アンパンマンとばいきんまん
1- 20
12: ◆qJX8kuiMZI[sage]
2025/12/05(金) 20:02:13.22 ID:XTeJFan70
巨大な炎がアンパンマンを襲う。
かろうじてかわしたアンパンマンだったが、顔の一部が焦げてしまった。

アンパンマン「顔が焦げて力が出ない……」
ばいきんまん「それがどうした!」
アンパンマン「!?」

いつもの展開。
しかし、ばいきんまんの反応はいつもと違った。
力を失ったアンパンマンに、全力でファイヤーだんだだんの拳を見舞ったのである。
ふらふらと飛びながら、かろうじて攻撃をかわすアンパンマン。

アンパンマン「やめるんだ……ばいきんまん……」
ばいきんまん「そうやって、はいつくばっていればいい。みじめな姿のまま潰されろ!」
アンパンマン「うわぁ」

おかしい。
アンパンマンは焦った。
いつものばいきんまんじゃない。
いつもだったら、自分の顔が汚れたら勝ち誇って大笑いしてるはずのばいきんまんが、一切笑わず追撃をかけてきた。
いったい、ばいきんまんはどうしてしまったのか、と。

アンパンマン「うわぁ……ひゃあ……うっ……」
ばいきんまん「くらえ!」
アンパンマン「うわあ!」

必死に攻撃を避けるアンパンマンに、再びどっきりメラメラ攻撃。
アンパンマンの顔がさらに焦げた。

アンパンマン「…………」

アンパンマンはきょろきょろとあたりを見回す。
おかしい、そろそろ救援が来てもいいはずだ。
カレーパンマンたちは何をしているのか?

ばいきんまん「助けは来ないぞ」
アンパンマン「……え?」
ばいきんまん「かびるんるん達がいないのを不思議に思わなかったか? あいつらには今、別の島でオトリ役を頼んでいる。本物のドクロ島でな!」
アンパンマン「なんだって……?」
ばいきんまん「まんまとつられたな。お前は、あの岩がドクロに見えるのか?」
アンパンマン「あ、ああ……!」
ばいきんまん「そうだ! ここはハニワ岩島だ! 助けなんか来るか、バカめ!」

なんと、アンパンマンがドクロだと思った岩は似ているだけの別物。
この島はドクロ島などではなく、ハニワ岩島だったのだ。
カレーパンマンやしょくぱんまん、ジャムおじさんが救援に来たとしてもこれではたどり着きようがない。
しかも……。

ばいきんまん「不運ってものは重なるものだな」
アンパンマン「顔が濡れて力が出ない……」

空が黒く染まっている。
ポツポツと雨が降り始めていた。
すなわち、アンパンマンにとってはまさに泣きっ面に蜂という状況だった。

ばいきんまん「[ピーーー]!」
アンパンマン「うわぁ」

それは凄惨な状況だった。
戦う力をなくしたアンパンマンを、ばいきんまんのファイヤーだんだだんが踏みつぶそうとする。
アンパンマンは地面を転がって避けるしかない。
何度も地面を転がった。
そのたびごとに、アンパンマンはボロボロになっていく。

ばいきんまん「はぁー、はぁー」

一方で、ばいきんまんの様子もおかしかった。
これだけアンパンマンを追い詰めているにも関わらず、高笑いの一つさえあげていない。
それどころか、目からは涙がこぼれているようだった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
17Res/38.53 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice