岡部「俺は鈴羽を――お前の事を救えたか……?」鈴羽「――」
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31: ◆mcn/WZ3k0ZKj[saga]
2018/07/27(金) 00:25:52.81 ID:fuVfeN7c0
「……よし。これでOK、と。
 調整は整ったわ。これでいつでも実験を開始出来る。」


そういうと紅莉栖は、パソコンでの調整が終わったのか。
先程まで叩いていたキーボードから手を離し、こちらに振り向いた。
どうやら一応は俺の記憶から、α世界線の鈴羽の記憶データは造れたらしい。


「それじゃあ実験を始める前に岡部には改めて言っておくわね。
 このマシンで創り出されるα世界線の鈴羽――阿万音さんは、
 岡部の記憶を元として新たに生み出された阿万音さんであって、明確には本人では無い。」

「だから場合によっては、本物の阿万音さんには有るべき筈の記憶が
 無い事に気づいて。それが原因で自己の崩壊に繋がるかもしれない。」

「わかっている……。」


これから自分が、どれだけ危険な事をしようとしているかは充分に理解している。
もしかしたら自己の崩壊によって、鈴羽の精神が壊れてしまうかもしれないのだ。
この世界線の鈴羽の為にも、そんな事態だけは避けなければならない。


「そしてあんたの提案通り、阿万音さんは今日一日を終えると元の鈴羽に戻ってしまう。
 これもいいわね?わかってるとは思うけど、これはとても残酷な事。」

「これは鈴羽の為の措置だとは思うけど、阿万音さんからしてみれば
 希望をちらつかせておいて、一気に絶望を叩きつけられる様なものよ。」

「……っ。」


わかってはいたものの。やはり紅莉栖に事の本質を突かれると。
少し、怖気づいてしまう。だが心は既に決まっている――


「それも全て俺は受け入れる……。
 俺はこの日まで、鈴羽が生まれてこの18年の間、
 苦しみ抜いて出した結論だ。変えるつもりは無い。」


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