1: ◆qJX8kuiMZI[sage]
2025/12/05(金) 19:44:48.35 ID:XTeJFan70
【アンパンマンとばいきんまん】
雷鳴とどろく不気味な島にそびえる不気味な城。
それこそ、みんなの嫌われ者ばいきんまんのばいきん城だ。
その城に今日も高笑いが響く。
城主のばいきんまんの登場だ。
ばいきんまん「ハハハハ、ハヒフヘホー!」
かびるんるん「かびかびー」
ばいきんまん「遂に完成したぞ。おれ様の新兵器、どっきりメラメラだ!」
かびるんるん「かびー」
朝からテンション高いですね。
そんなばいきんまんの元に、ドキンちゃんが目をこすりながら現れた。
ドキン「何騒いでるのよ。私まだ眠い」
ばいきんまん「ドキンちゃん、いいところに。ちょっと見てるのだ」
ばいきんまんは、手にした筒をかびるんるんに向けた。
ばいきんまん「どっきりメラメラ、ファイヤー!」
かびるんるん「かびー!?」
突然、仲間であるはずのかびるんるん達にめがけて火炎を浴びせるばいきんまん。
かびるんるんはパニックになってそこらじゅうを走り回る。
ドキン「きゃああああ!? 何するのよ!?」
ばいきんまん「心配ご無用。よく見てみるのだ」
かびるんるん「かびかびー」
火のついたかびるんるん達は、面白そうにきゃっきゃと走り回っていた。
ドキン「ええ? 熱くないの?」
ばいきんまん「これこそおれ様の新発明。どっきりメラメラなのだ。熱くない炎を発射できるというすんごーい発明なの」
ドキン「へえー。こんなもの何で作ったのよ?」
ばいきんまん「……そのう、実は失敗作なのだ。火炎放射器を作るつもりが、何故だかこんなものができてしまって」
ドキン「何に使うのよ?」
ばいきんまん「えっと、その、何も考えてません」
ドキン「ふーん。あ、じゃあこういうのどうかしら?」
ドキンちゃんがばいきんまんに耳打ちをする。
ばいきんまん「ふんふん、なるほど」
ドキン「……で……するのよ」
ばいきんまん「さっすがドキンちゃん! それはいい考えなのだ!」
ドキン「お土産待ってるわねー」
ばいきんまん「了解なのだ。いってきまーす」
内緒話が終わるや否や、ばいきんまんはゴキゲンでばいきんUFOに飛び乗り城を飛び出していった。
それを見届けて、ドキンちゃんはあくびを一つ。
ドキン「ふぁああああ。さて、もうひと眠りしよっと」
そうして寝室に帰ってしまった。
あとに残されたのはかびるんるん達。
寝室に消えていったドキンちゃんを見て、ため息をつくのだった。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2: ◆qJX8kuiMZI[sage]
2025/12/05(金) 19:46:28.32 ID:XTeJFan70
町に到着したばいきんまん。
さっそくお菓子工場に降り立つ。
ばいきんまん「よぉーし、いるな」
3: ◆qJX8kuiMZI[sage]
2025/12/05(金) 19:47:36.70 ID:XTeJFan70
ワー! ワー!
キャー! キャー!
