岡部「俺は鈴羽を――お前の事を救えたか……?」鈴羽「――」
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33: ◆mcn/WZ3k0ZKj[saga]
2018/07/27(金) 00:44:42.26 ID:fuVfeN7c0
実験を始める為、鈴羽の頭には
ヘッドホン――メモリアルループマシンの受信装置が
取り付けられ、パソコンの前にに座らされている。
これで後はパソコンのデスクトップ上にある実行ボタンを押すだけだ。


「―――。」


俺は自身の決意を高めるため、深く息を吸い込み。
精神を集中させ、高らかに宣言をした――


「これより作戦名――オペレーションウルドを開始する!」


俺はエンターキーを叩いて、プログラムの実行を選択する。
オペレーションウルド――過去を司る女神作戦。
過去をもう一度、という名目で付けたが、まさかこの作戦名をこんな場面で再び使う事になるとは。

――プログラムが何やら数値を刻み動き出す。
これでもう正真正銘、後戻りはできなくなった……。


「オカリンおじさん。」

「うん?どうした。」


プログラム実行までの僅かな時間、鈴羽に声をかけられる。
その表情からは一抹の寂しさが感じられた。


「これが終わったらさ……本当の私を見てね。αでもβでも無い今の私を――」


鈴羽の手が小刻みに震えていた。
やはり危険の伴う実験、鈴羽のような普通の少女が恐怖を感じないはずが無いのだ。
俺は彼女の細く綺麗な手を握ると、安心させてやりたくて一言呟いた。


「――ああ勿論だ。」


そうだ。俺はこれが終わった後の事も考えなければならない。
過去を清算し、未来に生きなければならないのだ。


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