8: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/09/08(火) 21:28:39.81 ID:REk/3TwAO
 「ただ、詳しい話に関しては、私は何も知らない。だから、比企谷に直接聞いているんだ」 
  
 「…………」 
  
 「まぁ、君が話したくないのなら、無理に聞く気はないさ。ただの私の興味本位でしかない」 
  
 店員がやってきて湯気が湧き立つカップを置いていく。傍らに置かれた砂糖とミルクを手につけたのは、平塚先生だ。 
  
 俺はそれらには手を伸ばさず、カップを口元まで運び、傾ける。コーヒーの香りが鼻孔をくすぐった。 
  
 「子供だったんですよ。二人とも」 
  
 一言だけ告げ、俺はコーヒーを口に付ける。 
  
 そして脳裏に巡らす。 
  
 あの日々を。 
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