14: ◆qJX8kuiMZI[sage]
2025/12/05(金) 20:04:06.51 ID:XTeJFan70
不安げな表情でアンパンマンがばいきまんの後を追う。
はたしてその先には……。
アンパンマン「ばいきんまん……しっかりしてくれ……」
UFOから放り出され、触角は折れ、足はおかしな方向に曲がり、羽はボロボロになったばいきんまんがいた。
アンパンマンは分かっていたのだ。
アンパンチを下に打ち下ろせば、どうなるかを。
吹っ飛ばれたばいきんまんが、地面に向かって一直線に落下したらどうなるかを!
ばいきんまん「……おれ様、負けたのか」
アンパンマン「ばいきんまん……気付いたのか……!」
ばいきんまん「……おれ様、心のどこかで分かってたんだ……」
アンパンマン「え……?」
ばいきんまん「お前が正しいって……間違ったこと言ってないって……」
アンパンマン「何の話を……してるんだ……!」
ばいきんまん「たぶん……おれ様、お前とケンカしてても……自分より悪いやつがいたら協力して倒してたんだろうな……」
アンパンマン「ばいきんまん…!? あの話、聞いて……」
ばいきんまん「分かってたのに……お前が本気で戦ってないって知って……許せなかったんだ……」
アンパンマン「それは違う! 違うよ、ばいきんまん! 僕は普段から本気で……」
アンパンマンは必死に弁解しようとした。
しかし、ばいきんまんにはもう時間がなかった。
だから、彼は最後に一言だけ残して逝った。
ばいきんまん「ごめん……な……」
アンパンマン「うわあああああああ!」
ハニワ岩島に叫び声がこだまする。
アンパンマンの顔を濡らした通り雨は過ぎ去っていた。
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