炎はあたりの民家にまで飛び火し、焼け出された人が悲鳴を上げて逃げ惑う。
とんでもない大騒ぎだ。
4: ◆qJX8kuiMZI[sage]
2025/12/05(金) 19:48:25.88 ID:XTeJFan70
アンパンマン「カバおくん、大丈夫かい?」
カバお「う、うん。ありがとう、アンパンマン」
カレーパンマン「しかし、ひでえなこりゃ。家がなくなっちまったやつらも相当いるぞ」
しょくぱんまん「面白半分に町に火をつけたみたいですよ。許せませんね、ばいきんまん」
アンパンマン「ちょっと待って。ばいきんまんにも何か事情が……」
5: ◆qJX8kuiMZI[sage]
2025/12/05(金) 19:50:49.13 ID:XTeJFan70
ばいきん城に落下するばいきんまん。
三度寝、四度寝を楽しんでいたドキンちゃんを巻き込み、カンカンに怒られていた。
ドキン「どういうつもりよ! 私の部屋を滅茶苦茶にして!」
ばいきんまん「どうもこうも、見ての通りでして」
6: ◆qJX8kuiMZI[sage]
2025/12/05(金) 19:52:21.10 ID:XTeJFan70
しかし、町の状況は酷いものだった。
油で広がった火災は、ばいきんまんとの戦闘中にさらに燃え上がり、町の大半を焼き尽くしていた。
さらに悪いことに、負傷者も大量に出ていたのだった。
町のあちこちから声が聞こえる。
7: ◆qJX8kuiMZI[sage]
2025/12/05(金) 19:54:29.89 ID:XTeJFan70
一方そのころ……。
ばいきんまんも悩んでいた。
ばいきんまん「うーん、やっぱり謝った方が……いや、おれ様は悪いこと大好き、もちろん放火も大好きばいきんまん! いや、しかし、あんなミスを誇るのは何か違うような……」
8: ◆qJX8kuiMZI[sage]
2025/12/05(金) 19:55:52.34 ID:XTeJFan70
翌日。
パン工場にバタコとチーズが朝の小麦粉を運んでいる時だった。
現れる謎の影。
ばいきんまん「バタコ、一緒に来てもらおうか」
9: ◆qJX8kuiMZI[sage]
2025/12/05(金) 19:57:08.23 ID:XTeJFan70
ばいきんまんが城に帰還する。
バタコとチーズはUFOのハンドの中で震えたままだ。
ばいきんまん「ふん。ちょっと待ってろ」
10: ◆qJX8kuiMZI[sage]
2025/12/05(金) 19:59:02.15 ID:XTeJFan70
アンパンマンがドクロ島に向かっている最中。
遊び疲れたドキンちゃんはバタコとチーズをパン工場に送っていた。
ドキン「あー、楽しかった! ばいきんまんも気が利くじゃない!」
バタコ「う、うん」
11: ◆qJX8kuiMZI[sage]
2025/12/05(金) 20:00:07.39 ID:XTeJFan70
アンパンマンは海の上を飛んでいた。
まもなくドクロ島が見えてくるだろう。
そんなアンパンマンの視界にかびるんるんが目に入った。
アンパンマン「かびるんるん?」
12: ◆qJX8kuiMZI[sage]
2025/12/05(金) 20:02:13.22 ID:XTeJFan70
巨大な炎がアンパンマンを襲う。
かろうじてかわしたアンパンマンだったが、顔の一部が焦げてしまった。
アンパンマン「顔が焦げて力が出ない……」
ばいきんまん「それがどうした!」
13: ◆qJX8kuiMZI[sage]
2025/12/05(金) 20:03:10.79 ID:XTeJFan70
ばいきんまん「もうないのか?」
アンパンマン「…………」
ばいきんまん「もう手がないなら、終わらせるぞ!」
アンパンマン「!!」
14: ◆qJX8kuiMZI[sage]
2025/12/05(金) 20:04:06.51 ID:XTeJFan70
不安げな表情でアンパンマンがばいきまんの後を追う。
はたしてその先には……。
アンパンマン「ばいきんまん……しっかりしてくれ……」
15: ◆qJX8kuiMZI[sage]
2025/12/05(金) 20:06:15.18 ID:XTeJFan70
「……きんまん、ばいきんまん」
誰かが自分を呼ぶ声がする。
「しっかりして、ばいきんまん。ねえってば」
16: ◆qJX8kuiMZI[sage]
2025/12/05(金) 20:06:54.67 ID:XTeJFan70
アンパンマン「大丈夫かな……ばいきんまん」
メロンパンナ「私のこと忘れるなんて失礼しちゃうわ!」
クリームパンダ「そうだそうだ! 僕のことも忘れるなんて!」
カレーパンマン「ま、大丈夫だろ。いつものようにまた悪さをするに決まってるぜ」
しょくぱんまん「ばいきんまんにもほんとに困ったものですね」
17: ◆qJX8kuiMZI[sage]
2025/12/05(金) 20:07:33.32 ID:XTeJFan70
以上です。
17Res/38.53 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20