13: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/25(月) 23:47:50.36 ID:/ZKesHprO
 「それって、何かよくないことになるのかしら?」 
 「未来が変わって世界βに時間が繋がらなくなるとい、時間の連続性が失われちゃう。 
  宇宙による歴史の修正が働かなかったら、最終的に人類が理解する時空間の崩壊を 
  引き起こすかもしれない。タイムパラドックって言えば分かるんじゃないかにゃー? 
  そうならないように、宇宙は何らかの形で、干渉するかもしれないってことだよ」 
 「つまり……時間旅行が齎す結果は、未知数ということね」 
 「そうだね。未来でわたくしたちが暮らすというなら、話はまた変わってくるけど、 
  それもベストとは言い切れないの」 
 「未来で暮らす私たちの姿は……想像できないわね。もう一つの方法というのは?」 
  
 後者は、前者よりも実現性の高い方法だったが、膨大なコストがかかるという問題があった。 
 未来へ送る要員と人数は限られ、付随する問題として、送り出された要員は行ったきりとなる。 
 コールドスリープは、一方通行の時間旅行でもあった。 
  
 そこへ、考え込んでいた織莉子が顔を上げ、ねむに疑問を尋ねる。 
  
 「コールドスリープで未来へ送られた人が、ミラーズから過去に戻ることは可能ですか?」 
 「時間は過去から未来へ一方通行で流れていて、それは覆らない。 
  ミラーズで未来へ渡った場合も、戻って来れるかは分からないんだ。 
  だから過去に戻ることはできないと、言いたいところだけど……」 
 「わたくしたちの世界には魔法が存在する。そのせいで原因と結果が逆転して、 
  因果律の矛盾が発生することもあるし、事例もなかなか説明しにくいんだよ」 
 「一方通行のはずの時間の流れに、逆らえることがあるかもしれないと?」 
 「それも、分からないとしか答えられないんだけど、過去へ戻れたとしても、 
  それはそれで問題があるんだよね」 
 「過去に戻れたとしても、戻った先の過去が、出発元の現在であるとは限らないからね」 
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