岡部「俺は鈴羽を――お前の事を救えたか……?」鈴羽「――」
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34: ◆mcn/WZ3k0ZKj[saga]
2018/07/27(金) 00:49:12.95 ID:fuVfeN7c0
「――!」


パソコンに接続されている受信装置からの電波を脳が受け取ったのか。
鈴羽の体がビクリと跳ねた。その感覚が気持ち悪いのか、鈴羽の表情は苦痛に歪んでいる。


「あ……あっ!あぁ――っ!!」


鈴羽の瞳は焦点を失い、激しくあらぬ方向を泳いでいる。
そしてやがてその苦しみに耐えられなくなったのか。
その痛々しさに耳を塞ぎたくなる程に大きな悲鳴をあげて、
鈴羽は自身の座っている椅子から崩れ落ちた。


「――鈴羽!!」


慌てて鈴羽の元に駆け寄り、体を抱き起こす。
――息はしている。死んでしまった訳ではない。
だが事態は深刻だ……。鈴羽の表情からは苦悶の色は消えたが、
代わりに意識を失ってしまっている。


「鈴羽!鈴羽……!!おいしっかりしろ!!
頼むから目を覚ましてくれ!お前にもし万が一でもあっては俺は……俺は……。」


――最悪な展開が頭に浮かんだ。
鈴羽がこのまま目を覚まさなかったら……。
肉体としては死んでいなくとも、その精神が死んでしまったとしたら……?
もしもそうなったらダルや由季さんに申し訳が立たない。
それに俺自身、そんな結末にだけはなって欲しくなかった。


「……んっ。ここ、は……。」


俺の必死な呼びかけか。
それとも鈴羽自身の意思が強かったのか。鈴羽が目を覚ましてくれた。

よかった――自分が引き起こした事ながら、俺は身勝手にも安堵する。


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