異説 ひのきの棒と50G
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19: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/09(火) 13:51:22.48 ID:VN/U1bqQ0

「さて、そこのお前」

 領主の青みがかった目が、俺の濁ったそれと交錯する。

「飯を喰らい、金を受け取ったな。ならばお前は、既に我が軍門だ」

 思わず息をのむ。
 ああ、結局そういうことなのだ。
 このご馳走と、一枚の銅貨は前払い金。

 俺の―――流れ者たちの命を、格安で買いたたいたわけだ。
 空腹と疲労の中で、誰がこの報酬を断れよう。
 たとえ、その代償に魔物を前に無惨にも命を散らすことになったとしても。
 


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