17: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/26(火) 00:04:39.53 ID:DJtq/vHtO
 「頭がずっと混乱してる。こんなことなら、もっとSF物の漫画でも読んでおけばよかった」 
 「疑問を抱いているのは、鶴乃だけじゃないはずだ。どう説明しても頭の混乱は避けられない。 
  日常生活で宇宙と時間の連続性を考えたり、タイムトラベルなんて意識しないはずだからね」 
 「分からないことがあれば、どんどん聞いてね」 
  
 それを聞いて、いろはが困惑した表情とともに灯花に尋ねる。 
  
 「灯花ちゃん、ねむちゃん。悪いんだけど、また休憩を取ってもいい? 
  少し頭を整理する時間が欲しくて」 
 「いいよー。再開するときは声をかけてね」 
  
 休憩を告げられると、出席者は思い思いに休憩を取り、会合を再開する。 
 異なる時間の行き来が齎す危険性の説明が終わり、議題はコールドスリープへ戻った。 
 コールドスリープマシンを開発すると仮定して会合は進行するが、未来へ送る要員に 
 百年後の問題を押しつけるも同然の方法は、出席者全員から疑問が上がった。 
  
 「未来に送るのは、誰でもいいわけでもないですよね……」 
 「かかるコストを考えると人数も限られる。誰を送るのかも考えることになるわね」 
 「募集かけても、志願者が現れることは期待できないと思う。選ぶほうが早いのかも」 
 「オレは絶対やらねーよ……。だって、百年も経ったら、誰も知ってるやつがいねーじゃん」 
 「現在と比べて環境が全く変わってるはずですし、別の世界に旅立つのと変わらないかと」 
 「私も百年も経った世界で生きていくのは、ちょっと想像できないよ……」 
 「無理もないと思うよー?わたくしも、百年も先の未来で生活するなんて現実味がないからね」 
 「それでも、今後を見据えて、コールドスリープマシン開発は、視野に入れるべきだと思うよ。 
  要員の選定も必要になるし、万が一の備えとして、実現する手段を考えても損はないはずだ」 
 「|ねむの言う通り、私も今すぐ決める必要はないと思う。まずは、考えられる限りの方法を 
   列挙してからでも遅くはない。私は、魔法少女の能力を組み合わせで、未来へ渡る方法を 
   探ることを提案する|」 
  
 いろはたちが未来へ渡る方法を考える横で、書記として議事録をまとめていたかごめが 
 コネクトを通して織莉子に呟いた。 
  
 (なんだか、本当にSFみたいな話ですね……) 
 (魔法少女の存在自体が、ある意味ではSFかもしれませんよ) 
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