4: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/09/08(火) 21:26:29.35 ID:REk/3TwAO
 「先生は今も総武高に?」 
  
 「いや、だいぶ前にやめたよ」 
  
 どうしてとは聞かなかった。そう口にする前に先生の左手に光るものが目に入ってきたからだ。 
  
 「相手、見つかったんですね。おめでとうございます」 
  
 「ん? ……ああ、ありがとう」 
  
 一瞬反応が遅れたがそれからすぐにまた幸せそうな笑みを浮かべる。 
  
 「いろいろあってな。ギリギリ間に合ったよ」 
  
 自慢げに左手を目の前に掲げる。どうやら良い相手に巡り会えたようだ。そんな恩師の姿が純粋に嬉しい。良かったと思う。 
  
 「てことは今は専業主婦ですか?」 
  
 「ああ、そういうことになる。そのあたりのことはあまりできなかったからな。苦労したよ」 
  
 いつかの小町が主催した嫁度検定だったか、そんなイベントを思い出す。あの時の平塚先生は家事スキルが絶望的だったっけな。 
  
 「君はどうして来たんだ?」 
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