた。
青年は背後の出来事について何もしらない様子だった。
背中からゼオラが襲ったというのも十分ありえる話だ。
だが、それも飽くまでも仮説。しかし、その過程の犯人に現実味を持たせるに十分たる要素がまだ残っていた。
「時計、粉々に砕いたって……赤い、目ごと」



『は、はわあぁっ!?』
目の当たりにしてしまい硬直する。何故めくった。
『こ、これ……出してあげた方がいいのかな……』
何故そうなる。
しかし既に身体は動き始めていて。
伊織の意識が無いのをいい事にいきなり口で咥えた。
763 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2015/06/16(火) 01:43:33.52 ID:c21DkNt9o
>>762
「ああ、そうだな。ゼオラは昼に時計みたいなのと戦ったからライナーに聞けって言った。そこまではいい」

綾の言葉を受け、鈴もまたいろいろと思い出しながら考える。

「それで保健室でライナーのヤツはお前の言うとおり、アレをぶっ壊したら止まった。そう言った。
なんとなくシグレの話とあわせて目がふたつタイプだったのかなと思ってたけど、シグレは二つ目のオバケは四人でなんとか倒したって言ったんだ。で、その四人だけど
イオリのヤツはエッチなコトばっか考えてるどうしようもないヤツだけどライナーのヤツにも負けないくらいには腕は立つハズだ。
それにゼオラのライバルみたいなコト言ってたあの赤いプリンセスも弱そうじゃなかった。たぶんホントにライバルなんだと思う。
シグレも見習いだけど成績は優秀なシノビだしな。そしてレラだ。
それだけの戦えるメンバー四人で戦ってシグレが死にかけるくらいの強さが二つ目オバケにはあった。
そして一つ目オバケはまあ、相性もあるけど俺ならさほど苦労せずに倒せるくらいだ。
長くなったけどつまりはだ、時計オバケが二つ目オバケだったらたぶんライナーのヤツは勝ててないだろうし、一つ目オバケならあそこまでやられるのはおかしい。
まったく、お前の言うとおりだな、リョウ。あいつの持ってた新品ぽい目玉、一体どういう事なんだろうな?」

考えを価値に出しながら整理していく。

「そういえばリョウ、ゼオラって料理得意だったハズだよな?それが冷蔵庫あさってケモノのようにハムをかじる。おかしいよな?
……なあ、俺達が見たあのゼオラ、地下のコーハクみたいにニセモノだったんじゃないか?」




「んん……」

まだ起きない伊織。半分ほどに固くなっていた彼の一部をくわえれば、それが先程まで掻き混ぜていた二人の体液の味が口内に広がる。
764 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2015/06/16(火) 01:44:22.14 ID:c21DkNt9o
×考えを価値に出しながら
○考えを口に出しながら
765 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/16(火) 02:05:26.16 ID:400MI0Oyo
>>763
綾は思い出していた。
以前に地下でアルビノの偽物と対峙した時だ。
あの時、偽物に対し全てを悟ったような表情、振る舞いを見せたレラ。
彼女が最後に残した言葉……。
「可能性は……ある」


『あ、ええっと……えいっ』
まだ起きない伊織。
口の中に単純なそれでない味わいを感じた彗華は顔を赤らめさせて口を外した。
次は胸で挟み込み、ぎゅ、ぎゅ、と押し付けながら扱いていく。
766 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2015/06/16(火) 09:57:25.36 ID:c21DkNt9o
>>765
「それで、どうするんだ?あいつの探し方とか、ホンモノかニセモノかをどうやって見分けるかとか……」

結局は推測にしか過ぎない。ゼオラを見つけたとしてもそれが悪くない方のゼオラという可能性もあるのだ。



「んっ……ふふ……」

幸せそうに笑う伊織。しかし寝言のようだ。
主が眠っていてもその分身は別の意思を持っているかのように彗華の口の中で元の硬さと大きさを取り戻し、しっかりと起き上がっていた。胸越しに熱さと硬さが伝わってくる。

「あ……」

ようやく目が覚めた様子の伊織。寝ぼけまなこで彗華の方を見る彼の顔はいつもより幼く、まるで穢れを知らない少年か少女のようで、彗華の胸に挟まっているグロテスクなそれは全く別の生き物なんじゃないだろうかと思わせるものがあった。
767 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/16(火) 11:18:54.19 ID:LNvsQiOTO
>>766
「……」
言葉を詰まらせた。
答えがないのは、やはり綾も同じだ。
「知ってる人に、聞くとか……」


『ぁ……おはよう?』
寝起き顔の愛らしさに笑い掛ける。
その一方で胸の刺激を強め、絞りとるように動いていく。
768 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2015/06/16(火) 11:43:54.72 ID:c21DkNt9o
>>767
「知ってる人……あのプリンセスか?でもあいつも探してたよな……ライナーに聞いても仕方ないし……あとはレラか。あいつならニセモノ騒動にもくわしそうだな。
でもどこにいるんだよあいつ……」

やはりそこである


「うっ……!」

地下迷宮の時や寝る前と異なりあっさりと彗華の刺激に屈した伊織。
睡眠で回復したのか、雪女の力によるものなのか、水鉄砲のように勢い良く飛び出し彗華の顔や胸を汚す白濁は相変わらずで、薄まった様子も量が減った様子もない。

「おはようございます。最高のおはようですね……」

嬉しそうに微笑むと彗華の頭をなでた
769 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/16(火) 12:16:06.23 ID:LNvsQiOTO
>>768
「……」
徐ろに電話を取り出す綾。
記憶していたダイヤルで何処かへと電話をかける。
「うん、わかった。……鈴、行こう」
数秒の会話で携帯から耳を離し、歩いていく。


『あぅっ』
瞬く間に白濁を吐き出す伊織。
身体で受け止めるとそれを指で掬い、なめ取る。
『ふふ、おはよう?
 あの……そろそろ、帰ろうとおもうんだけど……』
服も下着もぐしょぐしょだし、そもそも身体もどろどろ。
770 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2015/06/16(火) 12:36:53.95 ID:c21DkNt9o
>>769
「電話番号知ってたのか……おう、わかった」

綾についていく。



「ふふふ……こんな起こし方をされて、はいそうですかさようならというわけにはいきませんね……」

言葉の通り、まだまだ臨戦態勢の分身。それどころか彗華の精液を舐め取る仕草に反応してまた硬くなった。
771 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/16(火) 12:54:07.60 ID:LNvsQiOTO
>>770
「レラは……知らない」
そもそも彼女を最後に見たのは鈴だ。
保護者らしき水色の服を着た落ち着いた雰囲気の女性に回収されていったのを覚えているだろう。

たどり着いたのは1年教室のフロアだ。
1-3、綾の弟子にあたる林檎のクラスだが、既に人は皆無だった。
閑散とした教室。職員用の机に向う純白を眺めた。
『やぁ……その様子だと、色々気付いたようだね。僕も、彼女には手を焼いているよ』
二人が現れたのを察すると椅子を回し向き合う。
その表情を眺め、ふふ。と笑った。



「ぁ、そう……?」
そーっと目を逸らしていく彗華。
ガチガチのそれを収めないように。
「あぅ……凄い、元気、だね……」
けれども、目に映らずとも感じれてしまうほど。
772 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2015/06/16(火) 13:09:56.45 ID:c21DkNt9o
>>771
「そういやなんか知ってるふうだったな、お前も。全部話してもらうぜ?」

さっき出会った時に話してくれてれば手間も省けたんだがなと付け加えると近くの机の椅子を引き出し、逆向きに座ると背もたれに腕と顔をのせる。



「ええ……そうですね」

そう言って彗華の手を引き自分の腹の上にまたがらせる。

「今度は彗華の好きに動いてください」

773 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/16(火) 17:14:12.11 ID:LNvsQiOTO
>>772
『すぐに解ると言った筈さ……。
 ほんの誤差、僕が語るまでもないと思っただけの話だね』
椅子に背をつけ、脚を組む。
女性にしては高い身長、白い姿、細い脚。
それにも自信を持っていたのか、余裕に溢れた姿。
『さて、どこまで知っているのか、答え合わせも気になるが……一つだけ、先に言っておこうか』

『ゼオラの偽物は、存在しないよ』



「ひぁっ……!?
 ぁ。あの……それって」
伊織の上、元気な物を下敷きにして。
既に彗華はじっとりと濡れていて、触れ合った部分が微かに滑る感覚。
見下ろす彗華。相変わらず視線は逸らされていて目の端で相手を捉える。
伊織の視線を感じると自然と胸に手を合わせて隠すように。
774 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2015/06/16(火) 20:56:34.57 ID:c21DkNt9o
>>773
「いちいち前置きが長いんだよ……
……なん……だと……」

やれやれだぜといった状態から真顔になる鈴。
偽者騒動に見当がついてきたと話していた彼女。当然ゼオラの偽者についての情報が得られるものと思っていた。


「ふふ……彗華のここはどうすればいいかよく分かってるみたいですよ?それにそろそろ帰ろうだなんてちっとも思ってなかったって言ってますね……」

ぬるりとした感触に気を良くすると、『ここ』と言うのに合わせて秘所に触れている分身に力を入れて指し示す。
775 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/17(水) 00:03:27.83 ID:50mWGHgto
>>774
『見ての通りだと思うが、彼女は意志を表そうとしなくてね。
 だが、その実思惑は深くてね……長く一緒に居るつもりだけど、心は読めないね』
ゼオラの事を想い、語る姿は楽し気で。
『だけど、僕が見てきたなかで彼女ほどプライドの高い人は見たことないね』
「鈴……思い出して。
 偽物と戦った時……どう消えた?」
ここぞとばかりに冴えを見せる綾。勿体ぶるアルビノの補佐として。



「あっ、あの……」
ビク。と震え刺激されると意識してしまって。
顔を赤くし俯くと腕を開いで胸を解放する。
「そう、かも……しれません……」
776 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/17(水) 10:27:24.90 ID:p9Unthf7o
>>775
「プライドが、高い」

言葉を繰り返す。それがこの騒動とどう関係があるのだろうか。

「ああ、あとかたもなく消えちまったな……ケムリみたいに」

アルビノを一瞬見て視線を右の手のひらへと移す。苦々しい表情はそれが鈴にとって後味の悪い記憶だったことを物語っている。




「ふふふ、そうでしょう、そうですとも。さあ……
僕は欲望のままに胸を揺らし腰をくねらせる君の美しく淫らな姿が見たいな」

あらわになった胸に手を伸ばす。
777 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/17(水) 14:29:45.75 ID:q5xFSM0LO
>>776
「煙……黒い、霧みたいに」
『そう。
 つまり、ゼオラ程我が強くあれ程プライドの高い人間が自分の偽物をつくるかな?』
綾の言葉を聞きながら、頷く。
その真紅の瞳は犯人を違いなく捉えているといった自信に満ち溢れていて。



「あっ、ん……はぁ……ぁ」
胸を揉みしだかれると熱い息を吐き出す。
意を決したように腰を僅かにあげると、伊織を掴み立たせ。
見せつけるように突き出した秘処の中に埋め込んでいく。
「ん、ぁっ……、はいり、ました……」
既に膨らみきった伊織に苦しそうな、けれども気持ち良さそうな表情を見せて。
778 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/17(水) 15:46:54.21 ID:M19pllVNO
>>777
「黒い……霧……なるほど、そういうことか……」

前にゼオラがそういったものを操っているのを見た。あれが偽者の正体だと二人は言っているのだろう。

「ニセモノの正体はゼオラのダークミスト的なアレってことか?あんなホンモノと見分けがつかないような色に質感までつけられるのか、あれ……
いや、ちょっと待てよ。俺たちが倒したニセモノはゼオラのダークミストっぽいのだったってのはいい、でもライナーのヤツを斬りつけたゼオラがゼオラの作ったニセモノってんならホンモノだろうがニセモノだろうが一緒じゃないか。それだとどっちにしたってゼオラがライナーのヤツを攻撃したってことになっちまう、おかしいだろ。
あんなシスコンじみて妹大好きな兄貴だ、うっとーしがるくらいならわかるさ、でも殺そうとするなんて……ないだろ。
俺だって兄さんやイオリにそんなこと絶対しないし、兄さんやイオリが俺にそんなことするのだってありえないぞ……なあ、リョウだってそうだろ?カナダにそんなことしねーだろ?
なあコーハク、また別のニセモノってことはないのか……?」

懇願するように問いかける鈴。




「ああ……ふっ!」

硬くいきり立った自身のものが冷たい彗華の手に導かれ、ゆっくりと彼女の柔肉に包みこまれていく感触を味わう。
苦しそうで、しかしとても気持ち良さそうな彗華の様子に嗜虐心をかきたてられる。彗華がすべてを飲み込み終え少し安心したような表情を浮かべたところで彼女の腰を引き寄せ更に奥まで突き入れる!
779 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/17(水) 19:07:37.19 ID:q5xFSM0LO
>>778
『……』
鈴の言葉を聞き続ける。
静かに、ひたすらに、ただ受け止める。
全て。鈴の口が止まったのを確認すれば、大きく息を吐く。
『やるさ。
 彼女は闇、ゼオラは影……そして、その闇は絶望。
 その願いはただ、キミが彼女を知らないだけの独り善がりに過ぎない』
紅く、その色は燃える炎のよう。
しかしその瞳は冷たく鈴を突き放す。
『ただ、どうだろうね。
 ライナーに至っては生きている方が謎だけど。
 もしゼオラがその気だったなら……確実に息の根を止めていたはずだ』



外は冷たく、膣内は熱く。
まるで極上の果実のような密度で伊織を支配していく。
それを飲み込む彗華もまた、美味しそうに咥え込んで。
「んぁっ! あっ……いじわる、しないで……ください」
悪戯にガクンと身体を倒し項垂れて。
隠れた顔から響く声は余りの快感に震え、懇願するようなもので。
780 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/17(水) 19:36:30.31 ID:p9Unthf7o
>>779
「っ……だ、だけど……」

反論の言葉は続かない。確かにゼオラの事などほとんど何も知らないようなものだ。特に問題もなくあたたかい家庭で育った鈴にはどうすることもできない。

「じゃれ合いにしてもやり過ぎだ、いくら保健の先生がチートじみてるからってよそなら死んでるんだろ……」

静かな怒り。



「ふふ……すみません、彗華があんまりかわいいからついイタズラしたくなっちゃうんですよ」

キザったらしく微笑み、項垂れて距離が近くなった彗華を抱き寄せるとキスをする。
781 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/17(水) 19:59:16.11 ID:50mWGHgto
>>780
『僕にはキミの言葉も、ゼオラの意図も理解できないでいる。
 殺せるのに殺さなかった。わざと残すような傷をつけた理由が、僕には』
宥めるような口調、しかし言葉は煽るもので。

『そうだ。それで、僕に聞きたいことは終わりかな?』



「きゃっ」
抱き寄せられると胸を押しつぶしながら密着する。
舌を絡めると初めは驚いていたが次第に求め応えるようになってきて。
彗華がゆっくりと腰を浮かすとずっぽりと咥えた伊織のものが抜けてきて。
先端まで抜けそうになると同じ速度で腰を落とし飲み込んでいく。
早くも彗華の表情は耐えきれないのが丸わかりの蕩けた顔になっていた。
782 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/17(水) 21:18:28.37 ID:p9Unthf7o
>>781
「さあな、どっかの小太刀二刀流とトンファーのじいさんみたいに[ピーーー]つもりだったけど捨てきれなかった人の心で踏みとどまったとかいう話じゃないのか?
ああ、そういえばトンファーとかほしいな、あとで取りにいくか」

某明治剣客浪漫譚を思い浮かべた。

「とりあえずこの騒動の犯人をぶん殴るための情報、まだ聞いてないぜ?」

左掌に右拳をパチパチと打ち付ける。
ここに来た目的は犯人とその所在だ。



「ぷは……ふふ……まだそんなに動いてないのにもう顔がとろけてますよ……?」

口が離れ、間近でよく見える彗華の艶っぽい表情。今度は全く動かずに彼女のするようにさせてみる。
783 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/17(水) 22:40:17.08 ID:50mWGHgto
>>782
『殴るための方法、か……。
 ゼオラにその手は通じにくい……が、やりようはある、か』
鈴と綾を見つめ、押し黙ったような雰囲気を見せていたがニヤリと笑む。
『二人で囲うといい。
 上手に立ち回ってゼオラの余裕を削ぎ続けるんだ。うまくいけば、やれるよ』
グッ。と真紅のグローブを握って拳を見つめたあと、二人を再度眺めると頷いた。
『場所、かい?
 彼女は不思議と徒歩移動を好む……気づかれない限りは逃げないし、しばらくはここに居ると言っていたね』
腕を組んで思案する素振り。
その情報をもとに傾向、イメージ。好みまでを要素に加えゼオラの情報を割り出そうとする。
ふと、教員用の椅子を回し窓の外を眺めた。屋上にはためく黒の影が見える。
『ほら、あそこだよ』



「だって、伊織くんの……きもち、よくて……」
口内を?き回されるとぽーっと惚けた顔を見せ。
口の端から二人の唾液が混ざり合ったものを零しながら身体を起こす。
伊織に串刺しにされた身体を後ろにそらし、片手で支えると彗華の全貌が見える。
薄く生えた深緑の恥毛を纏う、伊織を美味しそうに咥え込む秘所が突き出されたようなポーズになっていて。
視線を上げていけば細い腰と顔の幼さに不釣合いに育ったバストが目の当りになる。
破格の双丘は正にスイカと呼ぶべき大きさで、けれども桜色の頂点をふるふると揺らすそれは柔らかそうで。
「はぁ……んっ、ンンッ!」
ゆっくりと腰が動き始め、伊織を秘部で擦り上げていく。
淫らなグラインドが繰り返される内に彗華の愛液によって潤滑が良くなっていく様子が解る。
その度に動きも激しくなり、腰同士を打ち付け、大きく育ったお尻を伊織の内ももにぶつける。
784 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/17(水) 23:27:46.77 ID:p9Unthf7o
>>783
「で、お前は高みの見物か?ま、いいんだけどな。途中で道場(校内の)寄ってトンファー持ってくから屋上から移動するようなことがあったらまた電話ででも教えてくれよ。それと……
本当にゼオラが犯人でいいんだな?」

椅子を片付け、教室を出ようと戸に手をかけながら尋ねる。言葉は少しきついが、声色はとても穏やかだった。



「ふふ……彗華の膣内も、とても気持ちいいですよ」

ゆっくりとした腰の動きと膣内の動きによりじわりじわりともたらされる快楽。更なる快感を求め腰が動きそうになるのを我慢する。折角の彗華の奉仕をまだ終わらせたくはない。

「っ……ははは、すごいですよ彗華……とてもいい景色だ……本当に君はとてもいやらしい……最高だ……」

胸を揺らしながら結合部が擦れ合うのを見せつけるように腰をくねらせる彗華。すべてをさらけ出すような彼女のその美しく淫らな姿に伊織は一瞬言葉を失い、嬉しそうに笑い、溜め息をこぼす。
785 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/18(木) 00:15:34.67 ID:Mb5u4+D8o
>>784
『疑いたくば疑うといいさ。
 キミはただの一人の人間だ。無理に手を下すこともない……とはいっても、キミたちはやるのだろうね。
 あと一つ。用事が終わりさえすれば僕も行くさ……せめてそれまでは待っていてほしいが、そうもいかないようだ』
鈴たちが教室を去ろうとすれば、同じように立ち上がる。
その手にはハードカバーの黒い本。表紙には、何も描かれていなかった。
『では、キミ達。これが最後の言葉にならないことを願うばかりさ』
言葉ではそういうが、二人を信頼しているのだろう、口調は冗談でしかなく。



「伊織、くん……っ」
視線が一意に注がれてるのを意識すると頭が灼けてしまいそうになる。
恥ずかしい。見ないでほしい。その思いは強かったが火のついた身体はもはや止まらず。
滑りが良くなるとヒートアップしていく行為。パン、パンと肉が打ち合う音と彗華の声だけが部屋に響く。
「ぁ、あぁっ……みないで、いや、ぁっ……」
彗華の口から懇願の言葉が漏れるが、動きは激しくなるばかりで。
胸を揺らし、身体がぶつかり合う刺激に悶絶し天を仰ぐ姿は何一つとして隠されず。
786 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/18(木) 00:40:13.56 ID:04rlU/oAo
>>785
「ばーか、俺とリョウのふたりが一緒なんだ、ゼオラのヤツがニセモノ乱発してこようが負けるもんか。な?リョウ」

綾の肩に腕を回しながらアルビノにニッと笑うとそのまま背を向けて反対の手を振りながら出ていった。



「ふふ……彗華のここ、グショグショになって本当にいやらしいですよ……それじゃあそろそろ僕も動きますね」

視線を彗華の目と恥部へ行ったり来たりさせながら恥部へと手を伸ばし、愛液まみれの突起をそっと撫でるように触り始める。
動くと言ったことを彗華が理解し終わらないうちに彗華の動きに合わせて腰を動かし始めるのと同時に突起も激しく擦る。
787 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/18(木) 01:51:16.35 ID:Mb5u4+D8o
>>786
『……そのようだね。
 僕も後で追いかけるよ。じゃあ、その時まで……』
ニコリと笑う。その様子は鈴達と何ら変わりない少女の物。
背を向けると本を持っていない、真紅の手を掲げ別れていく。



「ッ、ふあぁっ……あ、ぁっ……!」
愛液塗れの突起に触れるとビクリと震える。
夢心地の状態から急激に鋭い快感を加えられ、ガクガクと震える彗華。
皿に突き上げれば、軽くパニック状態に陥り手を離し、自分の身体を抱くようにしてこらえる。
「あっ! ぁーっ、ん、っ……ひぃ、ぁんっ!?」
悲痛ながらも艶めかしい叫びが響く……。
788 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/18(木) 10:04:24.40 ID:04rlU/oAo
>>787
「おう、またな」


「よし、これなら大丈夫だろ」

道場に寄り、本赤樫のトンファーを回収。ついでにぱぱっと道衣に着替え髪の結び目をポニテらしい位置へと上げた。気合が入る。
屋上へ向かいながらくるくると回したり気を込めたりしてトンファーの具合を確かめる。鈴いわく無機物の金属製のトンファーよりも生きていた木製のトンファーの方が気を込めやすく、最終的な強度は金属製のものを上回るらしい。
龍の素材で作った武器みたいなのがあったらもともとすごい硬い上に気も流しやすくて強いだろうななどと話していた頃に屋上が見えてくる。

「さあ、準備はいいか?ドアノブに手をかけたらトラップがなんてことはないよな?」




「ふふ、どうしました?動きが、止まって、ますよ!」

腰をつかみガンガンと激しく下から突き上げる伊織。まるで頭の芯まで串刺しにされているような快感が彗華を襲う。
789 :綾&ゼオラ/彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/18(木) 10:30:02.66 ID:FFzedHzMO
>>788
「鈴……待って」
道場に向かった後、剣道場にも立ち寄る。
鈴の家庭科室と同じように綾のホームスペースと化している場所だ。
用具室兼更衣室から形見の刀と腕につける手甲を取り出してきた。
綾のものは忍の手甲のような、手首だけを覆うような物でなく、腕全体に渡って幾重もの巨大な鱗のようなものが折り重なった物。
その重さ故に綾にしか扱えないが、竜の腕そのもののような堅牢さは防御力にも信頼が置けるだろう。
「大丈夫、行こう」



「は。はひ、ぃっ!
 いじわる、しないでって……いったじゃない、ですかっ……ぁんっ!」
突き上げられて悶えながら絞り出すように抗議の言葉を。
前に倒れかかると両手で支え、只管突き上げに耐えている。
圧倒的ボリュームの胸が傾いた身体からこぼれ落ち、伊織の胸とふれあうと先端が擦れ痺れるような刺激を彗華に与えていた。
790 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/18(木) 14:55:02.81 ID:758HkLjHO
>>789
「よし、行くぞ!」

ばーん!と金属製の扉を勢い良く開け放った!


「意地悪?意地悪ですか……」

何か悪いことを思いついたような表情。起き上がり、またしても彗華を押し倒すと強烈な腰使いで彗華の快感を高めていく。
791 :綾&ゼオラ/彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/18(木) 15:59:45.58 ID:FFzedHzMO
>>790
屋上。
強い日差しの下、遠くの空を眺める少女。
強くはなく、弱くもなく駆け抜ける風が黒衣の裾と紫色の髪をなびかせていた。
『……』
新たな人物の登場に振り返る。
二人の姿を確認するとまた元の向きへと戻っていく。
その姿は以前や先程家庭科室であった時と何一つ変わりなく、普段通りの虚無であった。



「ひぁ!?」
急に体勢を返され、身体をベッドに押し付けられる。
伊織の表情、思惑には気が付かず意識がはっきりとする前に責めに屈する。
息苦しさで頬が染まり気持ち良さげな声が部屋中に響き、大きな胸が揺さぶられる。
792 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/18(木) 16:21:07.01 ID:758HkLjHO
>>791
「よう、このオバケ騒動とこないだからのニセモノ騒動、そんでもって金ピカの背中斬りつけた犯人がお前ってのはホントか?だんまりは無しだぜ?」

いきなり切り出す鈴。トンファーは背中側の帯に差してあるが道衣。鈴だけなら部活か練習と言えたが一緒の綾はこれから戦かカチコミかコスプレかといった戦闘態勢である。おだやかではない。



「ふふふ……それじゃあ……」

彗華の様子を見ながらペースアップしていく伊織。彗華が絶頂に近づいたのを察すると腰の動きを緩めることなく揺れる胸を押しつぶすようにきつく抱きしめる。何も知らない彗華はそれが伊織の愛情表現だと受け取るだろう。彗華がそのまま絶頂に達しようとしたその直前、伊織の動きはピタリと止まり、彗華の耳元で意地悪な言葉が囁かれる。

「やめますね」

愛情を示すようにきつく抱きしめた状態、それは柔道の押さえ込みのように彗華の自由を奪い、彼女が自ら腰を動かして快楽を得ることも許さない。あと少しで達することができるのにそれを許さない拷問のような状態であった。
793 :綾&ゼオラ/彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/18(木) 20:21:40.11 ID:kjhGxtqJO
>>792
『……』
もう一度振り返る。
瞳は相変わらずの空虚、無で。
感じ取れるのは、二人へと順番に向けられる瞳の動きのみ。
『……なに?』



「ふあ! んっ、あぁ、あああっ!」
叫びがより大きくなっていく。
隠すことを諦めて全てを曝け出し、快楽を受け入れる。
胸を揺らしながら腰を振る姿に恥ずかしがり屋の面影はなく、只管に快楽を貪るだけの淫魔にも近かった。
絶頂の予兆を感じさせれば、ビクビクと悶え、表情の艶はより高まり至高の瞬間を待ち望んでいた……。

が、
ピタリと伊織の動きが止まり、快感の共有が止まる。
まだ余韻で甘い声を吐き出していたが、それも冷めれば徐々に息遣いは落ち着いてくる。
「あの、伊織、くん……」
待ち侘びた絶頂と与えられる快楽が恋しくて、尋ねる顔は自然と泣きそうな表情になっていて。
794 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/18(木) 21:23:45.34 ID:04rlU/oAo
>>793
「なんだろうな、あえて言うならおしおきかな?で、どうなんだ?はぐらかすなよ。
こいつはお前のための質問であると同時に、心おきなくぶん殴っていいって大義名分を得る俺たちのための質問でもあるんだ」

律儀に答える。


「はい、彗華。なんですか……?」

白々しい返事をする伊織。この状況を楽しんでいるようだ。
795 :綾&ゼオラ/彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/18(木) 22:19:00.00 ID:kjhGxtqJO
>>794
『……知らない』
普段通りの、淡白な返事。
その顔にはやはり一切の色は感じられない。
そこに存在するのは全くの無。ある種純真とも言える少女だった。



「へっ? ぁっ、あの……」
白々しい返事。動かない伊織に思わず聞き返す。
早く動いてほしい。気持ちよくしてほしいといった意志が見え見えで。
796 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/18(木) 22:46:32.99 ID:04rlU/oAo
>>795
「ふむ、知らない……か。ニセモノが黒い霧になって消えるなんてのはよくある話だし、オバケの赤い玉もたまたまそこに転がってたとしよう。それでいいさ。
でもな、戦う力のあるお前がライナーの後ろにいたのに、あいつが背中を切られたのについて知らないなんてのは……
さすがの俺でも聞きのがしちゃやれないな。そうだろ?リョウ」

ゼオラから目をそらさずに綾に話をふった。


「はい。僕が動くと意地悪だからやめるようにと言われましたからね。あんまり彗華がかわいいからつい誘惑に負けて動いてしまいましたがやっと止まれましたよ……止まるのが遅くなってすみませんでした」

少し笑いをこらえるのが大変だったが密着していて顔を見られることはない。
真剣そうに言ってみせたが笑いをこらえている感じは完全には隠しきれておらず、冷静な状態なら見抜ける嘘だ。しかし頭の芯までとろけきっており、寸止め状態で早く気持ちよくなりたいと焦る彗華はきっと見抜けずにさらに焦ることだろう。
797 :柊宇都 綾&天満 彗華 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/19(金) 01:26:32.12 ID:+Es54oIYo
>>796
話を振られた綾が一歩前に出る。
「ゼオラ……キミは、9年前に死んだはずだ。キミは一体、どこから来た?」
『……』
向き合う二人の少女。
片や冷たく、片やは無で。
それ以降の言葉は通わず、風の音だけが耳に届いていた。
そんな静寂を崩すのは、聞き覚えのある音。以前、同じ景色を見ているときに流れてきた音。
屋上へと続く重い扉を開けながら、姿を現すのは赤い髪、綾の双子の妹、貴美だった。
彼女の手には発信中の赤いスマートフォンが握られていて、それを軽く振ってアピールする。
「鈴サン……このアイダのデンワバンゴウ、トクテイできましタ」
屋上に流れるメロディ、一緒に昼食をとっていた時に流れていた、クラシック。ゼオラの携帯電話からだった。



「っ、あ、あの……」
伊織の言葉に、おぼろげながらもやっと意味が解ってきて。
発散されず、募っていくだけの欲求にだんだんと耐えられなくなり、埋まっている伊織を刺激しようと腰を動かす。
けれども、拘束された状態。男女の力の差でそれもかなわず、より欲求不満が強まっていく。
谷間に埋められた口から告げられる軽率な嘘。しかしそれすら見抜けずに、冷めて行く身体に悶える。
798 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/20(土) 13:16:50.94 ID:rlGw6DAAo
>>797
「……そうか。まったく、わからないな……」

対峙する二人を見守っていたところでやってきたカナダ。表示されている番号は確かにそれだ。
道衣に着替えた時に自分の携帯は置いてきたが、記憶に残っている番号と一致していた。
犯人はやはり彼女なのだろう。しかし動機が鈴にはまったくわからなかった。
799 :柊宇都 綾/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/20(土) 15:00:28.82 ID:0ebDeMwCo
>>798
直後、貴美の背後から飛び出し鈴の横を駆け抜ける。
一歩前に出ていた綾よりも素早く、ゼオラへと駈け出して、次の瞬間には腕を振りぬく姿があった。
ルニだ。敵対していたときには装備していなかった三日月のような曲刀を手首に取り付け、振りかざしていた。
金属音が打ち鳴らされる。ゼオラの手にいつの間にか握られていた《曲刀と細剣》。その左の曲刀によって刃の軌道が逸らされる。
刃を払われて体勢を崩すルニの横をすり抜けるゼオラお互いが振り向きざまに刃を振りまた打ち鳴らす。

「ゼオラちゃんッ!」「答えろッ!」
ルニの先導に導かれる形で続けて掛かっていく貴美と綾。
貴美の顔面を狙ったストレートを首だけの動きで避け、後方へステップ。
空いた分だけ距離を詰める貴美と再び繰り出される拳を連続で交わすゼオラ。
虚無を匂わせていたときからは感じられない機敏な動き、しかし表情は一切崩れず。
その横から回り込んだ綾が飛びかかり、刀に手を掛けた。
『煩い』
それを見たゼオラは未だ音を鳴らす携帯電話の入ったバックごと蹴り上げると既に迫りかけていた貴美の拳へと当て、弾かせる。
そして綾と向き合うと闇を凝縮させ太と思えば周囲が闇に染まり、一閃が巻き起こる。

畳み掛けられた三人を往なすゼオラ、そこには苦悶すらなく相変わらずの無。
一閃の正体。綾の刀と接触し弾きあったそれは――――闇より生成された禍々しいフォルムの大鎌だった。

『そう、じゃあ……全部。[ピーーー]ね』
800 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/20(土) 15:41:39.91 ID:rlGw6DAAo
>>799
「おいおい4対1なんていくらなんでもズルだろ……」

さらなる増援により戦況は圧倒的有利に思われた。しかしその状況は鈴にとってやり辛いものがあった。

「いや、こいつは勝負じゃない、おしおきだ」

自身に言い聞かせるように声を出しながら駆ける。その背後には赤い瞳。
回収されることなくその赤い瞳に魅入られていた時雨のギミック武器ケースは狙いを鈴に合わせ、棒手裏剣を放つ。
801 :柊宇都 綾/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/20(土) 16:47:12.82 ID:0ebDeMwCo
>>800
「鈴ッ!」
背後から狙われる鈴、その脅威にいち早く気付く綾。
素早く刀を収めると鈴の方向に全力でステップし、一瞬の距離を稼いで。
そこから身の丈以上の長さを持つ刀を振りぬき居合にて棒手裏剣を叩き落とした。

『そう? じゃあ……』
綾が背を向けた瞬間、鈴の言葉に首をかしげるゼオラ。
微かに込められた初めて感じられる彼女自身の意志は、余裕。
目を瞑って、首を下に下げると振り向いて、その先にはルニが居て。
瞬くのも許されないほど。あっという間に接近すれば大鎌を袈裟気味に振り下ろす。
両手の刃で防ぎ、反撃を試みるルニ。大鎌と拳に取り付けられた刃では当然ルニのが優勢、そう思えた。
しかし、振りぬいたゼオラは大鎌から手を離す。彼女の足元に広がる闇が鎌を流し一回転させてルニの刃に迎え撃った。
闇の手繰る鎌の力はルニのパワーでは適わずおおきく上体をのけ反らせる……。

『フフッ……』

ゼオラ一人の口端からこぼれ出た笑みは屋上の風にかき消され、ルニの耳にのみ届く。
身を屈めると黒衣が闇に溶け、次の瞬間には少女すら。
足元に広がっていた泉のような闇が吹き上がり、ルニを飲み込んでいくと屋上の策に叩き付けた!

「ルニ!」

一瞬の間に戦闘不能へと追い込まれた少女に、貴美が駆け寄ろうとする。
しかし、それを遮るのはルニに群がる闇から飛び出たゼオラ。
既に闇が握られていて、再び大鎌の様相を形成し次第にその邪悪なフォルムを露わにしていく。
朽木のように捻じ曲がった軸。老い山羊の角が鉤爪として、処刑台のギロチンのような刃の軸の反対側へと取り付けられている。
死神。ゼオラの駈る鎌が、そしてそれを操る少女自体が、まさしくそのように思えてしまうだろう。
向かってくる瞳は空虚、やはり何の意志も持たないゼオラ。その姿、その視線に、貴美は一瞬、恐怖を覚えてしまっていた。
次の瞬間には大鎌の鉤爪に救い上げられる。足元を取られふらついたところに大鎌を軸にした蹴りが突き刺さる。

『これで、二人……』

綾が背後の手裏剣に気を取られ、鈴が脚を踏み出したどり着く間に二人がそれぞれ屋上の策へと突き飛ばされて。
貴美に放った蹴りのまま回転に綺麗に勢いを殺せば元の位置に着地するゼオラ……その瞳は鈴の方向へまっすぐと向けられていた。
駈け出す。鈴の元へと身を屈めたまま接近してくる。その身が闇に溶けていく。ルニを追いやった突撃が再び見舞われる―――――

が、
少女は鈴を素通りし横を駆け抜けていく。
後を引くように靡いていく闇も鈴の足元を通り抜けるだけ。

――――――邪魔。

直線状に広がる闇を掛ける少女。目的の位置に付けば飛び上がり。
差し伸べられた両手から夥しい量の闇が吹き付けられ、赤い瞳を持った時雨のケース粉々に砕いた。
『……うざい、よ』
二言目に発せられた呟きと同時に赤い核を取り出すと踏み潰しそれすらも砕いて。
802 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/20(土) 23:36:59.91 ID:rlGw6DAAo
「っ!やれやれ、さっそく守られちまったな……」

甘いのは自覚していた。しかし早速それを実感させられる。
大きな釘のようなものを飛ばしてきたよくわからない機械、あれは一体なんなんだろう。他にも何か武器がありそうだ……
そんなことを考えながら自分を狙ってきた新しい敵、そして向こうで二人と戦うゼオラの両方に警戒。
あっちは少しの間二人に任せてとりあえず気分的に倒しやすいこっちのオバケをぱぱっとかたづけて援護に回ろう。
そう考えた鈴が時雨のギミック武器ケースに向かおうとした瞬間、あっさりとやられてしまう二人。ゼオラの二人への攻撃は刃物は見せびらかすだけでどちらにも打ちどころさえ悪くなければ問題はなさそうな打撃。二人の名を呼ぶ鈴の目にはそう映った。

「っ、ルニ!……アツミっ!」

あとから来た二人を倒し、残る二人へと迫るゼオラ、迎え討つ鈴、二人の視線が交わる。しかしその視線が自分ではなく、さらに向こうへと向いている事に気付いた鈴は迎撃体勢から綾を守るべく構えなおす。

「なっ?!」

しかし二人をスルーして滑るように通り抜けていったゼオラは仲間であるはずの赤い瞳を砕いてしまう。何故だと言うような驚きの色の混じった怨嗟の声が風に消えた。

803 :柊宇都 綾/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/21(日) 01:15:32.90 ID:lmsBsFvYo
>>802
驚愕に染まる鈴の表情。
それを見つめる金に輝く虚無の瞳が、微かに傾く。
『数……同じじゃないと、嫌?
 別に、1体2でも……余裕、だよ』
手にした鎌をバトンのようにくるくると回転させる。
紛れもない挑発。現に、綾と貴美とルニを退け、さらには二人を撃退している。
「鈴。何を、迷っているの?」
鈴の感じたやりづらさ。その気配を綾は読み取っていて、発するのは警告。
「何処に心残りがある?」
厳しく律するような瞳。声、雰囲気。
それらすべては鈴の為でありながら、綾の為でもあった。
このわずかな時間で感じ取れた力量。まじめにやっていては勝てない。
「4体1がイヤだとか、そういうのは、ただの甘さだ」
804 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/21(日) 11:38:42.38 ID:Y36vVlVCo
>>803
「まったく、言ってくれるな……いいぜ、ならお望みどおりやってやるさ。
……後悔するなよ?」

苦笑いから引き締まった表情へ。ゆっくりと独特の呼吸をすれば鈴の全身はうっすらと蒼白い光を帯びる。

「ああ、大丈夫だ。行こう」

ゼオラから目を逸らすことなく綾に応え走り出した。
805 :柊宇都 綾/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/21(日) 13:22:49.29 ID:FjbP5vfOO
>>804
『……不思議な、感じ』
鈴の発する青白い輝きをそう評するゼオラ。
微かに傾かれていた首は自らの腕へと視線を落とす。
軽快に回っていた大鎌が手からこぼれ金属音を鳴らした。
『……。
 まぁ、いいや……ころしちゃう、ね』
大鎌が闇に溶けると、ゼオラの両手に新たな闇が巻き起こる。
先程の大鎌と同じく、枯れた樹木のような軸をした長柄の得物……槍。そして反対側の手には小刀。

「それでいい……着いていこう」
鈴の僅かに後ろから駆け出していく綾。
その言葉には既に疑念は無く、全幅の信頼のみ。
806 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/21(日) 15:10:41.32 ID:pfblle6oO
>>805
巨大な鎌。その形状に闇に溶けるような漆黒の色や悪魔めいた山羊の装飾も合わさり死神を否が応にも連想させ、絶対的な死への恐怖をあおる得物。
しかし本来は収穫や草刈りの農具であり戦闘には向かない。

「なるほど、そっちが本気の得物ってワケか」

新たに繰り出された得物は槍。旧石器時代には既に命を奪うために使われており、動物、そして人の命を奪うために長きに渡り使われてきた実践的でまさに殺傷のための道具。
両手で構えずに、もう片方の手には小刀というアンバランスな構えではあったが、壁や天井といった遮るもののない屋上というこの戦場においてそれは圧倒的なアドバンテージを持つ武器であると言えた。
相手の本気が伝わってくるようで鈴の口元が不敵に歪む。

「いくぞっ!」

背面に両手を隠したまま駆ける鈴。既にゼオラの攻撃の間合いに入っていた。
807 :柊宇都 綾/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/21(日) 20:19:01.18 ID:FjbP5vfOO
>>806
槍の柄は大鎌と同じく捻れた旧い樹を使っていて。
黒衣のゼオラが持てば、まるで童話に出てくる悪い魔女とその杖と言ったような風貌で。
けれども、その得物の先端には恐れるべき刃がついた紛れもない凶器。
『この槍……痛いよ』
槍の中腹を持ちつつ、小太刀の切っ先を向けて挑発するような言葉を吐く。
刃の先端から闇が零れ、地面に落ちれば、そこが泉のように波打ち。
直後、漆黒の腕が飛び出し鈴と綾、其々に向かって伸びていく。

「ふっ……!」
刀を引き抜けば、闇の腕が寸断される。
しかしその数は一つや二つではなく、一つを切り伏せるよりも襲い掛かってくる数が多く、後退しながらの対応を迫られていた。
鈴に対しても同様。多数の腕が左右と正面から同時に伸びてくる。
あるものは拳を作り殴打を加えようとし、別のものは広げたまま脚を掴もうとする。
さらには、闇の腕が象る波に紛れ、駆け込むゼオラの姿も見えるだろう。
808 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/21(日) 21:19:46.13 ID:Y36vVlVCo
>>807
「うわっ気持ち悪っ!」

痛いのか……そりゃそうだろうな……などと言われた通りバカ正直に鈴が槍に意識を向けると反対側の小刀の方からわらわらと飛び出し襲いかかってくる闇の腕たち。

「とっとと決めるぞ!」

若干顔を引きつらせながらも腰の竹串1パックすべてを両手の指の間に挟み、気を込めまとめて前方へ放てばまるで清掃器具や洗剤の通販のように闇の手はまとめて消滅する。
コンクリートの床に突き刺さる竹串は鈴の込めた気を帯びており、少しの間であるが魔を払う結界のように闇の手を弾き、鈴からゼオラへの道を作った。
あちらはいくらでも出してきそうな雰囲気である一方、こちらの弾には制限がある。弾を使ったからには無駄にするまいと左手にトンファーを装備すると一気に距離を詰める。
809 :柊宇都 綾/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/22(月) 13:45:04.64 ID:e/+GztIFO
>>808
常に気配を隠している。
見えているにも関わらず、凝らしてなければ見失ってしまいそうで。
闇を周囲に蔓延らせ軍勢のように扱う少女。
その黒衣は闇に紛れ消えそうなほどだったが、不思議と彼女の存在感自体は高まったように思える。

その声すらも、やはりか細く。
口を開けずに喋るせいか、そちらにも気を張っていなければ見落としてしまいそう。
『動けなくなっちゃうかもね……? 痛いね……ふっ』
綾に向かい、息を吐き出す。
それと同時に小太刀を振るえばさらなる闇が広がって。
鈴の作った結界のルートを、それを覆い尽くさんとする闇で埋め立てていく。
光は強く、消して消えはしないが闇の前では多勢に無勢。徐々に輝きを弱めていく……。

「……!?」
波状に仕掛けてくる無数の腕と交戦していた綾。
唐突にできた頬の血筋。足が止まる。
その隙を逃さんと迫る拳。綾の胸に強く当たり大きく吹き飛ばす。
810 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/22(月) 20:19:15.91 ID:IbWeaYK+o
>>809
「てえやっ!」

校内屈指の俊足を誇るダッシュから繰り出される飛び蹴り。しかしゼオラは闇へと消え終わり、空振った足はそのままコンクリートの床へと着地する。

「くそっ、遅かったか……っ、リョウ!」

振り返ればついてきているはずの綾は闇の腕に阻まれていた。引き離されたと気づいた時には既に遅く、鈴が綾の元へ駆け戻ろうとする頃には竹串に込めた気の効果も無くなり二人の間には闇の霧が元のようにたちこめる。

「はああああああ!」

自分と引き離された綾が襲われる様子が見えた。踵を返すと躊躇うことなく闇に飛び込み一直線に綾の方へ駆ける。
闇の霧は鈴に触れる直前で浄化されるように消え、触れることはできないようだ。いける。そう確信して突っ切ろうとする鈴。

「っ!」

しかし竹串に込めた気の効果が切れ迫りくる闇の腕は霧よりも密度が高いようで、触れただけでは消せるまでに時間がかかるようだ。
踏み潰し蹴り砕きながら進むことと足をつかむとそのまま浄化される闇の手に躓くようになりながら進むことを強要され途端に速度が落ちる。

「リョウーっ!」

あと少しというところでまたしても間に合わない。努力の甲斐むなしく吹き飛ばされる親友。焦りと怒りが鈴の心と呼吸を乱す。
811 :柊宇都 綾/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/22(月) 22:26:49.94 ID:q3sd2ukTo
>>810
「り……ん、僕の……こと、は……!」
遠くから微かに聞こえる親友の声。
途切れ途切れで苦しげに。紡ぐ言葉には綾の心情が溢れていた。
身体を襲う痛みからくる苦。
闇に囚われ視界を奪われる悲哀。
そして、親友の力になれない。助けることができない。守ることができない。恐怖。
並ぶどころかその足かせにしかならない自分にひどい激怒の様相を示していた。

闇が駆ける。
光の導すら瞬く間に覆いかぶさり、あたり一帯を包み込む。
竹串に残る気力もわずか。それが尽きれば完全な闇がそこに待っていた。
闇のなかではゼオラを捕えることはできない。
漆黒に包まれた視界、騒めくような心。視るもの感じるものすべてが惑わしてくる。
そこに居るかのようで、そこには居ない。しかし居るのか居ないのかその判断は決して付かず。
闇に藻掻けば藻掻くほど深みへと嵌り抜け出せそうにない。
毛針の陽光すら失われた黒に時間の感覚すら狂わせるその中で一体いくつの時間がたったのか。
一瞬か、永遠か。最後の希望ともいえた親友の声すら気づけば届かなくなり――――――


「失せろッ!!」


―――――闇を掻き消す一筋の閃光。鈴の頬を拭い背後に迫っていたゼオラを貫いた。
そのまま二本、三本と空から降り注ぎ闇を払いながら光を広げる。
最後に、旋風。一気に闇を消し去れば、陽光を背に飛来する小さな姿がそこにあった。
レラ=バニッシュ。
機甲都市エメラ国属軍、通称『機兵団』のリーダーとして機械の扱いに長けながら本人の戦闘技術も一流であった。
その彼女が、ゼオラへと腕から伸ばされた緑色に発光するビームブレードを振りぬき突撃していた。

『……何?』
「フン、これ以上好き勝手させんというだけの話だ」
肩を貫かれつつも腕を振りぬき闇を生成するゼオラ。
レラの翳した刃とゼオラの闇が打ち合って至近距離でぶつかり合った。
『次は……その腕だけじゃ、足りないの……? じゃあ。全部……バラバラにする、ね……?』
「相変わらず脳のない奴め。
 ゼオラのその首。取っても知能は変わらないんじゃないか? クク……!」
812 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/23(火) 00:12:40.67 ID:p/cdEy0Ro
>>811
「ふう……いい加減にしろよ……俺は今リョウのトコに行かなきゃいけないんだよ……」

苦しげで微かではあるが聞こえる親友の声。自分がやられながらもこちらを心配する必死な声色は鈴を冷静な方へと一歩引き戻す。いま自分までやられる訳にはいかない。
立ち止まり溜め息をつく。周囲の闇は浄化されながらも幾重にもまとわりつき卵の殻のようにすっぽりと鈴を覆い、その殻の層を重ねていく。何も見えず、何も聞こえない。完全な闇。古来より人の恐れた闇だ。
恐怖や焦りの心を煽る暗い、暗い闇の中。しかし鈴はその中で熱い怒りを静かな怒りに変えていく。見えないことに変わりはないが瞳を閉じ、意識を集中させる。呼吸を整え、心を穏やかに、丹田で気を練りながら全身に循環させ感覚を研ぎ澄ませる。

「スウウ……ハアアアア……クッ」

闇の中どこにでも、何人も埋め尽くすようにいるようでありながら、それでいて全くいないようにも感じられたゼオラの気配。心の平静を取り戻すにつれそれは次第に減ってくる。

「スウウ……」

何度目かの呼吸。感じられる気配は既に片手で数えられる程に。そしてそこまで減らせればそのうちの一つ、割り出すのは難しくはなかった。

「はああああっ!」

気合いとともに床に手を当て練り上げた気を流し込む。トンファーを取りに行った時に綾に語った通り、無機物のコンクリートに気は流れにくい。
しかし充分に練り上げられた気は放射状に拡がり大量の闇を下から浄化する。そしてゼオラの足を飲み込まんとしたその刹那、闇を切り裂く閃光がゼオラを攫っていった。

「うっ!く……大丈夫かリョウ!」

確かに捉えたはずが手応えがない。周りを見渡そうとして闇に慣れた目が陽光に悲鳴を上げる。尊大な態度が滲み出ている声と戦闘音が聞こえた。
片手を目の上に当て、陽光を遮りながら綾を探す。
813 :柊宇都 綾&レラ=バニッシュ/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/23(火) 02:34:14.34 ID:WwbJ7CXYo
>>812
「はあぁっ!!」
鈴の背後で気迫の籠った声で叫ぶレラ。
その直後に、彼女お得意のレーザーが跳ねまわる音が聞こえる。
戦いは苛烈を極めているのだろう気配。けれども、レラの声はどこか楽し気であった。
「フン、ゼオラ……《3年前》と同じと思うな?」
以前見せた時よりも数を増し、6機の小型機械を操りゼオラの動きを縛っていく。
その最中、レラは徐々に距離を下げていき鈴に接触すると小瓶を投げ渡す。
「受け取れ、解毒薬だ。
 こうなるだろうと思ってゼオラの部屋からくすねてきたが、丁寧に見やすい位置に置いてあったぞ」
黒衣の少女と対面しながらでも、相変わらずの尊大さと余裕を振りかざしていて。
「ゼオラが多くを喋らないのは性格もあるが……もう一つは針だ。
 アイツは口の中に大量の毒針を常に含んでいる。その麻痺毒にでもやられたな」
足を止め闇に突き飛ばされたのは傷の違和感もあったが、純粋に身体の動きが止まっていたのもあった。
今ではしゃべることもままならず、動けない身体を余りある闘志と意識で征そうとしているのみ。
「ぼく、は……ッ!!」
起き上がろうと棒のようになった片手を立て掛けていた綾。
その目には遠くの二人を見つめる、強い意志が籠っていた。
814 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/23(火) 23:08:57.59 ID:p/cdEy0Ro
>>813
「リョウ!大丈夫か?」

ゼオラをレラに任せ綾の元へ駆け寄り抱き起こす。超回復力持ちの綾にしては様子がおかしい。そう思っていたところにやって来るレラ。

「っと、大丈夫なのか?これ……」

落としそうになりながらもなんとか受け取り尋ねる。変なものを飲ませるわけにはいかない。

「口に毒針……本人大丈夫なのかそれ……
リョウ、どこに刺されたかわかるか?」




815 :柊宇都 綾&レラ=バニッシュ/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/24(水) 12:59:43.51 ID:6xLuMeASO
>>814
「身体が、動かない……鈴、ごめん」
無理に言葉を発しているようで、顔には常に苦痛が浮かぶ。
その回復力を以ってして、このままの維持ができているといった状態だった。

「助け舟くらい、乗っておけ。
 ……さっさとうごいてくれんと困るぞ」
ゼオラから鈴、綾を塞ぐように立つレラ。
レラの方から寄ってきたのではなく、ゼオラの反撃で闇に押されてきていたのだ。
小型の機械では激しい戦いに出力切れを起こし、破壊された分もありストックはほぼなくなってしまっていた。
「エネルギー切れ……まだ改善の余地アリだな」
ストックしていた分も含めた最後の一つがレラの元に帰ってくるとポーチへと収まっていく。
悪態、舌打ち。鼻を鳴らし不快感を顕にするが、それでもビームブレードを立ち上げ直し、二人を庇い立ち塞がる。
「ゼオラ……来い、少し遊んでやる!」
816 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/24(水) 13:43:34.75 ID:hEXRCRO3O
>>815
「っ……」

綾は謝るだけ謝ってそれ以上は限界で喋れなくなってしまったようだ。痺れ針という事は蚊に刺されるようにその薬物の効果で刺されたことにも気付けないのかもしれない。そう考えた鈴。

「飲んでも……効くんだよな?」

注射はないしやったこともない。傷口もわからないので他に方法はなかった。綾の口を開け、少しすつ流し込む。

(どれくらい飲ませればいいんだろ……)
817 :柊宇都 綾&レラ=バニッシュ/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/24(水) 14:45:05.85 ID:T9lOwmrVO
>>816
「……っ」
ゆっくりと動く右手が、頬を撫でる。
細い何かが掠ったような傷があり、そこから血がしたっていた。
口に薬を流し込んで行くと、素直に飲み込むことしか出来なくて。
毒同様、その効果は直ぐに現れてきて、綾の頬から鈴の肩へと手が移った。
「ありがとう……これで、動ける」



鈴の背後、綾の視界の先では闇の中で閃光の煌きが何度も燻ぶる。
ゼオラ相手の繰り返していたが、息を込めて大きく振り払うレラ。
一帯の闇が晴れると後方に跳び再び距離を離し向かい合う二人。
二本の脚でステップを刻み着地するゼオラの息に呼吸の音はなく、平静そのもの。
しかし、レラの方はかなりの体力を消耗してしまったらしく肩を大きく揺らして呼吸を繰り返していた。
「まだ……ここからが本気の勝負だ」
剣の切っ先を向け、声を上げるレラ。
その瞬間、レラ自身の影が揺らめき、そこから闇の腕が伸びて掴みかかる。
体力の消耗を伺ってから仕掛けた策。瞬く間に捉えられてしまう。
818 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/24(水) 15:34:26.33 ID:hEXRCRO3O
>>817
「ムリすんな、治ったらこい」

瓶を床に置き、綾をフェンスにもたれさせると返事も聞かずに気をまとい駆け出す。


「またせたなっ!選手交代だ!」

レラを捕まえた次の瞬間蒸発する闇の腕たち。床に刺さる数本の竹串は懐の2パック目からである。

「さあ、今度こそ勝負だっ!」

凛とした声を元気に張り上げながらゼオラめがけ一直線に駆ける。黙って竹串を撃ったり忍び寄らないあたりが鈴らしい。

「いくぞっ!」

ゼオラが一歩踏み込んで槍を突き出せば刺さる間合い。ゼオラから動くならそこしかない筈の瞬間に飛ぶ。トンファーを持った左手を前に、右手を思い切り引き絞る。

「ふっ!とりゃあ!」

そのまま放物線を描き自由落下しながら引いた手で突くと予測される動き、しかしそこから何も無い筈の空中を蹴り急加速。空中ダッシュのような動きの勢いを乗せて突きを放った!
819 :柊宇都 綾&レラ=バニッシュ/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/24(水) 22:49:59.10 ID:tOdNok2Fo
>>818
「大丈夫……もう、いける……!」
音こそ普通だったがその身体はまだ震える。
フェンスを跳ねのけ、立ち上がるがその直後バランスを崩す。
膝をつき、項垂れる……去っていく鈴をじっと見つめていた。

「……助かった。
 無理はするなよ。すぐに加勢に戻る」
影から伸びた腕に巻きつかれ、身動きを封じられるレラ。
顔が苦痛に歪む。敗北を悟り目を閉じた次の瞬間、竹串によって解放される。
状況を把握すると助言を残し、静かに後方に引いていく……。


『……』
引いていくレラを追撃する気は無いらしく、ゆっくりと鈴に視線を移す。
全ての闇を晴らし、小太刀と槍を手にして見つめ。
無言、そして余裕。未だゼオラには一切の揺れが見えなかった。
鈴の予想とは裏腹にやりは振るわれない。
踏み込みに合わせて同じように下がられれば、そこは再び槍の間合いとなる。
しかし、ゼオラの予想もまた裏切られる。
突然の急加速に、微かに目を見開く少女。次の瞬間には拳は胸を貫いていた。
『……っ、ぅ……!』
確かにダメージは与えた。しかしその感触は柔らかい。
気功を込めた拳は身体を貫き、貫かれた胸は焼けたように煙を放っていた。
直後、溶けるように霧散するゼオラ。あの時の偽物達と同じ消え方。やはり犯人は間違っていなかった。

視線を探れば、校舎内へと続く扉の影から湧き上がる少女の姿が見える。
貫かれた身体は再生していたが、衣服にはぽっかりと穴が開いていてあの感触は偽物出なかったことを知らせていた。
初めて、表情を崩す少女。微かに、ほんの微かに歪む顔。
『……痛いね……ちょっと、怒った』
トーンは変わらない。だが、彼女の言葉には現実味があった。
今度は何の装備も持たず、かつ、かつと屋上の床を鳴らしながら歩み寄る。
彼女が近づくたびに胸が苦しくなるのを感じる。周囲の気配は重く、苦しくなっていく。
それは悲しみ。重く、苦しい悲哀。胸が張り詰め張り裂けそうなほどの感情が悲哀と気づくころには、身体が重くなるほどの心の闇に、周囲は支配されていた。
820 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/25(木) 00:59:04.57 ID:cJRxXCvmo
>>819
「うえっ!?あっ?ご、ごめん!?」

貫くような突きを放ったつもりはなかった。どちらかというと殴り飛ばすつもりだった。
しかし右腕はまるで障子に穴を開けるように容易くゼオラの身体を貫通していた。
驚いた表情のゼオラに負けず劣らず驚いた様子で謝る鈴。

「おどろかせやがって……」

今までの偽者のように消え、そして離れた場所で穴もふさがった状態で身体を再構築するのを見て安堵の溜め息をつく。
霜月鈴という人間は基本的に無茶をして自分の命は少し粗末にするきらいがあるが、他人を必要以上に傷つける事は好まない。『おしおき』をする程度の覚悟で臨んだら相手に穴が空いたのだ、やはり負い目を感じてしまう。

「どうなってんだよ、お前の身体は……」

ゼオラが消えたこと、そしてその消え方にまたしても偽者かと思いかけた鈴であったが、そのまま消え去らずに離れた場所で身体を再構築したこと、そしてこれまでのゼオラの様子からその考えは捨てた。
プレッシャーをかけながら歩み寄るゼオラに対してその場で構える。
821 :柊宇都 綾&レラ=バニッシュ/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/25(木) 01:29:15.38 ID:PxSMGb9no
>>820
「ようやく本気を出したか……霜月鈴、無理をするな。
 お前の力はゼオラに有効なようだ……だが、出すぎれば一瞬で刻まれるぞ」
準備を終えたのだろうレラが隣へ並んでくる。
目線を合わせて宙に浮かぶレラはエネルギーの切れた装備を外していた。
「ゼオラも少し本気を出したか……僕も万全じゃない。正直に言うと二人掛かりで抑えるのがやっとというところか」
苦言を示すレラの瞳には弱った意志は無い。
だが。と続けると腕を突き出し掌をゆっくりと歩んでくる少女に向ける。
「算段はある、しくじるなよ」


『……』
鈴の呟きには答えない。
ただ前へと歩み、深い虚無に染まった金の瞳を投げ掛けるだけの少女。
薄らと右腕へと闇が集まってくれば、レラに合わせるように腕を伸ばす。
二人へと向けられた掌で凝縮された闇が、一気に拡散される。
ゼオラの腕ごと黒に染まり夥しい量の漆黒の蔦を伸ばし瞬く間に視界を奪うと同時に茨がその身体目がけて突き込んでくる。
822 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2015/06/25(木) 12:38:57.47 ID:sNZNHedSO
>>821
「なあ、あいつどうすりゃいいんだ?効きすぎてこわいんだけど……」

手の感触を確かめる様に右手を握って開くのを見てからレラに意見を求める。まさか軽く穴が開くなんて思ってもみなかったのでまだちょっとドキドキしている。

「なんだお前、いつものエラソーな態度はどーした?へへっ、ビビってんのか?」

レラの自尊心を煽る。

「ちぇっ、無視かよ!とりあえずはなんだ?お前を守ればいいんだな?」

おびただしい闇の面の攻撃。しかし鈴は臆することなく2パック目の竹串の残りに気を込めて飛ばし迎撃する。
弾幕を抜けてきた残りは気を込めた突き蹴り手刀裏拳で打ち砕き、何かしようとしているレラを守る。
823 :柊宇都 綾&レラ=バニッシュ/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/25(木) 19:35:12.19 ID:kwRw3zQsO
>>822
「何、いくら傷つけて最後には殺しても構わない」
淡々とした口調。そういえば、レラも初めからそのつもりだった。
ゼオラが何であるか、それを知っているようだが鈴に明かしはしなかった。
「勿論、灸を据えてやる。
 だが貴様を背負いながらでは流石に争えん。
 ……依って、やる気があるなら手伝ってもらおう」
返す視線はニコリと。
協力の要請に応じればゆっくりと力を開放していく。
レラの精神を素にした波動が広がっていくと、周囲を支配していた悲哀、心の闇が押しのけられていく。
鋭く尖った茨がそのフィールドに穴を開けて進行してくるが、それを鈴が叩き落とせばすぐさま修復される。
レラから離れればその力は弱まり押しのける力は弱まっていくがそれでも十分に安全なスペースは確保できていた。
824 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage saga]:2015/06/26(金) 13:10:15.64 ID:NbgfpDEVO
>>823
「おいおい殺すだなんてブッソーすぎるだろマジメに答えろ、ジョーダンでも殺すとかいうのは俺は嫌いなんだ」

相変わらずの善人ぶりである。

「背負う?お前が俺をおんぶして飛び回って俺がおんぶされたまま殴るのか……?そんなんじゃちゃんとした突きもうてないしお前もちゃんと飛べないだろ?」

レラの言っている意味をいまいち理解できていないようだ
825 :柊宇都 綾&レラ=バニッシュ/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/26(金) 14:25:47.47 ID:KU/P8VvgO
>>824
「霜月鈴、貴様は頭が硬すぎる……。
 [ピーーー]とかどうとかの説教はあっちにしてやれ」
蔓、茨。闇の植物を促成させる少女を指して。
押し寄せる漆黒の草木でその姿が見えなくなれば直後、レラは背後を向く。
それと同時に右斜め上へと手を差し出せば、その手へと、まるで吸い寄せられるかのように闇の中からゼオラの槍が突き出してくる!
レラの放つ不思議な力により槍は食い止められ、また睨み合う少女二人。
「どうした能無し……そんな動きは丸見えだ」
826 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage saga]:2015/06/26(金) 18:56:09.43 ID:Fe1iRXMIo
>>825
「……また前みたいに止めるから俺に殴れってか?」

姿を現したゼオラ。攻撃を弾けるようにトンファーを持った左手を盾のように構えながら踏み込み右手で突きを放つ。
その拳は気の出力を抑え、蒼白い光や焔を帯びてはいないがそれでも抑えただけなのであたればかなり痛い筈だ。
827 :柊宇都 綾&レラ=バニッシュ/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/26(金) 20:24:52.08 ID:KU/P8VvgO
>>826
「フン……訳ない。
 貴様では到底首無しになるのがオチだ。
 言った筈だぞ? 背負われるのが嫌なら動けとなぁ!」
槍を寸での所で受け止める掌を握る。
二刀、大鎌と同じように闇で作られた槍は偽物
、ゼオラと同じように霧散してしまう。

その隙をついたような鈴の拳。
捉えることは叶わずに闇の中へと逃げられてしまう。
828 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage saga]:2015/06/26(金) 23:06:03.28 ID:Fe1iRXMIo
>>827
「くそっ、まるでモグラたたきだな……
へっ、俺の首は安くないぜっ!」

あと少しのところで引っ込んでしまうゼオラに苦笑い。そしてレラにはやってみなと言わんばかりに挑発的に笑いながら首をトントン。
829 :柊宇都 綾&レラ=バニッシュ/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/27(土) 03:46:27.55 ID:AHh9Ge3do
>>828
「フン……お前の相手は僕じゃない」
鈴のアピールを鼻で笑う。視線は動かないまま。
レラの精神が作り上げたドーム状のフィールド以外は闇に完全に覆われていて。
その一切の濁りすらない純真な黒……闇の中で蠢いているだろう少女に目を凝らしていた。

レラの瞳が微かに揺らめき眉が上がる。
闇の気配が変わる。感じ取れなかったゼオラの気配が急速に濃くなっていく。
「フッ……来たか」
その兆候を感じ取ったレラは不適に笑むと警戒して前に出していた手を収め腕を組んだ。
『まどろっこしい奴らだぜ……メンドくせぇ、俺が全部ぶっとばしてやる!』
凶暴さを孕み暴威に満ちた声。その声、雰囲気はレラの持っていた物と似てはいるが非なる物。
そしてもちろん、レラの物であれば鈴の耳に直接届くだろうが……それは闇の中から聞こえてきた。
830 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage saga]:2015/06/29(月) 07:38:39.42 ID:UgRXF9yho
>>829
「なあに、お前だけに言ったわけじゃないぜ、誰だろーと挑まれれば受けるだけさ。
……やれやれ、そんな煙幕みたいなまどろっこしいことやっといてそりゃねーだろ、こっちのセリフだ」

さっきの突きの効きっぷりからして気功で適当に闇をぶち抜いたりふっ飛ばしたりしたらゼオラごと消し飛ばしかねないのでうかつなことはできない。そしてまたしても分断された綾が気になる。そんな苛立ちが少しだけ声色に混じる。
831 :柊宇都 綾&レラ=バニッシュ/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/06/29(月) 08:37:16.92 ID:6D6JSiqjO
>>830
「生意気な口を利くなよ。
 今すぐ貴様に穴を開けてやってもいいんだぞ?」
挑発めいた口振りに呆れつつもそんな言葉を吐く。
しかしその一方で視線は常に闇の中を鋭く見据えていた。

相変わらずレラの力で保護されていた以外は闇に包まれていた。
が、その闇が揺らめいたと思えば、突風の前の煙のように全て掻き乱され消えていく。
取り戻された景色。その中央に居る少女の姿は大きくは変わらぬが、姿を除けば変化は大きかった。
『望み通り消してやったぞ……相手をしてやる。掛かってこい』
背に掛かっていた長い髪を薄紫のリボンで括った少女。
目での変化といえばそれだけだったが、饒舌に喋りたて挑発をする彼女からは鈴と同じく『気』を持っていた。
ただ、それは邪悪で禍々しく。感じ取れるからこそその黒さが浮き彫りになっていた。

晴れた闇の奥に綾のすがたが見て取れる。
膝をついていた態勢こそそのままだが、その目には元の生気を取り戻していた。
832 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage saga]:2015/07/03(金) 09:52:49.55 ID:UiP/qJgto
>>831
「おいおい、後ろから撃つのはカンベンしてくれよ?」

おどけた様子で返す。そして霧が晴れた。

「な……っ」

霧の中から現れるなり挑発的な態度を取る相手の姿を見て驚きの声が漏れた。
髪をまとめ黒い気のようなものをまとう姿はまるで自分の影のような不気味さを覚えさせる。

「……ふう、なるほどな。大したまねっこじゃないか……でもそんなカンタンにコピーできるなんて思うなよ?」

横目で綾の無事を確認するとゼオラの方へと走り出した。
833 :柊宇都 綾&レラ=バニッシュ/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/07/03(金) 12:35:46.10 ID:NTI/4O9aO
>>832
『真似なんかしちゃいねぇ。これが俺の戦い方だ。
 お前こそ張り合うつもりらしいが、簡単に死んでくれるなよ?』
見下して、それでいて楽しそうな表情を浮かべるゼオラ。
先程までとは打って変わって闘争心を顔で表す少女はまるで別人のよう。
駆け出す鈴に対し掛かってこいとの言葉通りに腰を落とした構えを見せた。
834 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage saga]:2015/07/03(金) 12:54:44.20 ID:UiP/qJgto
>>833
「上等っ!さっきみたいにぶち抜かれないようにしっかりダークパワーっぽいのまとっとけよ!」

闘志に満ちた笑顔、弾む声。

「えいっ!」

まずは挨拶代わりとばかりに右で行くぞと言わんばかりに右手を引いて正直に真っ直ぐな突きを放った。
パンチとパンチをぶつける勝負を期待している動きだ
835 :柊宇都 綾&レラ=バニッシュ/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/07/03(金) 13:50:18.75 ID:NTI/4O9aO
>>834
『俺はアイツほど脆くねぇっ。
 テメェもだ! ブチ抜かれてからじゃ遅えぞ!』
鈴の意図に応え跳ね上がる声。口元はニヤリと笑む。
同時に足元のオーラを拡散させて飛び上がると、引き絞った左手にオーラが纏う。
やはり、闇。
強固でどす黒い負の感情。人の心を破壊する紛れもない邪悪が立ち込める。
身長差故に飛び上がったゼオラ。鈴の拳な対し上から打ち付ける形でかち合わせた!
836 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage saga]:2015/07/04(土) 00:31:19.05 ID:v4ORM1imo
>>835
衝突する2つの力。反発しあうその力によって生み出された衝撃波が突風となって吹き荒れる。

「はああああ……っ!?」

反発する力に抵抗しながら突き切った二つの拳が触れた瞬間、空間が爆ぜたような衝撃が二人を吹き飛ばす。

「やるな……!」

空中で後ろ向きに一回転してから着地、数歩歩いて立ち止まる。相手が自分の意図を汲んで合わせてくれたこと、それが決まる相手だった事への喜びが表情に出ている。
837 :柊宇都 綾&レラ=バニッシュ/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/07/04(土) 13:07:58.40 ID:cpzW6bsWO
>>836
『お前こそやるじゃねぇか。
 思ったより楽しめそうで良かったぜ』
翻ったゼオラも同じように距離をとって着地する。
ズズ……と地面を引っ掻きながら地面に落ちると、その低い態勢のまま飛び出した。
『だったら、こんなのはどうだッ!?』
素早く走りより、また飛び上がる。
今度振りかぶられたのは脚。
スカートから伸びる先の黒のメリージェーンに悪意が溜まっていくと、袈裟気味に振り払い拡散する闇を打ち付けた。
838 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage saga]:2015/07/04(土) 22:40:48.81 ID:v4ORM1imo
>>837
「今度は蹴りか?」

構えれば後ろ足になる右脚に意識を集中。蒼白い淡い光と風が渦を巻くように右脚を包み鈴は対空の上段回し蹴りを構える。
突きくらべの次は蹴りくらべかという鈴の予想。しかし蹴りにしては振り始めが早い。
そう気づけばやはり放たれたのは別の攻撃。ショットガンのように拡散する広範囲の飛び道具。その場でかわしたり捌くには数が多く、大きく飛び退いてかわすにも既に手遅れ、トンファーで落とせるだけ落とすか防御体勢を取るぐらいしかない……そう思われた。

「それならこうだっ!」

しかし鈴がとった行動はそのいずれでもない。しゃがんで勢いをつければ蒼白く輝く両脚で勢い良く跳び上がり拡散する闇を飛び蹴りで突き破る!
ゼオラの放った闇が散弾ならば鈴の一撃は徹甲弾のようにその弾幕を貫きゼオラへと真っ直ぐに放たれる。
839 :柊宇都 綾&レラ=バニッシュ/ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/07/05(日) 01:35:32.38 ID:ss50NkSlo
>>838
闇の弾幕を突き抜ける鈴。
漆黒を掻き分けた視界に映るのは次の行動に移っていたゼオラ。
空中で脚を払ったまま回転し、その動きで続く2打目を鈴の突撃に合わせた。
再び起こる打ち合い。今度は脚と脚で。
闇を主体とするゼオラに気の力は多分に通るはず……しかし、濃く、深く、黒すぎる闇の障壁が打ち消していた。
更には小さく細い体躯にも拘わらず鈴と互角のパワーを叩き出しているのも闇の力に他ならなかった。

余裕の表情を見せる中、弾きあう二人。
また距離を取り着地すると鈴を眺めながらおおきく口を開けて笑う。
『いいぜお前! やっぱ面白れぇ!!
 ……なぁ、ゼオラ。俺にちょっとだけ自由をくれよ、このまま壊すのも勿体ねぇ!』
静かに伸ばした腕が髪を縛っていた純白のリボンに手を掛けると解放した。
高翌揚感にあふれていた表情が目を瞑るとふっ、と消え去る。
開いた目には虚無が戻り、そこに映るのは寡黙でただ無を貫く『元の』ゼオラ。
『構わない』
少女の影が蠢いていくと巨大な石の扉がせり上がってくる。
その扉も彼女と同じく本能的に嫌悪を覚え避けようとする闇のオーラを強く発しており。
既に開かれていた扉にリボンを翳すと一人でに手を離れ扉の向こう、黒々とした景色へと飲み込まれていった。

闇が、吠える。
石棺にも似た扉が地面が揺れるほどの禍々しい波動を放ったのだ。
今の波動が闇の産声だとすれば、生命を持ったかのように絶えず微弱な波動を放ち続け、成長するかのように段々と強まっていく。

そして。

扉の向こうの闇から飛び出してきた一人の女。禍々しき産声の正体。
黒光りする革のボンデージに身を包んだ長身の女。
牙を剥き出しにした獣のような敵意をどうしてこうも纏えるのか、その答えは彼女の背にあった。
大きく開いた背中から突き出た二本の骨。伸びをすると蠢いて、それが骨だけの翼であると解った。
『五大獄領爵・ベイン。この俺を……地獄の鬼を、楽しませてくれよ?』
840 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage saga]:2015/07/06(月) 19:47:38.55 ID:E/xT1BLRo
>>839
「浅い……」

前回り受け身で着地して立ち上がる。
流石に高空に跳び上がる蹴りでは少し威力が足りなかったようだ。相手の闇の力と自分の気功、そして相手の体格とこちらの体格。属性的有利は特効状態で体格もやや有利。
しかしそれらの圧倒的有利を無尽蔵にも見える闇の力の圧倒的質量で微有利程度まで縮められている。

「ほえー、まるでなんかのアトラクションだな……なるほど、それがお前のホントの姿か……ってなんかすごいカッコだな!」

召喚術のような登場に目を丸くして見入る鈴。現れたベインの姿に顔が赤くなった。


841 :綾&レラ/ゼオラ&ベイン ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/07/07(火) 09:10:41.44 ID:WpYqJWtOO
>>840
『これが俺本来の姿だ……。
 ゼオラの身体を借りたままお前をブッ壊すのは楽しくねぇ気がしたんだよ。
 折角この身体を持ち出したんだから精々長持ちするよう頑張ってくれよ?』
ベインの身体を逆巻く漆黒。彼女そのものから感じるのはやはり邪悪。
ゼオラよりも直接的で隠しもしない悪の波動が明確な敵意、殺意として発せられていた。
それと共に鈴の肌を撫でる感覚……それが漆黒の熱であると気付くのにそう時間は掛からないだろう。

逆巻く漆黒が彼女の姿を覆い隠した矢先、勢い良く飛び出してくる。
『そしてッ! 派手にッ! ブッ壊れてくれよッ!!』
撓る程引き絞られた身体、その脚が振り抜かれ蹴りが放たれる。
鈴の頭をサッカーボールにでも見立た全力のシュート。
842 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage saga]:2015/07/07(火) 22:12:06.36 ID:JTwkZKgDo
>>841
「なるほど、いい身体してるな。でも壊すだの長持ちするだの俺はお前のオモチャじゃねーぞ。あんまりそーゆー言葉使うと小物っぽく見えるぜ?」

チリチリと肌を刺し焦がすような感覚。しかし気圧されることなく挑発的に笑う鈴。

「お前がなっ!」

闇に潜んだのちに繰り出されるのは、鍛え抜かれた肉体と闇の波動から生み出される岩をも砕かんばかりの一撃。当たれば人の頭も砕いてしまいそうな迫力。
しかし蹴るまでの間に何度も叫んでくれたために闇に潜んだ効果は薄く、更に予備動作の大きいわかりやすい蹴りだ。バッチリと対応した鈴はサッカーボールキックを難なくかわしながら軸足を左手でつかみ、次に右手を伸ばすと蹴りの回転に合わせて左回転するようにねじりながらベインを床に叩きつけようと引っぱる!
843 :綾&レラ/ゼオラ&ベイン ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/07/08(水) 19:00:34.95 ID:F2IWIcmVO
>>842
『ハッ! そう思えている内が花だぜ?』
鈴の挑発的な言葉を鼻で笑って流してしまう。
しかし、ただ吐き捨てた訳ではない。
ベインの口調、態度は笑って流す程の余裕に満ちているのに気づくだろう。

脚を掴もうとした手は弾かれてしまう。
触れることには成功したがベインの飛び蹴りの推進力に捕らえることはできなかった。
遠くの床に着地すると鈴の触れた足首を見つめる。
そこは焼けたような後があり、ベインの褐色の肌を焼いていた。
ゼオラから独立してはいたが相変わらず鈴の気は効果的なようだ。

しかし
『おっと、俺に触れるとヤケドするぜぇ?』
ベインの言葉。その通りに鈴の手にも痺れが走る。
闇色の気を含んだベインのオーラは熱を持ち、強く防壁を貼らなければ逆に焦がされてしまうだろう。
844 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage saga]:2015/07/08(水) 20:58:35.12 ID:ZtVq/egro
>>843
「つっ……なんだこれ……」

反発しあう力によりつかみきれずに外れた手には違和感。しかし気をまとった状態で握ったり開いたりをすればすぐに収まる。
何もまとわない状態で触れていれば見た目通りに闇の炎に焦がされてしまうのだろう。

「はっ、ヤケドしてるのはそっちの方だろ。足の色が変わってるぜ?オニなんてのは地獄の炎やらかまゆで地獄やらでなれててヤケドなんてしなさそうなもんだけどな!はああああっ!」

ゼオラとレラ、そして綾にはあまり動きはないようだが綾の回復のために時を稼ぐべきか、それとも早く決めるべきか。とりあえず効くのならラッシュで削ってやろうと駆け寄りガード上等の乱打を浴びせかける。
845 :綾&レラ/ゼオラ&ベイン ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/07/09(木) 21:29:34.75 ID:VDi5qlnqo
>>844
鈴の手に残ってまとわりついていた闇。
触れていただけで心を暗く、重くなる精神を蝕んでくるような感覚すら。
気を強く持っていなければ、心を強く持っていなければ、破壊されてしまいそうな感覚すら。

『この程度なんだってねぇよ。
 解ってるねェ、鬼に炎が効く訳ァねぇだろ?』
鈴が動き出すのを見ていたベインは腰を深く落とし構えた。
踏みなおした途端、屋上全体が揺れるような強い衝撃に鬼の片鱗が垣間見え。
『さァ来な、全ッ部受け止めてやる』
ニヤリと笑うと鈴の突きに対し手の甲で受け止める。
それ以降の攻撃もすべて、闇の防壁を張った腕で防いでいく。


「ゼオラッ、お前の相手はこの僕だ!」
ベインを呼び出し、枷の無くなった少女に詰め寄るレラ。
空を跳び瞬間的に背後へと周り込むと左手のレーザーブレードで切り込んだ。
しかし、一閃は叶わず。振り返ると同時に沸き起こった闇に塞き止められる剣撃。
≪曲刀と細剣≫。闇が晴れれば、ゼオラの手には黄金の二刀が見えた。
「柊宇都綾! 僕に加勢しろ!」
846 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage saga]:2015/07/11(土) 22:40:42.05 ID:NQtZJBXZo
>>845
「だけどこいつは炎じゃあない……人外殺しの特別製なのさ……!」

一発一発が軽く、気が中和されてしまえばダメージを与えられている気配はない。しかし早いうちに蹴散らしてしまわずに面白がってそれに付き合ったのがベインの失敗だった。
上段のラッシュ。どうしても自然とそちらに意識が集中してしまう。

「えいっ!」

そこから消えるように一気に体を落とした渾身の中段逆突き。身体を落とす力、左足の踏み込み、腰の回転、腕力……全身の力を合わせ、更に気功の出力を上げることで非力な鈴が放つ突きは一撃必殺の突きとなる!
847 :綾&レラ/ゼオラ&ベイン ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/07/12(日) 22:38:09.68 ID:gVlxE/ono
>>846
「おォ、そいつは怖いねェ……」
ベインのガードは固く、気を中和されてしまうとダメージの通った感覚がしない。
余裕の表情も崩せずに打ち合っていた中、鈴の行動にベインの表情が歪む。

「甘ェぜ! お前がそうするのをずっと待ってたんだ!」
ベインとて格闘の徒なのだ。そこを考慮に入れなかったのは鈴のミスだろう。
このままラッシュを続けているだけでは何も起きないのはベインも理解できていた。
だからこそ、次にアクションを起こす瞬間を狙いすましてそこに拳をぶつけあわせる!
打ち合わせた拳から流れる気は褐色の肌を焼いていく。しかし、ベインの誇るべきパワーは鈴の身体も蝕んでいくだろう。


一方、背後では4本の剣が入り乱れる。
レラのレーザーブレードと曲刀が噛み合えば、再びにらみ合う両者。
しかし、その隙を狙う綾がゼオラの背中へ振るおうとした太刀筋を察知されればすぐさまレラを蹴り飛ばし離脱する。
飛び跳ねるようにして綾の元へと掛かれば居合を掻い潜り細剣で片を討つ。
レラと綾の歪なコンビネーションではゼオラのスピードを捕えることはできないようだ。
848 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage saga]:2015/07/13(月) 14:38:35.98 ID:rsiv65Zto
>>847
「っぐ!」

完全に上段に意識を持っていったところで打ったと思っていたがとんだ演技者だ、こっちの動きを読んだ上でその読みを確実にするために誘ってきていた。かませっぽいキャラも脳筋ぽいのも作戦というわけだ。
そんなわけでカウンター向きで鈴が持つ中でも最速の突きも完全に読まれてしまえば意味がない。当たるべき場所よりも前に止められてしまえば100%の力を伝えることもできない。
それが鬼のような人を超えた力の持ち主で格闘の技巧も兼ね備えた相手であればそれだけで済むはずもない。

「やるじゃあ……ないか……ただのパワーバカかと思ってたけど違ったみたいだな……フフ……ハハハハハッ!」

ベインの拳に伝わった確かな手応え。右腕は使えないような状態になっている筈だというのにそれでも鈴の口元の笑みは絶えていない。それどころか声を上げて笑い始める。
技を破られ利き腕と心を折られた痛みと絶望と恐怖でおかしくなったか?いや、こいつはそういうタマじゃない。実際にその眼に宿る光は狂気ではなく闘志……
鈴の表情に気を取られてしまっていたベイン。彼女が気づいた時には砕いた鈴の右腕の肘から蒼白い光が既に鈴の腕一本分ほど伸びていた。本能があの光は危険だと訴えかける。しかし触れた拳と拳はぴったりとくっついて離れない!

