【ミリマスSS】新月がやってくる
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11: ◆ivbWs9E0to[saga]
2020/08/02(日) 07:57:42.53 ID:dze2zfkn0
 
「プロデューサー…?」と尋ねた貴音の顔色と声色からは何も感じ取ることが出来なかった。
ただ、何かをプロデューサーに尋ねていることだけが伝わった。

エレナの顔は頼れる同僚を見つけた喜びで満ち溢れている。
以下略 AAS



12: ◆ivbWs9E0to[saga]
2020/08/02(日) 07:58:37.14 ID:dze2zfkn0
 
「プロデューサー…」

貴音は再度呟いだ。
二度目の言霊(ことだま)には葛藤と懇願が込められていた。
以下略 AAS



13: ◆ivbWs9E0to[saga]
2020/08/02(日) 07:59:27.18 ID:dze2zfkn0
 
プロデューサーは四条貴音が怖いものを苦手だということを知っていた。
つまり、怖がっているリアクションを求められる肝試しの撮影においては適任と言える。

そして、プロデューサーは島原エレナがそのことを知らないことも知っていた。
以下略 AAS



14: ◆ivbWs9E0to[saga]
2020/08/02(日) 08:01:16.01 ID:dze2zfkn0
  
【3】

ズルズル。ズズズ。
ズズ。
以下略 AAS



15: ◆ivbWs9E0to[saga]
2020/08/02(日) 08:02:12.02 ID:dze2zfkn0

まだ時間は午後三時。
外では太陽は燦燦(さんさん)と降り注ぎ、風通しの良い室内に居ても首元はジンワリと汗ばむくらいだ。

明るく爽やかな陽気であり、このあと肝試しが控えているとはまったく考えられない天候だった。
以下略 AAS



16: ◆ivbWs9E0to[saga]
2020/08/02(日) 08:03:13.87 ID:dze2zfkn0
 
今回のロケ地は山深くに佇む廃病院。
呼吸器系の患者の療養を目的として空気の綺麗な環境に立てられた病院であった。
しかし、まるで患者を閉じ込めるかのような陸の孤島となっていたことと、特殊な症例の患者を多く受け入れていたことで良からぬウワサが流れ始めてしまった。
このウワサをどこからか聞きつけた患者が脱走を試みたり、治療に対して抵抗したり、非常にヒステリックな環境となってしまった。
以下略 AAS



17: ◆ivbWs9E0to[saga]
2020/08/02(日) 08:04:07.74 ID:dze2zfkn0

「今回は、その看護師が残したという手記を見つけてきてもらいます。五階の当直室に残されているというウワサですが…」

「そ」
貴音が声を発した。
以下略 AAS



18: ◆ivbWs9E0to[saga]
2020/08/02(日) 08:04:49.28 ID:dze2zfkn0

「そうですか…」

しかし、銀髪の女王は縋っていた法が助けてくれないことに落胆するばかりで、細事を気に留める余裕は無いようだった。
エレナは口を真一文字に結んだままで難しそうな顔をしている。
以下略 AAS



19: ◆ivbWs9E0to[saga]
2020/08/02(日) 08:05:52.63 ID:dze2zfkn0
 
【4】

夜が更け、周りを照らすものは車のヘッドライトだけとなっていた。
周囲を鬱蒼(うっそう)とした森に囲まれた廃病院は、星々のか細い光に縁取られて異様な存在感を放っていた。
以下略 AAS



20: ◆ivbWs9E0to[saga]
2020/08/02(日) 08:06:37.63 ID:dze2zfkn0

「アー、えーっと、島原エレナだヨー」
エレナは元気が足りなくて中途半端な中国人のようになっていた。

「四条貴音です…。四条貴音です…」
以下略 AAS



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