岡部「俺は鈴羽を――お前の事を救えたか……?」鈴羽「――」
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◆mcn/WZ3k0ZKj
[saga]
2018/07/27(金) 00:52:27.14 ID:fuVfeN7c0
「あれ……岡部倫太郎じゃん。どうしたの?そんな顔して。
まるで一週間ロクに食料にありつけなかった野良犬が、
やっと餌にありつけたみたいな顔してる。顔がくしゃくしゃだよ?」
「というかか何であたし、君に抱き抱えられてるわけ?
状況がよく読み込めないんだけど……。」
岡部倫太郎――
今コイツは紛れもなく俺の事をごく自然にフルネームでそう呼んだ。
しかも口調もあの夏の時のままだ。つまり今のこいつは――
「鈴羽……鈴羽……!!」
気が付くと俺は鈴羽を抱きしめていた。
この場には俺達以外に紅莉栖もいて俺達の事を見ているのだが、
そんな事はもう頭に無く、俺は恥も外聞も無く強く抱きしめる。
「わわっ!?ちょっと……!?お、岡部倫太郎!?
いきなり抱きつくなんて大胆だなー……。強く抱きしめ過ぎだって!苦しいよ!
……ってあれ?どうして泣いてるの?」
「あぁすまん……つい。」
……俺は泣いているのか?鈴羽の体から手をそっと放し、確かめる。
指で頬をなぞってみると、目から熱いものが溢れていた。
「ホンっと君は泣き虫だなぁ。あたし何か泣かすような事したっけ?」
俺から放れた鈴羽は、起き上がり立ち上がった。
鈴羽はとぼけた様に悪戯っぽく笑っている。やはりその姿は昔のままだ。
ダルも紅莉栖も鈴羽も昔のまま……か。
ならば折角だ、この機会に俺もちょっと昔に戻ってみるか――
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