岡部「俺は鈴羽を――お前の事を救えたか……?」鈴羽「――」
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◆mcn/WZ3k0ZKj
[saga]
2018/06/28(木) 19:41:48.92 ID:5LgnJack0
「入るぞ。」
そう言ってドアを開けると、懐かしい光景が目に入った。
昔と寸分変わる事の無い、あのラボの空気だ。
……最近はここに来る事は昔に比べ少なくったが。
時々こうして皆遊びに来る為。天王寺さんに家賃を今も払い続け、残してもらっている。
まゆりが時々掃除しに来てくれるらしいので、埃も無く綺麗なものだった。
「あ、オカリンおじさん!遅いじゃんか!
もう待ち合わせの時刻から10分も過ぎてるんだよ!?」
俺がラボの中を見て懐かしんでいると、一人の少女がこっちに向かってくる。
その表情は般若の様――とまではいかないが、怒りの表情でみたされている。
「あぁすまんすまん。少し物思いにふけっていたら遅れてしまってな。
ほら。侘びの印と言っては何だが、持ってきたお土産でも食べて機嫌直してくれ。な?」
「えっ?ホント!?何かなあ!
オカリンおじさんがあたしにプレゼントなんて!」
プレゼントなどとは一言も言ってないのだが……。
この少女――阿万音鈴羽は、俺が持ってきた土産物のフルーツ(実家の)
の入った紙袋を受け取ると、ガサゴソと音をたてて物色しだす。
「もう、鈴羽ってばお土産貰って喜ぶのはわかるんだけどね?
お父さんは女の子ならもう少し、お淑やかな反応をとって貰いたいのだが?」
そう言って奥から、樽のような体を揺らして男がやってくる。
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