「やられっぱなしじゃとーさんに怒られちゃうからな……その腕、もらうぞ!!」

パイルバンカーのように肘から伸びた蒼白く光る気の杭が撃ち込まれる!
849 :綾&レラ/ゼオラ&ベイン ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/07/22(水) 01:37:20.15 ID:PKyB5jazo
>>848
『ハッハッ! 流石に考えがなさすぎるぜ!
 俺は確かに戦術に疎い、だがなこの程度の力で解決できるほど甘くねェ!
 異形だらけの地獄で俺が俺であったのは相応の力を付けたからだ!
 その力っつーモンは決してパワーだけじゃねェ……知恵や覚悟がお前にあるかって話だッ!!』
鈴の渾身の突きを正面から迎え撃つ拳。
本来なら拳と突きの正面衝突では鈴に不利がある筈だ。
しかし、その優位関係が崩れて拮抗し、ベインの拳を焼きつつあるのに気付くだろう。
一切の防御を持たず、敢えてそのパワーのみで迎え撃った褐色の肌が灼けるような音を響かせる。
それでなお、押してくるのは二人の筋力の違いだった……が、閃光、そして爆発。
ぶつかり合った拳諸共、鈴の気を発散させた攻撃で強制的に引きはがされた。
『ヤルじゃねェか……覚悟はあるな』
巻き起こる靄の中にかち合わせていた左腕を抑えるベインの姿が見える。
気の発散に気での対処をしなかったのであれば、そのダメージは甚大だとは容易に想像できるだろう。


鈴の目の前、霞む靄の中で飛来した異物が足元に落ちる。
その方向を見れば近距離で肉薄するゼオラとレラの姿が目に見えるだろう。
勝負は決した。そう言わんばかりの光景。膝をついて項垂れるレラとそれを見下ろすゼオラ。
微かに離れた綾は脚を討たれたのか鞘を柱にして呻きを漏らす。
レラはベインと同じように、負傷したのだろう肩を抑えていた……が、そのシルエットに違和感があった。
抑える左手。本来ならば充てられるはずの右腕が、ゼオラの手にする大鎌によって切り取られていた。その切れ端が足元に落ちてきたのだ。
「クソが……仮にも二対一だぞ……!」
自慢のブーツすら破壊され、いまではただの重りにしかならず、最早すべての望みを断ち切られた状態のレラ。
口端から滲み出た怒りと不満は、靄の中からでもよく聞こえた。
850 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage saga]:2015/07/24(金) 10:13:35.19 ID:R7vd8XkCo
>>849
「どうした?笑ってみせろよ、片腕がバカになったのはおたがいさまだ。
まだ反対の腕だって両脚だってのこってる……相手を倒すにはまだまだおつりが出るくらい十分な武器を、お前はまだもってるはずだぜ?」

だらりと垂れ下がる右腕からは赤い雫が滴り落ち、白かった袖はまたたく間に赤く染まる。袖の内側が大変な事になっているのは明らかだ。しかしその腕を押さえる事もなく、白い歯を見せつけるように挑発的に笑う。

「っ!?」

視界の端に映る物体。利き腕を砕かれてなお曇ることのなかった鈴の顔に異なる色が差した。
保健の先生であれば腕をつなぎ直すくらいのことはできそうなものだが、それでもさすがに早くしないとダメになりそうだ。そう考えた鈴は左手に竹串を二本取り出し後ろ手に構える。

「悪いな、そろそろ終わりにしようぜ」

その瞳には消えることのない闘志の炎を揺らめかせながら、微笑みかけた。
851 :綾&レラ/ゼオラ&ベイン ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/07/24(金) 22:00:32.34 ID:r6tpagLjo
>>850
『ハッ……こんな面白ェヤツ、笑わずに居られるかよォ。
 やっぱお前は最高だな……俺も今、終わらせようと思っていたところだ!』
煙の中から楽しげな笑い声が響いたと思えば漆黒の渦が巻き上がり砂の靄を弾き飛ばす。
真夏の熱が露ほどの物に感じられる大火。地獄の業火と呼ぶに相応しい漆黒が彼女を包んだ。
鈴と突き合った腕は気の爆発を受け、炎の中でも痛々しい傷跡が垣間見える。
靄が晴れて顕になった褐色にはいくつもの傷。
ノーガードで受けた渾身の一撃に腕は愚か身体まで刻まれていて。
しかし、それでいて、鬼は笑う。
『この痛み、苦しみ……これが動いてる、戦ってるってことだよなァ!!』
足元から漆黒の業火を巻き上がらせ纏う女。
ごうと燃え盛る音の中からでも聞こえる声は彼女の言葉が真であることを物語っていた。


何を言う訳でもない。見つめあう二人。
膝を落として見上げるレラと、相も変わらず空虚に見下ろすゼオラ。
方や荒れる息を吐き、息を詰まらせれば血反吐を落とす。
それを見つめる空虚はブレも無く。肩ひとつ震わせずただ瞳を瞬かせるだけであった。
黒衣に包まれた白くか細い手が伸びて、青い髪に手を落とす。
見つめあう二人は微動だにせず、それを受け入れ、受け入れさせて。
さらに数秒。微かに力を込めて手を横に払えば、レラの身体はゆっくりと地面に落ちていった。

そして振り返る。
虚と無の瞳が交わされる。
動けない綾を見据えたゼオラは余裕に溢れたゆっくりとした足取りで迫っていく。
852 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage saga]:2015/07/25(土) 21:59:03.20 ID:Lme6sa+jo
>>851
「まったく、色々とあつくるしいヤツだなァ!」

蒼白く光る風が竹串を包むようにゆっくりと渦巻く。

「そうだな……もがいてあがいて……それが生きるってことなんだろうな……!」

竹串を包む風は次第に速さを増し、やがて蒼白く燃え盛る炎の渦へと姿を変え鈴の腕を包む。ゆっくりと鈴の周りを回るように優しい風が吹く。

「くらいつき、穿つ、龍の牙……それが俺のとっておきだ……」

後ろに引いていた左手をベインの方へ向け、そう言い放つとその手を真っ直ぐに引き絞る。
853 :綾&レラ/ゼオラ&ベイン ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/07/26(日) 22:38:15.39 ID:+GTN90gJo
>>852
『この熱さ、この炎こそが俺の誇りだ!』
鈴に向かって吠えるとさらに出力を上げ、逆巻く黒い炎。
さらに両手からも渦巻かせ、3つの螺旋を纏い構える。
『もうヤケドじゃ済まねぇ……灰になりなッ!!』
身を屈め、牙を向いた黒鬼がグルルと唸る。
そして飛び出せば、大気を、地を焦がしながら鈴へと突進する!
854 :霜月 ◆f7JK9RIN.g [sage saga]:2015/07/27(月) 18:59:50.13 ID:xVpinLKDo
>>853
「スウウ……コアアアア……」

独特の呼吸をしながら気を練る鈴。
その視線の先、鬼は黒い炎を両腕にまとう。
必殺の気功パイルバンカーを確実に決めた筈なのに気合と根性と見栄か、それとも鈍すぎるのか、それとも……
それに対してまるで感覚がなく動かない自分の右腕、これに関しては敗北を認めなくてはなるまい。だが、最終的には負けるつもりは皆無だ。

「手加減なしのフルパワーだっ!死ぬなよ?穿っ……!龍っ……!牙ああああっ!!」

鈴の周りを優しく回っていた蒼く光る風はその円を広げ、風速を増しながら荒れ狂う竜巻へと姿を変える。
鈴の左腕を包み燃え盛る蒼い炎の渦はさらに激しさを増し、ベインが飛ぶのに合わせて鈴が気合いとともに左腕を突き出せば巨大な青龍となってベインを噛み砕き飲み込まんとその大きな顎を開き襲いかかる!
855 :綾&レラ/ゼオラ&ベイン ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/07/28(火) 00:19:39.84 ID:4fdqw72eo
>>854
『流石に俺も、本気だぜ!』
両手に荒ぶる炎を従えたベインが吼える。
一挙手一投足に漆黒が跳ねまわり、巡り、焼くさまは体現する地獄。
ベインの纏う漆黒から放たれる炎……ゼオラから肉体と共に一時的に与えられた闇の力。
復讐、憤怒、執念、嫉妬の黒。闇を元とした心の力からなる邪悪な気。
常人ならば毛針の先ほど触れただけでも狂い壊れそうな底深い闇、その一端を纏っていた。

『ごおおおぉぉぉ……ッ……フンッ!!』

荒く巻き起こる龍へと姿を変える竜巻。
蒼い炎の龍の渦が牙を向き地獄のへと踏み入った。
いくら屈強な体躯と言えど人の範疇。鈴の視界は瞬く間に蒼に染まる。
が、黒と蒼とが衝突の瞬間に前進する勢いが止み、龍の進撃は滞る。
黒を纏うベインは龍を受け止めようとしたのではなく、突破しようとしていた。
渦巻く螺旋の漆黒を纏った腕で牙を剥いた龍の両顎を掴み押し広げ対抗していた。
顎を抑える掌には蒼い牙が深々と突き刺さり褐色の肌を焼いていく。
その痛みが、熱が、漆黒の火力となって龍に対抗する力を与える。

気合の体現。蒼と黒の渦の中で彼女の叫び声が聞こえる。
顎を押し留めていた黒点がジリと微かに進む、退け始める。
闇は深く黒は暗く炎は強く。全身全霊を掛けた、正に全力が蒼き渦を、払った。

『ッ……』

龍の顎を裂き蒼を渦に戻した漆黒もまた、立ち消える。
鈴の僅か手前。力の全てを使い果たしたベインがそこに立ち尽くす。燃え尽きていた。
856 : ◆f7JK9RIN.g :2015/08/28(金) 13:59:37.19 ID:gk6k5bUNo
>>855
「はああああっ・・・・・・はっ!」

避けることなく真正面から突っ込んできた鬼に深々と牙を突き立てる蒼龍。
鈴は決着をつけようと気合を入れることで更に龍に力を乗せながら、龍の顎を閉じさせようと、開いていた左の手のひらをぐっと握り締めた。

「っ……!」

刹那、蒼龍は霧散し、行き場を失った力が突風となって吹き荒れる。反射的に防御姿勢を取る鈴と不動のベイン。

「…………勝った……のか……い゛っ!」

すぐに構え直した鈴だったがベインの炎が消えていることに気付き、また、ベインが動かなかったのではなく動けなかったことを知り腕を下ろした。砕かれた右腕も急に主張を始める。
857 :綾&レラ/ゼオラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/09/04(金) 23:58:27.72 ID:G4ds6Wgqo
>>856
力を失ったベイン――――
今はもう彼女ですらない、闇の塊に戻ってしまったものが倒れていく。
ゆっくりと、闇に溶けながら。その背が地面に付く前には全てが消えてしまっていた。

方や、綾とレラ達は劣勢。
もう勝負はついているのかもしれない。
ゼオラを挟むように立つ二人だったが、何れもが傷を追い方で息をする。
その反面、ゼオラは一切の乱れすら見せず、歩む動作には余裕すら見える。
「今に見ていろ……!」
背を睨むレラ。無事な左腕を杖にして身体を起こす。
レラと視線を交わせばその瞳が脚を進まぬよう。警戒するようと告げているのがわかるだろう。
858 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/09/06(日) 20:48:24.21 ID:gziGqaZRo
>>857
「まだだ、まだ終わってないぞあたし……」

痛みで飛びそうになる意識を必死に引き止め、腕を押さえながら小声で自分に言い聞かせる。ちょっとだけ涙目。

「くそお、待ってろよ……あうっ……ぐ……ふう……」

よろよろとゼオラの方からは死角になっている入り口のところまで行くと壁に背を預けずり落ちるように座る。
ゼオラたちの様子を物陰から伺いつつひどい状態の腕を歯を食いしばりながらはめ直し、保健室からちゃっかり頂いてきたルーン包帯を巻きつける。
859 :綾&レラ/ゼオラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/09/07(月) 00:31:20.20 ID:mD1Pmv1go
>>858
「今に見ていろ……」
苦し気ながらも不敵な笑みを浮かべるレラ。
血反吐を吐きながら身体を起こすと無事な腕を掲げて声を張り上げた!
「三年前に受けた痛み……忘れはせんぞ!!」

――――シュゴッ!!

火薬の燻る匂いがする。屋上にぽつんと置かれたオブジェクトが火花を散らし始めた。
それは先ほどまで鈴の足元にあったレラの左腕に他ならず。
一層の火花を巻き上げると漆黒の少女の背中へと目がけ飛び出した!
「ゼオラァッ!!!」
直後、爆発音。
微かに直前、振り返るゼオラの姿が見えたが直撃は免れなかっただろう。
爆風に紛れて微かに見えるレラの右腕。金属質な接合部と千切れたコード。
レラの右腕は機械製―――義手であった。
860 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/09/07(月) 21:54:40.64 ID:hK2itTjso
>>859
「ふう……さあ、いくか。ん?」

独特の呼吸法で気を練り直し、三人の様子を伺いそろそろ飛び出そうとしたところで拾ってくるのを忘れたレラの腕の異音に気づく。

「ろ、ロケットパンチ!?」
861 :綾&レラ/ゼオラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/09/10(木) 02:12:02.43 ID:7GUN36Iuo
>>860
屋上一帯に広まる火薬の臭いが鼻を擽る。
弾け飛んで散らばっていく鉄くずから顔を左腕で受けながらも、その下の瞳は満足げに笑うのだった。
しかしながら、それと同時にポーチからは小型の機械が飛び出していき、欠損した右腕に集結していく。
不敵な口元は、爆風の中で鼓動を強めていく闇を確かに感じ取っていた。

刹那、黒い旋風が吹き荒れる。
爆風の中心地から立ち上ったそれは瞬く間に周囲の空気を塗り替えた。
それはまるで深海の様な、孤独の様な、悲しみのような、とてつもなく深い闇。
平常時でも息が詰まるような重い空気が辺りに流れる……ゼオラが感じさせた『悲哀』の心がより強く、濃く、深く、黒くなっていた。

それとは別に、もう一つ、鋭い意志も感じさせる。
直行的な攻撃性。暴力的な攻撃性。衝動的な攻撃性。この感覚はゼオラの怒りだ。
闇の渦の中心から肌を貫こうとするほど差し込まれてくる殺意。
初め、無でしかなかった少女と同じとは思えないほどの、凶暴性。
862 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2015/09/12(土) 14:37:18.72 ID:6yxiA+Oyo
>>861
「なんだ、感情が出てきたみたいだな」

肌を刺すゼオラの感情。ひとりごつ鈴は壁にもたれて座ったまま面白そうに笑う。
普段は勢いに飲まれがちな鈴であるが、その口元にはひとたび戦闘態勢に入れば気圧されることは無い。そんな力強さがあった。
863 :綾&レラ/ゼオラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/09/23(水) 17:08:06.55 ID:UOY2iPS1o
>>862
怒り、悲しみ。確かに、ゼオラから溢れ出てくるものは人間の感情。
しかしながら、それらは、ゼオラの物ではないようにも感じられた。
一体どれだけの人間の分を兼ねているのか、得体のしれない強い感情。
渦巻く怒りと悲しみの中央で、それを操る少女は飽くまでも無を貫いていた。
まるで台風の目であるかのように。激情の中の一点として、少女は存在していた。

怒りによって豪勢さを増した闇が踊り狂うように跳ねまわる、
蔦状の闇が3本、綾に襲い掛かっていく。
屋上を飛び回り蔦を避けながら突き出した刀で一本を刻む。
切り取られた先端は霧散して消えるが、蔦そのものに減勢はみられない。

その一方で、ゼオラは飽くまでもレラに執着しているのか、二人には見向きもしない。
闇より作り出した刃―――<曲刀>と<細剣>を構えると蔦の攻撃に紛れてレラへと飛び出す。
左と正面から来た蔦を交わし、次いで右から襲ってきた蔦を切り裂くレラ。
次第に闇に取り囲まれつつある屋上で、レラの右手にある物がキラリと光に反射した。
刃だ。小型のレーザーを照射していた機械が集合体となって、巨大な鋏として右腕に取り付いていた。
864 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/09/29(火) 11:05:33.84 ID:LnuxP1hHo
>>863
「よう、大丈夫か?……つはあ……なんかすごいな」

背後から綾に向けられた蔦の一本を左手で掴むと気を流し込み消滅させた。一本消したところでそれがどうしたと言わんばかりの様子に苦笑いを浮かべた。
865 :綾&レラ/ゼオラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/10/12(月) 22:09:12.92 ID:Ut95eHqmo
>>864
再び迫る蔓を身長以上の刃を振るい切り裂いていく。
振るう済ん館の見えぬ居合を駆使して迫る闇を退けていたが終わりは見えそうになく。

「……っ」
再び鈴と合流すると一息つく。
距離が離れると蔓の勢いはさすがに弱まり、こうやって息を吐く暇もできた。
しかし、次の瞬間、蔓の中心点となっていた闇が一気に溢れ流れ出る。
迫るそれらを人たちで切り伏せる綾。闇の進行は収まったが、狙いは攻撃ではなかったようだ。
晴れた闇の中心点にはゼオラと、蔓に四肢を取られて吊し上げられたレラの姿があった。
お互い声を発さずに、ただ見つめあうだけ。
機械の取り付いていた右腕が唸り変形し、右腕の蔦を切り裂いた。
そしてさらに形を変え、露わした銃口をゼオラに向けようとした瞬間、漆黒の蔦がレラの身体を振って空へと投げ出した。
完全に無防備のレラへと飛び上がって迫るゼオラ。漆黒のメリージェーンを突き出して屋上から外へと叩き落とした。
「……ばいばい」
866 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2015/10/13(火) 14:19:48.01 ID:XXDDE/6mo
>>865
「まったく……こうなったらまとめてふっ飛ばしてやる……リョウ、ちょっとおねがい」

綾と合流するも蔦の勢いは衰えることを知らない。気を溜めてまとめて消し飛ばそうと鈴は呼吸に集中する。が、

「レラあっ!」

屋上から投げ出されるレラを助けようと身体が勝手に動いていた。
867 :綾/ゼオラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/10/13(火) 22:20:19.86 ID:7OQexNMho
>>866
鈴が呼吸を整える間、綾が一歩前に進む。
刃を駆使して闇色の植物を切り裂いていくが、その終わりは見えず。
丁度鈴の呼吸が整うと同時に、ゼオラの纏っていた闇が晴れ、蔦の隆盛も収まったと思えば、捉えられたレラの姿が露わになって、躊躇なく投げ捨てられた。
余りに一瞬の出来事に、距離を取っていた二人には介入の余地すらなく、別れの言葉と共に放たれた蹴りにて屋上の柵を越えていく。
闇に充てるはずだった気力を踏み出し、鈴が飛び込むも、蹴りから翻ったゼオラと目が合えば―――

―――突如、沸き起こる闇。
ゼオラの影が何十倍にも広がり押し寄せる腕、腕、腕。
漆黒の腕が亡者の足掻きかの如く、鈴を掴もうと押し寄せる様子は津波の如く。
868 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2015/10/14(水) 00:23:13.56 ID:z/ylqBEwo
>>867
「くそっ……まだっ……!」

あと少しのところで届かない。折角溜めたひと呼吸を無駄にするまいともう一歩地面を蹴る脚に力を流すと思い切り踏み込む。

「よし……」

やった、これなら届く。そんな確信が鈴の表情を緩ませた瞬間、闇の腕の津波が横から鈴を飲み込んでいった!
869 :綾/ゼオラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/10/14(水) 01:41:55.54 ID:OacTwxbVo
>>868
伸ばした指先に気付き空を仰ぐレラも手を伸ばす。
二人の手が触れ合い、か細い左腕が鈴の手に収まろうとしたとき、無常にも闇が横切り手を弾く。
次の瞬間には視界全てを覆われ闇が過ぎ去ったころには既に視界の空に少女の姿は無かった。

同時に、闇を手繰る少女の姿も見えない。
腕が襲い掛かると思いきや、肌を撫ですれ違うだけで何もなく過ぎ去って行ってしまう。
数多の腕の狙いは鈴ではなく、綾だった。
刀を使い蔦を切り裂くことはできても、波の如く押し寄せる無数の腕は斬っても勢いを留めることはできず。
鈴と孤立した今、綾単体ではこの雪崩を受け止める術はなかった。
870 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2015/10/15(木) 12:47:50.55 ID:Q0enSf4Vo
>>869
「ぶわっ!?」

闇に飲み込まれすべての視界を奪われる。レラの腕は闇に弾かれ掴めない。落とされそうなレラに思い切り飛びつきに行った鈴を出迎えたのは

「う゛っ!」

フェンスである。レラをつかむことに頭がいっぱいでしかも最後は闇で視界が奪われていた鈴は腹をフェンスにぶつけ、フェンスを越えるには至らなかったものの、内側にズルズルと落ちて腹を押さえている。

「く、くそお……よくもやったな……っ!」

ちょっと涙目になりながら過ぎ去っていった闇の方を恨めしげに見る。綾が危ない。が、動けない。
871 :綾/ゼオラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/10/18(日) 02:46:40.02 ID:qUpcCL0Co
>>870

綾の視界すべてをふさぐ闇。
鈴の方からも津波のように襲っていくそれに阻まれてお互いの姿は見えなくなっていた。
闇が雪崩れ、なすすべなく飲み込まれていく綾。

鈴が次に目にしたのは雪崩を捉えた後、武器を交える二人の姿だった。
影から闇を生み出し大鎌を形どらせ、薙ぎ払うように振るうゼオラ。
居合の一太刀が大鎌を退けるが、無数に迫る闇の拳が代わりに迫る。
屋上を跳んで逃げ回り、拳を避ければ再びゼオラが大鎌を向けて。
右から迫るその刃。居合の間合いより既に近く。咄嗟の蹴りで叩き落とす。
難なく落とされる大鎌、しかしそれすらフェイクで、煙が視界を覆ってしまうとゼオラが飛び込んできて。
蹴りのあとの不安定な体制。避けるすべはすでになく。

切り裂かれるか、貫かれるか。
覚悟を決めたその一瞬。とん。と身体に小さく衝撃が走る。

「……えっ」
押された。
そう認識した瞬間にはすでに遅く、ゼオラの作り出した闇の沼へと落ちて、消えた。
872 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2015/10/19(月) 13:59:30.90 ID:dmVecCZFo
>>871
「くそっ……!」

屋上の外へ弾きだされたレラも心配だがお得意の機械できっと何とかしてくれるだろう、してくれと鈴は息も整わないままに腹を押さえながら綾の方へゆっくりと走り出す。

「だああああ……つああああっ!」

嫌な予感に煽られるままに真っ白な頭で叫びながら綾の飲まれた闇へと左手を伸ばしながら飛び込む。
呼吸がまともにできない状態で気功がろくに練ることはできない鈴はまとわりつく闇を弾くことができない!

873 :綾/ゼオラ ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/10/19(月) 21:10:17.97 ID:yAYcHS/Do
>>872
バランスの崩れた身体を小さな手でトンと押されただけでキレイに身体が傾いていく。
地面にはとうに背が付いてもいいはずだったのに、それより深く潜り込んでいく。
屋上の床をすり抜ける。その下の教室に落ちるだけではなさそうだ。
落ちていく先は闇、一寸の異色もない冥暗漆黒が広がるばかりだった。
「あ……」
ここを堕ちれば、どうなるのだろう。ふと、綾は考えていた。
行きつく先があるのか、ずっと落ちていくだけなのか。そんなことすらわからなくて。
ただ、今見えている光を失ってしまったらもう二度と戻れない……そんな気がしていた。

刀を、失ってしまっていた。
押し出された拍子に落としてしまったのだろう。
ついいつ差し込む光すら埋め尽くすほどの闇がゼオラから広がる。その手には落とした刀が握られていた。
自分がもうどれくらい堕ちいて行ったのかわからない。最早この声も、届くかないだろう。
「鈴、気を付けて……!」


『あなたは、通さない』
綾を呑み込んだ沼から大量の闇が噴き出し再び周囲を覆い視界を奪っていく。
気を練る間もなく飛び出した鈴を待ち構えるように暗黒の腕が飛び出してくる。
万全ならばただの霧に過ぎないはずの闇が足を取り身体を邪魔してくる。
もがきながらもたどり着いた、沼の目前、突如視界に入り込んだ純白の一閃が鈴の腹部に響いた。
それではじき出されてしまえば、閉じていく沼に間に合うことは無く、役目は終わったと言わんばかりに霧も晴れ。
残ったのは漆黒の少女。それと、少女の手にしている純白―――綾の刀だけだった。
874 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2015/10/20(火) 21:18:10.27 ID:+aX1WVgfo
>>873
「くあっ!ジャマだっ……!」

闇の腕に足をつかまれ転ばされる。しかしすぐに起き上がり足をつかまれたまま強引に進む。そうはさせまいと身体をつかむ腕はどんどんと増えるが執念で進む鈴の歩みは止まらない。

「っ!」

直感で何か来ると気付くも、既に蜘蛛の巣に捕らえられた蝶のようにもがく程に全身をがんじがらめにされた鈴は続いて視界に入った一閃をさばくことはできない。咄嗟に腹に力を入れるくらいしかできず、その身体は宙を舞った。

「っぐ!」
875 :ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/10/21(水) 01:53:50.69 ID:fvZ7BV/0o
>>874

弾き飛ばされた鈴。
地面へと落ちるその最中で、潜まる沼、閉じていく闇―――
―――その中に消えゆく親友の姿が見えた。


「悲哀……憤怒……嫌悪。
 憎悪……怨恨……恐怖……絶望?」


無音のようで響いてくる。
語りかけてくるのは他でもない黒の少女。
悲しみを煽り怒りを誘い、嫌悪を抱き憎悪を沸かせ、怨恨を生み恐怖を感じさせ、絶望に浸らせる闇。
全ての否定を綯交ぜにした心の闇。魂の黒こそがゼオラ=アドヴァルドという存在だった。
876 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2015/10/22(木) 09:03:33.24 ID:PNwffwe8o
>>875
「こんの……っ」

空中でとんぼ返り、着地から2回ほど軽く跳んだあたりで勢いが消えて止まる。

「……すぅー……はぁー……すぅー……うるさーい!厨二病こじらせてんじゃねえぞっ!まったく!」

左手で押さえながらゆっくりと大きく腹式呼吸をして打ったり殴られたりした腹の調子を整える。そして最後に大きく息を吸い込むと殴りつけるような大声で独特の響き方をしていたレラの声を上書きする。

「リョウは返してもらうぞ!」
877 :ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/10/27(火) 21:19:35.46 ID:CKH7xNMho
>>876
「返す……どうやって……?」
白の刀の鞘を突き立て見つめていた。
綾の父親の形見のそれを品定めするように一瞬だけ目を細め。
刀を掴んでいた手を離すと、影が広がりまた沼のように揺らぎ飲み込んでいく。
純白の輝きが漆黒に包まれていく様子を見届ければ、やっと鈴へと視線を戻す。

「迎えに……行く……? ……死の、世界に」
878 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2015/10/29(木) 01:12:01.42 ID:ebCic3yco
>>877
「お前をぶっとばして言うこと聞かせるんだよ!」

左手でゼオラを指差しながらなかなかとんでもない発言。呼吸も整ってきたようでゼオラの方へ歩き始めた鈴を蒼白く光るもやのようなものが包み始める。

「どこだって行ってやるさ……リョウになんかあってみろ、地獄の底までおいかけてその首叩き落してやる。ん?」

少しキャラに合わないセリフをあまり鈴らしくない研ぎ澄まされた日本刀のような冷たく鋭い殺気とともに言い放つもなんか思ったよりブッソーなコト言ったかな?と一瞬不思議そうな顔をした鈴。
鈴は歩き始めてから徐々に進む速度を上げており、ゼオラが視線を戻した時には殆ど鈴の踏み込みの間合いに入っていた。

879 :ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/11/01(日) 02:39:08.68 ID:WdnhL1nPo
>>878
白の刀を落とし終えて振り返る。
既に迫っていた鈴を見つめゼオラは……溜息を吐いた。
表情こそ変わらないものの、目を閉じて首を振る仕草には気だるさが。
「……ばーか」
そして小さく開かれて向けられた言葉には嘲笑が混じっていた。
880 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2015/11/01(日) 16:55:07.74 ID:mdE/cEuto
>>879
「はあっ!」

鍛錬により徹底的に予備動作を消し去った無駄のない突き。左手で突いたとわかった時には既に拳が当たる直前の所に在った。更にはその突きに当ろうがさばこうが渾身の右の突きが放たれている。女の子だろうと遠慮なく顔面にいった。
881 :ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/11/01(日) 19:19:53.24 ID:WdnhL1nPo
>>880
「ちッ……」
左手の突きを首を振って交わす。
ゼオラの反応があと一瞬遅かったなら目を一つ。失っていただろう。
気の込められた拳は肌を切り裂き、一筋の血の跡を作った。
続く連撃には闇の気が込められた左手が鈴の拳を難なく弾く。
一目瞭然、ベインよりもパワーでは劣っていたが、明々白々、闇によって拳を妨げる力は圧倒的だった。

