172: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/05(土) 14:18:20.00 ID:Ya9HaHl50
「ニャァ」
リナ『……ちょっと気になるけど、ここでにらめっこしてても仕方ない。早く、次の裏路地を探した方がいい』 ||  ̄ ᇫ  ̄ ||
リナちゃんが真っ先に痺れを切らしたのか、ふよふよと元来た道を戻って行く。
すると──
「ニャァ」
ニャスパーは急に空を見つめて鳴いたあと──ふわっと浮遊した。
侑「うわ、飛んだ……!?」
歩夢「サイコパワーで飛んでるのかな……?」
「ニャァ」
そして、また一鳴きしたあと──すぅーーっと飛び上がり、裏路地から飛んでどこかへ行ってしまったのだった。
侑「結局なんだったんだろう……?」
歩夢「わかんない……」
まあ、いっか……。ちょっとマイペースなポケモンだっただけだよね。
リナちゃんの言うとおり、私たちは今、裏路地の捜索中なんだし……そう思って、踵を返して戻ろうとしたそのときだった。
──ポツ。と私の頭に水滴が落ちてくる。
侑「……つめた!」
「…ブイ」
それは、次第に勢いを強めて降り出し始める。
侑「雨……」
歩夢「大変……! 今、傘出すね……!」
侑「いや、こんな狭い路地じゃ、傘が引っかかっちゃうよ! 一旦大通りに戻ろう!」
歩夢「……あ、うん!」
私は歩夢の手を引いて、走り出した。
🎹 🎹 🎹
侑「──これは、本降りになりそうだね……」
窓の外に流れる水滴を眺めながら、ぼんやりと言う。
歩夢「これだと、これ以上裏路地を探すのは大変だね……はい、エネココアだよ」
侑「歩夢、ありがと」
歩夢が、カウンターから持ってきたエネココアを私の前に置いてくれる。
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