5:名無しNIPPER[sage saga]
2025/05/16(金) 20:46:06.27 ID:LYl+0qW60
「コーヒーの香りにも、すっかり馴染んでしまったの。先生が心配になるほど、いつもこれを飲んでいるからな」
その言葉の真意を掴みかねているうちに、キサキは湯気の立つマグカップを手に戻ってきて、ベッドに座る先生へ差し出した。先生が礼を言ってカップを受け取ろうと手を伸ばすと、キサキは悪戯っぽく微笑んで、ひょいと自分の口元へ運んだ。
「…先生の味じゃな」
楽しそうに微笑みながら、今度こそ本当に先生に向けてマグカップを差し出した。
「それを飲んで、どうか目を覚ましてくりゃれ。火傷せぬよう気をつけてな」
キサキはそう言うと、片手で首元のネクタイを緩めて無造作に引き抜いた。辺りを見回し、先生の眼鏡が置かれていたベッドの縁にネクタイをそっと置く。そして真っ白なシャツのボタンに手をかけ、上から順に外し始めた。
「ちょっ…!」
思わず先生が声を上げると、キサキは不思議そうに振り向いた。その拍子に、露わになった彼女の鎖骨が目に入り、先生は慌てて視線を逸らした。その様子をじっと見つめてから、キサキは何かに気づいたように手を止める。
「ああ…先生の趣向をないがしろにするつもりはなかったのじゃ。すまぬ」
「しゅ、趣向?」
「先生はほんに好き者じゃのう…スカートも脱がないままの方が好みなのじゃな?」
「ん?…ん?」
「まあ…先生が喜んでくれるなら、妾も嬉しい」
キサキは立ったままゆっくりとかがみ込み、ソックスのつま先をつまんで丁寧に脱ぎ落としていく。ベッドの脇にそれを落として、もう片方も同じように脱ぎ捨てた。
「……………」
一体これは何なのだろう?
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