瞬間的に闇の力を放出させ、不可侵の壁を作る。
距離を取って左手を伸ばし、鈴を見つめる少女の姿は異様であった。
「ッたァ、頭回せッて言われねェか、お前。
 平和ボケでもしてンのかァ? 若しくはただの馬鹿か、お前?」
攻撃的な意志を全面に突き出してきた少女。
不動だった口元は歪に曲がり、無を貫いていた瞳は爛々と輝く。
向けられた指先には漆黒の炎が渦巻き、闇と熱とが揺らめいていた。
882 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2015/11/02(月) 22:05:30.89 ID:rpdHJJy1o
>>881
「ただのバカ、ねえ。うっかりぶん殴られそーになったヤツのセリフじゃないな」

あと一瞬遅ければ目を一つ、失っていた。そんな焦燥感をゼオラに与え、その肌に一筋の血の跡を作った鈴の一撃。
 それだけのことをやってくれたからには、当然その身は蒼白い淡い光に包まれているものと信じて疑わなかったゼオラであったがしかし、彼女の瞳に映った鈴の姿は白い道衣の右袖と包帯を闇で少し焦がしただけで、ただの打撃でゼオラの頬に傷をつけたということを示していた。

「お前、キャラブレてねーか?まあ、平和ボケもバカなのも否定はしないけどなっ!」

距離を取らせまいと離れようとするゼオラの動きに即座に反応して追う。放たれた闇の壁には蒼白く光りながら右脚で前蹴りを放つ。
883 :ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/11/02(月) 22:40:50.27 ID:EYl9Fus7o
>>882
「ただの拳が俺様に効くと思ってんのかよ、なァ?」
肌を切り裂く瞬足の一撃。
鮮血を拳で拭い紅く濡れた甲を見ながら吐いた言葉は落胆の色を持っていて。
あとから闇が傷を覆えばたちまち塞がって元通りになってしまう。
「平和ボケじャア済まねェぞ。
 アッチのボッとしてる方殺せばマシになると思ッたんだがなァ。
 目の前で皮剥がれなきャわかんねェのかよ……ッと」
一度は興味すべてを失った瞳がまた灯り始める。
すんすんと鼻を鳴らせば、ニタリと好色の笑みを浮かべる。
「お前、いいカラダしてるじゃねェか」
走り出した鈴を見つめるゼオラ。
ポーズは相変わらずで、避けるどころか防ぐ姿勢すら見えない。
今度こそ気を纏った脚が迫る。差し出した手に触れた瞬間……溶けるように少女の身体は消えていく。
伸ばされた手と脚。その陰が交わる時。水路を泳ぐ魚のように影を塗って迫るゼオラ。
地面の影から鈴の軸足に及ぶ影へと渡り、瞬く間に背後に忍び。
「喰わせてくれよ?」
耳元で囁き、遠慮なしに牙を立てる。
884 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2015/11/04(水) 23:51:13.55 ID:lP9Q9rk7o
>>883
「ああ、効くさ。
それからリョウはそんな簡単に死んだりしねーよ、俺の背中を守ってくれるって約束だからな……ってなにいってんだお前」

足先に光を集中させた蹴りは闇の壁をあっさり破る。

「つっ!?」

あまりに抵抗も何もなかったためにつんのめってよろける。セクハラ発言にジト目になってた顔も驚いた表情に変わったところでするりと背後を取られた。

「ひとつ忠告しといてやるよ、空手やってるヤツの背後とるのは自殺行為だぜ?特に密着なんてのはな」

振り向かず、自信に満ちた様子でゼオラに警告してやる鈴。実際鈴の空手は背後を取られた場合など想定済みだ。

「それにな、俺の背中はリョウが守ってくれるんだよ」

しかしあえて鈴は動かなかった
885 :ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/11/05(木) 00:20:15.08 ID:mZDVu4rro
>>884

大きな、大きなため息。
驚きすら含まれたゼオラの吐息が真後ろから聞こえてくる。
「だからよォ……俺様が殺したッてンだよ。
 ハッキリ言わんなきャワカんネェのか。
 ノーテンキで平和ボケだなお前……ホント、」
噛むことを一旦止め、鈴におぶさるかのように肩に腕を乗せる。
余裕にあふれ影るのは同じ、しかし今は、少女の重さも気配も、しっかりと感じられる。
饒舌、で軟派にして凶暴。無であった数刻前とは別人であるかのように。その証明として、突如牙を剥き出しにする。
「ウザッテェ。やっぱ噛みちぎるわ」
指に力が込められる。
鋭く尖った指先が食い込み爪痕を残し、狙いを定め牙が触れようとする。

その寸前まで綾を待ち続けて抵抗をしないのだろう。
それを良しとして時間を掛けていたゼオラだが、結果として仇となった。
空が、陽を落とす。二人の上空から大きな影が、落とされている。
その陰から一つ。結晶を閉じ込めた瓶が二人目がけて落ちてきた。
何かを察知した。それが何であるかを知っていたのか、ゼオラは破裂の瞬間に鈴の背中を蹴り飛ばし離脱する。
その僅か一瞬、瓶から解き放たれた結晶は瞬く間に周囲の空気を凍り付かせる。それは見境なく、鈴すらも。
さらに次、冷気に紛れて落ちてきた一筋の閃光―――電撃を纏う落雷にも思えるそれ―――が、氷結した床を砕いた。
『すまないね。
 キミの望み人でなくて……それと、荒療治で』
電撃で砕かれた氷塊が舞い散る。
上空を覆っていた巨大なシルエットが頭上を去っていくと、再び陽の光が差し込んできて。
無数に散らばる氷塊のプリズムをバックライトに、なおのこと輝く純白の衣、真紅の双眸。
886 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2015/11/07(土) 00:28:54.94 ID:ovjq5CXOo
>>885
「あーわっかんないね!だから言ってんだろ、お前なんかにリョウが殺せるもんかよ……」

後ろからでは表情の全ては見えない、しかしその口元には自信に満ちた笑み。

「っ……やってみやがれ」

しなやかに鍛えられた鈴の肉体。その肩に爪が食い込めば少し顔を歪めるも負けん気の強い笑みを崩すことはない。

「はぐっ!?おおっ!?」

しかし上からやってきた何かに気づいたゼオラに踏み台にされよろけたところに降ってくるヤバい何か。それは一瞬にして周囲を凍てつかせた。
冷気の霧に包まれ見えなくなってしまったがその中心に取り残された鈴は直撃を……

「ばっかやろー!なにすんだばか![ピーーー]気かばか!もっと心こめてあやまればか!」

受けてはいなかったようだ。気合で吹き飛ばされた霧の中には畳返しのように床板を跳ね上げてそれを盾にしていた鈴。怒りか、それとも寒さか重さに耐えているのか……その全身がぷるぷる震えている。
887 :ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/11/10(火) 00:28:23.66 ID:AzqLshdTo
>>886

『クソ野郎が……邪魔しやがって。
 その梳かした顔と細っこいカラダ……嫌いなんだよ、お前が』
「フフ……久しぶりだね、キミとは。
 しかし、笑いあう時間は……無いよ」
浮かべていた笑みが、真紅の拳を掲げると同時に消え失せる。
拳から電撃が走り、純白の周りを舞い散る無数の氷塊がその場に留まる。
陽の光で輝き、無限の色遣いを魅せる内の一つを、真紅の手が掠め取る。

「無数のプリズム、この全てを……!」
大振りのモーション。
電撃が溢れだす真紅のグローブから投げ出された氷塊は黒衣の少女へと一直線に吸い込まれていく。
その後は流れるように蹴りを打ち付けて、空中に留まった欠片を連射していく。
所詮は氷。ゼオラの打ち上げた漆黒の螺旋に阻まれて、たどり着く前に燃やし溶かされる。
「光から……目を逸らすな」
しかし、無数の輝きは囮に過ぎず。
紛れて背後に回ることこそが本命で。
闇で視界を覆われていたゼオラは反応出来ずに背中から蹴り飛ばされた!

「謝罪は後で行おう……今は、手伝ってくれ。この僕を」
888 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2015/11/10(火) 23:22:52.43 ID:8ngyXs++o
>>887
「なるほど、あんなもんでいいのか」

 床板を元に戻し、氷の欠片を払う鈴。第三者の立場では何をやったのかよくわかる。コーハクにしてはひねりの足りない戦法だななどと思いつつ、特に能力の乗っていない蹴りがゼオラの身体をふっとばす程度には効いていそうなのを確認。

「いいぜ、こいつは貸しだっ!」

返事をする頃には既にゼオラの飛んでくる方へ回り込んでいた鈴。その身を蒼白い気の炎が包む。

「ふっ!せえやっ!」

まとった気を爆発させるような踏み込み。床板を砕きながら、飛んでくるゼオラに向かって飛翔、当てる直前まで気で能力強化された全身で左右と二段蹴りを叩き込む!
889 :ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/11/15(日) 16:59:24.87 ID:jTFUZjD3o
>>888

『グッ…ぐあぁっ!!』
鈴の気の籠った蹴りでの追撃を受け、再び吹き飛ぶゼオラ。
鈍色の風を巻き起こし、空中で身体を翻し体勢を整えた。
『クソ共がッ、纏めて食い千切ってやる!』
首を振り二人を睨みつけ吐き捨てながら、気を練り上げる。
その主たるものは憤怒、憎悪、怨恨。『ゼオラ』という闇の半身が、その力を示していく。
空気を重く、暗くしていく。纏わりつくような怨念が、周囲を暗く染め上げていく。

「ッ!! ……鈴、後ろだッ!」
覆い尽くされた闇の中で白き声が響く。
闇を掛ける一筋の輝きのように、鈴の耳へと届けられた忠告。
増大した闇の中で、鈴自身の影が捻じ曲がり形を成していた。
大鎌を手にした闇の半身が、今まさにその凶刃を振り下ろさんとしていた。
890 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2015/11/16(月) 15:28:23.95 ID:tWHfp5sPo
>>889
「まだまだっ!」

手をついてしゃがむように着地するとそのままクラウチングスタートのように駆け出し、鈴はゼオラ本体の体勢が整いきらないうちに追撃をかける。

「そんな目くらましっ!」

駆ける足は止めない。気を込めた竹串を飛ばして二人を分断する闇を払い道を作りそのまま駆け抜ける!

「てやあっ!」

アルビノの言葉を聞いてダッシュの勢いを載せた飛び蹴りを決めようと踏み込む鈴。そうすることで背後の敵との距離を離しつつゼオラに一撃、そこから背後を確認するつもりであった。
しかし今回の敵は己の影。動けば動いただけ同時に移動する影である。高く飛んでいればその攻撃の上に脱出することもできたかもしれないが、頭の高さの変わらないような横の踏み込みでは影の動きを阻むことはできず、凶刃はそのままに振り下ろされる。

「あぐっ!」

ゼオラに届く直前で振り下ろされた刃に叩き落とされ、苦しそうに呻く鈴。その刃は2/3程まで深々と鈴の腕越しにその胸に突き刺さり、その体を屋上に釘付けにした――
そのようにゼオラとアルビノには見えただろう。

根本近くまで突き刺さっているかに見えた鎌、それはギリギリのところで直感が働いた鈴が咄嗟に腰のトンファーを持って気を込めたためにその刃を消し去られたためである。
鈴が苦しそうに呻いているのは叩きつけられて実際痛くて苦しいけど使わないと刺さるから必死で頑張って気功を使っているからである。
891 :ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/11/25(水) 01:04:14.17 ID:1q9Px++So
>>890

「鈴ッ!!」
闇の中で導となった竹串が作った視界。
そこに映し出されていたのは漆黒のシルエットと化したゼオラが刃を振り下ろす姿。
彼女の持つ刃、大鎌の姿に心は揺れ息を呑んだ。
死の象りともいえるゼオラが、自らの象徴とも取れる大鎌を手にしていたことが、信じられなかった。
この、意味のなく見える闘争はただの遊び、気まぐれ―――ゼオラにとっていつも通りのそれ―――だと思っていた。

言葉は交わさずとも理解できていたはずのゼオラの意図が、見えないことが不安を煽る。
もしや、今までは理解できたつもりだった。見えていた彼女の姿は全て虚―――――。

「――――だとしたら……?
 そういえば、綾の姿が見えないな……鈴、彼女はどこへ行った?」

気の力か、刃は到達してないようだ。
直接交えたこともある鈴の拳。それに込められた強い気の力が防いだのだろう。
本当にそれだけなのだろうか?
澄んだ心から練られた気。それを以ってしても彼女の全てを支え切れるとは思えない。
あの悲哀が、憎悪が、絶望が、虚ではないのが、僕が一番知っているのだから。

だとしたら。
彼女が死を意識させる理由が見当たらない。
解らない。ゼオラという闇の底までが見えるほど、強い光を持っていなかった。
解らない。闇の根底が、何を成そうと、何故振るおうと、何処に向かおうと、しているのか。
解らない。ゼオラ=アドヴァルドという少女が。彼女の抱える心が。心の根幹である闇が。
だとしても、だとしても、だとしても――――

 「『此処』でその刃を振るうことは―――僕が許さんッ!!」

咆哮と共に駈け出した動きは宛ら猛獣のようであった。
瞬く間に闇を縫い、駆け、凶刃ごと影を掻き消す紅き拳。
怒りの臨界へと達した主に呼応するかのように、或は、箍が外れて分け目なく。
眩く電撃は雷鳴の如く。吹雪く氷雪は霧氷の如く。そして、滾る烈火は紅蓮の如く。
闇の中でも衰えを感じさせずに爛々と輝く三色の光明は威光が如く、左手に宿っていた。

影が、闇が、抑えられていく。
光に押しのけられるかのように立ち退いていく闇達は、持ち主である少女のカラダへと戻る。
その主ごと集約された身体には、また表情という色味が消え去っていた。

「鈴だってそうだ綾だってそうだ、ライナー君だってそうだ。
 キミを疑いはしない。僕の友人を刃に掛ける理由を説明しろ」

無にも等しく囁かれた返答は雷鳴の嘶きに、霧氷の荒さに、紅蓮の盛りに、屋上の風に紛れて消えた。
その瞬間に左手の雷光が冷気を纏い真紅の軌跡を残しながら黒い身体穿った。
叩き付けられた身体に迫る、白い閃撃が撓り、幼く小さな身体を蹴り上げた。

「だったら――――!!」

未だ。止まりはしなかった。
振り上げた脚の勢いそのままに走る。
そこに理智や思考は無く、追いつき喰らうことのみを目的とした行動。
記憶なく放り込まれた現世に降り立ったか弱い少女。
後に英を手にし雄と呼ばれようとも、その原初は産声に等しかった。
暴れまわる本能こそが、己の野性こそが、少女が初めて手にした武器だったのだから。

容赦はない。
それが黒の少女と等しいかと言われれば違うと断言できる。
けれども、彼女の1以上の悪意が、今は純粋に許せなかった。

振り上げられた脚が紅蓮を纏いながら振り下ろされる。
それが鈴に対した凶刃であって、ゼオラに対しての凶刃。
白く端正な顔は澄ました顔で、さも当然、平然と打ち付けられた脚が、不自然な留まり方をして初めて、顔が歪む。

『何が起こってやがる……。
 何がどうなってんのか、説明しろ』
凶刃を腕で受け止めた青年、ラインハルト=アドヴァルドもまた、臨界寸前であった。
892 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2015/11/25(水) 01:33:13.15 ID:B0OOyOoJo
>>891
「げほっ!かふっ、ごほっ!ふう……あぶなかったぜ……」

闇の刃から開放されれば素早く身体を起こすも激しく咳き込む鈴、その額には汗が浮かぶ。笑ってはいるが、この霜月鈴という人間は苦しい時ほど笑う、そういう奴だ。
ベインとの闘いで負った怪我はルーン包帯と気功でかなり癒やされているものの、体力の消耗は激しい。

「かの……?リョウはあいつの能力につかまってるみたいだ。レラのヤツもさっき弾きとばされちまった。多分木か植え込みあたりにひっかかって死んじゃいないとは思うけど……あオイ!」

あれ?こいつリョウが女の子だって知ってたっけと疑問符を浮かべながら軽く状況を説明、呼吸を整え立ち上がる。と、アルビノが駆け出していった。


「ラインハルトさん!ムチャしちゃいけません!傷が……あーっ!」

ライナーを追いかけてきたであろう時雨。早速心配していた事態に思わず大きな声が出た。
893 :ラインハルト&ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/12/02(水) 00:26:07.71 ID:GTqN/2MHo
「キミ。早くにそこを退いてもらいたい。
 未だ、怒りを伝えるには、足りていないんだ」
叩き付けられるはずだった足を阻む、青年の腕越しに視線を送る。
駆け付けた時雨から見えるその瞳は氷のような悲哀と炎の様な憤怒を宿していた。
けれども、表情は何一つなく、唯々、悲哀と憤怒の感情のみが、伝わってくる。

「一時の感情のみで、僕の想いも知らずに。
 いや、それだけじゃない……キミは、何も知らない」
どちらからともなく、間を離す。
押し返した腕の力で跳ねるように、距離を置けば向かい合う。
「いくら叩いても、彼女に傷は付かない。
 その癖、彼女が付けた傷を、キミは、許せるのか」

相手が大きな傷を背負っていても、容赦をする気配は一切無かった。
一見冷静に見えても、その威には憎悪、挙動には嫌悪が隠されもせず込められていた。
獰猛さの中にも深い思慮。倒すべき相手なら倒す。ただそれだけの意志。

振りぬかれた脚を傷ついた身体で受ける青年。
「傷が付かずとも、許せなかろうとも!
 ゼオラは俺が護ってやらなきゃダメだろうが!」

「チッ、揃いも揃って理解し辛い兄妹だな……ん?」
一歩たりとも引こうとしない青年に、悪態をついて吐き捨てる。
ふと、視界の端の異変に気づき。さらに溜息を追加する。

「この暗がり、ゼオラか? 答えろ」
「……ちがう」
つい先ほどまでは、陽光が刺すほど降っていたはずの屋上が翳りを見せていた。
単に時間がたったのではない。雨雲に覆われたような、灰色一色に、気づけば様変わりしていた。
起き上がり、衣服をはたくゼオラはアルビノの元へと歩み寄りながら、返答を口にした。

灰色一色に包まれた外の景色が砕かれたように罅がはいる。
普通ではあり得ない景色、現象。そして、聞こえる声が、何かが始まろうとしていることを告げた。

 『お前達を……許さない、ころしてやる、絶対に……!!』
894 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2015/12/02(水) 21:27:08.28 ID:2A0QEadco
>>893
「おい金ピカ!甘やかすだけじゃなくてな!間違った時は正してやるのが兄のつとめ……って今度はなんだ?」

ライナーに任せてやるつもりだったらしく気をまとうのをやめていた鈴。ライナーの態度に一言言いかけたところで異変に気づいた
895 :ラインハルト&ゼオラ=アドヴァルド ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/12/02(水) 22:27:49.77 ID:GTqN/2MHo
>>894
「わかってる。
 この物騒な奴をどうにかするのが先だと思っただけだ」

アルビノを一瞥しながら、彼もまた歩み寄り、二人の前へ。

「何のつもりだ?
 よもや、僕まで護ろうなどと……」
「ヘッ、ただのついでだ。
 ちょっとは下がって、頭冷やしとけ」
「フッ、下らんな。
 そんなに背負いたければ彼女の分までしっかりと背負えよ?」

悪態を吐きながら異変を背に足を進める。
罅の先から怨嗟が響いていたが、彼女の足取りを崩すには至らない。
鈴の横まで移動すれば、労わるように優しく声を掛ける。
「悪いが、もう少しだけ付き合ってくれ」

言い終えると同時に、罅が『向こう側』から打ち破られる。
灰色の炎が流れ出てきて、押し出されるように『炎の核』が押し出されてきた。
『お前達を、許さない……! 
 私の未來を奪った、お前たちを!』
灰の翼を燃え滾らせる少女。
その瞳は強い怒りで、燃え上がっていた。
896 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2015/12/03(木) 00:07:40.80 ID:he9oJ4nBo
>>895
「やれやれだぜ、仕方ないな」

やれやれなどと言いながらニッと笑う鈴。まったく面倒感ややれやれ感といったものが皆無である。基本的に頼られると喜んで頑張ってしまう性質なのだ。

「で、今度はなんなんだ?あれ。幽霊やら鬼やらまったく退屈しないな」

とは言え流石に皮肉の一つも言いたくなったようだ

897 :ラインハルト&ゼオラ / 灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/12/03(木) 01:42:22.64 ID:tEWB0QVoo
>>896

「助かるよ、キミのその快い返事。言わせた側だが清々しくなる」

鈴の笑顔に気が晴れたのか微かに表情が明るむアルビノ。
仰々しく掲げられた真紅の手は、灰色の翼へと延びる。

「それについては……ゼオラ、詳しく聞かせてもらおう」
「後でね……」
「……後で聞けるだけ十分だ」

真紅の呼応するように反り返る刃を覗かせる漆黒。
先ほどまで向かい合っていた漆黒と純白。2対の双眸が灰色を睨んだ。

『う、ぅ、見つけたぞ、お前。
 今度こそ、許さない、今度こそ……うわあぁぁぁああ!!』

頭を抱え、独り言を呟いていたが突如叫びだし。
翼の燃え滾る灰色の炎の一部が弓矢のように降り注いできた。
難なく手を翳す。アルビノの能力の範囲内に包まれた鈴は無事だ。
ゼオラも闇を従えて、壁を立てることで炎を防いでいる。その横に青年の姿もある。
「宙に浮かれては届かない、か、正しく」
絶え間なく打ち出される炎。
下手に動かなければ身を焼くことは無いにしろ、好転するとも言い切れなくて。
異質な相手の一挙手一投足を見つめるアルビノの横で、ゼオラが一歩、脚を引かせた。
898 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2015/12/07(月) 00:25:50.73 ID:TtuGhOZBo
>>897
「なんなんだよあいつ……いきなりゴタイソーな登場してきたかと思ったら次の瞬間発狂とかイミわかんねーぞ……」

一応背中のトンファーを持ってガードできる体勢にはいっていた鈴だったがアルビノのバリアが効いてるのを見て手をおろした。
899 :ラインハルト&ゼオラ / 灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/12/16(水) 02:03:06.63 ID:JHQaA+8eo
>>898

闇の瘴気が作り出す防壁の内側で、少女の金色の瞳が灰色の核心を見つめていた。
鈴の隣でも同じように真紅の双眸が構え、やはり口元は硬く閉じられたまま。
「……やるよ」
炎の燃え盛る音のみが響いていた空間に、小さく渡ったのは黒の少女の声。
その声に耳を傾ければそこには三度凶刃を振るう姿……その先は彼の兄であるラインハルト=アドヴァルドの背中。
ルーン包帯に施されていた防護機能が展開されるが、少女の持つ闇の前にはただの布きれのように切り裂かれてしまう。
包帯の下には、背中を二分するほどに深々と残る漆黒の傷跡。
900 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2015/12/19(土) 08:58:58.90 ID:uUttNHx3o
>>899
「砂のゴーレムの次は……妖怪って流行ってるんですね」

入り口のドアは開けたまま壁に隠れてやり過ごした時雨はひとりごつ。しかしそういう問題ではない



「まあいい、俺はなにをてつだえばいいんだ?」

包帯や帯を締め直しながらアルビノに聞いた
901 :ラインハルト&ゼオラ / 灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/12/31(木) 13:11:17.16 ID:4iJctHrdo
>>900
少女の小さな呟きの後、切り裂かれた加護の包帯。
背後からの一撃に当の青年本人は何が起こっていたのか理解できずにいた。
ただ、加護の消えた傷跡が訴える激痛、あの時と同じ状況で、何が起こっていたのを思慮する推論は限りなく正解に近い。
「ゼオラ、お前……!」
判断を違えていたのは、その刃の殺意の有無。
振り返り、少女に真意を問おうとしたが、既に姿は見えなくて。
代わりにそこに存在したの黒く、どろりとした闇の塊が迫ってきて、傷口から侵入しようとしているのが見えた。

「恐らく、アレの狙いは僕とゼオラのみだろうね。
 巻き込む形になって済まないが、序だ。彼女達を回収してきて欲しい」
そういって示したのは初めに加勢に来ていた貴美とルニ。
「僕が注意を引き付ける。その間に上手にお願いしたい」
そういって即座。白く眩い閃光のように駈け出していく。
灰の翼をはためかせる、少女を模った炎の核は彼女ただ一人に狙いを定め灰の炎を打ち出した。
しかしながら、その激しさから来る余波が、鈴やライナーの元へと迫りつつあった。
アルビノの発生させてたオーラが消滅した影響で、身を護る術がない現状。
耐えがたい灼熱を目の前にして、闇に蝕まれていた青年が、吼えた。

闇そのものの産声とでも言うのが正しいか、歪な波紋。
苦しみから生まれたただの大声に過ぎないはずの叫びが闇を纏うことで炎を打ち払った。
「この、感じ……お前、ゼオラか……ッ!!」
ルーン包帯は切り裂かれ、そこに加護は既になく。
背中に開いた大口は黒い輝き放ち今も尚青年を蝕んでいた。
902 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2015/12/31(木) 15:01:29.73 ID:GdAGUcoco
>>901
「へへっ、りょーかいだ。ヘマすんなよ」

敵の動きを目で追いながらアルビノの話を聞き、駈け出したアルビノに敵が食いついた瞬間に反対方向へ飛び出す。

「シグレっ!(救助いけるか?)」

「はいっ!(大丈夫です私はこっちの綾さん?を運びますね!)」

「おい、大丈夫か?」

アイコンタクトで時雨に指示を出しルニに駆け寄ると軽くぺちぺちと頬を叩いてみる。

903 :ラインハルト&ゼオラ / 灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2015/12/31(木) 23:48:53.44 ID:4iJctHrdo
>>902
鈴が駆け寄ったルニは、屋上の鉄柵に強く頭を打ち付けているせいか意識を取り戻さない。
損傷も激しく、ぶつけたと思われる箇所からは血も流れていた。
その一方で、時雨が駆け付けると丁度貴美が意識を取り戻す。
「うン……鈴、さン?」
寝起きのように擦っていた目は、見知ったはずの顔への違和感を正す間もなく見開かれる。
全貌が見渡せる最後尾に居る二人からだと、景色がよく見えた。
空一面を覆う曇天。それが凝縮されたかのような灰色の少女の存在。
白い影を執拗に追い炎を吐き散らし、その余波でさえも多量の熱となっていた。
『いい、カゲンに…燃え、ろおおおぉっ!!!』
「ッ、アブなッ……!!」
また、狂ったように叫ぶ少女。
誰彼構わず。そんな勢いで炎を発生させる。
数多の火の粉の標的には、ルニを按ずる鈴さえも逃れては居らず。
降りかかる火の粉が目前というところで、視界を覆う一筋の闇が炎を消し去った。
青年が手を下すと、背後に暗黒の空間が浮かび上がり、無数の影が放たれていく。
それによって、全ての炎を打ち落とし安息を確保しているのだった。
それだけでない。空間から射出されるものには刃も含まれていた。
素材は青銅や銀。形状は斧から刀まで。古今東西のあらゆる武具が打ち出されていた。
彼が手を差し出すと、新たな暗黒が一つ、浮かび上がる。
そこから飛び出された他にない黄金の輝きを放つ刀が、迷いなく手に収まる。

暗黒の援護を受けながら突き進む純白。
放たれ地面に落ちた武器の数々を拾い上げ炎を打ち払いながら突き進む。
「キミの言葉を訴えとして受け取るには、材料が足りなすぎるんだ」
『うぅ…、らあぁっ!』
「理解できない!」
張り手のように打ち出された翼を、拾い上げた刀で流れるように切り裂いて。
その瞬間に投げ捨てて、さらに一歩踏み込んで、丁度突き刺さっていた両刃の槍を引き抜いて、飛びかかると同時に振り上げて、その胸元へと―――――


――――突き刺さなかった。

「キミ、は……あぐっ!?」
破れていない方の翼で叩かれて、地面に突きつけられる。
苦痛にゆがむ顔、その瞳が宿していたのは、疑念だった。
904 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2016/01/01(金) 13:33:33.09 ID:9hWyyJEco
>>903
「っ、ごめんなほったらかしで……」

駆け寄ってみれば思っていたよりひどい状態で思わず顔をしかめる。頬をたたきかけた手をそのままそっと首に当てて脈を見るもやはりよろしくないようだ。これ以上の衝撃をできるだけ頭に与えないようにしながら運ばないといけない、そう思った鈴はトンファーを添え木に包帯で頭を素早く固定。


