176: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/05(土) 14:27:09.01 ID:Ya9HaHl50
  
 リナ『待って』 || ╹ᇫ╹ || 
  
 侑「リナちゃん?」 
  
 リナ『この階はまだ最上階じゃないと思う。外観の高さから考えて、まだ上に1〜2階分は入るスペースがある』 || ╹ᇫ╹ || 
  
 侑「え、それじゃあ……!」 
  
 リナ『恐らく、さらに上に行く方法があると思う』 ||  ̄ ᨈ  ̄ || 
  
 歩夢「侑ちゃん……!」 
  
 侑「歩夢! 探そう……!」 
  
 歩夢「うん!」 
  
  
 歩夢とリナちゃんと私とで、本がぎっしり詰まったこの階の探索を始める。 
  
 よく周りを確認してみると、この階にはここで働いている人間のスタッフや、エイパムたちの姿がほとんどない。 
  
 人気がすごく少ない階というのが、私の勘を後押ししてくれているようだった。 
  
 私はオトノキの史書コーナーの本を端から順番に見ながら奥に進んでいくと、 
  
  
  「ブイ」 
  
  
 イーブイが何かに気付く。イーブイの視線を追うと──1冊だけ、なんだか背表紙の色が浮いている本が目に入る。 
  
  
 侑「『叡智の試しの至る場所』……」 
  
  
 そこにあったのは、白地の背表紙にそんなタイトルの書かれた1冊のハードカバー。 
  
 その本を手に取り、開くと──ほぼ白紙のページしかない本だった。 
  
 パラパラとページを捲って、捲って……最後のページに、 
  
  
 侑「『叡智の最後の行き先は奥に押し込んだ先に開かれる』」 
  
  
 そう書かれていた。 
  
  
 侑「奥……」 
  
  
 奥ってなんだろうと、一瞬思ったけど……。 
  
  
 侑「……もしかして、本棚の奥?」 
  
  
 今しがた、この本を抜いたことによって、本棚に出来た穴を覗いてみると── 
  
  
 侑「……! あった……!」 
  
  
 奥に四角いボタンのようなものがあるのが見えた。 
  
 つまり、 
  
  
 侑「この本を……押し込む……!」 
  
  
 手に取った本を棚に戻し──そのまま、奥にボタンごと押し込む。 
  
 ──ガコン! 
  
  
 歩夢「……侑ちゃん! 今の音……!?」 
  
 リナ『何か見つかった!?』 || ? ᆷ ! || 
  
  
 音を聞きつけて、歩夢とリナちゃんが私のもとに駆け寄ってくる。 
  
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