26:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 21:40:00.99 ID:u50g9+A20
  
  
 「しかしあれだねー、奇跡みたいに同期のみんなが揃ってるねー。あとはユッキーだけなんだけどー……」 
  
  
27:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 21:42:06.09 ID:u50g9+A20
  
  
 「ほらほら、ユッキー……じゃなくてニナちゃん。そろそろレッスンだよー」 
  
 「もーそんな時間でやがるんですか?」 
28:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 21:45:21.53 ID:u50g9+A20
  
  
  
  口の中に広がった冷たい苦みに、私は眉間に皺を寄せたけど、何でもないようにカップを傾け続けた。 
  
29:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 21:47:00.80 ID:u50g9+A20
  
  
 「練習でうまくいかないことがあった日などは……すぐに帰りたくなかったので。よくここで本を読んでいました……」 
  
 「あら、そうだったんだ」 
30:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 21:49:07.67 ID:u50g9+A20
  
  
 「でも、ホントに嬉しいです」 
  
  
31:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 21:51:03.80 ID:u50g9+A20
  
  
 「どうして。褒めてるんだよ、あのころからしたら、文香、すごく成長してる。まるで赤毛の女の子を見守る気分。あっという間に大人になってって」 
  
  
32:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 21:52:41.46 ID:u50g9+A20
  
  
  いつかの雨の日、二人でダンスを踊った後のことだった。 
  
  
33:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 21:54:18.14 ID:u50g9+A20
  
  
 「とても……面白い物語でした。テンポが良くて、あの曲も素敵です」 
  
 「でしょ。モダンって言葉がぴったりな映画なの。主人公の二人も――この二人とも、名優でね――すごく素敵だし。どんな展開になるのか、初めて観たときはドキドキしちゃった」 
34:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 21:55:29.32 ID:u50g9+A20
  
  
  原作の方は私も存在自体は知っていたが、手が出せてはいなかった。 
  
 「……よろしければ、お貸ししましょうか?」 
35:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 21:56:50.27 ID:u50g9+A20
  
  
  
  それから、その合図は私たちの秘密のあいさつになった。 
  
36:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 21:58:29.29 ID:u50g9+A20
  
  
  そして、文香と私がテレビの収録を行う日になった。 
  
  
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