真壁瑞希「恋するアセロラ・サイダー」【ミリマスSS】
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◆kBqQfBrAQE
[saga]
2018/11/12(月) 23:13:22.58 ID:3wSsqTkg0
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日暮れの並木道は暗く、風が吹き抜けると、地面の落ち葉はカサカサと音を立てて流された。
「瑞希」
背後から、プロデューサーに名前を呼ばれた。どういう表情で何と応えようかとまどっていると、私は頬に何かをぐいと押し付けられた。温められたもののようで、冷えきった頬にはかなり熱く感じられた。
「寒かっただろ。これでも飲んで」
それを頬から離し、彼は私に手渡した。ペットボトル入りのミルクティーだった。
「ありがとう、ございます」
皆引き上げてしまったようで、通りは私とプロデューサーの二人だけになっていた。黄昏時の並木道は街灯が点いていないため、暗く、彼の表情はうっすらとしか見えない。
私はペットボトルの蓋を開け、一口含んだ。柔らかい香りとともに感じられるミルクティーの甘さが、私の冷えた胸をじんわりと温める。
「事務所に戻ろうか」
「......はい」
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