「さあ綾さん、早くこっちに!」

時雨は貴美に肩を貸しながら入り口の方へと連れて行く。


「っ、コーハクのヤツ、こっちは狙ってないんじゃ……しまった!」

固定が終わり、文句を言いながらルニを避難させようとしたところで襲いくる火の粉。打ち落とそうと腰に手をやるがトンファーはルニの頭を支えるのに両方使ってしまったためそこにはない。
次に鈴がとった行動は覆いかぶさってルニを守ることだった。

「……あれ……?ははっ、なんかもうワケわかんないな……サンキュー、ナイスディフェンス!援護頼むぜ」

来るはずの痛みが来ないので顔を上げればどっかで見たようなやつでディフェンスしてくれたらしいライナー。鈴はルニを背負うとライナーの肩を叩き走り出した。
905 :ラインハルト&ゼオラ / 灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/01/01(金) 23:40:52.04 ID:CCm5r0Epo
>>904
「やっと解ったよ。キミが、僕に見せたかった物が!」

いつだってそうだ。キミは僕に答えは愚かヒントすらくれようとしない。
そうであっても。僕なりの考えを以ってキミに示してきたはずだ。
今度も…今度こそ。僕とキミの考えが、想いが一緒であると言ってくれるなら。

「英雄にして勝利。
 その片鱗を見せてあげよう。この鉾に掛けて。
 ―――――勝とう、我が勝利<ウルスラグナ>の名の元に!」

手にした槍が白金の輝きを帯びる。
鈍一色だった空に一点の黄金の輝きが穿ち、漆黒の瘴気に覆われた槍の、真の姿を露わにした。
白金の柱の頂点に輝くのは金のラインを天光で眩かせる白金の刃。
大凡、戦いの道具には見えない、祭事用にもみえる鉾を掲げ、口を開いた。

「さぁ、行こう。僕がついてる」
906 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2016/01/04(月) 15:13:50.58 ID:3X9pL8x1o
>>905
「はーっ……はーっ……ふう……ここまでくれば大丈夫だろ……」

屋内に逃げ込み安全なところにルニを横たえるとそのまま横に大の字になって倒れる鈴。少し安心してしまったせいで今までの疲労とダメージが出たらしい。

「しっかし砂ゴーレムみたいなのは出るわ今も烏天狗みたいなのは飛び回ってるわでホントすごい学校ですね……」

「いや……俺もあんなの初めて見たぞ……」

907 :ラインハルト&ゼオラ / 灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/01/18(月) 02:03:27.55 ID:D48/oxZNo
>>906

「キミはそこで休んでいろ。片方の翼は伐った、しかし、まだ……」
構えていた白金の鉾を降ろし、真紅の双眸を鋭くして視線を鈴から灰へと移す。
翼に大きく穴をあけて、飛ぶことのできなくなった灰は屋上の床に落ち、痛みと苦しみの混じった呻きを上げていた。
その叫びに比例して、勢いを強くする炎。
熱波に思わず腕を差し出し顔を覆うと、不満げに息を吐いた。
「全く、気分が良いものじゃないな……うわっ!?」
その防御が仇となった。何が起こったのかを把握する暇もなく身体が激痛を訴える。
熱波に紛れて灰の少女が身を翻し突撃を仕掛けていたが、目を覆っていたことでそれに気づくことができなかった。
背に生えていた大きな翼を腕に変え、掴みかかり締め上げる。その行動には強い恨みが見えていた。

彼女を捉えたことでより強い怒りを増した炎で、彼女達の言葉は外へは届かない。
青年が大きく腕を振るい闇を打ち出すが熱波の防壁に阻まれて攻撃を通すことができない。
身の内側から滾る闇は青年の身体を酷く蝕んでいた。
闇の力を行使するたびに身体の中で知らない何かが蠢くのだ。
「くそッ、お前の力を借りても! どうにもならねぇのかよ!」
全身が軋む。崩れる。その痛みに耐えながら、激痛を力にする。
ゼオラの持つ力は身体の痛み、心の苦しみが大きいほどに増大する。
攻撃を繰り出すごとに、威力は高く。負担は大きく。
何度も熱波の渦に爪を振るい切り裂いて、ついにその奥、灰の少女へとたどり着く。
「ッ―――ラアァッ!!!」
腕を引き絞り全力で振りぬいて灰の少女を弾き飛ばす。
それと同時に灰の腕は煙のように立ち消えて、アルビノの身体はその場に落ちた。
身体を酷使していた青年はついに痛みに耐えかねて、崩れ落ちる。
908 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/18(月) 22:32:30.39 ID:A1iQz6S+o
>>907
「まあ、あいつらに任せときゃあ大丈夫だろ」

起き上がると左手でドアを少し開けて外の様子を見て戻ってきた鈴。

「コーハクのヤツもそこで休んでろって言ってたしな。せっかくあいつがそう言ってるんだからこっちはこいつらの応急処置でもしようぜ。さっきしゃべってたのに静かだけど大丈夫か?ノゾミは」

「ノゾミ?」

「そうだよ、リョウの妹のノゾミだよ」

「綾さんの妹さんでしたか!」




909 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/01/19(火) 13:58:41.27 ID:yknZeT+CO
>>908

ドタドタと屋上を駆け上がってくる音がする。
見れば、ドレスのスカートを摘み上げて駆け上ってくる赤の少女。
息を切らしたまま鈴の元へと詰め寄っていく。
「ちょっと! 何やってるのよ……手伝いなさい!」
胸に手を当てると呼吸を整えながらも叫んで伝え。
その勢いで赤い王冠が頭から抜け落ち、登ってきた階段を転がり落ちていく。

「とにかく!」
屋上への重い扉を、めいっぱい力を込めて開け放つ。
その先の状況を示す為に振り返ると、丁度追いついた従者の少年が王冠を差し出してきた。
それを無言で受け取りかぶり直すと、口を開く。
「早くいきなさい!」
今の彼女には怒りと言うよりも焦りの感情が見て取れた。
910 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2016/01/21(木) 09:31:07.44 ID:BN6P30z2o
>>909
「ノゾミさーん、すずね……リンさんが大丈夫かって聞いてますけど」

ずっと気を失ったままのルニと逃げ込んできてから口を閉ざしたままの貴美。鈴に聞いた名前で呼びかける時雨だったが貴美はノゾミではなくアツミだ。

「とりあえず軟気功で……」

ルニにルーン包帯を巻いて気功で癒やしてみる鈴。そこでエレガントさの欠片もない足音で先ほど見かけた顔がやってくる。

「あ、ゼオラならそのさ……あっ」

先にいるけど取り込み中でどうのこうのと続くはずの言葉は落ちた冠とまくし立てる赤のお姫様に中断された。

「くそっ、なにやってんだよ……!シグレ、二人をお願い!」

「はっ、はい!」

開け放たれた扉の向こうには既に床に倒れた二人。自分も既に満身創痍に近い状態でありながら、鈴は時雨に二人を任せながら駆け出していた。
911 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/01/21(木) 14:14:49.31 ID:ZtuCrBfwO
>>910
「う、ン……?」
呼びかけの甲斐あってか意識を取り戻す貴美。
目の前飲みたことない少女二人を見つめると、頭を抑えながらも双方を指差す。
「ノゾミ……」
と言いながら時雨を見つめ。
その視線はよこの真っ赤な少女へと移る。
「すずね?」
「ちがうわよっ!」
赤い少女へと尋ねた貴美だったが、少女が殺気立っていたばかりに平手打ちのカウンターをくらい再び意識を失った。

「ちょっとの間あの炎を抑えておいてちょうだい。
 それと、疲れているならこれを飲むといいわ
!」
鈴の後を追い屋上へと飛び出すアリス。
ポケットから取り出した小瓶を投げ渡しながら青年の方へと掛けていった。
アリスの渡した小瓶にはコルクの栓で封をされ、真っ赤な液体が入っていた。
ボトルネックにはご丁寧にタグ付けされており、「Drink me」とのメモ。
飲めば活力が沸き、鈴の気功効率にも良い影響を与えるだろう。チェリーの味がする。
912 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2016/01/21(木) 17:01:14.71 ID:BN6P30z2o
>>911
「ああっ!ノゾミさん!ノゾミさーん!」

叫ぶ時雨を置き去りにして飛び出した二人。

「はあ!?屋上にはスプリンクラーも消火栓も……わかったよ、なんとかやってみるさ
なんだコレ、どりんくみー?あやしいなあ……ヘンなクセになったりしないだろうな……」

とかなんとか言いながらも栓を抜いて一気に流し込む。

「おいそこのお前ぇっ!霜月剛柔流・霜月鈴が相手だっ!」バーン!

左手の人差し指で相手を指し示しながらビシッと名乗りを決めた。
913 :ラインハルト&ゼオラ / 灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/02/01(月) 01:12:32.79 ID:OOjq5/Tbo
>>912
『どうして、邪魔をするんだ……!
 お前は、私のことを、知らない癖に……!!』
揺らめく灰色の炎から少女らしいシルエットを覗かせる。
伸ばして向けられた左手は鈴の顔へと向かう。
灰色の炎を脱した白くか細い手、そのつま先が鈴を捉えた。
『もしかして、私を、知っている、のか?
 うぅ、くそっ……思い出せない……!』

焔の先から鈴を見つめ、呻く少女。
その一方で、屋上へと新たな人物が迫りつつあった。
「……ッ、クソッ。
 ゼオラめ、事が収まり次第灸を据えてやる……!」
悪態を吐きながら息を切らせて階段を上がり切ったレラ。
屋上から叩き落とされたボロボロの身体そのままに登ってきたのだろう。
右腕はカモフラージュの皮膚ごと切り裂かれたままで、義手のコードが見えていた。
左手にした見慣れない剣を杖にして、やっと登り切ったという風だ。
914 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2016/02/01(月) 19:03:55.18 ID:us28+siAo
>>913
「知ってるとか知らないとか関係ないね……ちょいとばかり俺はおせっかいなんだ」

灰色の少女の手は鈴の顔に近付き、嫌な臭いとともにちりちりという音の振動を指先に感じ取る。

「うわっひゃああっつ!ほんとに燃えてるぅ!?」

飛び込み前転からその勢いのまま転がり耳の前辺りをはたきながら振り返る鈴。すれすれでかわしながらすれ違ったのが裏目に出たようでもみあげが焦がされて一部チリチリになってしまっている。

「くそぉ……これでもくらえ!」

ヤケクソ気味に吠えつつ放たれた既に残り少なくなった竹串右手と左手4×2本。しかしそれは灰色の少女の遥か上を通り過ぎていく。



「敵?……ってなにやってるんですかレラさん、そんなリアルな仮装してふざけてる場合じゃないですよ、この先は危ないですから下がっていてください」

ふともものクナイに手を伸ばしかけてやめた時雨。レラが既に上で戦っていたとは思いもしなかったようだ。
915 :ラインハルト&ゼオラ / 灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/02/02(火) 01:24:09.26 ID:ExbBp0WIo
>>914
『だったら、邪魔をするなぁ!!』
鈴の返答に強い怒りを表し声を荒げる少女。
振り抜いた拳はそれ自体は強いものではなかったが、渦巻く灰の炎が味方して巨大な螺旋を描いて鈴に迫る。
拳の余波とも言える熱風すらも高温で、あらぬ方向に飛んだ竹串は炎を上げて散り始める。

レラもまた怒りに震えている様子。
彼女の場合は普段との違いに乏しいが口調の端々の尖りがいつもより鋭く。
『フン。出る気がないなら去ったらどうだ? お前こそ』
視線すら見せず興味も無げに言葉を吐きつけると手元の剣を足元に突き立て、左腕の端末を眺める。
丁度その時、端末が発光したと思うと投影される女性の姿。ホログラムというやつだ。
『レラ。準備はできました。
 しかし、あなたも無理はしないでくださいね。』
電話通信の先を行く技術らしく、物憂げな表情と連動する声で、通信先はこの女性なのだということが解るだろう。
諭すような口調を溜息でリセットすると、先ほどまでの雰囲気は消え去り。
『何と言っても止めはしないのでしょうけど。
 ―――――こちらの最善は尽くしました。信頼していますよ』
その言葉だけを告げると一方的に通信は遮断される。
レラのj反応は時雨に対する物と同じくそっけない物であったが、口元は不敵に歪んでいた。
千切れた義手のソケットを取り外し、乱暴に投げ捨てると、ちょうどてたの手のひらに謎の光が集まってくる。
物資転送。これもまた、レラ達異国の物が有する科学技術の一つ。
そうして送られた物は新たなる義手。今度の物は随分と荒々しく、機械的なフォルムが目立つそれ。
それをシャツの袖に潜り込ませ直接肩に差し込むとフム。と鳴いた。
「調子はまぁまぁか……よくやった方か。それと……」
続けて光はレラの身体へと巡り、一本のベルトを装着する。
帯に大量のカードのような物が装着されたのを確認すると引き抜いた剣を掲げ、ドアの先を見つめながら声を上げた。
「この僕を差し置いて事を成そうとは油断ならん奴らだ。
 ……まぁいい。ならば僕もやりたいようにやらせてもらおう!」
916 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2016/02/02(火) 23:26:23.55 ID:GdLIrDEfo
>>915
「っ……マジかよ!?」

その灰色の炎の渦はコンクリートの床にすら突き刺さる程度に気功で強化され高速で撃ち出されている鈴の指弾竹串のいくつかを巻き上げ燃やしてしまう。
これにはこれまで対峙してきた強敵にもまるで動じることのなかった鈴も流石に驚きを隠せなかった。

「くうっ!」

少女の動き自体は特に目を見張るほどのものは無いが、とにかくその身にまとう灰色の炎は脅威である。威力だけでも当たれば致命傷は避けられない雰囲気が出ている上に動きが読めない。
先程焦がされたもみあげの経験から少し大袈裟にかわした鈴だったが、それでも道衣の胸元の一部を焦がされる。

「このっ!はあっ!」

アルビノの冷却攻撃を防ぐのに使ったコンクリート床板の畳返し、からの気を込めた後ろ回し蹴りで粉砕。大量の拳大のコンクリートの礫が少女に降り注ぐ。

「仕上げっ!」

しかしそのコンクリート片はただの目くらまし、本命は最初の竹串の時点から屋上入り口の上の貯水タンクだ。コンクリートの雨を相手に処理させているうちに鈴は残った竹串9本すべてに気を込め、放つ!これが当たれば炸裂し、タンクの水が灰色の炎の少女に降り注ぐだろう。


「だからこの二人の救護を頼まれてですね……憎まれ口ばかり叩くのはやめて手伝ってください」

なかなかの手際で貴美に包帯を巻きつけていく時雨。既に少年であれば目を輝かせて見入るような状態になっているレラの方は見ていなかった。
917 :ラインハルト&ゼオラ / 灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/02/04(木) 01:38:02.81 ID:8UbXeSfuo
>>916
『……邪魔っ!!』
降り注ぐコンクリートに対して払われた腕。
その軌道に添って爆炎が爆ぜる。
直撃すれば到底無事では済まないだろう火力で、コンクリート塊を弾く。
『なんだ……うわっ!?』
しかし、コンクリートはただの囮。
貯水タンクに開けた穴から水が噴き出し、炎を洗い落とす。
灰の炎を纏わぬ少女。その正体は鈴や綾よりも幼い。
この場にいる人間では時雨がもっとも近いだろう、中学生くらいの少女だった。

倒れ伏した青年の背中に走る漆黒の傷跡。
揺れるように動いたと思えば、闇が噴き出して少女の形を作り、屋上に足を下ろす。
青年の木津口から入り込んでいた少女、ゼオラは気だるそうに溜息をついた。
そして、ゆっくりと鈴の方へと歩みよっていけば、隣に並び立つ。
「……手伝ってあげる」

その背後では赤の少女が青年の様子を見ていた。
闇が完全に抜け出したことにより、背中の漆黒は消え失せた。
闇の力で抑え込まれていたルーン包帯が即座に修復し、青年の身体に巻き付いていく。

「……貴様こそ、物分りが良くなったらどうだ?」
レラもまた視線を向けずに屋上の入り口から先の景色を見つめていた。
白銀の剣に機械の腕。準備は完了しているように見えたがまだ動き出そうとはしなかった。
918 :霜月 鈴  ◆f7JK9RIN.g :2016/02/05(金) 10:29:46.68 ID:V9DAGhgoo
>>917
「子ども……?」

攻防一体の炎を剥ぎ取ったタンクの水がまだ降り注ぐ中、このチャンスに一撃入れようと乗り出し目を凝らした鈴が見たのは年下らしい少女。

「あ、ああ。むしろどーすりゃいいんだ?あーゆー不思議パワー使いは。お前らのほうが詳しーだろ?」

相手が子供で踏み込みが遅れた鈴。目は敵の方に向けたまま、並んだゼオラに訊ねる。
919 :時雨  ◆f7JK9RIN.g :2016/02/05(金) 10:34:14.50 ID:V9DAGhgoo
>>917
「あなたにだけは言われたくないです」

立ち上がり溜息をつく時雨。既に二人の応急処置は終わったようだ。ハヤイ!



書き忘れた!
920 :ラインハルト&ゼオラ / 灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/02/05(金) 23:59:33.85 ID:cXCAJ0M1o
>>918

『どうして……どうしてっ!!』
灰色の髪を靡かせる少女。
美しい少女であったが、今はその美貌は怒りに狂い鋭く歪む。
それに呼応するように滾る灰色の炎が両手から溢れだし瞬く間に再び身体を覆っていく。
『どうせこの身が朽ちるなら! お前達と刺し違えるだけッ!!』
隠されもしない殺意が炎をより苛烈に、熱く激しく仕上げていく。
放たれた炎は今まで以上に強く暴れたてて範囲を広げていく。
間もなくして二人にも迫る。そんな時、ゼオラが小さく口を開く。
「……どう?」
ゼオラの影が歪に捻じ曲がり視線の先へと飛び出せば、大量の闇へと変わり傾れていく。
ぶつかり合う灰と黒を面にした少女は小さく飛び上がり、振るった腕を大きく突き出した。
「[ピーーー]。それだけ」
少女の腕に巻き付いた漆黒が瞬く間に膨れ上がり動きに併せて先へと延びていく。
打ち出された闇の瘴気は突き進んでいく中で大蛇を模ってグレイトーンの視界を食いつぶしていく。
身を翻しながら少女は鈴に視線を投げかけていて、目が合ったならば口を開くだろう。
「走って」
さらに瞬きまでの一瞬で、闇の大蛇が煙となって消えてしまう。
先ほどpまでそこに居た闇が立ち消えた後に残るのは、入り混じる黒と灰に空いたトンネル。


>>919
「フン、その口答えをやめろというのだ」
ドアの先を見つめて溜息を吐く。偶然にも同じタイミング。
まだ様子を伺うことにしたのか、視線は時雨の方に向いた。
921 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g :2016/02/08(月) 00:40:13.99 ID:/uirI7xco
>>920
「ああっしまったっ!」

ふたたび炎上する少女。彼女が少女だったことに驚いたりゼオラに声をかけられたりで攻撃のチャンスを無駄にした鈴は顔をしかめる。

「どうって何が……ええい!」

またチャンスをムダにするワケにはいかない。よくわからなくてもゼオラを信じて校内一の俊足で駆け抜けた!


「……っ」

ため息がかぶる。こちらも不本意そうにレラの方を見た。
922 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/02/08(月) 14:26:34.19 ID:Mpzf1EXgO
>>921
大蛇の残した空白を駆けていく鈴。
正面突破を可能にしたゼオラのパワー。
その強大さに視線の先の少女は怯み、迫ってくる鈴に対策が取れないでいた。
そんな相手であれば間合いに入るのに造作も無いだろう。

だが、
「やらせはしないッ!!」
漆黒の影を通り灰色の炎を抜けた瞬間、突如として純白の鉾が鈴を襲った。

何が起こっていたのかは、レラと時雨の位置からならば良くわかるだろう。
今までフェードアウトしていたアルビノが自らの力を駆使して炎の中に飛び込んで、鈴を弾き飛ばしたのだ。
間違いなく、意図的に、灰の少女を護ったのだ。


「……行くか? 着いてくるならば、邪険にはせんぞ」
レラの言う頃合いが近づいてきたのか、剣を握る手が強くなる。
923 :霜月 鈴 時雨 ◆f7JK9RIN.g :2016/02/09(火) 01:20:56.22 ID:8TrRPgYIo
>>922
「おおおおお!」

完全に呑まれてしまった少女。ゼオラを信じ防御など考えずただ目の前の敵に渾身の一撃を入れることだけを目指し気合いとともに進む。そして攻撃の間合い。

視界の外でよく知った声が聞こえた。
アルビノの声だ。彼女は仲間であり自分にふりかかる攻撃を防ぎに来てくれたのだろう……そしてきっとうまくやってくれるはずだ。そう信じ振り返りもしなかった。

「えっ……?」

そのために大ダメージとともに弾き飛ばされる鈴。そもそも協力を求めてきたのはアルビノであり、まさかそのアルビノの攻撃が自分に向かうなどとは鈴にとって想像の余地もないものであった。

「あぎっ!っ……あ……く……」

吹き飛ばされた先でフェンスに頭を打ち、しなだれかかるように倒れる鈴。白い道衣を襟から赤く生命の雫が染め上げていく。
その意識の散り際にアルビノと目があった。


「あ……あ……うあああああああ!」

レラの問いかけに応えることなく咆哮、そして飛び出す時雨。

「[ピーーー]」

冷たい雨のような視線と声でアルビノに死を宣告。赤い手裏剣2枚と黄色の手裏剣3枚を交互に重ねたものをまとめて何組も投げつけた!
924 :ラインハルト&ゼオラ / 灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/02/09(火) 01:53:42.06 ID:jGP3VLTSo
>>923

その瞳は揺るぎなく、迷いなく。
怒りに身お任せていた数刻前とはまた違う、強い瞳。
かつて見たことがあっただろうか、彼女の、本気が、そこにあった。

『どうして、わたしを……ッ!』
「……このまま、何も知らないまま。キミを追い返しても、何も得られはしない」

一切の警戒を敷かぬまま、灰の少女に背を向ける。
立ち位置を180度変えてしまえば、先ほどまで同じ方を向いていた者が迫ってくる。

「礼は詫びる。罪も背負う。
 その覚悟が僕にはある……全霊を掛け、迎え撃とう」

鋭く直線で向けられる殺意。それに対しての恐怖は微塵も感じられない。
ベルトに取り付けていた試験管を一つ取り出す。
真紅の葉が含まれたそれを叩き壊すのは雷を纏ったハイキック。
空気に触れた葉が発火するのと同時に炸裂。爆発を巻き起こし手裏剣を弾き飛ばす。

「僕は英雄。
 殺せるか、キミ如きが」
925 :時雨 ◆f7JK9RIN.g :2016/02/09(火) 08:32:40.70 ID:8TrRPgYIo
>>924
アルビノに当たる少し前、赤い手裏剣が燃え上がり、黄色い手裏剣が爆発。耳をつんざく爆音と立っていられないほどの爆風をともなう激しい爆発が巻き起こり、屋上のフェンスの半分ほどをも吹き飛ばした!確実に[ピーーー]気に溢れた威力である。
通常の手裏剣と異なる派手な色には意味があったようだ。

「ええ、殺しますよ。忍とはすなわち暗殺者……汚れた英雄を消すのも仕事のうちですから」

爆風で崩れた髪をかき上げながら爆発前のアルビノの問いかけに答えた。
926 :ゼオラ/ウルスラグナ&灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/02/09(火) 13:25:42.24 ID:HUNyb330O
>>925

爆炎と爆風が白い身体を包み込む。
焦げ付いた臭い、科学的な煙を、払い出すのは……灰色の炎。

波打つ灼熱が周囲を覆う事で炎の防壁を作り出していた。
その中心の純白は、自らの異能を駆使して討ち滅ぼす。
灰の少女の灼熱もまた、純白への殺意。決して絆が生まれたわけでは、ない。

「怒りだけで僕を征せるとでも……」

鋭い言葉を放ち、煙から飛び出したその手には白金の鉾。
いつの間にか晴れ間の除く空、その陽を受けて限りなく輝く。

灼熱の余波は屋上一体に広まる。
標的を逃してなお……否、彼女にとっては自分以外の全てが標的。
それは無論、時雨すら例外でなく。

「泣きたいのなら泣けばいい。
 叫びたいのなら叫べばいい。
 その嘆きは……全て僕が受け入れよう」

さらに、上空へと登った純白が逃げ場のない少女に迫ってくる。


「ライナーくん、起きれるかしら?」
「まだいける……クソッ。なにが、どうなってやがる?」
身体を闇に支配された反動から目覚めた青年。
状況、景色の変わり用に混乱の声を隠せなかった。
「……鈴ッ!?」
柵にぶつかり、気を失う寸前の鈴に駆け寄る。
その他にも三つ、彼よりも小さな影が集まっていた。
「フン。いざとなれば飛び出しおって。
 奴は猪か何かか……まぁ、好都合だ。能無し具合には後で礼を言うとしよう」
ライナー、アリス、そしてゼオラ。
三人の側に寄って来たレラは相変わらず不満げに口を開く。
鈴を見つめ鼻を鳴らすと、その視線はゼオラに向かう。
「ゼオラ……一時的でいい。頼めるか?」
「……」
レラの支持を聞いたゼオラは、小さく頷き、そっと鈴に手を伸ばしていく。
927 :時雨 ◆f7JK9RIN.g :2016/02/09(火) 14:37:34.82 ID:8TrRPgYIo
>>926
「怒りだけ……?いいえ、私の持てる技、道具、頭、心……すべてをもってあなたを討ちます。
怒りがある点を超えると雨に打たれたみたいに冷えるんです、私」

静かで落ち着いた深淵のような深い怒りを感じさせる声色。レラの腕の関節を極めていた時とは別人のようだ。

「さようなら」

時雨のすぐ近くまで近づいたところで目の前の時雨ではなく背後から耳元で囁くような時雨の声。

アルビノは目の前に来てやっとわかるだろう。今自分が接近した時雨はよく出来たホログラム、本物は背後……恐らくは爆煙に潜み獲物が罠にかかるのを待っていたのだ。
ホログラムを通して会話することによりホログラムに近寄らせ、更に会話するアルビノの声で時雨は煙の中でもアルビノの正確な位置を把握できる。
爆発による煙や音などで五感が鈍っていることを利用した奇襲である。




「……」

ライナーの呼びかけに返事はない。既に鈴の意識は飛んでしまったようだ
928 :ライナー&ゼオラ/ウルスラグナ&灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/02/09(火) 23:47:40.02 ID:jGP3VLTSo
>>927

手にした鉾突き立てる。
先端が吸い込まれるような感覚。それが幻影であると気づくのに時間は必要なかった。
だからこそ、鉾を持つ手に力を込めて、全力で地面に突き立てた。

なぜこうも、この少女は自身満々に振る舞えているのか、ウルスラグナにはそれが理解できなかった。
ただ一介の少女如きが、この『英雄<ウルスラグナ>を落とす』。そう嘯く口に苛立ちすら覚えていた。
英雄とはウルスラグナの全て。辿ってきた道筋であり、為してきた過程であり、この記憶が歩んだ過去の全て。
その全ては導にしてきた仇敵であり、華麗なる栄光であり、共に歩んだ同士の想いであるのだ。
それを知らずして、ただ怒りに突き動かされるだけの少女に、『これに負ける程度なら』。

「キミが思うほど、軽くはないッ!!」
屋上の床を割り深々と突き刺さる鉾の衝撃に食らいつく。
地面を蹴って落下の力を跳ね返し、鉾を中心に翻る。
背後に居るであろう時雨に対し、天へと向かう蹴りを繰り出した。

「キミが望むのなら、刃を僕に向けるのなら……その信念無き空の瞳を絶望で満たしてやろう!」
929 :ライナー&ゼオラ/ウルスラグナ&灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/02/10(水) 00:26:23.54 ID:hoI2vOfRo
>>927

