1: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/09/08(火) 21:24:42.50 ID:REk/3TwAO
お久しぶりの方はお久しぶりです。 
 このSSは 
  
 八幡「気の向くまま過ごしてた二人だから」雪乃「そうね」 
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 いろは「私、先輩のことが、好きです」八幡「……えっ?」 
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 結衣「うたかた花火」 【俺ガイル】 
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 の3本のSSのアナザーストーリーみたいな感じです。 
 長丁場になるかもしれませんがよろしくお願いします。
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2: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/09/08(火) 21:25:28.84 ID:REk/3TwAO
 その建物の姿が俺の網膜に映ったとき、時計の針が急速に逆行したような錯覚にとらわれた。 
  
 目の前に広がる建造物の名前を、俺はまだ覚えている。『総武高校』、俺の母校だ。 
  
 休日の昼間という学生が学校にいるのに最も相応しくない時期というのもあって、辺りに学生の姿は見られないが、微かに校庭の方から運動部の声が風に乗って流れてくる。生徒が誰もいないということではないらしい。 
3: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/09/08(火) 21:26:00.58 ID:REk/3TwAO
 「おや」 
  
 校門を横目に歩き出したその時、聞き覚えのある声が耳を通り抜けた。懐かしい響きに思わず足を止める。 
  
 「比企谷か?」 
4: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/09/08(火) 21:26:29.35 ID:REk/3TwAO
 「先生は今も総武高に?」 
  
 「いや、だいぶ前にやめたよ」 
  
 どうしてとは聞かなかった。そう口にする前に先生の左手に光るものが目に入ってきたからだ。 
5: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/09/08(火) 21:27:03.56 ID:REk/3TwAO
 「はい?」 
  
 「ここにいる理由だよ。ただの散歩というわけではないんだろう?」 
  
 図星を突かれて言葉に詰まる。まだ実家にいるもののこの辺は別段家から近いわけではないから、理由なしに訪れるなんてない。 
6: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/09/08(火) 21:27:41.49 ID:REk/3TwAO
 ―― 
  
 ―――― 
  
 それから俺と平塚先生は、立ち話もなんだからと近くの喫茶店に向かった。 
7: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2020/09/08(火) 21:28:09.09 ID:REk/3TwAO
 「別に吸ってもいいぞ? 私は気にしないし、こういうとこでは普通のことだ」 
  
 「……じゃあ」 
  
 ポケットから紙箱とライターを取り出すと、平塚先生は自然に灰皿を俺の手元へとズラしてくれる。 
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