21: ◆CItYBDS.l2[saga]
2024/04/09(火) 13:52:30.42 ID:VN/U1bqQ0
  
  くそ、酒が欲しい。この震えを止めるにはもうそれしかない。 
  
 「やります」 
  
  幼く少し上ずった声に、隣を見上げる。 
  立ち上がったガキが、拳を領主へと突き出していた。 
  凛々しくも、未だ頼りないその姿を月明かりが照らす。  
  
 「子供を戦に出すことはできん」 
  
 「しかし、僕はもう食事を口にし銅貨も貰い受けました」 
  
  ガキが拳を開く。そこには、一枚の銅貨が載っていた。 
  
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