303: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:25:31.04 ID:Bg3Eqo0s0
  
 思わず、彼はそう言葉を漏らした。 
 彼は、今のこの状況を掴めないといったふうに、自分の手に握られた御猪口とこのみを、交互に見た。 
 それから風花が、このみさんからだったら受け取るんですね、と小さく零したところで、彼ははたと我に返った。 
 すっかり拗ねてしまった風花を彼がなだめすかしている間に、このみは目一杯ぴんと腕を伸ばして、テーブルの奥にあるミネラルウォーターを手に取った。 
 このみは小さく息を吐いてから、ペットボトルの蓋を開けながら彼に言った。 
  
 「ねえ、プロデューサー。これなら大丈夫。でしょ?」 
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