76: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2018/12/26(水) 18:54:00.22 ID:9rFSBGbj0
 「いっつもおいしいご飯をつくってくれてありがとうごぜーます。お勉強わかんねーことがあったら教えてくれてありがとうごぜーます。いっつも仁奈とお昼寝してくれてありがとうごぜーます。ライブのときに走って応援に来てくれて、ママにお願いしようって言ってくれて、ありがとうごぜーます」 
  
 「……」 
  
 「仁奈はこわがりで、できねーこといっぱいあって、心配なことばかりでごぜーます。でも、そんなときは志希おねーさんの気持ちになるですよ。志希おねーさんみてーになんでもできるママになりてーって。そうしていっつも勇気をもらってるでごぜーます」 
77: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2018/12/26(水) 19:01:06.84 ID:9rFSBGbj0
  ✉ 
  ソファーの上からすやすやと寝息が聞こえる。 
  
  幸せそうな顔で眠っている、その小さな体に抱き着いてひと眠りしようか、なんて思ってみたけど、時計の短針は7の数字を突き刺している。 
  いまから寝るのはお昼寝とは言わないし、せっかく炊き上がったご飯が冷めてしまう。 
78: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2018/12/26(水) 19:04:36.73 ID:9rFSBGbj0
 「志希おねーさん見てくだせー。仁奈、このまえの漢字のテストで100点とったんだー!」 
  
 「おおー。仁奈ちゃんはすごいねー」 
  
  ご飯を食べ終わって、おしゃべりをしていると小テストの紙を渡してきた。 
79: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2018/12/26(水) 19:07:09.66 ID:9rFSBGbj0
 「……いや、だ」 
  
  瞼からなにかが溢れてきた。 
  
  あたしみたいな理解不能な生き物をママって呼んでくれて。 
80: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2018/12/26(水) 19:11:28.44 ID:9rFSBGbj0
  
  
 ──エピローグ 
  
  
81: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2018/12/26(水) 19:14:50.84 ID:9rFSBGbj0
  ✉ 
  とっくにお盆を過ぎた墓地はしんと静まり返っている。 
   
  ママが亡くなってから1度しか来たことのなかったお墓は、綺麗に掃除されていた。 
  いったい誰が墓参りに来てくれてるんだろうか。 
82: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2018/12/26(水) 19:17:50.69 ID:9rFSBGbj0
  コツコツ。 
  後ろのほうから足音が聞こえる。 
  だんだんとその音が大きくなってきた。 
  
   
83: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2018/12/26(水) 19:20:49.54 ID:9rFSBGbj0
  言いたいことはたくさんあった。 
  
  ママが死んだときに来てくれなかったこと。 
  それからすっごく退屈な生活が続いたこと。 
  学校で困ってたときに相談に乗ってくれなかったこと。 
84: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2018/12/26(水) 19:21:39.34 ID:9rFSBGbj0
  
  
  
 おしまいでごぜーます。 
  
85: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2018/12/26(水) 19:26:31.69 ID:9rFSBGbj0
 以上です。 
 好き勝手書きましたが、読んでいただきありがとうございました。 
  
  
 以前はこんなのを書いていました。 
86:名無しNIPPER[sage]
2018/12/26(水) 20:31:48.56 ID:6GJ0SJx/o
 一か月近くお疲れ様でした 
 なんかスゲー話を読ませてもらった気がする(語彙力不足) 
  
 今度時間がある時に最初からまた読み返したいと思いました 
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