370: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/17(月) 23:23:25.31 ID:bASNl0Z+O
 「(――だからこそ許せない)」 
  
 唆されたのか脅されたのか、ともかくこの若者を手足にドラッグをばら撒いている組織があるのは確実。 
 元はどこにでもある、社会に反骨心を抱いただけの若者のグループだったはずなのに。 
 それを裏世界に引きずり込んで食い物にしている連中がいる。 
371: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/17(月) 23:23:51.66 ID:bASNl0Z+O
 驚愕したのは、またもや男の方だった。 
 見開いた瞳に映る相手の姿が、あまりにも衝撃だったのだ。 
 真九郎は防御すらしていなかった。 
 先ほどまでと全く同じ姿勢で、微動だにしなかった。 
 空中でバランスを崩し、受け身も碌に取れずに床に落下する男。 
372: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/17(月) 23:24:18.80 ID:bASNl0Z+O
  
 機械的な作りで、一目で義肢とわかる。 
 装着者自身の肌と同じ様にしか見えない星?製とは全く異なる作りだ。 
  
 「……何が言いたいの、紅くん?」 
373: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/17(月) 23:24:45.01 ID:bASNl0Z+O
 真九郎の背中越しに顔を覗かせた切彦が口をはさむ。 
 瞼が眠たそうに半開きになっており、真九郎の背中に圧し掛かるようにして立っている。 
 ちなみに本人は胸を押し付けているつもりだが、真九郎は全く気付いていない。 
  
 「……あんまり紅くんに近づかないでくれる? アンタが全身に仕込んでる刃物が刺さったら《九鳳院》と《崩月》が黙ってないわよ?」 
374: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/17(月) 23:27:00.81 ID:bASNl0Z+O
 今回はここまで。 
 ようやく前座が終わったので、ここから動き始めます。 
 長らくお待たせしてすみません。 
 もう少しペースあげていければと思います。 
 それと星?→星噛です 
375:名無しNIPPER[sage]
2017/04/17(月) 23:55:42.45 ID:uWT2M53No
 乙です 
376:名無しNIPPER[sage]
2017/04/17(月) 23:59:39.34 ID:SfwPMqH6O
 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 
 乙乙です 
377: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/20(木) 17:51:17.94 ID:v4+DVNQXO
 ===== 
  
  
 「おはようございます、ジュウ様」 
  
378: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/20(木) 17:51:43.66 ID:v4+DVNQXO
 「ジュウ様、円から伝言を与っています」 
  
 無言のままの通学路が続き、もうすぐ学校に着くというところで、雨が唐突に口を開いた。 
 電波ではなく伝言が飛び出してきたことに少し驚きつつ、ジュウは耳を傾ける。 
  
379: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/20(木) 17:52:11.20 ID:v4+DVNQXO
  
  
 放課後となり、ジュウはさっさと帰り支度を進めていた。 
 雨はいつも通りの補習授業であり、ジュウはもちろん部活動には所属していない。 
 基本的にジュウは暇を持て余しているが、ここ最近のように予定が次々に入ってくるのは自分のペースを崩されるようで疲れる。 
380: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/04/20(木) 17:52:37.71 ID:v4+DVNQXO
  
 「円堂さんからは『気絶させてでも連れて来い』と言われてるからね。頼むからおとなしく着いてきてくれ」 
  
 さすがにこの格好は寒いしね、と身を震わせる伊吹に対し、ジュウは早々に抵抗をあきらめた。 
 伊吹の強さはジュウ自身が誰よりも知っている。 
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