高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「『あいこカフェ』で」
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9:名無しNIPPER[sage saga]
2021/05/16(日) 14:32:07.30 ID:eE/KPeRw0
 さて、私を対象とした賭け行為に対してどうイジメてあげようか考えている間、藍子は最後の1人、3人目のスタッフさんとお話をしていた。
 少し灰ずんだ目が、ある病院の子供を思い出す。目の下のくっきりとした皺が特徴的の……ただし、年齢は控えておこうね。心の中ではお姉さんって呼ばせてもらおうっと。
 見た目通りの聞き役性格、藍子もだいたいそんな感じだから、お互い割り箸をお弁当箱の上に並べてしまい、お昼ごはんがちっとも進んでいない。見なさいよ、こっちのエセ令嬢なんて口の反対側にまでご飯粒をつけてんのよ? だいたい、いくら時間がないからって――そこまで続けたところでやめておいた。なんか、他の人がいる前でそーいうことを言うのって違うと思う。スタッフさんがいくら馴染んだとはいえ今回が初めましてっていうのもあるけど、なんか……なんだろ。分かんないけど……そっか。そうやって藍子をイジメるのは1対1の時だけだね。

 うんうんっ。そういうこと。

 ……頷いた私の笑顔は、よほど圧のあるものだったのか。アオタケさん(仮)がすんごい顔で私のことを見てた。

 ナチュラルスマイル、ナチュラルスマイル。

 はぁ。

 なんとなくを察した藍子が慰めてくれて、箸で自分の分の卵焼きを取り出し。私の口元へと差し出そうとしたところで、慌てて引っ込めた。
 好奇の目に頬を赤くするのは、藍子もまた同じようなことを考えたからだと思う。
 ……ふふっ。これでやらかしたのはお互い同じ。気にしすぎず、和やかにいこっか。

 お昼ご飯は、一応お仕事中とは思えないほどのんびりと食べられた。
 最後に箸を置いたのは、やっぱり藍子。時計の短針は2を過ぎてもうすぐ3へ差し掛かろうとしていた。


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