「何やってんだ、アイツ……!」
代り映えした景色は青年には呑み込めなかった。
しかしながら、それを止めるべきだと判断を下すのに時間は掛からなかった。
「ゼオラ、アリス。鈴を頼む!」
「……おい、これを。貴様にくれてやろう」
黒と赤の少女に友を託し、今すぐにでも駈け出そうとした青年に声がかかる。
義手の腕から差し出した白銀の剣を、訝しみながらも受け取った。
それは驚くほど手に馴染む。重さ、長さ、共に青年が扱うのに最適な具合で。
「フン。無い知恵で詮索するな。後の僕自身の為だ」
訝しむ青年の背を押し「さっさと行け」と付け加える。


ゼオラの掌。闇の力を存分に含んだそれ。
死と再生を司るゼオラの力は限定的だが死者に魂を戻すことも容易い。
それすらも可能にする再生の力を用い、鈴に回復を施そうとしているのだ。
その傍らでは真紅の分厚い本を開くアリス。彼女も彼女でまた、準備をしているようだ。
930 :時雨 ◆f7JK9RIN.g :2016/02/10(水) 00:48:57.96 ID:5HxD9JPIo
>>928
「っ……!」

アルビノのノールックキック。それは時雨を捉えることはかなわなかったものの、その激しい動きにより時雨を振り解き、彼女のクナイはアルビノの喉笛をかき切るには至らない。
しかしただでは離れまいという時雨の執念は致命傷にはならないものの、浅くない傷を残した。

「何を言ってるのかさっぱりわかりませんが……あなたが英雄の器ではないということだけはよくわかりました。いえ……正しくはあらためて確信した、というべきでしょうね」

お前のすべてを否定してやるとでも言わんばかりの勢いでアルビノを煽る時雨。その瞳はとても冷たい色をしていた。

>>929
「……」

頭の傷自体はそんなに深くはなく、すぐに塞がったようだ。もともと頭は結構簡単に血が流れるとかなんとか。
しかし目を覚まさない。殴ったりしたら起きるかな?
931 :ライナー&ゼオラ/ウルスラグナ&灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/02/10(水) 02:01:48.96 ID:hoI2vOfRo
>>930

着地と同時に首筋に手を添える。鋭い痛みに顔が歪む。
ほんの少しずれてさえいれば致命傷に、それ以上になり得ていた傷だけに、その痛みは無視できるものではない。

「今更ながら、すごく興味が出てきたよ。キミがなぜそこまで卑屈でいられるのか。
 僕が手を差し伸べて受け入れれば、キミはまた笑顔を見せてくれるのかな?
 ……フン。もうどうだっていいさ。今の僕にはキミを許すほど、心に余裕は無い」

新たに取り出すシリンダー。その色は微かに黄色に染まっていて。
右手から落とされたそれはつま先に蹴り上げられふわりと浮かぶ。
それと同時に、鮮血を拭った左手のグローブから朱交じりの氷が放たれる。
丁度二人の重なる視線。それを塞ぐように朱の氷と試験管が立ちふさがり、弾け、お互いの姿を隠す。
朱交じりのプリズム。その光景に一瞬でも目を奪われれば、最早止めることは叶わないだろう。
入り乱れ輝く光を掻き分けて、再び鉾が時雨へと向かってきていた。

しかし、その鉾は、やはり届くことなく。
一度目の床の変わりに受け止めたのは、青年の繰る黄金と白銀、双振りの剣。
「丁度いい……キミの闇も晴らしてあげよう」
「訳解んねぇこと言ってんな!」


『私は、私は……うぅ!』
頭を抱え蹲る灰色の少女。
次第に弱まっていく語気に併せて灰色の炎も収まっていき、やがてすべて消え失せる。
「ゼオラ、あの子はいったい何者なの? どうして苦しんでいるの?
 あの子だって、あっちだってそう。悲しい思いをするのはダメよ。
 全てハッピーエンドで終わらせなくちゃ……私の鏡合わせのあなたは、もしかしてそう思わないのかしら?」
袖を引くアリスの瞳は、心配そうに眺めていた。
932 :時雨 ◆f7JK9RIN.g :2016/02/10(水) 09:33:15.12 ID:5HxD9JPIo
>>931
「っ!」

相手の一挙手一投足すら見逃すまいとアルビノを凝視していた時雨はその光に目を刺され一瞬目を閉じた。

「ええいっ!」

迫る気配。狙ってくるであろう上体を倒しながら回し蹴りを放つ。蹴り自体の威力は鈴に及ばないが靴の先から刃物が飛び出す。

「えっ……?あっ、す、すみません。ありがとうございます」

しかしアルビノ時雨双方の攻撃はお互いに当たることはない。
時雨の蹴りは、間合いより内側に飛び出しアルビノからかばってくれたライナーの肩にすねが当たる。
もともと軽い上に間合いより内側で勢いがつききらず、しかも当てるべきところで当たらなかった蹴りはライナーに特にダメージらしいダメージをもたらすことはない。

933 :ライナー&ゼオラ/ウルスラグナ&灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/02/11(木) 01:12:37.18 ID:7NUOOLQro
>>932

「怪我はさせない……だが、お前もお前だぞ。
 お前達がなんで戦ってるのかは解らんが……俺は止める、それだけの為にここに居る」
交差させた二振りの剣の交点で鉾を受け止める。
背後の少女に語りかけると息巻いて押す力を強めてウルスラグナの鉾を弾いた。

晴れる結晶越しの真紅の瞳は微かに揺らいで見えた。
しかし次の瞬間にはそれが楽しげに歪むと咄嗟に構えなおす。
「フッ……僕自身が導いてやろう。
 二人掛かりでもいいさ、掛かってくるといい」
その口振りには余裕が隠れもせずに見えていた。
時雨の全てを受け止めることを明かしつつも、決して崩れないと決めつけている余裕。
それは決して慢心が原点ではない。数多の修羅を下してきたからゆえの、英雄たるゆえの自信。

「安い挑発だな……だけどまぁ、乗ってやるよ」
相対する青年もまた白銀と黄金を構えなおす。
視線を目の前の敵から外すことなく、時雨へと語りかける。
「前言撤回だ。適度に痛めつけてやろうぜ」
934 :時雨 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2016/02/11(木) 15:13:07.79 ID:BqdIS0Qoo
>>933
「そこの英雄騙りが、鈴さんを裏切って後ろから殴ってあんなにしたんですよ。
だから……殺すんです」

その辺の子供がすぐ言うようなものとは違う。ライナーにかばってもらった直後の様子とは異なりまたやさぐれた状態に戻った彼女のそれには明確な殺意が含まれており、まるで止まる気配はない。
実際目の前のアルビノの痛々しい傷は彼女がつけたものであり、時雨の持つクナイからはその時の血が滴り落ちコンクリート床に赤いシミを作っていた。

「そうですね、適度に……」

ライナーの言葉の一部を繰り返しクナイを握り直す時雨。しかし軽く痛めつけてやろうという意図であろうライナーとは全くニュアンスが異なっているようにしか聞こえなかった。
935 :ライナー&ゼオラ/ウルスラグナ&灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/02/11(木) 18:22:12.55 ID:7NUOOLQro
>>934

「なるほど……」
目覚めた直後、血みどろになった鈴にの姿には衝撃を覚えた。
灰色の少女にやられた物と思っていた思考を整理し、切り替える。
「その復讐、だったら首の傷でお相子だな。
 あとはアイツが傲慢な分。お仕置きをしてやらんとな」
友を傷つけた分の怒りこそあれ、時雨ほど敵意に囚われたものではなくて。
彼にもまた諭す気はありつつ、それは時雨にも向けられているようであった。

目の端でとらえた少女を目に収める。
(意外と危なっかしい子だな……。いや、コイツもコイツで、か)
レラの評した言葉が思い浮かぶ。その直情的な様子に友の姿を思い浮かべた。


弾かれた鉾を手の中で一回転させ、身体の後ろで持ち直す。
鉾を持たない真紅の左手は二人に差し伸べられて、笑みと共に言葉を送った。
「人殺しでない英雄など居るものか?
 来ければ来るがいい。キミたちの光を、僕が奪うだけだ」
936 :時雨 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2016/02/12(金) 13:13:14.69 ID:jEJJLGvUo
>>935
「おあいこ……?あれくらいじゃ……えっ?」

ライナーの言葉に疑問符を浮かべ動かない鈴の方を振り返りまたライナーの顔を見た。

「英雄というのならば人に光を与える努力をしてください……
光を奪うのは……私たち影の仕事ですよ」

それはアルビノに向けられたものか、己に向けられたものか……哀れむような笑みを浮かべる時雨。
937 :ライナー&ゼオラ/ウルスラグナ&灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/02/12(金) 14:17:15.88 ID:cI38OD4KO
>>936
「うん? どうした?
 確かに一歩間違えれば危険じゃ済まなかったかもしれないが、
 まだやり足りないってのは……横暴だな。アイツも好まないんじゃないか?」
鈴ならば「やられた分はやり返す!」とか言い出しそうなので復讐事態は咎めずに。
しかしキッチリやられた分だけで留めるだろうその後を思案し、釘を指す。


「その刃を僕に向けるように。
 僕〈英雄〉とキミの思うそれとは違うのさ……」
彼女の言葉もまた、儚く悲しげ。
足元に残る氷の粒を踏みつぶし、構え直した。
「それでも構わないと言うのなら、導いてあげよう。無論、罪は清算した上で、だ」
碎かれた氷の欠片が輝き始める。
新たなプリズムの光源は差し伸べた彼女の手からだった。
938 :時雨 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2016/02/14(日) 14:59:24.67 ID:HZR+h4joo
>>937
「……どうやら思い違いをしていたようです」

ライナーにそう返し、時雨は小声でよかったとひとりごちた。先程までまとっていた冷たい雨のような殺意と怒りはあまり感じられなくなっている。

「私が言ってるのはそういう意味じゃありません!文字通り光を与えてどうするんですか……!」

ツッコミを入れつつ今度は紫色の手裏剣の束を投げつける。バラバラに広がりながら飛んでいく手裏剣はちょっとした面の攻撃となり回避しづらくなる。
よくある手のひらをすり合わせるような動きで連射するのではなくこういった使い方が正しい使い方らしい。

この手裏剣の名は紫電。当たろうが外れようが打ち落とそうとしようが半径3m以内の敵を紫色の電光が襲う。
939 :ライナー&ゼオラ/ウルスラグナ&灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/02/16(火) 14:45:49.59 ID:Z2e3keVsO
>>938
「違うさ!
 この光をもってして、僕がキミたちを導こうと!」
飛来する手裏剣を見つめ、叫ぶ。
地面に突き立てた鉾から輝きの旋風が溢れていく。
紫色の手裏剣は瞬く間に姿を消すほど強く吹かれたが、ライナーや時雨、果ては鈴や灰色の少女には心地よい風となる。
善性の具現化たる黄金が吹き荒れたのだ。

「今だけでいい。
 この僕〈ウルスラグナ〉に力を貸してはくれないか」
僅か上方から差し伸べられた真紅の手。
その持ち主は黄金の翼を背に空に浮かび、澄んだ瞳で見つめていた。
940 :時雨 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2016/02/17(水) 14:14:13.39 ID:Jo+NxdcOO
>>939
「っ!」

放った手裏剣は吹き上がる風に巻き上げられる。手裏剣から発せられた紫の電光も床に突き立てられた鉾が避雷針となり、完全に対処されてしまった。

「せえいっ!」

しかしそれで終わる時雨ではなかった。アルビノが手裏剣を見つめているうちに破壊されたケースから回収した小太刀二刀流で横薙ぎに殴りつける!
941 :ライナー&ゼオラ/ウルスラグナ&灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/02/18(木) 13:52:20.18 ID:X0bTwueDO
>>940

「っ……」
差し伸べた手は繋がれること無く。
代わりに指し向けられた小太刀を見て翻る。
手を付くほどに身を屈め、下から時雨を打ち払う構え。
新たな光が発生し、謎の紋章を象ったと思えば強く発光。
その次の瞬間には手を支えにして飛び上がり強い光を伴った蹴り上げを放つ。
その動作の過程で光が形を変え、成したのは幾分にも枝分かれした黄金の鹿の角。
その攻撃は勝利者が選定した『障害』のみを打ち払う……即ち、少女の小太刀のみを。
「僕達が戦う理由は、もう既に無いはずだ……ッ!」


「ゼオラ?」
「?」
確かに施した筈だった。生命力の増幅も確かに感じ取れる。
しかしながら、動き出そうとしないのを不思議がって、首を傾げる。
その隣のアリスには尚更、全てがわからなくて痺れを切らしたのか声を荒げる。
「起きないじゃないの!?」
未だ眠るままの鈴の肩をバシバシと叩きながら。
942 :時雨 霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2016/02/19(金) 12:50:21.39 ID:2s1iM4Vco
>>941
「っ!なんのっ!」

アルビノの自由自在な空中移動に空を切る一対の小太刀。
一方空中の相手にジャンプして殴りかかった時雨は物理法則にしたがって落ちるしかない。
しかしそれでも身体をひねり縦に殴りつけようとしたところで先の戦いでやられた肋骨が悲鳴を上げた。

「うっ……」

表情が苦悶の色に染まったところで小太刀は弾かれ、時雨は女の子座りで床に左手をつき、右手で胸の下あたりを押さえながらアルビノを見上げる。

「……」




「んっ……うわっ!」

一瞬なまめかしい声を上げるもすぐに目を覚まし飛び起きた。勢い良く上体を起こしたので周りにいた誰かに頭突きしてしまうかもしれない。
943 :灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/02/22(月) 01:37:28.28 ID:eClCxDwVo
>>942

小太刀を跳ね上げたウルスラグナは黄金の翼をもってまた翻る。
地面に降りた時こそ真紅の瞳は穏やかであったが、時雨の姿を見て険しくなる。
「今更、言い訳は見苦しいんじゃないかな」
時雨の姿がそう見えてしまったのだろう、鉾を回収しながら口にした言葉は酷く冷たく。
すれ違い様に鉾を突き刺すときには既に、視線は、興味は、完全に少女の元を発っていた。
「まぁいい、説教は後だ。それを杖に帰るといいよ」


「……アリス」
真正面に居たゼオラが生命の脈動にて一足早く感じ取る。
咄嗟に隣に居た真っ赤な少女の手を引くと、鈴に差し出すように構えた。
「きゃっ!? ちょっと何…ふにゅみゅっ!!?」
頭突きをモロに受け、尚且つ同時にゼオラから捨てられて勢いのままに吹き飛んだ!
振り返って鈴の元へ戻りつつあったライナーくんが運よくキャッチ。
「お、おい! どうしたんだ!?」
目を回す少女を姫抱きで心配そうに見つめながら合流する。
944 :時雨 霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2016/02/23(火) 12:51:45.01 ID:qoAYt4f9o
>>943
「言い訳?そんなものしませんよ、それにあなたの相手は私だけじゃ…………」

私だけだった。傲慢なぶんのおしおきしてやろうと言ってきた金ピカは既に近くにはいなかった。

「 」

上がりかけていた時雨のライナーへの好感度がまた下がった。



「おじいちゃん!?……あれ?なにやってんだお前ら」

周りの三人の様子に今どういう状況なのかよくわかってない様子の鈴。
945 :灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/02/23(火) 13:59:53.16 ID:9mFW5KyoO
>>944

既に時雨の方は見ていない。
聞こえているのだろうが返しもしない。
最早なにも届かない。白い背はただ遠のくばかり。

「お前が何やってるんだよ……」
鼻の頭を抑えて泣き目のアリスを片手で抱くライナーくん。
おでこを優しくさすって慰める様子は完全に兄妹の雰囲気。
ゼオラは普段通りの無表情。服を叩き我関せずを貫いていた。
更に言えばレラは一団より距離をとって何処かと連絡をとっている。
足元にはチョークで陣のようなものが描かれていた。

「やあやあキミたち、ご苦労」
ライナーくんの背後から顔を出すウルスラグナ。
血筋の残る首元を隠すように抑えながら一団の輪に割り込んでくる。
さらに一歩踏み出せば鈴の前に跪く。
「先程の非礼を詫びよう。
 勿論、後で解るように説明するつもりさ……」

「だから、今一度力を貸してほしい」
946 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2016/02/23(火) 15:45:07.95 ID:qoAYt4f9o
>>945
「………………あっ」

痛そうに鼻のあたりを押さえるアリスを見ながら少し痛むおでこをさする。

ライナーの言葉でその2つが意味することがわかったらしい。

「あー……ごめん。大丈夫か?」

心配そうにアリスのほうを覗き込んだ。

「んー……?ああ、まったく、お前もたいしたことないな。
へへっ、ま、あんま気にすんなよ。よけなかった俺が悪いんだからさ」

どうやら自分に来た攻撃をアルビノが落とし損ねたと思っているようだ。
947 :灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/02/24(水) 00:30:17.62 ID:bvYPsL9Yo
>>946

「ぐすっ……」
鈴にどなりかかると思いきや、怒りよりも痛さが募って涙を浮かばせるばかりで。
青年の身体にしがみ付き、胸に顔を押し当てていたが暫くすると顔を上げる。
丁度向かい合った青年の顔に手を伸ばし涙声でつぶやいた。
「きれいな瞳ね……」
少女が指し示す左の瞳は、紅く染まっていた。


「……違うさ」
顔を上げて、一重に鈴だけを見つめる瞳。
「僕は僕自身の意志でキミを払った。
 キミが彼女に手を出そうとしているのが見えた瞬間、守らなければならないと思ったんだ。
 このままにしては何も気づけないまま終わってしまう。彼女の憎しみを理解し、可能であれば取り除く。
 そうしなければと思った理由……確かに感じだ僕と彼女の繋がりを、推測する時間が欲しかったんだ」
立ち上ると首に当てた手を払い、鈴に背を向け灰色の少女に手を伸ばす。
「あとは僕なりの『答え』を見つけるだけだ……キミの声が、聴きたい」

『うるさい! うるさいうるさいうるさい!!』
再度の激昂。たちまち周囲が熱に包まれていく。
灰色の炎は立ち上り、うねり、空気を焦す炎を散らしながら頭上に集まっていく。
ウルスラグナを強く憎む少女の炎が、轟音を立てて螺旋を描き、巨大な拳を模っていく。
948 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2016/02/25(木) 02:56:00.33 ID:7KjwG7AJo
>>947
「またなんかごちそうするからそれで勘弁してくれな……
で、コーハク。お前いつももったいぶったりカッコつけて余計いろいろメンドーになったりややこしくなってんだからそろそろ反省しような!それと……」

アリスに片手を立てながら頭を下げて今回最後の謝罪をするとアルビノの方へ振り返り騒ぎ立てるように言いたいことを言った。そして

「歯ァ食いしばれっ!」

背を向けたアルビノの肩を引きそう言いながら彼女の頬を殴りつける。
鈴が何を言ったのか理解をするまもなく放たれた拳は奇襲もいいところで、また、鈴がそんな行動に出るとは誰も思わなかった。

「よし、これでおあいこだ」

いつものように向日葵のように笑う鈴。殴られた頬は鋭く痛み意識をはっきりさせる。しかし口の中に広がるはずの血の味はいつまでも広がることはない。
そして本人に殴られたのではおあいこどころか時雨の分は斬られ損だ……そう思う頃にはその傷の痛みが消えていることに気づくだろう。

「へへへ、新しい俺の気功はどうだ?」
949 :灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/03/03(木) 00:21:07.84 ID:TfjlztSKo
>>948
「考えておくと返しておくよ・……ん?」
まっすぐに向けられた殺意。それを前にして湧き上がる熱を見つめたまま鈴の言葉に返していく。
続いた言葉の勢いで、誘われるままに振り返ると既に守る時間もなくて、拳が刺さる。
元々、攻撃を受けることにも慣れていない彼女には何が起こったのかも理解ができず。
痛みに苦しむ余裕もなしに治される次の瞬間には頬を染める赤すら引いて、残るのは心の刺激のみ。
「全く、キミはいつも直接的すぎるんだ……だがしかし、気に入ったよ」
いつの間にか首の傷も消えた。片腕を縛る必要もなくなった。
目を離した隙に、にじみ出て肌を刺すほどになった殺意を前に向けるのは普段通りの強気な笑みで。

「今まで言ったことは無かったかな?
 僕が得意とするのは、氷よりも、雷よりも、炎なんだ」
真紅の左手を強く握ると黄金が溢れだす。
確かな熱。彼女の炎は神聖の解放により色を黄金に変えていた。
「輝きの焔よ! 闘いの輪廻よ! 僕を、導いてくれ!!」
大きく腕を振るうと紅く色づいていた時よりも大きく膨れ上がり広がる黄金。
螺旋を描いで放たれた拳に対して焔もまた螺旋を描き正面から打ち合い、互いに消える。
「だから、キミにも負けないんだ」
950 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2016/03/06(日) 00:21:00.09 ID:xoRWzmDGo
>>949
「おう、いってこい」

笑顔で送り出した。

「さて、ゼオラ。なんか流されそうになったけどお前、リョウ返せよぉ!」

振り返りゼオラの肩をつかむ鈴。
アルビノに「後ろは俺が見ててやるから安心していってこい」と言いかけて綾のことを思い出したのは秘密だ。
951 :灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/03/08(火) 00:52:38.98 ID:37SSaBXbo
>>950

黄金の焔が灰の拳を打ち払った。
輪廻を描いた灼熱が立ち消えて黄金の火花を散らし灰色とまじりあう景色の中で、静かに声が一つ、響く。
「さぁ、走れ!」
真紅の手が示した先にで黄金の旋風が巻き起こる。
灰の残り香を吹き飛ばしたその先には、さらに数を増し6本にもなる腕が構えられていた。
狙いをつけられた一段のはるか後方で、鋭く勇む声に応じた雄たけびが上がった。
「アミルッ!」
焔同士の打ち合いを見据えていたレラが次の一手への先陣を切った。
雄たけびと同時に上げられた足が地面を叩くと、屋上の床の一枚が回転して緑髪の障子が飛び上がって登場。
その手には巨大な機銃が握られており、着地と同時に怪力を活かし強引に構える。
「あいあいさー!」
次の瞬間には爆音と共に掃射の炎が吹き荒れる。
けたたましく叫びながら打ち出された銃弾は灰の腕の一つを捉え焔を散らし穴をあけていく。
そしてその背後では右腕の義手を機械弓に変形させたレラが矢を装填し狙いを構えていて。
レラの蒼眼が拳の正面狙い放たれた矢は視線の中央を狙い撃ち、爆ぜた。

肩を揺られ首が触れるゼオラは、けれども意志を見せない。
口も割らずの無感情。金の瞳はどこまでも深く、暗い、闇のようだった。
しかし、次の瞬間には抜け出すと足元に闇を広げ、そこから覗く一本の白銀を手に取る。
それは紛れもなく綾の得物であり、彼女が護ってきたものの一つ。
綾以上に身の丈に合わない白銀を構え、残り五つになった拳と向き合いながら爆風に紛れて音を乗せた。
「……考えとく」
952 :霜月 鈴 時雨 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2016/03/15(火) 10:35:06.90 ID:AGKpb22IO
>>951
「まったく、好き放題言ってくれますね……ですがこれでは確かに足手まとい……かはっ」

一方、時雨。言われた通りに鉾を杖に立ち上がりかけて血を吐いて崩れ落ちた。
そのはずみで抜けた鉾が転がり、その音が鈴の耳に入る。

「考えとくってなんだよ!だからさあ!……ん?ああもう!絶対返してもらうからな!」 

放っておくわけにもいかず、何度も振り返りながら時雨の方へ走っていった
953 :灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/03/21(月) 02:07:13.04 ID:WQYHd9kko
>>952

離れながらも、声を荒げる鈴から視線を逸らす。
白銀の鞘を引き抜くと身の丈の倍はあろうかという長剣を構え、

「……うるさい」
刹那。
音が耳に届くころには既にそこには存在せずに。
漆黒の衣、柴色の髪を靡かせながら翻るゼオラは灰の拳より高く。
身を反転させて長剣を振るい、一刀の下に切り捨てる。
霧散する焔の中で長剣を突き出し眺めるゼオラ。
灰の空から差す一筋の陽に煌めいた刀身が闇の瞳を曇らせた。
「これは……返しとく」
それ以降、興味を無くしたらしく手を離すとまた漆黒の影の中に埋めていった。

立ち尽くすゼオラを狙う灰の拳に、背後から喚起の声が響く。
「後ろだッ!」
声に導かれるまま後方に跳ぶゼオラ。
その先には身を屈め、腰を捻って構えるウルス。
「さぁ、ライナー君、行くぞ!」
拳の一つに指を差し狙いを定めれば込めた力を解放する。
一心に振り回す脚は空を伐るだけに非ず。
丁度力が乗り切るタイミングで跳んできたゼオラの靴底を捉え、はるか前方へとはじき出す。
同時に、ゼオラの力によってウルスの影すらも捻じ曲がり巨大な腕が顕現する。
少女を容易く跳ね上げたと思えば上空に手待機していた彼女の使役する機械鷹を蹴り、同様に拳へと迫る。
二刀を構える青年と闇を携え突撃する少女が左右から。そして上空からは黄金の輝きを纏う落下の三重の攻撃により腕の一つを消滅させた。

「お前たちも、逃さない!」
鈴の耳にも届く怨嗟の声。
煙と消えて数を減らしたが、未だ残る三つの拳を全てを差し向けてきた。
視界の端ではアリスが鈴に向かって何かを叫んではいるが、燃え盛る炎にかき消され、次第に姿も失われていく。
最後には、何かを準備していたようだが間に合うか……。
954 :霜月 鈴 時雨 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2016/03/22(火) 11:59:49.93 ID:R+oiWqyGO
>>953
「おい!うるさいってなんだ!こらー!」
「私の事は放っておいてください、いいんですどうせ私は足手まといになるだけですから……」
「あーもうなにいじけてんだ!しっかりしろ!」

自慢の俊足で時雨のところにたどり着いていた鈴は拳を振り上げゼオラに抗議し、また、自身の無力感やらなんやらで落ち込む時雨を励ます。

「っ、借りるぞコーハク!」

自分たちへ向けられた敵意に反応、転がっていた鉾を拾うと重心を確かめるためにヒュンヒュンと振り回してから構える。
今でこそ空手と言えば徒手空拳のイメージであるが、霜月剛柔流は棒術の鍛錬もあるのだ。

「はああああっ!」

気を流し、蒼白い気の焔をまとった鉾で飛来する灰色の炎をまとった拳を“殴りつける!”
955 :灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/03/22(火) 14:30:46.24 ID:orJKbdYMO
>>954

鈴の気を纏った鉾は蒼白い輝きを帯びて輝く。
放つオーラにより熱気すらもカットする鈴の前に、灰の拳は容易く消える。

「……危ねえ!」
力を失い、無害となった灰の煙が透かす先。
青年が鈴へと向かい叫ぶと同時に映る、2つの焔。
先の一つから間髪を容れずして突き進んできていた。

一瞬見えた鈴の姿に安堵して、即座に止めた口を思い出し再び走らせる少女。
「真紅纏し守護の盟約!」
手にした赤い剣を天に掲げ、振りかぶる少女。
最後の一言を叫びながら、殺意の拳二つへと、赤い剣を投げつけた。
「果たしなさいっ!」

硝子のように透き通る、赤い刀身は飛ぶに連れて輝きを増して。
周囲一帯を覆う程の輝かしさを誇る真紅はーーーー弾けた。


「……何が、起こったんだ?」
後に残るのは静寂。
極限の赤い輝きの前に、行末を見届けられた者は誰一人として居らず。
ただ、その光の前に……光により呼び寄せられた真紅に身を包む騎士の前に、灰の焔は切り伏せられたことのみが真実。
「僕は、戻ってきた。
 全てを、有るべき姿に戻す為に」
並び立ち、投げかける声は変わらぬトーンで。
形こそ違えど得物の二刀をその手に構え、柊宇都綾は再起を誓った。
「そして、鈴……キミを護る為に」

赤の騎士として。
956 :霜月 鈴 時雨 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2016/03/23(水) 11:32:46.28 ID:hSDETxLGo
>>955
「ひとつ!ふたぁ!」

ウルスラグナ達が灰炎の拳を墜とすのを見てどれほどのものか測りかねていた鈴であったが、一つ目が難なく消えたので勢いづいて続く灰拳を払おうと鉾を振りかぶる。

「げっ」

しかしその鉾はゼオラの闇で出来たレプリカ。鈴の気功に長く耐えられるはずもなく、黒い霧となって散ってしまう。
むしろ気を流し込んだ時点で消えずに一つ目の灰拳を壊しきるなんてよくもったと言えるぐらいだろう。オリジナルの性能とゼオラの再現能力の高さがうかがい知れる。

「っ……!」
「鈴姉ぇ!」

鉾が急に霧散した反動でバランスを崩してしまった鈴を無慈悲に襲う灰色の死の宣告。時雨は思わずいつもの呼び方で鈴を呼んでしまう。
しかし似たようなタイミングでライナーも叫んでいたので彼らのグループは聞き取れなかったかもしれない。

「ふう……さすがにあせったぜ、水かぶってもすぐまた燃えるヤツの火だからな……当たってたらと思うとゾッとする」

綾の声が聞こえた。そこで鈴はよろけた状態から無理矢理飛ぶ肢を選ばず落ち着いて体勢を立て直す。その強敵に立ち向かうとき、逆境や辛い時にいつも浮かべる笑みを穏やかな笑顔に変えて。
残りの灰拳は弾け、少しだけ熱い風が頬を撫でる。

「 へへっ、ああ、おかえり。ありがとーな、リョウ」

戻った綾の横に並び立つと向日葵のように笑いかける。

「さあ、反撃といこうか。見せてやろうぜ!」
957 :灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/03/24(木) 01:38:48.32 ID:5bsutre8o
>>956

「……あぁ」
いつもと変わらず、相槌を打つ。
姿こそ変われど、彼女の持つ雰囲気は微塵にもぶれず。
主たる変更点である得物を構えなおすと、微かに口元を緩めた。

「生まれ変わった、僕の力をキミの剣に、
 生まれ変わった、僕の力をキミの盾にしよう」
顔を合わせそう宣言すると、闇色の髪が強く靡く。

左手では本来は鍔がある部位にも柄が枝分かれした西洋剣をトンファーの様に持ち、
最後に強く拳を握ると、銀の腕輪から巨大な銀の刃が飛び出し構えた。

強い悔恨の念が灼熱となり、周囲の熱気はさらに上がる。
焔の揺らめきが景色をぐらつかせ、少女の背には翼が戻る。
爆炎が足元から巻き上がると、突撃により接近していた三人は飛びのかざるを得なくなる。
「彼女の恨み、辛み、取り除かなければなるまい。
 それが何故か。キミは薄々と感じているはずだ。そうだろう?」
彼女の声を聴き続けていた青年は、ウルスラグナの問いかけに後押しされるように頷く。
であれば。とさらなる頷きで返すと、真紅の手を掲げた。
「さぁ、最後の証明を始めさせてもらおう」
958 :霜月 鈴 時雨 ◆f7JK9RIN.g [saga]:2016/03/25(金) 10:56:18.82 ID:b/N6FGP0o
>>957
「やりすぎないようにあのキレてさわいでるヤツを無力化、コーハクのヤツからの注文だ」

そう言ってポキポキと指を鳴らすと後ろに手をやる。

「あれっ……そうか、ルニの頭の固定につかったんだった」

トンファーを装備しようとしたが無かったらしい。

「やっぱり俺の背中を任せられるのはお前みたいだ、リョウ。また、俺にもお前の背中、預けてもらえるかな」

ゼオラの攻撃から綾を守れなかった負い目やアルビノに背中任せたらやられたりした事などを頭にめぐらせながら呼吸を整える。
959 :灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/03/25(金) 23:48:57.68 ID:zTp7Hkieo
>>958

二人の背後から短い間隔の乾いた足音が響く。
振り返ると、息を切らせて紅くなった顔で見上げる女王の姿。
「……アリス」
「契約の話はアトよ、まずはこの場を鎮めなさい!」
そういうなり彼女は頭上に掲げた手を叩き、兵士を呼び寄せる。
物陰に隠れ怯えていた彼らが担架を連れて集まってくる。
「さぁ、運んであげるわ。乗りなさい」
時雨を兵士とで挟む形になり肩を取ろうとする。


「勿論だ」
次いで、鈴に向き直ると大きく頷くと周囲に視線を移す。
真紅の衣装から大胆に露出した右腕と左脚を炙る灰色の熱気。
その出所を見つめ、踵から刃が伸びたブーツを鳴らして地面を強く踏んだ。

『うるさいっ! お前ら、もう…来るなぁっ!』
か細い声を張り上げて怒りを露わにする少女。
悲哀の叫びに呼応して生まれた隔絶の障壁が、全ての侵入を許さない。。
強すぎた絶望が齎した呪いは、青年の振るう黄金の刃も、レラの号令で放たれる銃弾も、受け付けはしなかった。

だが、
「生まれ変わった、僕の力!」
幾度の攻撃をも弾く障壁に綾が飛びかかっていく。
自らの運命すらも切り裂いた新たなる刃で、絶望の輪廻を断ち切っていく。
「鈴と僕とで……押し通す!」
灰の少女を守護する障壁に綻びが生じる。
言葉でなく、意志で、鈴に投げかけていた――――ついてこい、と。
960 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2016/04/02(土) 15:30:07.90 ID:/EvjEyM+0
てす
961 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/04/05(火) 14:01:15.43 ID:APpJq7bGO
てす
962 :霜月 :2016/04/05(火) 17:25:08.86 ID:q+tMV5kFO
>>959
「……すみません、お世話になります……」

肩を借りながらそう言って笑顔を作る時雨であったが、作りきれていないそのぎこちない表情には余裕がなかった。


「なんかキャラ変わってないか……?」


返された言葉に苦笑いを浮かべるも、目の前の綾は自分のよく知る綾であるという確信を持った鈴。
綾が駆け出せばすぐにその後ろに続く。二人の間に言葉は要らない。
気をセンサーのように拡げ、綾の攻撃の邪魔をさせまいと備えながらサポートに徹する
963 :灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/04/06(水) 23:53:00.75 ID:WGa+dprBo
>>962

「あっ、と」
時雨を乗せた担架に進むように命じた後、思い出して声を上げるアリス。
くるりと振り返ると切り込んで行く綾に対し腕を振り上げ息を吸い込む。
「忘れ物っ!!」
掲げた手に再度現れた真紅の刀。
波打つ刀身には先ほどにはなかった輝きが追加されていて。
ぶん。と力を振り絞る最大限のスロー。違うことなく、声とともに届けられて。

隔絶の障壁に挑んでいた綾は様相を変える。
刀よりも赤い輝きが彼女に取り付き、彼女の赤と混じりより強い光を生む。
装備すらも形を変え、今、手にあるのは3振りの刀と1本の鞘が納められた刀掛け。
そして、飛来する赤い刀を受け止めて、振るう。
瞳に映らず音すら発さず、されども何人たりとも通さずの障壁に刃を立てる。
真紅の軌跡を残した刀を上空に投げ捨て、手は既に次の刀へと伸びる。
そして2、3、4と全ての刃を振るった壁には4本の真紅の軌跡――――綾の新たなる力の片鱗―――が重ねられて浮かぶ。

「鈴!」

場所を開けるように飛びのく綾。見える目標はただ一つ。
964 :霜月 鈴 時雨  ◆f7JK9RIN.g :2016/04/07(木) 23:20:14.08 ID:yyTJmf+w0
なおったかな?
965 :霜月 鈴 時雨  ◆f7JK9RIN.g :2016/04/09(土) 18:47:12.82 ID:d/HdMxTR0
>>963
「まかせろっ!」

赤く輝いていた綾が飛び退けば、其処には浅葱色に燃えさかる焔のような気をまとい深く腰を落とした鈴が現れる。
二人が共闘することで流れ込んでくる力が燃料となり、その焔は強く燃えさかる。

「はああああっ!」

その引き絞られた右腕がひときわ輝いているのに障壁の主が気付いたときには既に前足の左足をすり足で進めて密かに距離を詰め、右足を大きく踏み込みながら右手での突き……はっきりとした蒼い直線の軌跡を描きながら渾身の追い突きが障壁に叩き込まれていた。
綾の刻んだ軌跡からヒビが走り……しかし、そこまでで障壁はやはり崩せない。しかし鈴の瞳にはまだこれからという強い意志が燃えている。

「……はあっ!」

姿勢を崩さずに気合いから更にもう一度気合い。拳から伸びていた蒼い軌跡の直線がパイルバンカーのように叩き込まれる。
綾と鈴、二人の攻撃の前にその壁はガラス板のように砕け散った。
966 :灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/04/14(木) 00:17:24.35 ID:GXxTHAqmo
>>965

「この力は……輪廻を破壊する剣!」
四重に連ねた真赤の軌跡。
鈴の一撃に併せて力を解き放ち、斬撃のマークを解放する。
再度、切り裂く衝撃。そして鈴の気迫の炎により不可視の障壁は崩れ落ちた。


絶対不可侵を保っていた障壁が崩れ落ちると、その先の景色が不透明になる。
振れ、揺れ、崩れ。『境界の先』は不安定になり、崩壊を始めていた。
全てを灰に染めながら急速に崩壊していく先の世界の中で、壊れた校舎が滅びようとしていた。

崩れだした景色に真っ先に掛けていく純白の少女。
届かない。届かない。届かない。
どれだけ腕を伸ばしても、先端の真紅が彼女に寄る事すら叶わず。
まるでスクリーンの景色。不可侵の境界は、崩れても尚、不可侵。
「ゼオラッ! 僕に手を貸せぇッ!!」
思わず叫んで口した、少女の名前。
絶望を身に宿した少女に、英雄は希望を託した。
その声に呼応して、闇が広がり純白の身体を黒く、黒く塗りつぶす。
渾身の力を以って振り抜かれた腕が漆黒を打ち出す最中で、彼女の白と融合し灰の輝きとなって打ち出される。
全てが灰に塗りつぶされた世界を掛ける一筋の閃光が、崩れた景色の中から少女を打ち抜き、こちらの世界へと跳ね上げた。
967 :霜月 鈴 時雨  ◆f7JK9RIN.g :2016/04/14(木) 20:37:16.05 ID:LBtSP4+do
>>966
「カンペキだなっ。さて、あとはアイツの仕事ってコトでいいかな。がんばれよ、コーハク」

ニッと笑いながら綾と拳を軽くぶつけると二人の行く末を見守る
968 :灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/04/21(木) 00:19:14.23 ID:jmO/z0cJo
>>967

純白のウルスラグナと漆黒のゼオラの力が混ざり、打ち出された灰は、同じく灰の世界に飛び込むことができた。
灰色一色に染められた世界から飛び出した少女。

「……っ、と」
大きく放物線を描いた小さな身体は、落下点に先回りしていた青年の元へ。
既に荒れ狂う焔は微塵も無く、そこにいるのはただ独りの少女だった。

景色の一部を侵食していた灰色の、向こう側の世界が少女を取り出されたことで急速に口を締めていく。
その様子をゼオラとウルスラグナは、最後まで見届けてからゆっくりと皆の元へと帰ってくるのだった……。
969 :霜月 鈴 時雨  ◆f7JK9RIN.g :2016/04/21(木) 22:54:25.37 ID:pShABerpo
>>968
「うーん……結局なんだったんだ?これで一件落着感出しながら来られて一瞬よかったよかったってなりかけたよ!いや!おかしいだろ!」

二人を出迎え早速ツッコミを入れる鈴。

「ゼオラ、お前がいろいろヘンなコトやってたのはあの発狂ファイアーガールを呼び出すための儀式的なアレだったりしたのか?」

途中で乱入してきた少女を戦いの末になんとかした一同。しかし元々は砂ゴーレムだ何だで被害を受けたりライナーが大怪我をした原因であったゼオラとの戦いだったはずだ。
970 :灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/04/22(金) 14:12:13.05 ID:N/ktEJdEO
>>969
「……めでたしめでたし」
ツッコミを抑揚のない言葉で一蹴し。
一度鈴に向いた視線はそれて行ったが、続く言葉にもう一度目を合わせる。
腕まで伸ばすと握った拳から指を二本だけ立てて差し向けた。
「……ぶいぶい」
真顔ダブルピース。


腕の中の少女はか弱く。細く。軽く。
苛烈な炎とは似つかないような風貌、雰囲気。
その容姿には何処か見覚えがあって、前髪を撫でて書き上げた。
「ゼオラ……?」
思わず出た呟きは、風に流れる。
唯一、耳に届いていただろう少女は、その問い掛けに薄っすらと目を開ける。
『……やあやあ、ご苦労』
朱色の瞳を灯した少女の元に、顔を出すウルスラグナ。
それを見るなり暴れ、顔を目掛けて腕を伸ばす灰の少女だったが、それは真紅の左手によって遮られた。
『こわくないの……?』
『怖くないさ。もう、全く』
971 :  [sage]:2016/04/23(土) 15:08:58.69 ID:uVS0DrOko
うわ、懐かしいなこのスレ
972 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2016/04/23(土) 17:16:06.41 ID:REMSPZFiO
おかえり
973 :霜月 鈴 時雨  ◆f7JK9RIN.g :2016/04/23(土) 17:38:21.40 ID:PUhcNjhQo
>>970
「そこのシスコンはいいだろうしリョウもパワーアップして帰ってきたからいいかもしれないけど……シグレとアツミとルニはめでたくもぶいでもないよ!おめでたいのはお前の頭だよ!もう!
はあ……もうつかれた……ちゃんとあやまって許してもらえるようにおわびするんだぞ……」

どっと疲れが出てきた様子の鈴であった
974 :  :2016/04/23(土) 18:25:35.14 ID:uVS0DrOko
もうVIPではやらんの?
975 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) :2016/04/23(土) 18:38:36.79 ID:PUhcNjhQo
またやるか−、でも普及しまくったスマホがPCと見分けつかないんだよなあ
976 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/04/23(土) 21:21:30.97 ID:AZIa6NcdO
またやりたいですねー。
977 :灰色の不死鳥 ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/05/06(金) 15:11:24.97 ID:dwu92+mxO
>>973

「……ひみつ」
表情を変えないまま一言だけ残し目を閉じたと思えば顔を逸らしていく。
どうやらこれ以上口を開く気は無いらしく、灰色の少女の元へと歩いていった。

『アリス、力を貸してはくれないか』
『私? ……なにかしら?』
灰色の少女を眺めていた白髪と金髪の男女。
その、白髪のウルスラグナは唐突に顔を上げたと思えば赤髪のアリスを手招いた。
『一年だ。僕の時間を彼女に渡す。
 たったそれだけにしか過ぎないが、せめてもの償いだ……できるよね?』
問い掛けられた側は赤い髪を揺らし、不可思議そうに首を傾けさせたが、
首から下げられた大きな時計を持ち出して、差し出すように見せて答えを示した。
『あぁ、それでいい。
 ……ただ、これだけだが……せめて自分の為に、使うといい』
灰髪の少女に向き直り、頬を優しく撫でた。
既に敵意は消え去った表情は、柔らかかった。
978 :霜月 鈴 士道 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2016/05/12(木) 13:55:26.74 ID:qmTreD4Ao
〜翌日〜
「まったく、ひどい一日だったな……」

「ホンマやでまったく……ここの学校は生徒だけでなく先生も、そんでもって客まで元気溢れすぎやで……」

「あっ、にーさんおはよう」

タオルで頭を拭いながら上気した顔を覗かせる鈴。早めの朝練を済ませ、風呂場で汗を流してきたのだろう。ひとりごちたつもりが聞き慣れた声、兄である士道の返事を受け、挨拶をした。

「おう、おはようさん。ちょっと直しかけたけどこらもうアカンわ。九条さんとこ頼んどくか……涼むんやったら気ぃ付けてな。
あとみんな入ってこんよーに出るときは鍵かけといたってくれ」

前日の戦いでの補修箇所を見ていた士道はあきらめた様子で鈴に鍵を渡して去って行った。

「ふう……」

上にあったタンクを壊したくらいで破損の少ない出入り口の近くに座り、壁にもたれる。火照った身体に早朝の冷えたコンクリートが心地よかった。
979 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/05/12(木) 14:22:12.36 ID:svuYCsfMO
>>978


鈴の視線の先に、黄昏る少女の姿があった。
その姿は純白。つい昨日の騒動にも関わっていた彼女、ウルスラグナ。
何をする訳でも無く屋上の柵に身を預け、遠い景色に目を向けていた。

少しして、鈴がいる事に気付いたらしく、微笑みかけてこら歩んでくる。

「昨日はご苦労。巻き込んでしまって悪かったね」
鮮やかな真紅のグローブに包まれた手を差し出し、握手を求めた。
「今、時間はあるかな。少しつきあってほしい」
980 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2016/05/13(金) 00:46:12.66 ID:hpCC1GFyo
>>979
「なんだ、お前もいたのか。こんな朝早くから元気だなお前も……
ああ、もう巻き込まれるのはなれっこだからな。それからアレで終わりっていったハズだぞ?まだ言うってんならとことん説教してやるけどな」

朝からやっかいな奴に捕まっちまったぜとでも言うような態度で返す。

「見てのとおり朝練お風呂でひとやすみ中だよ。残念ながら時間がないとはいえないな。よっ……と、なんだ?」

差し出された手をつかみ、引いてもらって起き上がり立ち上がる。
981 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/05/13(金) 08:20:46.37 ID:R3BRNN2pO
>>980

「クク……辛辣だね」
引き上げると背を向けてまた距離を離していく。
何処か自嘲気味な言葉なのは、きっと自覚があるからで。
けれども反省の色が薄かったりするのは、ご愛嬌と言うところだろうか。

「なに、そんな物騒な話じゃないし手は取らせないさ。
 ただ、僕的には一段落もついたところで、挨拶をしておこうと思って」
屋上の丁度中心から三方の景色へ視線を馳せる。
そして、残り一方。最後に鈴と向き合い。

「……久し振りだね」
982 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2016/05/13(金) 08:45:24.33 ID:hpCC1GFyo
>>981
「あんまりそんなことばっかやってると友達なくすぞ−?」

反省の色が薄そうな目の前の人物に困ったような笑みを浮かべながら釘を刺した。

「そうか……ん?
ひさしぶり?昨日合ったトコだろ?」

昨日は長い一日であったがゼオラの話を聞きに行ったり共闘したり後ろから殴られたりぶん殴ったりと確実に出会ったばかりの筈と首をかしげる。
983 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/05/13(金) 11:47:11.60 ID:VbjYK8jrO
>>982

「元より少ない方さ。
 キミもよく知った顔なのを除けば……片手よりも少ない、かな」
はっきりとした物言いには、気にしている雰囲気はない。
友を指折りで数えていき、それが四つに差し掛かるかどうかで立ったり折りたり悩む素振り。

「それもそうさ。
 ただ、キミだけにははっきりと僕のことを覚えて欲しかった」
学校の敷地の内側を向けば学舎が。
反対を向けば日常そのものとも言える街並みが見える。
鈴にとってはなんでもない普通だろう景色が、彼女にはどう映るのかとても楽しそうで。
「キミの姿に変わりはないようだね。
 ともすれば、やはり時間が歪められていたと考えたのは正解だったのかもしれない。
 だが、僕は、ここまで来るのに二年掛かった……報告が遅れていなくて幸い、かな」
白金の髪。真紅の双眸はかつての記憶に思いを馳せる。
数年ぶりのシチュエーション。変わったのは自分だけらしくて。
984 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2016/05/18(水) 10:28:05.45 ID:bI82gRpjo
>>983
「そーだよ、だから減るじゃなくてなくすなんだ。よっ……と」

立ち上がり、ウルスの姿を確認するようにウルスの周りを回りながら見る。

「二年……?」

985 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/05/18(水) 14:36:32.94 ID:+2t+5KJNO
>>984

「そうだね……言い方が悪かったか。
 つまりは、友達。というワードを適切に使うならばキミ達の他には居ないかな」
折った指を全て広げ、手を払うように振ってしまう。
一つは実直な後輩であったり、一つは屋敷で留守番を任せたメイドであったり、一つはクライアント兼パートナーであったり。
別にあと一人、大切な存在は……端から友達という区切りではない。
「まぁ、彼らとは昔からの付き合いでね。
 詰まる所、今更愛想をつかれたりはしないはずだ。
 だから僕はキミに嫌われていないかどうかということを只管気にかけることができる」
周囲を眺め終え立ち上がった鈴の元へ歩み寄ってくる。
通常の会話の距離を切ってなお、そこから一歩近寄り……所謂壁ドン。少女マンガ的な方の。
「もしかして、忘れてしまったのかい。
 酷いな……僕を、妹にしてくれるんじゃなかったのか?」
そんな言葉を交わした事を、覚えているだろうか。
今よりも背丈の差は小さく。今よりも大分幼くて。
強気な奥に過弱さを覗かせた、白い少女との約束を。
986 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2016/05/18(水) 15:43:59.56 ID:bI82gRpjo
>>985
「えっと……ごめんちょっと言いすぎたな」

まさかそこまでいないとは思っていなかったので冗談も言えずに視線をそらしながら謝る。

「うーん……二年か……たしかになんかちょっと背ものびてるし顔つきも変わった気がするな……
でも二年ってコトは追い抜かれてないか、歳?これじゃいm、弟になっちゃうな」

寄ってきたウルスの頭の上から自分の頭の上に手を動かして身長を確かめたり近くなったその顔を両手で触ったり動かしたりしながらその成長を確かめたりしながらうなる鈴。
特に壁ドン(最近の)の効果は出ていないようだ。
987 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/05/18(水) 16:11:34.31 ID:+2t+5KJNO
>>986

「何、彼らは友達と言うより同士の方が近しいってだけさ。
 そもそも、過去の僕自身が友達なんか概念は思いもしなかった」
嘗ての少女は力のみを貪欲に追い続け名声という名を得ようとするばかりで。
今、苦笑を混じえながら過去を振り返ることが出来ているのは、形ばかりか真の名を得られたからに他ならない。

「それより、やっと思い出してくれた」
あの日見せた時のような、愛らしい爛漫な笑み。
ウルスラグナと言う存在が内に抱えた少女らしさが押し出されたもので。
「ふむ。昨日の一件で僕が未来のゼオラ=アドヴァルドでおることを解ってくれたと思うのだが。
 ゼオラとラインハルト=アドヴァルドは同い年。つまりキミとも同じだね。
 ただ、僕は昨日アリスに一年を過去に置き去りにするように頼んだ。彼女のために」
しかし、次の瞬間には普段の早口で捲し立てる説明口調にはや戻り。
「結果、僕の年齢は16。妹で何も問題ない」
それまでを言い終えれば、壁際に追い詰めた鈴に抱きついてくる。
988 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2016/05/22(日) 21:06:09.11 ID:ih8Q+Lubo
>>987
「なんだよそれー、中二病こじらせすぎだろー」

冗談ぽく笑い飛ばす。

「あの白昼夢みたいなのは夢じゃなかったんだな。どーゆーカラクリだったんだアレ?……え?お前がゼオラなの?え?
……ちょっとまってもっとわかりやすく説明してくれ」

この学校で色々とおかしな事にも慣れ、また決して成績の悪い方ではなくむしろ良い方の鈴であったが少し理解が及ばなかったようだ。

989 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/05/23(月) 10:27:27.29 ID:qV3aqlPqO
>>988
「覚えてるだろう、昔の僕を。
 そんなことに気を回してる余裕なんて無かったのさ」
過去の自分を、鈴と同じように笑う。
「当時は今よりも数倍、純粋だったと記憶している。
 ……正しく言えば、空の器。無だったとでも言うべきかな」

「今でなら、やんわりと手法が解る気がするよ。後で問い詰めてみようかな」
混乱の間に真正面から飛びつきもふもふ。
会話の為に顔を上げるとそこは数年待ちわびた喜びに満ち溢れていて。
「幼少期の彼女の未来が僕という事さ。
 命を落とした筈なのに、身体が動いている理由は、まだ探す必要があるけどね」
990 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2016/05/25(水) 09:30:44.98 ID:4SblSF3mo
>>989
「それよりなんだ、何いきなりだきついてきてるんだ。今日はテンション高いな?変なクスリでもキメたか?」

どちらかというと変な嫌がらせとかしてくるしそんな好かれてないはずだしそういうキャラでもなかったよなあ?と頭にクエスチョンマークを浮かべながらされるがままになっている。
991 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/05/26(木) 10:05:51.47 ID:iPZujhYYO
>>990
「ふむ。困ったな……。
 キミの目にはそう見えていたということか。
 敢えて冷たくしていたつもりではあるが、決して嫌っていた訳ではないよ。
 僕が僕だと気づいてくれるまで、キミと無駄な接触はしたくなかった……少し、意地悪だったかな?」
離れた少女が浮かべる笑みは、再び稚さを醸して。
控えめに向けられたはにかみには、気恥ずかしさが見て取れる。
992 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2016/05/26(木) 11:37:57.62 ID:sVkUTSYKo
>>991
「人の心を読むんじゃない。ま、そーだな。お前は間違いなくイジワルなヤツの部類に入ると思うな。」

うんうんとうなずきながらそう言うと

「だからって妹にしてやるって言ったことを取り消したりはしないけどなっ」

ニッと笑いながら、離れたウルスの頭をなでた。
993 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/05/26(木) 13:13:10.61 ID:iPZujhYYO
>>992

「今のはただの自己分析。反省の類さ」
伸びてきた手の意思に気づくと、高く伸びたを背を曲げて。
頭を差し出すとおとなしく撫でられながら、心地良さそうにしていた。
「この為に、二年間戦い続けてきたんだ。ありがとう……お姉ちゃん」
994 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2016/06/04(土) 10:20:59.05 ID:AbDkfLW1o
>>993
「よくがんばったな、おつかれさん。
……なんか背中がむずがゆいな……」




たてた
ここだけ男子高校ただしPCは男装少女PART46
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1465003188/
995 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/06/06(月) 14:20:45.97 ID:nbovZyk8O
>>994

「さ、て……」
暫く撫でられて満足したのか、下げた頭を戻し。
再び見下ろす形になれば、真紅の瞳は何時も通りのキレを発揮する。

「何か、聞きたいことはあるかい?
 彼女のことや僕のこと。話せる範囲で話そう」
996 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2016/06/09(木) 17:39:37.81 ID:KM3Hcfy1O
>>995
「……なんだろーな……いざ聞いていいって言われるとなに聞いていいんだか……」

むう、とうなりながら腕を組み口に手を当てて考える。

「まあいいや、とりあえずこれ話しとけばよさそうって思うやつ話してくれよ。それからあとはまた聞いたときに教えてくれ」
997 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/06/13(月) 01:40:22.01 ID:+CJVN/xko
>>996

「そうかい?
 あの後のことや、これからのこと。
 僕が話したいことは沢山あるが……それも、追々でいいだろう」
フッ。と笑みを浮かべ息を吐くと、少しだけ考える素振り。
「そうだね、ではもう少し詳細にはなそう。
 ゼオラ=アドヴァルドという少女について」
998 :霜月 鈴 ◆f7JK9RIN.g [sage]:2016/06/13(月) 22:57:18.64 ID:Sce/6Q/7o
>>997
「まったく、色々ありすぎたよな……おっ、それいいなっ。うん、それにしよう」

もともと色々と濃い日常。それにしてもここのところは特に少し大変だった気がする。
999 : ◆RYO/n8uupE [sage]:2016/06/14(火) 00:36:58.11 ID:rKtulxcUo
>>998

「勿論、聞いてくれても構わないよ。
 むしろ、僕は話したくてしょうがない」
鈴にとっての数日は、ウルにとっての2年間。
遠い何処かにある拠り所を得た少女あの日を境に人前で笑えるくらいには強くなった。

「ただ、先に聞いておこうか。
 キミが彼女をどう思っているか。何を感じているか」
危惧するかのような、不安げな物言い。
そうなってしまうのも、
「僕がゼオラの一人の友人として」
1000 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2016/06/15(水) 20:14:34.42 ID:ZxgxVR4HO
>>1000なら100まで特殊能力無効化
1001 :1001 :Over 1000 Thread

 ,.――――-、
 ヽ / ̄ ̄ ̄`ヽ、   【呪いのパーマン Ver2.0】
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  | |@_,.--、_,>    このレスを見たら10秒以内に次スレを建てないと死にます。
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パー速@VIPService
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提督「敵の襲撃ついでに俺が死んだことにする?」 @ 2016/06/15(水) 19:53:10.36 ID:5QWVMBIk0
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