小林「あなたは……誰ですか?」トール「……えっ?」【小林さんちのメイドラゴンSS】
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107: ◆bhlju8wMK6[saga]
2021/11/27(土) 22:56:36.69 ID:DVTuWEAg0

小林「しばらくぼんやりとしながら、目的もなく町の中をふらふらと歩いてた。現実感がなくて、ふわふわと、取り留めのない事を考えながらね」

小林「でも、あんまり長い事歩き続けていたら、流石に足が疲れちゃってさ。何処だか分からない裏路地で、一人しゃがみ込んじゃった」

小林「気付くと会社を出てから何時間も経ってて、辺りはとっくに暗くなってて――
   その時、やっと現実味が湧いてきて。『ああ、これは夢じゃないんだな』ってさ」

小林「そう思ったら、急に悲しくなってきてさ。涙が出てきて―― でも、変なプライドがあったから、声は押し殺して、すすり泣いてて――」ポロッ

トール「っ、小林さん? それ……」

小林「え? あ、涙……」ポロポロ

小林「あはは、ごめんごめん…… 当時を思い出したら、ちょっと泣いちゃった……」ズビッ

トール「小林さん、辛いのなら無理をしなくても……」

小林「ありがとう、でも違うんだよ」ズズッ

小林「これに関しては辛いから泣いたんじゃないんだ。むしろその逆」フフッ

トール「?」

小林「そうやってしゃがんで泣いてたらさ、ある人がやって来たんだ。誰だと思う?」ニヤー

トール「え? ある人って一体……?」

小林「ふふふー、それはね〜……」チラッ

トール「?」チラッ



滝谷「………………………………(無言の赤面)」カァァァァ



トール「…………えっ! 滝谷さんですか!?」

小林「うん。顔を上げるとそこには、息を切らせて汗だくの滝谷君が立ってたんだ」




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