ヴァイス「少々席を外したいのですが」ターニャ「何故だ?」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 22:35:20.50 ID:i37PCr8J0
「かぁーっ! 美味い! 美味すぎる!!」
「本当に美味しいワインですね……ただ」
「どうしたんだよ、ヴィーシャ少尉。こんな美味いワインにケチつけたら、少佐が怒るぞ」
「そんな滅相もありません、グランツ少尉! ケチをつけるなんてとんでもない! そうじゃなくて、ちょっとだけ、変な味がするような……」
「おい、よせって! 少佐に聞かれたらどうするんだ! きっと気のせいだろ。気にすんなって」
「うーん……なんか気になるなぁ」

流石は食いしん坊のセレブリャコーフ少尉。
飲み食いに関しては鋭い感性を持っている。
ワインの美味しさを絶賛しているグランツ少尉とセレブリャコーフ少尉のやりとりはもちろんデグレチャフ少佐の耳に届いており、看過出来ない会話内容ではあるものの、ここは敢えて注意はしなかった。いずれ、皆も気づくことだ。
既に賽は投げられたのだ。焦らず、じっくり。
デグレチャフ少佐は甘いぶどうジュースを嚥下しつつ、その時が来るのを静かに待っていた。

「少佐殿」
「ん? どうした、ヴァイス中尉」
「少々席を外したいのですが」

来た。ようやく、効いてきたらしい。やった。

「何故だ?」
「はい。実は少しばかり腹の調子が悪く……」

「フハッ!」

「少佐殿……?」
「気にするな。ただの感嘆符だ」

まだ早い。デグレチャフ少佐は自重した。


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