渋谷凛「ふーん、アンタが私のプロデューサー?」
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1:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 01:07:32.58 ID:I88sbQdx0
「ふーん、アンタが私のプロデューサー?」

そんなのが、彼女の第一声だった。

「冴えないだろ?」

と肩をすくめてやったら

「まあ、悪くないかな」

なんて答えが返って来た。
悪くないらしい。多分喜ぶべきことだったのだろう。少なくとも、良くないかなと言われるよりはずっと。

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2:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 01:10:59.58 ID:I88sbQdx0
アイドルマスターシンデレラガールズの渋谷凛のSSです。

モバマスの世界線を参考にしていますが、オリジナル設定です。

オリジナル設定は消化不良で終わるかもしれません。
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 01:13:44.76 ID:I88sbQdx0
聞いたところによるとプロデューサーは大学生らしかった。いわゆるアルバイト。
正直どうなんだろうって思うところはあったけど、まだどんな人かも分かってないのに否定するのもいけないな、って考えて、出て来たのが

「まあ、悪くないかな」

以下略 AAS



4:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 01:15:51.19 ID:I88sbQdx0
振り返ると、凛もよくあんな説明で納得したな、と思う。あるいは別に納得はしていたわけではないのかもしれないが。

「暇なら誰でも出来る」マネージャーにマネジメントされることは不安じゃなかったんだろうか。そうだとすれば、やはり凛は強い子だ。

「プロデューサーさんは免許を持っていないので、送り迎えは私がするか、あとはタクシーを使ってもらうことになります」
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 01:20:41.92 ID:I88sbQdx0
私とプロデューサーの関係性はほとんど問題なかったけど、一度だけ、私は彼に噛み付いたことがある。私の最初の仕事、というか最初の仕事の前の準備として、宣材写真を撮ったとき。
なかなか笑顔が作れなくて行き詰まった私がスタジオの外に出ると、プロデューサーが1人で煙草を吹かしてたんだ。
なんだか、私が頑張ってるのにプロデューサーは真剣じゃないみたいで、気づいたらすごく怒った声になってた。

「プロデューサー、何してるの?」
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 01:25:35.98 ID:I88sbQdx0
そういえば凛を一回だけ泣かせたことがあった。
その時になりゆきで凛にスマートフォンを渡したのだけれど、何を思ったか彼女は0810とロック画面をタップしだしたのを鮮明に覚えている。八月十日は凛の誕生日だ。それが正解じゃないと気づいた彼女の恥ずかしそうな表情もなかなかのものだったが、俺も内心は穏やかじゃなかった。
本当の暗証番号は0401。
俺と凛が出会った日付だ。
また
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 01:29:10.02 ID:I88sbQdx0
先に私がプレゼントを渡したからかもしれないけど、プロデューサーはちゃんと私の誕生日を覚えてて、お祝いもしてくれた。
まあ正直しばらく夏休みでお仕事もレッスンもなかったのに、八月の十日だけ事務所に行くことになってたから、ちょっと期待してはいたんだけど。

事務所に着くと、いつも2人で喋るときに使うソファの前の安っぽいテーブルに、どうみても安っぽくはない、それどころかかなり良いものって感じのするケーキが置いてあって、プロデューサーはなんでもない風に

以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 01:36:44.58 ID:I88sbQdx0
俺はプロデューサーをやってた時期も、だいたいにおいて暇だった。その前はもっと暇だったけれど、いろいろあってCGプロの社長に拾われたわけで、少しは忙しくなるんじゃないかと入社時は思っていたのだが。
兎に角そういうことで、時間に余裕のあった俺は春学期のうちに免許も取り終えたし、学業の方も単位だとかそういうレベルの話でよければほぼ完璧にこなしていた。

そこに変化がおとずれた。8月から9月にかけて、大学の夏期休暇に差し掛かったのである。

以下略 AAS



9:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 01:43:18.48 ID:I88sbQdx0
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10:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 01:48:50.12 ID:I88sbQdx0
凛はもともと芯の強い子だった。というだけでは正確ではなく、というのもそれなりに表面も強い子ではあったわけだが、それでも初ライブまではやはりどこか危うさのようなものも感じられていた。
それが、あの日以降、ほとんど克服されてしまったようだった。
ラジオの収録をすれば危なげなく、ときに可愛く。CMでは求められた以上のクールさと美しさを見せ。ドラマにもわりあい出番の多い脇役で出られるようになっていった。

そもそも例のライブも本人が納得していなかっただけで、クオリティは初ライブにあるまじき高さだったのだ。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 01:52:50.96 ID:I88sbQdx0
人生で一番ふざけた時がいつかって訊かれても、答えるのは難しいと思う。別に、そんなに優等生な態度でばっかり生きて来たわけじゃないし、あのときはふざけてたなぁ、なんて思い出はたくさんある。
でも人生で一番「まじめにふざけた」ときはっていう質問なら、それはすごく簡単。

「ハッピーハロウィン」

以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 01:56:05.05 ID:I88sbQdx0
凛は俺が想像してた中で、最も理想的な反応をしてくれた。
悲しんでくれて、でも変にマイナスの感情を膨らまさない。凄い子だ。

ただそれでも何もかもいつも通りという訳にも、さすがにいかなかった。例えば、凡ゆる一年に一度の行事、つまりハロウィンやクリスマス、正月といったもののたびに、これが最初で最後だな、などと考えてしまう。それはどうしようもないことだと、俺たちは割り切るようにしていた。
そして、感傷までも楽しむみたいに、笑いあった。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 02:03:17.54 ID:I88sbQdx0
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14:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 02:05:41.23 ID:I88sbQdx0
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15:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 02:08:12.54 ID:I88sbQdx0
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16:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 02:10:25.25 ID:I88sbQdx0
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17:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 02:10:57.32 ID:eWOyioU/O
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18:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 02:11:32.56 ID:I88sbQdx0
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19:名無しNIPPER[sage]
2018/06/08(金) 02:14:09.77 ID:eWOyioU/O
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20:名無しNIPPER[sage]
2018/06/08(金) 02:15:17.37 ID:eWOyioU/O
私とプロデューサーの最後のはっきりした思い出は、お別れの日以外だと、初詣になるんだと思う。

特に何かあったわけじゃなくて、事務所から少し離れた神社にお詣りに行って、屋台ではしゃいで、御神籤を引いて。それだけの、ありがちな半日。でもその時のことはものすごく鮮明に覚えてて、それはプロデューサーが射的がやたらうまかったからとか、焼きそばがおいしかったからとか、多分そういうことではない。
上手く言えないけど、上手くいうつもりもないし、ただ、私の人生の中で特別に大切な日のひとつなんだろうなって思う。

以下略 AAS



21:名無しNIPPER[saga]
2018/06/08(金) 02:17:06.85 ID:eWOyioU/O
頷いてから、私はずっと考えてたことを口にした。

「私、プロデューサーのこと、結局よく知らない。どうして社長に見つけられたのか、どうしてここに来たのか。だけどそれでも良いって思ってたんだ」

「ああ」
以下略 AAS



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