ヴァイス「少々席を外したいのですが」ターニャ「何故だ?」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2018/11/23(金) 22:39:52.52 ID:i37PCr8J0
「中隊長、通してください」
「駄目だ」
「トイレに行きたいんですよ」
「デグレチャフ少佐に許可を貰え」

一体どういうことなんだ、これは。
グランツ少尉が異変に気づいたのはトイレに向かおうとした時だった。明らかにおかしい。
どうやらこの一室は封鎖されているようだ。
退室にデグレチャフ少佐の許可が必要らしい。
しかし、宴会となれば小用は頻繁に必要だ。
その度にいちいち許可を貰うなど手間だった。

「そこをなんとかお願いしますよ」
「駄目だ」
「早くしないと漏れちゃいますよ」
「俺だってさっきから我慢している」
「でしたら一緒に行きましょう」
「だから駄目なんだ。通すわけにはいかない」
「そこまで頑なにならなくたって……」
「少佐殿の目を見てみろ」
「え? ……ひぃっ!?」

促されてデグレチャフ少佐の方に視線を向けると、強烈な眼光で射抜かれ即座に目を逸らす。
なんだありゃ。まるで狩りをしてる猛禽類だ。
鷹のような鋭い眼で獲物の動向を伺っていた。

そこでふと理解した。自分達は捕食されると。

「に、逃げないと……!」
「グランツ少尉」
「ひっ!?」

恐慌状態に陥った部下に大隊長は語りかける。

「今、貴官の口から帝国軍人に相応しくない発言が聞こえた気がしたのだが……気のせいか?」
「はっ! 気のせいであります!!」
「ならばよろしい。自分の席に戻りたまえ」
「はっ!」

帝国軍人たるもの、たとえそこが死地であろうとも、逃亡することは、許されないのだった。


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