岡部「俺は鈴羽を――お前の事を救えたか……?」鈴羽「――」
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29: ◆mcn/WZ3k0ZKj[saga]
2018/07/27(金) 00:18:51.65 ID:fuVfeN7c0
「仕組みとしては単純よ。海馬に蓄積された記憶を数値に変換し、
 その変換された電気信号を対象者の脳に送り込む事で、その記憶を思い出させる。
 ここまではどちらのガジェットも仕組みとしては同じね。」

「例えばこれがタイムリープマシンの場合。
 送られる記憶データは対象者本人の記憶であり、送信先は過去の対象者である。
 過去の自分に現在の自分の記憶を上書きする事で、擬似的に時間逆行を可能にした。」

「そしてこれがメモリアリープマシンの場合。
 記憶の送信先は対象者自身なのだけど、送信される記憶は対象者本人の物では無い。
 当然ね。対象者の本来知りえない記憶を思い出させようというのが、
 このマシンの目的なのだから。」 

「存在し得ない記憶をどうやって用意するかと言うと、
 私は、元となる記憶データを人工的に造り出して代用する事にした。」

「ただ脳波を数値として解析する事が出来ると言っても、それにも限度がある。
 人間の記憶を一から造るなんて芸当、いくら私でも不可能。
 もしも実行するとなると、膨大な量のプログラムが必要になってしまう。」

「だから一から記憶を造り出すのでは無く、
 鈴羽の知らない記憶――α世界線での記憶を持つ者の記憶を土台にして、
 本来存在し得ない、α世界線の記憶データを擬似的に造り出す事にした。」

「つまり岡部、リーディング・シュタイナーを持っていて
 他の世界線の記憶を色濃く覚えているあんたの記憶が、
 α世界線の鈴羽の記憶≠フベースとして最適なのよ。」

「……とまぁ、長々と説明させて貰ったけど。簡単に言ってしまえば
 岡部の記憶からα世界線の鈴羽の記憶を再生するって言う話ね。
 メモリアリープマシンの説明としては大体納得して貰えたかしら?
 そうと決まれば、そろそろ実験準備に取り掛かりましょう。」


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