佐久間まゆ「ネヴァーマインド」
1- 20
1: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:28:29.82 ID:+QmI8LWq0
・ゾンビSSです


SSWiki : ss.vip2ch.com



2: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:29:47.56 ID:+QmI8LWq0
佐久間まゆは一途で、恋多き女。
自分でも、いつ、だれと恋がはじまるかわからない。

けれども手を抜いたことはない。徹底的にやった。
だから、破綻した。
以下略 AAS



3: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:30:15.88 ID:+QmI8LWq0
また、壊れてしまった。

まゆはため息をつきながら、低い雲が広がる冬の道を歩いた。
今回も全力で愛した。だが、報われなかった。
あんなにも努力したのに。
以下略 AAS



4: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:31:38.75 ID:+QmI8LWq0
まゆはマフラーの位置を直して、駅にはいった。
今回の相手は同じ会社のモデルだった。

本当は、しかるべき説明をしなければいけない。
まゆは金の卵のように大切にされているが、最悪の場合、契約の抹消の可能性がある。
以下略 AAS



5: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:32:17.10 ID:+QmI8LWq0
皆がほめるのは、ひとつ。
容貌。顔。見た目。外見。ルックス。プロポーション。

ならば、自分がいる必要がない。
写真、動画、フィギュア、等身大の人形。それさえあればいい。
以下略 AAS



6: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:33:05.84 ID:+QmI8LWq0
身体が1.2mの奈落へ吸い寄せられていく。
電車がホームへ、悲痛な叫び声を上げながら迫る。

まゆのために泣いてるのかも、しれませんね……。

以下略 AAS



7: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:34:05.15 ID:+QmI8LWq0
だが次の瞬間。
身体がやわ、と、ホームへ引き戻された。

抱きしめられてる。まゆは自分の状況を瞬時に分析した。
男性用のパフューム。胸がすくような。
以下略 AAS



8: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:34:50.17 ID:+QmI8LWq0


まゆはアイドルになった。一も二もなく。モデルは辞めた。二つ返事で。
社長がなにか恨み言を言っていた。どうでもいい。どうでもよいことだ。

以下略 AAS



9: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:36:01.54 ID:+QmI8LWq0
アイドルにも、美人にも見慣れているであろう社員達が、皆まゆの方を見る。

心の底から人生を謳歌しているものは、それがたとえどのような手段であれ、周囲を惹きつける。

まゆは世界に微笑み返す。
以下略 AAS



10: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:40:14.20 ID:+QmI8LWq0
「だきしめても、いいですかぁ」

その言葉を言い終えるまえに、まゆは相手を抱き締めていた。
罪の香りがする。鼻先を、薄灰色のジャケットに押し付ける。
鼻梁がひくひくと震える。鼓動がおちつく。なにも聞こえない。
以下略 AAS



11: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:40:43.86 ID:+QmI8LWq0
今日はオフだった。だが、まゆはプロダクションにやってきた。
ただ愛のためにだけ。

ふたりで、リフレッシュルームに入る。
ほかのアイドル達は、まぶしそうな目でまゆを見る。
以下略 AAS



12: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:41:31.85 ID:+QmI8LWq0
「Pちゃま」
「おはようごぜーますでごぜーますよ!」
「プロデューサーはん…?」

少女たちがプロデューサーに挨拶をする。
以下略 AAS



13: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:42:22.34 ID:+QmI8LWq0
そういう男が自分を、佐久間まゆをプロデュースしている。
少女としての優越感、女としての自尊心、アイドルとしての期待感、佐久間まゆとしての充足感。まゆのプロデューサーは、それらをいっぺんに満たしてくれる。

だったら、こたえなきゃ。そそがなきゃ、いっぱい。
今度は失敗しない。今度は、しくじらない。これは運命なのだから。
以下略 AAS



14: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:42:49.21 ID:+QmI8LWq0
・・

レッスンルームで、19歳のトレーナーは自分より3歳ほど下の、アイドルを見ていた。
お互いに新人。はじめは親近感が湧いた。

以下略 AAS



15: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:46:12.52 ID:+QmI8LWq0
スカウト組としては非常に珍しいタイプ。
通常、スカウト組にはよく言えば精神的余裕、悪く言えば甘さがある。

“自分はプロダクションからお願いされてアイドルになっている”。
その自負は多かれ少なかれ、少女達の向上心を鈍らせる。
以下略 AAS



16: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:46:53.95 ID:+QmI8LWq0
恋、かぁ。

トレーナーは嘆息した。
彼は、様々な女性達から思いを寄せられている。あるひとりを除いたアイドル、事務員、役員……トレーナー達からも。
彼自身はそれに驕ることはない。むしろ、自分に向けられる好意を巧妙に利用している。
以下略 AAS



17: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:47:59.58 ID:+QmI8LWq0

「どうです、かぁ?」

まゆは一旦ステップを止めて、トレーナーに尋ねた。
肩で息をして、汗がおでこから目元、あごから首筋につぅと流れていく。
以下略 AAS



18: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:48:32.54 ID:+QmI8LWq0

「身体をこわしちゃうと、プロデューサーさんが悲しみますよ」

「プロデューサーさんが……」

以下略 AAS



19: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:49:17.40 ID:+QmI8LWq0
・・・

モデル時代の貯金もあり、佐久間まゆのデビューは成功を収めた。
甘い容姿と声で男子のファンが付き、女子のファンは過去の雑誌購買層から。

以下略 AAS



20: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:49:48.52 ID:+QmI8LWq0
・・・・

もっと知らなくちゃ。

まゆは、プロデューサーが住む家の前に来ていた。
以下略 AAS



21: ◆u2ReYOnfZaUs[sage]
2018/07/23(月) 07:50:33.85 ID:+QmI8LWq0

家に入る前に、ある程度の間取りはつかんでいる。
一階玄関に上がって、正面のドア。リビング。正解。
まゆは慌てて、ニット帽と使い捨てのビニール手袋を身につけた。

以下略 AAS



57Res/32.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice