岡部「俺は鈴羽を――お前の事を救えたか……?」鈴羽「――」
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8: ◆mcn/WZ3k0ZKj[saga]
2018/06/28(木) 19:50:04.10 ID:5LgnJack0
まゆりは救えた。紅莉栖も救えた。
そして、こうして時間が経ってしまったが、鈴羽も誕生してあの時の年齢まで成長した。
色々なラボメン達の苦悩は経てきたが、それでも皆救えたと思っていたこの世界線――

だがずっと心の中で疑問に思っていた事があった――
紅莉栖は再会した時を皮切りに、少しづつだが思い出していった。
ダルは今言った様に朧げながら覚えており。
まゆりは時々あの繰り返した日々を夢として思い出す。他のラボメンもそうだ。


だが鈴羽が――鈴羽だけがあの時の事を、あの夏の出来事を思い出す事は無かった。
いつか思い出すかもしれない。まだ物心もついて無いからわからないだけだ。
そんな風に自分に思い込ませて18年が過ぎた。鈴羽はあの時と同じ年齢になっても欠片も思い出す事は無い。

それでわかった事がある。
別の生まれ方。別の育ち方。そしてそれに伴い別の考え方をもって育った鈴羽は、
けっしてあのα世界線の鈴羽とは同一の存在では無いのだという事に。

ならば俺達のやってきた事は何だったんだろう?
ディストピアも、第三次世界大戦も起こらない平和な世界に、
鈴羽を誕生させる事が出来た筈だったのに……。

俺は――α世界線からβ世界線に飛んだ時、既に鈴羽を殺してしまっていたのだろうか?


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