神崎アオイ「どちらが先に炭治郎を落とせるか勝負よ」栗花落カナヲ「え、ええっ!?」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/11/08(日) 20:09:15.43 ID:VhMZ4/6fO
「まったく、男の人はこれだから……!」
「でも、炭治郎はきっと誠実な人で……」
「そんなことはわかってるわよ! むしろだからこそタチが悪いのよ! ああ、もう!!」

憤りながらも、アオイの呼吸は乱れない。
まるでずっと前から覚悟していたかのようにすぐに気持ちを鎮めた。強さを、感じた。

「腹を立てても、仕方ないわ」
「う、うん……」
「想いを寄せる人が多いというのは、それだけ炭治郎が魅力的だという証拠なのよ」
「た、たしかに……」

冷静な分析の末に導き出された結論は、ぐうの音も出ないほどに正論であり、私もアオイもしばらく何も言えずに沈黙した。そして。

「わたくしは、そんな炭治郎が好き」

改めて、そう口にしたアオイに見惚れた。
彼女は恋をしている。それが伝わる顔。
果たして、私もそんな顔をしているのか。

今すぐに鏡を見て確認する勇気はなかった。

「カナヲはどうなの?」
「へ? わ、私は、別に……」
「どうでもいいの?」

かつての私なら頷いていた問いに今の私は。

「ど、どうでもよくなんかないっ!!」

自らの大声で。我に返る。彼の言う通りだ。
この世にどうでもいいことなんてないのだ。
だってこの世界には大好きな炭治郎が居る。


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