18: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/26(火) 00:06:44.10 ID:DJtq/vHtO
 二人の視線の先では、コールドスリープを選択した場合に備え、 
 百年後の未来へ送る要員の選定を巡って、議論が続いている。 
 織莉子自身も思案を巡らせた。 
  
 未来へ送り出されてしまえば、宇宙存続の問題が絡むことから、 
 過去(現在)へ戻ることはできない。送り出された要員は、未来で 
 生きていくこととなり、そのための財と資源が必要となる。 
  
 だが、どの程度の財と資源が必要になる? 
 それを未来までどのように守り続ける? 
 未来へ送る要員の人数と選定方法は? 
  
 柊桜子が提案した方法は、組み合わせる能力次第で、未来へ渡れる可能性がある。 
 未来へ渡ることはできなくても、他の方法と組み合わせれば応用が利くかもしれない。 
  
 (いずれにせよ、一朝一夕で答えは出ないわね……) 
  
 議論すべきことは多くあったが、時間が押してきたため、会合は日を改めることとなる。 
 正午に始まった会合だったが、気付けば夜の帳が下りようとしていた。 
  
 「すみません。こんなに長い時間、お邪魔してしまって……」 
 「気にしないでちょうだい。私たち全員、今日一日予定を空けていたのよ」 
 「やちよさんの提案で、未来にかかわることなら、纏まった時間が必要になるからって」 
 「そうだったんですか。お気遣い、痛み入ります」 
 「それより、織莉子さん。かごめさんの取材の件、帰る前で悪いのだけど……」 
 「とんでもない。それでは、約束通りに……」 
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