結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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792: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/16(日) 00:10:35.67 ID:PU+Tw3fzo


数多「正解だ。さすがは超能力者(レベル5)のガキなだけある。こんな子ども騙しくらいじゃ秒で解いちまうか」

美琴「メールに書かれていたのは座標だったわ。ここ第一〇学区のある場所を指したね。そこに行ったら打ち止めをさらったロボットを制御していた男がいた」


 美琴は数多たちの後方にある、廃墟と化した倉庫を見た。
 あちこちから煙が上がっている。ついさっき壊されたのが明らかにわかる光景だった。
 そして、視線を木原数多の背中にいる打ち止めへと移す。
 美琴は目の端を吊り上げた。


美琴「まんまと私を利用しやがったってことね?」

数多「思い上がってんじゃねえぞクソガキ。テメェがいなかったとしても、結果は変わらねえよ」

美琴「だったら、何で私にこんなメールを送ってきたのよ!」

数多「このガキを無様に奪われたことでテメェが溜め込んだ、ストレスを発散させられる場所を提供してやっただけだよ」

美琴「ぐっ」

円周「とか言ってるけど、ほんとは美琴ちゃんを助けてあげようとしてただけなんだよねー。いやーツンデレツン――」


 ゴッ、と円周の頭頂部に拳が振り下ろされた。数多が黙らせるために放った鉄拳。
 脳みそに直接突き刺さったような痛みを感じながら、円周は唸り声を漏らしながら頭を抑えてしゃがみこんだ。


数多「そういうわけだ。子守しようと思ってんならもう少し大人にならねえとなぁ?」

美琴「……たしかにアンタの言う通りよ。私は甘かった。もう少しちゃんと守れると思ってた。でも、現実はそうじゃなかった」


 うつむきながら美琴は吐き出すように言葉を連ねた。
 そして、何かを決心したように顔を上げて、


美琴「だから、今度は絶対に失敗しない! そのためにもっと強くなる! 誰だって守れるように、誰だって助け出すことが出来るように!」

数多「そうかよ」


 数多は適当に返事をした。心底興味のなさそうな様子だった。
 そんな彼を美琴は睨みながら、


美琴「ところでアンタはその子をどうするつもりなのかしら?」


 バチッ、と美琴の体表面に電気が走った。


美琴「見たところ科学者、って感じだけど。もし、打ち止めを何かの研究材料として使おうって言うつもりなら――」

数多「しねーよ。そんな面倒臭せぇこと」


 美琴が何かを言い切る前に数多は否定した。
 そう言った数多はゆっくりと歩き出した。立ちはだかっている美琴のいる方向へと。





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